オーキド「いい加減ポケモンマスター決めよう」   作:幻名

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第二話

とりあえずピカチュウ出してみるか。

サトシのピカチュウと違ってちゃんとボールに入ってるんだな。

 

 

 

「いけッピカチュウ!」

 

 

 

「いけっリザードン」

 

 

 

「いって!カメックス!」

 

 

 

「でてきてフシギバナ!」

 

 

 

 

四人の掛け声に合わせ投げられたボールからはそれぞれポケモンが出てきた。さっきとは違い派手な演出も見せてくれる。

口から豪快に火を吹くリザードン。二門のロケット砲から器用に加減した水を放出し虹を作るカメックス。花の中心から花粉をばらまくフシギバナ。おいバカ花吹雪とかにしとけよ。

フシギバナだけ花粉症の奴殺しにきてるだろ。リザードンも危なかったけどあれはちゃんと人がいない斜め上に向けてだったぞ。

そして、肝心のピカチュウはというと……。

 

 

 

「布団?」

 

 

 

「え、かわいい……」

 

 

 

「……おいレッドォォォ!どうなってんだこれぇ!!」

 

 

 

寝ていた。ボールから布団ごと出てきて寝ていた。

このシーンコラ画像で見たことあるんだけど……。

いやコラじゃなくて普通にアニメで見たことあったわ。コラはたってた。

 

 

 

「ピ、ピカチュウ~……。お~い起きろ~」

 

 

 

「ねえ何で?ピカチュウ反抗期ですか?仲悪いまま旅に出たんですか?」

 

 

 

「いや、何時もはこんなんじゃないんだけど……」

 

 

 

「チャ~……」

 

 

 

「お、目が覚めたか?寝起きで悪いが今からバトルを」

 

 

 

「ピッ!ピカピカ、ピッカ!チャ~」

 

 

 

 

「そう言ってくれるのは嬉しいけどさ、今は何とかダメ?ヨウもまだ雑魚と決まったわけじゃ無いし」

 

 

「おい陰キャ、誰が雑魚だと?初心者に向かってそれは酷いだろ」

 

 

 

「ピカピカピ!ピッカァー」

 

 

 

ピッカァーじゃねえよ。取り敢えず布団から出ろや。

そうそう布団を綺麗に直して、

 

 

 

「二度寝すんなよ!!」

 

 

 

「ピカ~……?」

 

 

 

「なめてるんか?人間なめてるんか?」

 

 

 

「ヨ、ヨウ。落ち着いてくれ。ピカチュウに悪気は無いんだ」

 

 

「悪気無いならやっぱ人間なめてるんか?」

 

 

 

「いやわざとでも無いからなめてないけど……」

 

 

 

お?次はちゃんと布団から出てきて皆の方に向かって手を振って……。

 

 

 

「ピカッ!ピッピカチュウ!」

 

 

 

 

「おいコラァ!俺をなめてんのかぁ!」

 

 

 

 

「ピーカピカピカピカw」

 

 

 

 

お、おのれぇ……!女子クラスメイトからはカワイイって声が沢山あるが、このっ、このぉ~……!なんとも言えない気持ちはどうしてくれようかぁ~?!

 

 

 

 

「チャァ~……。ピッ、ピーカピ」

 

 

 

 

「お!いいのか?おいヨウ!ピカチュウもバトルしてくれるってよ!」

 

 

 

「ホントにぃ~?オチが見えてる気もするんですけど?レベルが高くて言うことを聞かない!とかにならない?」

 

 

 

「いやそんなの無いから安心しろよ。というよりお前起きろよ。何でピカチュウが布団から出たらお前が入った?」

 

 

 

 

皆の視線が俺に刺さる!

……ふぅ。じゃあやりますか。

布団は一応綺麗に畳んで隅に置いとこう。なんか森の中みたいな匂いしたな。感触は普通の布団だった。

 

 

 

 

「ミヅキ!コウミ!テレビでポケモンバトルなんかはよく見てたから技はわかるな?」

 

 

 

「う、うん」

 

 

 

「もちろんだよ!」

 

 

 

 

じゃあ何で名前は知らねえんだよ。

コウタは一々聞かなくてもきっと知ってるしな。

 

 

 

「よし、バトル開始だ!」

 

 

 

 

 

******

 

 

 

 

 

 

ヨウはとりあえず様子見か。指示を出さずボーッとしてやがる……。

ミヅキとコウミは言うことを聞いてくれるか不安なのか、指示を出しあぐねてるな。

 

 

 

「リザードン、フシギバナに《かえんほうしゃ》!」

 

 

 

「グォオオ!」

 

 

 

「えっ!えっと、えっと……」

 

 

 

「バナァ?」

 

 

 

リザードンの口からフシギバナ目掛けて炎が放たれる。

コウタはタイプ相性を理解して弱点をちゃんとつくように指示を出す、か。こういう真面目な奴は後々苦労するんだよな。

……初めてのバトルでこれはキツかったかな。最初は《たいあたり》とかでゴリ押しさせるのは慣れてもらうとかの意味があるのか。今後は気を付けよう。

 

 

 

 

「ピカチュウ《10まんボルト》」

 

 

 

 

「あぁ~?……ピカァッ」

 

 

 

ピカチュウから放たれた電撃が炎を遮る。

…… 《でんきショック》だな。あれ。

炎を無理矢理止めるようだったけど、たまたまか、それとも……。

 

 

 

「兄さん、何でリザードンの《かえんほうしゃ》に被せたの?消えたんだけど」

 

 

 

「んー?偶々だよ偶々。ミヅキー。慌てずに避けるなら避ける。技で応戦するなら技を指示しなきゃポケモンだってどうしたらいいかわかんねーぞー」

 

 

 

 

「うん……。そうだね……」

 

 

 

「コウミもー」

 

 

 

「わかってるよ!最初だから少し緊張しただけ!」

 

 

 

 

「……兄さんはホントに優しいんだから。まったく」

 

 

 

 

「はあ?チゲーよピカチュウがカメックス狙わなかったんだよ」

 

 

 

「カメックスを狙うように指示しなかったよね?」

 

 

 

 

「……。まあ今のは前座だよ前座。こっからが本番だろ」

 

 

 

「そうだよ!さ、ミヅキお姉ちゃんあれやろう!狙いはピカチュウだからね!」

 

 

 

 

「……うん!」

 

 

 

ミヅキ、コウミも不安が消えたか。何をするか分からんがさっきよりも自信がある顔だ。

……アローラも大丈夫かな。

 

 

 

 

 

 

******

 

 

 

 

 

「カメックス、《みずのちかい》!」

 

 

 

 

「フシギバナ、《くさのちかい》!」

 

 

 

「ガメェエ!」

 

 

 

「バァナアァ!」

 

 

 

 

 

コウミとミヅキの指示によってカメックスとフシギバナから技が放たれる。

うっそだろおい!合体技かよ!?

 

 

 

 

 

「ピカチュウ出来るだけ避けろ!」

 

 

 

 

 

「ピカァ~?」

 

 

 

 

 

おいやる気出せや。あ、ほら当たった。本気出せば避けられただろ今の。

いやでもダメージはたいして食らってる様子はない。流石ピカチュウ。そんなことより問題なのは今の技による効果だな……。ゲームだとこっちの素早さが下がる筈だが実際はなんか草木が生えて地面がぬかるんでやがる。確かに足場が悪くなって動き辛そうだ。

 

 

 

 

「……お前らよく合体技なんての知ってたなあ?」

 

 

 

 

「ヨウのおかげでね」

 

 

 

 

「三人でテレビ見てたとき偶々やってたんだ」

 

 

 

 

三人?ミヅキとコウミの二人じゃなくて?

コウタも入れて?

あれ、俺ハブられたの?そこまで嫌われてたの?

普通にショックだわ。

 

 

 

 

「……そうか」

 

 

 

 

 

「兄さん!落ち込んでる暇はないよ!」

 

 

 

 

「……うん。じゃあピカチュウはカメックスに《10まんボルト》で」

 

 

 

 

ピカチュウから電撃が放たれ……ないでこっちを向いた。

……こっち来たんだけど。

ほっぺですりすりしてきて、何?慰めてくれんの?カワイイや

 

 

 

 

 

「アババババババッ!」

 

 

 

 

アババババ……!

ってやめろや!《ほっぺスリスリ》って攻撃じゃねーか!なんだよコイツゥ!言うことやっぱ聞かねーじゃん!

 

 

 

「おいコラァ!なにしやがんだテメェ!」

 

 

 

 

「ピカピカピカピカw」

 

 

 

 

「クソがぁ~!もう許さねぇからな!カメックスに《ボルテッカー》しろや!」

 

 

 

 

仕事はしつつ自傷ダメージで落ちろ!ピカカスが!

ぬかるんだ地面で足滑らせて泥だらけになるのでも良いぞ!カスが!

 

 

 

 

「ピッカァ!!」

 

 

 

 

ピカチュウの尻尾に電気の玉が作られる。

そうそう《エレキボール》をカメックスに……。って、何でや!ホントに言うこと聞かんのか!?

 

 

 

 

「ガ、ガメェ!……ガ、メ」

 

 

 

 

「あぁ!カメックス!」

 

 

 

 

あ、カメックス倒した。耐えそうだったけど無理だったか。つーかピカチュウツエー。

俺要らねぇじゃん。なにこれ。

 

 

 

「うぅ、ミヅキお姉ちゃん!頑張って!」

 

 

 

 

「うん!フシギバナ《はなふぶき》!」

 

 

 

 

 

「《ねっぷう》!」

 

 

 

 

ミヅキもフシギバナに問題なく指示出せてるしコウタも応戦できてる。

あれ、俺もしかしてトレーナーの才能無い?

 

 

 

「続けて《かえんほうしゃ》!」

 

 

 

 

 

「グォオオ!」

 

 

 

 

「バ、バナァ!?」

 

 

 

 

「……カメックス、フシギバナ戦闘不能!勝者ヨウ&コウタ!」

 

 

 

 

……勝った。嬉しい。でも泣きたい。

クラスメイトからスゲー歓声上がってるけど今は家帰って布団で泣いて寝たい。

笑顔の呪いのおかげで笑えてるんだろうけど、色々泣きたい。

 

 

 

 

「やったね兄さん!」

 

 

 

 

「負けちゃったかぁー。でも私たちも頑張ったよね!」

 

 

 

 

 

「そうだね。フシギバナとカメックスもお疲れさま」

 

 

 

 

「うん、お前らはよくやったよ……。とりあえずボールをレッドさんに返して」

 

 

 

 

「ピカピカ」

 

 

 

 

ピカチュウが寄ってきた。

お?なんやまだやるんか。もうライフはゼロやぞ。

死体蹴りは止めて。

 

 

 

 

「あの布団やるってよ」

 

 

 

「は?布団?ピカチュウと一緒に出てきた謎の布団?」

 

 

 

「そうだ」

 

 

 

そうか、でもここで布団で泣くのはしたくねぇな。

 

 

 

 

……よし。そろそろ時間も良いくらいだし今日はもう帰ろう。

 

 

 

 

「ミヅキ俺帰るから後よろしく……」

 

 

 

「ちょっと、またサボるの!?今月でもう五回目だよ!」

 

 

 

 

 

何でサボりで帰った回数覚えとるんじゃミヅキぃ……。

でも四回サボりで帰ったんなら五回でも変わらんやろ。

もうねたいんじゃ……。

 

 

 

 

「ヨウまさか勝ち逃げするの?」

 

 

 

 

「もうそれでいいよコウミ。俺は帰るからな。先生呼んでレッドさんの相手してもらえ」

 

 

 

「サボるなら先生に言いつけるぞー!」

 

 

 

「減点だ!減点!」

 

 

 

「うるせーよ。お前ら二人なんでずっと短パンにミニスカ何だよ冬とか見てて寒いんだよ」

 

 

 

 

「そんなんだから本免落ちるんだー!」

 

 

 

 

うぐっ……。もうやだ。子供ってすぐ本音ぶつけてくるから嫌いだ。

 

 

 

「ああ。そうだ。ええー?まー、うん、分かったよ。それじゃよろしく。……よし、ヨウ行くか」

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

今電話してた?電話できるの?どうなってんだよその呪い。

 

 

 

 

「とりあえずグリーンがもうすぐ来るから後は任せよう」

 

 

 

 

 

「いやいやいや、行くって何処へ……。そしてなぜアンタはピカチュウにまたがる?」

 

 

 

 

 

「よーししっかり掴まってろよー。《そらをとぶ》!」

 

 

 

 

 

「いやちょっまっ、てぇぇぇえぇえ!!」

 

 

 

 

 

いきなりリザードンに乗せられたと思えば次の瞬間には飛んでいた。

イヤァァァァア!高いとこも速いのも怖く無いけどいきなりの振動には弱いんだよぉおお!!

 

 

 

 

 

「あ、気持ち悪い」

 

 

 

「え、おま!リ、リザードン、ピカチュウそこの森に降りるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 




ピカチュウって飛ぶんだよね……
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