「提督、陸自駐屯地司令から一番にお電話です」
秘書艦の時雨が僕に伝えた。
「有り難う」
僕は時雨に返事をすると電話に出た。
「おまたせしました鎮守府提督の稲葉です」
「駐屯地司令です、折り入ってお願いがあるのだが………」
何か言いにくそうな雰囲気だった。
「実は、我々の駐屯地が規模縮小になってな、人員の削減をしなければならなくなって…退官するか、海自若しくは艦娘海軍への転属という事になってな………それでな、できれば稲葉提督の鎮守府で受け入れてもらえないだろうか」
陸自からの人員受け入れての打診だった。
大淀から人員の大幅な増員を受けていたので、了承することにした。
「願ってもないことですが…人数はどれくらいですか」
大淀の意見はあと30人は欲しいと言っていた。
「25名です、提督の結婚パーティーに参加した娘は全員希望していたよ、希望者の面談をするかね?」
駐屯地司令が笑いながら話した。
「そうですね、可能ならばしたいですね」
「わかった、それでは明後日の朝一からでどうかな」
僕は大淀に予定を確認すると、
「明後日の朝一からで問題ありません」
「では手配しておく」
僕は駐屯地司令との電話を切ると、
「大淀、陸自から25名の転属を受けたので妖精ヘ寮の増築と受け入れ体制を」
そして次は………、
「扶桑、陸自から25名の転属を受けたので各部署への振り分けを」
大淀と扶桑がすぐに動き出した。
「先ずは司令部付き警備と女子寮警備ですがそれぞれ24時間3名3交代として5班を編成します、警務隊は24時間8名3交代5班とします、警備だけで80名となります、次は主計科に20名、車両運用隊に4名総計104名となりますので、出来ればあと30名程追加でお願いしてもらえませんか?」
僕は扶桑から必要人員のリストを渡された。
「判った、駐屯地司令に掛け合ってみるよ」
僕は直ぐに駐屯地司令へと電話をした。
「鎮守府の稲葉です、先程の転属者の事ですが………あと35名程なんとかなりませんか」
僕は人数を少しだけ多めに伝えた。
「本当か!そちらで60名も受け入れて貰えるとは有り難い」
話し合いは呆気なく終わった。
「扶桑、増員は35名追加の60名で確定した」
僕の返事を聞いた扶桑が追加の配属先を決めた。
「警備課にも事務は必要なので助かります」
そして僕は約束の当日、駐屯地へと向かうことにした。
「今回は、警務隊隊長と大淀を同行とする」
扶桑が直ぐに警務隊隊長ヘ同行と運転手2名の手配を指示していた。
「これから駐屯地ヘ向かう、また運転手を頼む」
僕は何時もの二人に声を掛けた。
「提督さん、今回は隊長も一緒なんですね」
助手席の澤田という隊員が聞いてきた。
「向こうでの面談とかあるしね」
「神谷隊長も大変ですね」
運転席の二階堂という隊員がしきりにウンウン言っていた。
「隊長、これが駐屯地司令から送られてきた、転籍希望のリスト見ておいて」
僕は隊長に隊員名簿を手渡した。
「成程、前回応援に来てくれた隊員が約半数なんですか………あとは、そうですね見た感じ問題ない娘達だと思います」
そして車は駐屯地へと到着し、施設内の会議室で個別面談を始めた。
「1人約5分とはいえ………お昼でまだ半分にも満たない………まぁ丁度よいのでお昼にしようか」
僕は彼女たちの時間に合わせて昼食を取ることにした。
「では一旦お昼にしますので残りの面談者は13時30分にこの場に集合でお願いします」
駐屯地司令に外出する旨を伝えると、駐屯地近郊のファミレスへと向かった。
「何にするか………「私はミックスグリルセットに」」
大淀が真っ先に決まった。
「私達はチーズハンバーグセットで」
澤田と二階堂の2名も早かった。
「私はナポリタンセットで」
隊長も決まったようだった。
「なら僕は…ジャンボハンバーグセット」
僕は店員を呼ぶと注文を入れた。
「アトドリンクバーと食後にこのレアチーズケーキと苺のタルトセットを」
店員が注文を繰り返すと厨房へと戻っていった。
それから程なくして注文の料理が運ばれてきた。
「頂きま「提督御馳走様」す」
うんみんな僕にたかるつもりのようだ………まぁいっか。
それから昼食を終えて駐屯地へ戻ると昼からの面談を再開した。
「終わったぁ~」
18時を過ぎてやっと昼から続いた面談が終わり、全員の鎮守府転属を問題なしとなった。
「それでは駐屯地司令、我々はこれで失礼します」
「お疲れ様、異動日程等の詳細は後日改めて連絡でいいかな」
「はい、それで宜しくお願いします」
僕達は駐屯地を出ると、また昼のファミレスへと入っていった。
「夕食を食べてかえろうか」
それぞれに食べたいものを注文した。
「澤田さん達は同じものなの」
「此処のハンバーグ美味しくて」
二人は照れながら答えた。
「なら僕はミックスグリルを、大淀は?」
僕は大淀に聞いてみた。
「私も同じので」
「私はカルボナーラを」
隊長は昼に続いて夜もパスタだった。
………………結局夕食も僕が出すことになった、だってみんな満面の笑みを浮かべて『ごちそうさま』って言われたら断れないよね。
警務隊隊長………神谷 小夜理(大尉)
運転手……………澤田 寛子(伍長)
助手………………二階堂 葵(伍長)
警務隊の登場人物で名前の決まった3名。
警備室要員も次回以降登場会で名前をつけていきます