不知火 要は勇者でない   作:SoDate

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六話、投稿になります
山も谷もない日常回です

【お知らせ】
誠に勝手ではありますが、五話の終盤の内容を変更させて頂きました
変えた理由に関しては活動報告をご覧ください


六話, 日常

 のどかな休日、太陽が昇りきってからすぐ

 俺は自分の家から少し離れた空き地で、不知火先生と向き合っていた

 

「それじゃ、早速始めるか」

「はい、お願いします!」

 

 俺はそう言うと両手に持った練習用チャクラムを構え、要さんに向かっていく

 

「はぁっ!」

「重心が利き腕き偏り過ぎだ」

 

 要さんに向かってチャクラムを振るった直後、足を引っかけられた俺はそのまま地面に激突する

 

「ほら、大丈夫か?」

「大丈夫です、次お願いします」

「...いや、今日はここまでにしよう」

「どうしてですか!?」

「今日は重心が偏らないようにすることを第一にする...今日はひたすら武器を振って振って振り続けろ、片手ずつじゃなく、両手で振ることを意識するんだ」

 

 その言葉共に不知火先生はベンチに座り込んでしまう

 

「今日って...それだけですか?」

「あぁ、戦い方をどうこうよりも、まずは危なそうな癖を直す所から始めないとな」

「危なそうな癖って...なんか経験でもあるんですか?」

「いつだか忘れちまったが、やらかしそうになったことはある...だから重心が片方による癖は直したほうがいい」

 

 本当に...一体何をしてたのか分からないなこの人は、けど実際にそれで怪我しそうになったっててことは今の俺の戦い方は結構危ないんだろうなぁとは思う、それから俺はひたすらチャクラムを振り続ける

 

「八重樫、今度は重心が聞き手と逆に寄り過ぎだ」

「はい!」

 

 意外と重心がどちらか片方に寄っているというのは理解しずらいもので、不知火先生に言われなければ実感することが出来なかった

 

 

 

「よし、今日はここまでだな」

「終わりですか?」

「あぁ、休憩入れたって言ってもかれこれ一時間振りっぱなしだ。それにお前、今日は何か予定があるんじゃなかったか?」

「そうだった、今日はみんなでイネスに行く予定だった」

「なら、ちゃちゃっと準備してイネスに向かった方が良いだろ、それに今日は俺も予定がある」

「安芸先生とですか?」

「どうして安芸ちゃんとって発想になる」

「違うんですか?」

「違う」

「じゃあ誰なんですか?」

「少なくと、俺個人の用だな」

 

 不知火先生個人の用時...かなり気になる

 

「ほれ、とっとと帰って準備したほうが良いんじゃないのか?」

「...そうですね、そうします」

 

 

 

「って事が今日あってさ」

「へぇ...というか徹って不知火先生と特訓してたんだ」

「やえくんも頑張ってるんだね~」

「それにしても気になるわね...不知火先生は秘密も多そうだし」

「まぁそれは置いといて...ジェラート食べようぜ!」

「そうだな、そうするか」

 

 それからジェラートを食べながら、何処に行くかを話し合った結果。全員の意見が一致したという事で本屋に行くことになった。なんの変哲の無い日常だったが、ホントに今日も平和だなぁ

 

 

 

 

 

 平和な休日を過ごした翌日の神樹館、その休み時間。俺達四人は黒板を使ってお絵描きに興じていた

 

「須美のそれ、なんだ...?」

「翔鶴型航空母艦の二番艦、瑞鶴よ!」

「ガチすぎるだろ!」

「でしょう!? 旧世紀...昭和の時代に数々の戦いで活躍した我が国の空母よ! 囮になって最後の最後まで頑張ったの!」

「須美ってそういうのやたら詳しいよな」

「夢は歴史学者さんだから」

「真面目か!」

「結構須美っぽいぞ」

 

 他の子たちは宇宙飛行士とか警察官と言っている中で歴史学者なのが実に須美っぽいというかなんというか、反応に困る

 

「三人は何か夢があるの?」

「私は~...小説家とかいいなって思って、時々サイトに投稿したりしてるんだよ」

「あー、なんか納得」

「独特の感性だものね」

「俺は良いと思うぞ?」

 

 小説家ってのは園子に合ってる気がする、そうなったら締め切りとか守れるのだろうかとも思ったがマイペースなだけでしっかりしているし何だかんだで園子は大丈夫な気がする

 

「徹は?」

「そうだなぁ...ありきたりな気がするけど警察官とか?」

「へぇ、なんで?」

「やっぱ困ってる人を助けるって...なんかいいじゃん?」

「わかる! アタシも幼稚園の頃は皆や家族を守る美少女戦士になりたかったなぁ」

「じゃあ、今は?」

「え? ...あー、うん、へへ...」

「なんで照れるの?」

 

 園子がそう言うと目に見えて照れ始めていたが一度呼吸を整え、もじもじしながら話始めた

 

「いやぁ、家族って良いもんだから。普通に家庭を持つのもアリかなって...? つ、つまり...お、お嫁...さん...?」

 

 やはり照れっぱなしながら銀がそう言うと須美と園子は三人でくっついてじゃれ合っていた。銀の方もめっちゃ照れているのを見ると、何か分からないが...よく分からないものに目覚めそうになる気がする

 

 

 

 

 

 夢に語ってよく分からないものに目覚めかけた翌日の事、もうすぐオリエンテーションと言う事もあり、安芸先生から六年生としての自覚をしっかり持つようにと言う注意を受け、俺達四人は園子の机の近くに椅子を集めてオリエンテーションについて話していた

 

「オリエンテーションって何をするんだっけ?」

「一年生と一緒に楽しく遊ぼうってことじゃない?」

「どうなんだろう、鬼ごっことかかくれんぼとかすればいいんじゃないの?」

「...相手は真っ白な一年生、であれば...!」

 

 なーんか須美に変なスイッチ入ってる気がする

 

「将来を見越して愛国心の強い子供達を育成することも私達の任務の一環と言えるわね!」

「言えるか?」

「言えないと思うぞ?」

「なんだか楽しそう~、それじゃあ、早速計画を立てよう~...あれ?」

 

 そういった園子は机の中からノートを取り出そうとしていたようだが、俺達の前に出てきたのは園子のノートではなく一枚の手紙だった

 

「引き出しに手紙が入ってたよ、なんだろ?」

「果たし状か!?」

「不幸の手紙かも知れないわ! 気を付けて!!」

「いや、そうはならんやろ」

 

「えーとぉ、最近、気が付けば貴方を見ています」

「やっぱり決闘か! 場所は何処だ!」

 

 彼女たちの思考回路はどうなってしまっているのだろう、勇者のお役目でついにぶっ壊れたのだろうか

 

「私は貴方と仲良くなりたいです」

「須美、取り合えず塩はしまおう」

 

 というか何処から塩を出した、そしてなぜ塩を学校に持ち込んでいる

 

「お役目で大変だと思いますが、だからこそ支えになりたいです...だって」

 

 手紙の内容を聞いていくうちにどんどん赤くなっていった銀は内容を聞き終えると、あたふたながら話を始めた

 

「も...もももしや、これって...あれじゃないか!? あ、頭にラのつく」

「羅漢像!?」

「須美さんそれは、頭文字が”ラ”じゃなくて”羅”だね。羅だけどラじゃないね...ラブレターでしょ」

「あぁ! ラブレター...」

 

 須美さん、しばしのフリーズの後顔真っ赤になって慌て始める。そんな中園子はいつも調子で特に照れた様子はない

 

「そっかぁ、私ラブレター貰っちゃったんだぁ、嬉しいなぁ~」

「なななんでそんな落ち着いているの!? こっここ恋文を貰ったのよ!?」

「字とか封筒とか見ればすぐわかるよ。出した人、女の子だよ?」

 

 その言葉を聞くと、銀は安心したような表情に変わり須美の方はそれはそれでも問題なのではみたいな表情をしていた、まぁ気持ちは分からなくないけど

 

 

 ラブレター騒動があったその日、学校から帰って今日纏まったオリエンテーションでの自分の役割を予習していると、隣にある鷲尾家の庭でお炊き上げをしている須美の姿が見えました...何があった

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