動き出す刻   作:屋根裏散歩

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第十一話 お出掛け 後編

「士郎君、何か面白いのあった?」

 

明石がプラコンテナに無造作に入れられたノートパソコンを漁りながら声を掛けてきた。

 

「めぼしいのは2つかなぁ」

 

僕はB5サイズの薄型ノートを二台手にしていた。

 

「へー、どちらも新し目ね……………シンクパッドの方は動作チェック出来そう?」

 

明石がシンクパッドの方を指さした。

 

「残念だけど……………テスト用の電源ないみたいだね、こっちのアイデアパッドはまだバッテリーが残っていたから起動はしたよ…持ち方によっては電源落ちるけど」

 

アイデアパッドを明石に渡した。

 

「ふーん、この症状なら簡単に直りそうね、メモリーとストレージ、ACアダプタを買わないとね」

 

僕は明石からアイデアパッドを返されると、必要な部品を調達した。

 

「明石の方はなんかあった?」

 

僕は明石に聞いてみた。

 

「私はこれね」

 

明石がグレーのA4フルサイズノートパソコンを手にしていた。

 

「この子、どうやら前のオーナーに改造されているらしくて、初期のデータとスペックが違うのが理由でジャンク扱いなんだって、パット見た感じ大幅にアップグレードされているようだから買いね」

 

明石も僕と同じように必要は部品を買っていた。

 

「わっ、私もこれを!」

 

夕張も僕と同じサイズのノートパソコンを手にしていた。

 

「このノート、ジャンク理由がベタ付きだけなんです、無水エタノールで拭けば綺麗になりそうなんで……………」

 

僕達はそれぞれの物を買うためにレジへと向かった……………店員さんがなぜだか会計を纏めた、支払いは僕だった。

 

「士郎君ありがとね」

 

満面の笑みで明石が荷物を持ってくれた。

 

「士郎さんありがとうございます」

 

夕張までもがお礼を言ってきた……………とても立て替えただけとは言えない状況になっていた。

 

「此位お安い御用で……………」

 

僕は見栄をはることにした……………はるしかなかった。

 

そして駐車場に向かう途中、僕はとある模型店に入った。

 

「ここならあるかなぁ」

 

僕はスケールキットのコーナーを探した。

 

「お客様、なにかお探しですか?」

 

店員が声をかけてきた。

 

「フジミの1/350扶桑を探してるんだけど」

 

僕は商品名を店員に伝えた。

 

「扶桑ですね、こちらですね」

 

店員に案内されて艦船模型のコーナーについていった。

 

「何種類かありますが」

 

店員が指さした先にそれはあった。

 

「これです」

 

僕はメタル砲身やエッチングパーツがセットになっている物を指差した。

 

「プレミアムモデルですね」

 

店員はそれを取ると僕に渡してくれた。

 

「これを」

「かしこまりました」

 

僕は店員についてレジへと向かった。

 

「2万6千円です」

 

僕は財布からお金を出すと店員に渡した。

 

「丁度お預かりします」

 

別の店員が商品に包装紙を掛けてくれていた。

 

「これで買い物も済んだし……………あとはお土産にケバブを買おうか」

 

警備兵のお土産コールを無視できなかった、兵士とはいえ女の子にお土産がケバブとはどうかとも思ったが、秋葉原らしいので良しとなった。

 

「ただいまぁ、山城何かあった?」

 

僕は執務室で警備兵の責任者にお土産のケバブを渡すと山城に留守中のことを聞いた。

 

「平穏無事ですよ、それより提督の持っているそれって……………扶桑姉さまの!」

 

山城が僕の買ってきた扶桑の模型に喰い付いてきた。

 

「前々から探していたのがあったからね」

「提督のお部屋に飾られているのが、大和、赤城、長門、阿賀野、最上、雪風、三笠と現用艦船でしたから……………その「あとは陸奥と山城も探してるんだけどね、扶桑を作り終えたら、今回山城もあったから買おうと思ってるよ」」

 

僕の次回建造が自分だとわかると山城が嬉しそうに微笑んだ、

 

「陸奥さんのも探してあげてくださいね」

 

しっかりと陸奥のことも気にかけていた

 

「陸奥も国内メーカーが出してるから……………メーカー直販で探してみるよ……………となると金剛型四姉妹も揃えたいな」

 

最後の方は僕の欲望か口を出た。

 

「あらあら、火遊びは?」

 

陸奥が執務室に途中からやってきて、話の流れに乗れずにワタワタしていたが山城が今までの流れを話すと、一言呟いた。

 

「勿論、浮いている姿よね……………海底に散らばる残骸を再現なんて」

 

陸奥が変な方に考えていた。

 

「1941年時点の姿を再現らしいよ……………砲身は真鍮の挽物、甲板は木製にするけど」

 

陸奥が飾られていた長門をみた。

 

「へぇー、やけに甲板に質感があると思ったら、本当に木製なのね、今の模型って凄く細かいのね」

 

陸奥が赤城の飛行甲板を裏から覗き込んでいた。

 

「それは……………オプションのエッチングパーツと全て置き換えたから……………もう懲りた」

 

僕のボヤキを聞いた山城が、

 

「まぁ私達の模型なら個々までは…」

 

と言いかけて作りかけの三笠を見て固まった。

何故なら甲板上の構造物の大半がエッチングパーツの金色に輝いていたからだ。

 

「山城、戦艦の方がもっと細かくなるよ…………」

 

僕は長門で使ったエッチングパーツのパーツリストを見せた。

 

「まぁ戦艦の方が見える部分が多いから置き換えた場合の精密さは尚更なんだよね」

 

僕達は笑いながら執務室を出ると咲先輩のやっている喫茶店へと向かった。

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