目の前に広がっているのは大量の星屑に満開した勇者が一人...その勇者も他と違って殲滅戦が得意なバカ火力
「さてと、この姿は防御力なら折り紙付きだが...どうするかな」
俺にとっての勝利条件は東郷...いや、鷲尾の後ろにいるデカブツを倒す事か...鷲尾を説得できる奴らが来るのを待つこと。鷲尾の攻撃と星屑どもの突進を守り、いなし続けるが考えるだけ無駄だな
「今はとりあえず出来る事をする...」
「さっきからブツブツと何を...ッ!」
まずは一か所、残りの砲門は七つ。とりあえず輪入道だと相性悪いな...敵の攻撃を避けながら一撃を当てるとなると、アレか
「ちょっとした衣替えだ、
続けて俺の身体に卸したのは義経、これも
「これで二つ目」
「何なんですか...それ」
「ちょっと知り合いの力を借りてるんだよ」
「知り合いの力?」
「気にすんな...友達は多いほうが良いってだけだ、続けていく...あぶねッ!」
東郷に気をとられ過ぎて周りにいる星屑の事をすっかり忘れていた、襲ってくる星屑を足場に使いながら移動する、途中東郷からの砲撃が飛んでくるが足場にしてる星屑ぶん投げれば投げたのとは反対の方に進めるし、星屑も片付けられる...一石二鳥だが
「さっきから妙だな...デカブツの方に動きが無さすぎる」
さっきから俺の方を襲ってくるのも星屑ばっか...まさかと思いデカブツの方に目を向けると少しずつエネルギーが集まっているのが見える
「不味い...ッ!」
「やらせません」
「分かってんのかって聞いても無駄か! お前の狙いはそれだもんなッ!」
そうこうしているうちにも火球はどんどん巨大になっていき、放たれた。急いで火球を追おうとするがこの場所からじゃ追いつけない
「うぉぉぉぉぉぉ!! 勇者ぁぁぁ、ぱぁぁぁぁぁんち!!」
火球を真正面からぶん殴り、相殺する
「...主役は遅れてやってくるって奴か」
「すみません、遅れちゃって」
「気にすんな...それより、東郷は任せて良いか?」
「はい、任せてください」
「それじゃ...雑魚は俺に任せろッ!」
雑魚を纏めて叩き潰すなら、
「
「増えた!?」
「こういう力なんだ...とっとと行くぞ!」
さてと...お前もさっさと来いよ、八重樫
「友奈...師匠...」
燃えるながら友奈たち向かうあの小型の事を相手にしている友奈と師匠の二人を見上げていると、風先輩が口を開いた
「...東郷、自分への攻撃をかわしながらあのでかいのを護衛してるって言うの? 神樹様に向かわせるために...早くあいつを、封印しないと...」
「風先輩ッ!」
倒れた風先輩の事を受け止めるとそのまま地面に下ろす
「徹...」
「風先輩、俺も行ってきます」
師匠から渡されたスマホと、自分のスマホの二つを起動する
「護人...システム?」
師匠から渡されたスマホの中に入っていたのは、勇者システムと似てるけどちょっとだけ違うものだったが、何処か懐かしさを覚える
「よし...行こう!」
勇者アプリと護人アプリ、二つのシステムを起動した俺の周りに二色の花弁が吹き荒れ、勇者服を形成していく。普段から俺の来ている勇者服の上から、鎧のようなパーツが装着されていく。勇者服の装着が終わり俺の手に握られていたのは、蛇腹剣ではなくチャクラム
「なんか、懐かしい感じだ」
少し体を動かした俺は、思い切り跳躍して東郷と友奈の元に向かう
「東郷! 友奈!」
「八重樫君...」
「徹くん!」
「悪い友奈、遅くなった...師匠も」
「俺は気にしてねぇよ」
「私も、気にしてないよ!」
「ありがとう」
友奈に並んで、東郷の前に立ちふさがる
「東郷、もう一度言うぞ...お前は本当にそれでいいのか?」
「そうだよ! そいつが辿り着いたら、私達の世界がなくなっちゃうんだよ!」
「それでいいの...一緒に消えてしまおう」
「よくない!」
「あぁ...そんなの絶対に、認めない!」
俺と友奈は東郷の方に真っすぐ向かいながら、切り札を切る
「「満開!」」
満開した俺と友奈の二人はそのまま巨大バーテックスの方に突っ込む、途中で出てくる雑魚は...
「雑魚は俺が抑える! 行けッ! 友奈ぁ!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
友奈がデカブツに一撃叩き込むと中から御魂が出てきた
「御魂!」
「だめッ!」
御魂に攻撃をしようとした友奈を東郷が遮るのを見てすぐ、俺達は東郷の方を向く
「何も知らずに暮らしてる人達もいるんだよ、私達が諦めたらダメだよ! だってそれが...」
「勇者だって言うの!? そうやってずっと他の人の為に自分の幸せを犠牲にし続けるの!?」
「犠牲なんて思ってない! 俺達は...俺は他の人の笑顔を守れるなら...!」
「他の人なんて関係ない!!」
「一番大切な友達を守れないんだったら勇者何て意味ない...頑張れないよ」
「東郷...」
「友奈ちゃんも徹くんも、あのままじっとしていればよかったのに...眠っていればそれで済んだのに...もう、手遅れだよ」
「「手遅れじゃない!」」
「バーテックスは今からでも倒せばいい!」
「そうだ、壊しちまった壁だって直せばいい!」
「そんなことを言ってるんじゃない! ...戦いは終わらない、私達の生き地獄は終わらないの。こんな仕組みの言いなりになって生きてる事が地獄なんだよ!」
「地獄じゃないよ! どんなにつらくても私が...私達が守る!」
「散華を続ければいずれ大切な気持ちや想いも失くしてしまう、忘れちゃいけないことを忘れてしまうんだよ? 大丈夫な訳ないよ!」
「違う! たとえ今は忘れてしまっても...大切な気持ちも、想いも! 心の中には残ってる!!」
「友奈ちゃんやみんなの事だって忘れてしまう...私にはそれを仕方ないなんて割り切れない、徹くんのように考えられない...一番大切なものをなくしてしまうのならいっそ...でも、死ぬことさえできないんだよ!」
東郷の言ってることだってわかる、この世界には俺や友奈のように考えられる人が少ないこと分かってる...けど
「「忘れないよ! (ねぇよ!)」」
「...どうしてそう言えるの」
「私はめちゃくちゃ強く、そう思っているから!」
「俺だって同じだ! 世界中の人から東郷が忘れられたとしても、俺だけは絶対に
自分の中の、別の部分が叫んだ気がした...いや、今は覚えていないその部分が、
「私達も...きっと、そう思っていた...今はただ”悲しかった”という事しか覚えていない...自分の涙の意味が分からない!」
自分の想いを、恐れている事を爆発させて、彼女は叫ぶ
「嫌だよ! 怖いよ! きっと友奈ちゃんも忘れてしまう! だから...こんな世界!」
我武者羅に放つ東郷の一撃が俺達の方に向かってくるが、友奈の前に立って俺がその攻撃を防ぐ
「徹くん!」
「行け、友奈! 俺じゃダメだ...他でもないお前じゃないと、だから行けッ!」
「うん!」
友奈を東郷の元に向かわせると、俺は地面に倒れこむ
「良かったのか?」
「師匠...はい、これで良かったんです。今の東郷に必要なのは...俺の言葉じゃないと思うんで」
「そうか、お疲れさん...それにしても、お互いボロボロだな」
「ですね」
しばらくして、一緒に寝ころんでいた師匠は立ち上がると、俺の方に手を差し出す
「そろそろ最後の大仕事だ...行けるな」
「当たり前です! 東郷にあんだけ言ったんだから、ここで休んだらかっこ悪いでしょ!」
師匠の手を取り立ち上がって、二人でデカブツの方を見ると気合いを入れ直した