「はい此方鎮守府提督執務室です……………」
大淀が何処かからの電話に出た。
「提督、1番に艦娘海軍法務部からお電話です」
「1番ね」
「はい」
僕は大淀からの転送電話に出た。
「はい鎮守府提督 稲葉です」
「艦娘海軍法務部の者ですが、現在○□艦娘保護施設に収監されている最上と提督の面談要請がありまして‥」
電話の内容は最上達との此れからについての面談要求だった。
「私は構いませんが、いつ行けば宜しいのですか」
「明後日の午後1番にで如何でしょうか、護衛の艦娘二名以上の同行も併せてお願いします」
「わかりました、では明後日の十三時に」
「それでは明後日の十三時でご用意いたします」
僕は電話を切ると、2名の艦娘を呼び出した、
「明石並びに山城は執務室迄」
僕は二人が揃うのを待つと、先程の電話の内容を話した。
「先程、法務部から電話があり、保護施設に収監された最上達との面談があるそうだ、僕はそれを受けることにした……………これに伴い同行すると護衛艦娘2名を明石と山城とすることにした、頼めるか」
僕は二人をみた。
「了解しました」
僕は二人の返事を聞くと、警務課へと内線を入れた。
「稲葉ですが、明後日○□県にある艦娘保護施設に行くことになりました、ついては運転手と補助として二名の人員手配を」
此方も問題なく手配された。
ーーそして当日ーー
「提督どうぞ」
僕は公用車であるエルグランドのニ列目シートへと乗り込んだ、勿論前席は警務課から派遣された女性隊員二名が私服姿で座っている、二列目は僕と明石、三列目に山城と当日になり私もと頼み込んできた千歳が座っている。
早朝鎮守府を出発した僕達の車は高速道路のサービスエリアで何回か運転手交代と休憩を挟みながら午前中に○□県に到着した。
「保護施設迄三十分位です、予定時間よりもかなり早く付きますが…」
僕は運転手の隊員から大まかな到着時間を聞いた、
「そうだね、どこか適当なお店に入ってお昼を先に済ませようか……………」
僕の提案に全員は頷いた。
「とはいってもなぁ、あるのはファーストフード店ばかりとは……………」
「提督、この先にファミレスがあるようです」
助手席でナビ画面を見ていた隊員が教えてくれた。
「そこにするか……………まぁファミレスならハズレはないだろうから」
僕達はそのファミレスの駐車場に車を入れた、
「士郎君、私服で正解でしたね」
千歳が小声で僕に話しかけた、
「そうだね」
何故ならお店の入り口にある張り紙に、制服姿での入店お断りとあったからだ、つまり警察官や軍関係者等の制服組(当然迷彩服も)は入るなということだ。
「どうせ、理由は恐怖を与えるとか意味不明なものでしょうね」
明石も呆れながらその張り紙の話をしていた。
僕達は店員の案内で席につくと、それぞれ食べたいものを注文した。
「ねぇ、あの入り口の張り紙って?」
僕は思い切って店員に張り紙の事を聞いてみた。
「あぁあの張り紙ですか、気にしないでください、あれは市民団体が勝手に貼っていったものです、気が付いたら剥がしているのですけど…いつの間に…営業妨害で困っているんです、ホントに……………市民団体とかいって十人にも満たない極小な団体ですけどね」
店員は困った顔をしながらその張り紙を剥がしに行った。
「この街には基地もあるから商店にはいい迷惑なんだろうね、あんな張り紙を勝手にされたら」
僕は運ばれてきた料理を食べながらそう呟いた。
因みに、警務課の二人はチキン南蛮ランチを、千歳はサバの味噌煮定食、山城は天麩羅定食、僕と明石は鶏天定食を注文していた。
「みんな食べ終えたね、それじゃぁ行こうか」
僕は会計を済ますと、また車に乗り込んだ際に、
「士郎君御馳走様」
と全員から言われた……………まぁいいけど。
艦娘保護施設迄このあと問題も発生せずに到着した、
「さてと着いたね」
僕は車を降りると保護施設のゲートをくぐった。
「お待ちしていました、稲葉提督と護衛艦娘さんですね」
保護施設の警備兵が出迎えてくれた、
「運転手と助手の方は此方でお待ち下さい」
警務課の二人は専用の待機室へと案内されていった。
「それでは、稲葉提督と護衛艦娘さんは此方へどうぞ」
僕達は警備兵に案内されて面会室へと向かった。
「規則となりますので武器若しくはそれに類する物はお預かりいたします」
途中警備兵から面会に際しての規則についての説明を受けた。
「わかった」
面会室に入る前に案内された部屋で僕達は拳銃や警棒といったものを刑務官ヘ預けた。
「それでは此方でお待ち下さい」
僕と明石、山城、千歳は強化ガラスで仕切られた部屋に通された。
「提督がお待ちです」
その声と共に僕達の眼前の扉が開いて警備兵に付き添われた最上と三隈が入ってきた。
「提督……………わざわざすみません」
最上が僕をみると俯き加減に来たことに対して謝罪した、
「僕は構わないけど」
何処と無く最上の表情が緩んだ。
「二人共互いに恨んだりしているか?」
「いえ恨んでいません、今は後悔しか」
三隈が答えた。
「……………二人に確認したい、何処まで事実を知ってる?」
僕の問に、
「殆ど聞かされてない…です」
僕は二人に真実を話すことにした。
「三隈にはショックかも知れないが聞いてほしい、確かにうちには祖父からの遺産相続で約2億円の不動産と現金があった…そしてそれは祖父からの遺言で僕達孫の代で分割相続となったんだ、まぁ孫は八人だからひとり頭二千万円残りは親の世代で均等割となったんだ…ここまではいいかな」
僕はここまでは話すと二人を見た。
「はい」
「じゃぁ続けるね、当然晶にも二千万円の相続があってまだ僕達は小さかったから晶の分は母さんが引き受けたんだけど聞いてるかな?」
僕は遺産相続の件を晶に確認した、
「何も聞いてない…そんな話」
「だろうね、母さんはお金に目が眩んで僕と父さんをね…まぁこの話はまた後でいいか、そして僕の相続分のお金も手に入れようと画策するようになった、まずは晶にも嘘の話を小さい頃からお金を独り占めしたして信じ込ませ、僕を憎むように仕向けた、最終的には晶の手で僕を殺害して僕の遺産の半分を狙ったんだ」
僕の話に三隈が疑問を投げかけてきた。
「ちょっと待って下さい、離婚しているのでお父様が相続して終わりなのでは?」
「そこなんだけど、僕が死んだ場合、父さんと晶で当分に分けて相続とされてきたんだ、そして更に晶と三隈にも艦娘特別保険を掛けて、二人分の保険金も手に入れようとした、まぁこれは最悪の判決だった場合おりないけどね」
僕の話を聞いた三隈がショックを受けたような顔をしていた。
「そんな……」
そして僕は一番重要なことを話した。
「此処が一番重要なことを何だけど、二人の父親、晶にとっては義父だけど、この人物は病死ではなく母さんに殺されたそうだ、自分から僕達の遺産横取り計画を持ち掛けておきながら、自らも殺されるとは思ってなかっただろうね、最後に三隈はDNA鑑定の結果…僕達と兄妹であることが確認された…つまり異父兄妹だね」
これには晶もびっくりした顔をしていた。
「提督が本当のお兄さん…なの…」
三隈もこれには驚いていた、
「これからについてだけど、二人さえ良ければ鎮守府に復帰もできるけどどうする、僕的には戻ってきて欲しいかな、やっぱり妹だしね」
二人が泣き出した。
「お兄ちゃん…ありがとう、少し考えさせてください」
この日の面談は終了となった。
「では結果は後日ということで」
保護施設の責任者からこれからのことを聞くと僕達は鎮守府へと帰ることにした。