動き出す刻   作:屋根裏散歩

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第三十話 陸自から

「提督、陸自駐屯地司令から一番にお電話です」

 

秘書艦の時雨が僕に伝えた。

 

「有り難う」

 

僕は時雨に返事をすると電話に出た。

 

「おまたせしました鎮守府提督の稲葉です」

「駐屯地司令です、折り入ってお願いがあるのだが………」

 

何か言いにくそうな雰囲気だった。

 

「実は、我々の駐屯地が規模縮小になってな、人員の削減をしなければならなくなって…退官するか、海自若しくは艦娘海軍への転属という事になってな………それでな、できれば稲葉提督の鎮守府で受け入れてもらえないだろうか」

 

陸自からの人員受け入れての打診だった。

大淀から人員の大幅な増員を受けていたので、了承することにした。

 

「願ってもないことですが…人数はどれくらいですか」

 

大淀の意見はあと30人は欲しいと言っていた。

 

「25名です、提督の結婚パーティーに参加した娘は全員希望していたよ、希望者の面談をするかね?」

 

駐屯地司令が笑いながら話した。

 

「そうですね、可能ならばしたいですね」

「わかった、それでは明後日の朝一からでどうかな」

 

僕は大淀に予定を確認すると、

 

「明後日の朝一からで問題ありません」

「では手配しておく」

 

僕は駐屯地司令との電話を切ると、

 

「大淀、陸自から25名の転属を受けたので妖精ヘ寮の増築と受け入れ体制を」

 

そして次は………、

 

「扶桑、陸自から25名の転属を受けたので各部署への振り分けを」

 

大淀と扶桑がすぐに動き出した。

 

「先ずは司令部付き警備と女子寮警備ですがそれぞれ24時間3名3交代として5班を編成します、警務隊は24時間8名3交代5班とします、警備だけで80名となります、次は主計科に20名、車両運用隊に4名総計104名となりますので、出来ればあと30名程追加でお願いしてもらえませんか?」

 

僕は扶桑から必要人員のリストを渡された。

 

「判った、駐屯地司令に掛け合ってみるよ」

 

僕は直ぐに駐屯地司令へと電話をした。

 

「鎮守府の稲葉です、先程の転属者の事ですが………あと35名程なんとかなりませんか」

 

僕は人数を少しだけ多めに伝えた。

 

「本当か!そちらで60名も受け入れて貰えるとは有り難い」

 

話し合いは呆気なく終わった。

 

「扶桑、増員は35名追加の60名で確定した」

 

僕の返事を聞いた扶桑が追加の配属先を決めた。

 

「警備課にも事務は必要なので助かります」

 

そして僕は約束の当日、駐屯地へと向かうことにした。

 

「今回は、警務隊隊長と大淀を同行とする」

 

扶桑が直ぐに警務隊隊長ヘ同行と運転手2名の手配を指示していた。

 

「これから駐屯地ヘ向かう、また運転手を頼む」

 

僕は何時もの二人に声を掛けた。

 

「提督さん、今回は隊長も一緒なんですね」

 

助手席の澤田という隊員が聞いてきた。

 

「向こうでの面談とかあるしね」

「神谷隊長も大変ですね」

 

運転席の二階堂という隊員がしきりにウンウン言っていた。

 

「隊長、これが駐屯地司令から送られてきた、転籍希望のリスト見ておいて」

 

僕は隊長に隊員名簿を手渡した。

 

「成程、前回応援に来てくれた隊員が約半数なんですか………あとは、そうですね見た感じ問題ない娘達だと思います」

 

そして車は駐屯地へと到着し、施設内の会議室で個別面談を始めた。

 

「1人約5分とはいえ………お昼でまだ半分にも満たない………まぁ丁度よいのでお昼にしようか」

 

僕は彼女たちの時間に合わせて昼食を取ることにした。

 

「では一旦お昼にしますので残りの面談者は13時30分にこの場に集合でお願いします」

 

駐屯地司令に外出する旨を伝えると、駐屯地近郊のファミレスへと向かった。

 

「何にするか………「私はミックスグリルセットに」」

 

大淀が真っ先に決まった。

 

「私達はチーズハンバーグセットで」

 

澤田と二階堂の2名も早かった。

 

「私はナポリタンセットで」

 

隊長も決まったようだった。

 

「なら僕は…ジャンボハンバーグセット」

 

僕は店員を呼ぶと注文を入れた。

 

「アトドリンクバーと食後にこのレアチーズケーキと苺のタルトセットを」

 

店員が注文を繰り返すと厨房へと戻っていった。

それから程なくして注文の料理が運ばれてきた。

 

「頂きま「提督御馳走様」す」

 

うんみんな僕にたかるつもりのようだ………まぁいっか。

 

それから昼食を終えて駐屯地へ戻ると昼からの面談を再開した。

 

「終わったぁ~」

 

18時を過ぎてやっと昼から続いた面談が終わり、全員の鎮守府転属を問題なしとなった。

 

「それでは駐屯地司令、我々はこれで失礼します」

「お疲れ様、異動日程等の詳細は後日改めて連絡でいいかな」

「はい、それで宜しくお願いします」

 

僕達は駐屯地を出ると、また昼のファミレスへと入っていった。

 

「夕食を食べてかえろうか」

 

それぞれに食べたいものを注文した。

 

「澤田さん達は同じものなの」

「此処のハンバーグ美味しくて」

 

二人は照れながら答えた。

 

「なら僕はミックスグリルを、大淀は?」

 

僕は大淀に聞いてみた。

 

「私も同じので」

「私はカルボナーラを」

 

隊長は昼に続いて夜もパスタだった。

………………結局夕食も僕が出すことになった、だってみんな満面の笑みを浮かべて『ごちそうさま』って言われたら断れないよね。

 




警務隊隊長………神谷 小夜理(大尉)
運転手……………澤田 寛子(伍長)
助手………………二階堂 葵(伍長)

警務隊の登場人物で名前の決まった3名。
警備室要員も次回以降登場会で名前をつけていきます
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