不知火 要は勇者でない   作:SoDate

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今回の話は勇者の章3話(2期10話)と4話(2期11話)の間になります


勇者の章, 幕間

 犬吠埼姉の事故から数日、こっちはこっちで情報を集めているが主だったせいかを得ることは出来ていない。白神教関連の資料にも天の神に関する信仰、そしてその力の研究の情報は残されていたが肝心のタタリ関連の情報は一切記載されていなかった

 

「……いよいよ手詰まり感が出てきたな」

『だねぇ、ビックリするくらい情報ないね』

「残りはご先祖の資料だけなんだが……経年劣化激しすぎて読めたもんじゃねぇしな」

『他の情報ソースって言うと、やっぱり大赦じゃないの?』

「あの組織がこっちに情報回してくれるとは思えん」

 

 長生きした都合上、俺の立場は結構上の方らしいんだが名前だけってのが真実で権力的には何も持ってないのが真実……さてと、本格的にどうしたものか、そんな風に考えていると机に置いてあるスマホに着信が入る

 

「冬馬、って事は勇者システムの調査終わったのか」

『そういえば、全く連絡なかったっけ』

「あぁ、思った以上に難航してたっぽくてな……もしもし?」

『不知火さん、お疲れ様です』

「そっちもお疲れさん、それで勇者システムのことか?」

『えぇ、実際に見てもらった方がいいと思うので、こっちに来てもらっても良いですか』

「構わねぇよ、すぐ向かう」

 

 勇者システムのソースコードに何かしらの不具合が見つかったのか、それとも何か別の要因が見つかったか。どっちにしろ実際に見た方がいいって本人が言ってるのだからそっちの方がわかりやすいのだろう

 善は急げ、事務所から出た俺はさっそく大赦まで向かう

 

 

 

 

 

 事務所からバイクを走らせること数時間、神社の本殿みたいな建物の方に向かっているとYシャツにビジネスズボン、それに白衣を羽織っていかにも研究者みたいな見た目の冬馬が手を上げてくる

 

「顔合わせるのは久しぶりだな」

「そうですね、それじゃあ行きましょうか」

 

 冬馬と一緒に研究室までやってくると、早速パソコンの方まで案内される

 

「ここです」

「これ、どうなってんだ?」

 

 ソースコードの特定の場所、恐らくバリアに関する場所がまっさらな状態になっちまってる、下手なプログラムの入力ミスってレベルじゃないなこれ

 

「見ての通りです、この部分だけコードが抜き取られたみたいにまっさらな状態になってしまってるんです」

「抜き取られたねぇ、そういえばバリアの仕組みってどうなってるんだ? システム側のプログラムと精霊の力を合わせてるってのは知ってるんだが」

「そういえば、説明してませんでしたっけ」

「あぁ、聞いた覚えない」

 

 勇者システムのアップデートに多少なりとも関わっているのだが詳しいところはノータッチなのだ、正直実際に動いて使用者の事を守れるならそれで良いと思ってたし

 

「それじゃあ、改めて簡単に……精霊バリアのプログラムはあくまでも精霊の補佐をするものなんです」

「補佐?」

「はい、バリアを張るのはあくまでも精霊のエネルギーです、システムはそれを正確に張るためのサポートをしてるだけなんです」

 

 バリアを張るのが精霊なら犬吠埼姉の事故の時はどうして精霊はバリアを張らなかったんだ……いや、この場合は張らなかったんじゃなくて張ることが出来なかったって考えた方がいいのだろうか

 

「ともかく、そのサポートする部分のシステムがごっそり消えちまってるんだな」

「えぇ、バックアップは取ってあったんで今は修正済みです。それにしても前後の記録を見ると外から何かしらの干渉を受けた以外考えられないんですよね」

「干渉?」

「えぇ、ちょっとこれ見てもらっていいですか?」

 

 次に飛羽真が見せてきたのは犬吠埼姉が事故に遭った日のプログラムの稼働記録、途中まではスリープ状態だったがバリア展開の座標軸の設定などを始めた瞬間。プログラムが急に止まり、そこで稼働記録も途切れている。そして記録が再び再開された時はバリアに関する部分が消失してしまっている

 

「この件春信たちには伝えたのか?」

「えぇ、一応上層部には報告済みです……何か対処をするとも思えませんけどね」

「そこら辺はひよりたちが動くだろう」

 

 今このタイミングで干渉をしてくる存在は天の神と見て間違いなさそうだが、どうして結城じゃなくて犬吠埼姉を狙った? タタリを受けているのは結城だけじゃなかったのか、それとも俺の知らない何かしらによってタタリが発動するスイッチが入ったのか? そもそもタタリの効果を知れない以上何がどうなってそう言う事態に陥ったのかを知るのは無理だ

 

「不知火さん?」

「……あぁ、どうした?」

「いえ、何か考えこんでるようでしたので」

「あーっと、少し厄介な依頼が舞い込んでな、どうするかって考えてたんだ……それじゃ、俺はそろそろ行く。情報共有ありがとな」

「えぇ、今後も何か分かったらお知らせします」

 

 冬馬と別れて研究室を出て外に向かって歩いていると、丁度前から見知った顔が歩いてくるのが見える

 

「あ~、不知火先生」

「乃木」

「こんにちは、ここで会うなんて珍しいですねぇ」

「そうだな、つっても俺はもう帰るところだが。乃木の方こそ、今日はどうしてここに?」

「私はちょっと調べもの~、そう言う不知火先生はなんで大赦まで?」

「冬馬からちょっと呼び出しを受けてな……それじゃ、俺はもう行くよ」

 

 

 そう言って乃木の横を通り過ぎ、俺は大赦を後にした

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