博物館の外。燈哉の目の前には青と白銀の騎士がこちらを見ている。騎士はベルトからトロフィーを外し、変身を解除。現れたのは、博物館の館長と言い争っていた青年だった。青年が歩き出す。そして、燈哉を通り過ぎ、ある人物の前で止まる。恐らく騒ぎを聞きつけてやって来たのだろう、そこには博物館の館長がいた。
「館長さん、先程ぶりです」
「あ……ああ」
館長の顔は苦々しいものだった。
「あの時の言葉を改めて言わせてもらいます。アームズトロフィーを僕に渡してください」
「それは…………」
館長が狼狽える。それとは対照的に、青年の目つきが鋭くなる。まるで獲物を狙う獣の如く。
「もちろんタダでとは言いません。相応の金額はお支払いします。それに、」
青年は一度そこで言葉を切る。そして再び口を開く。
「このまま博物館に置いておけば、また、レジェスターが襲撃に来ますよ?」
その言葉に館長の顔色が変わる。これが決定打となったのか、館長が神妙な顔で頷いた。
「……分かった。君にあのトロフィーを売ろう」
「ありがとうございます。では早速、代金の方をお支払いさせていただきましょうか」
青年は指を鳴らす。すると何処からともなく執事服の男性が現れる。執事服の男は館長の前に札束の入ったケースを置く。
「これで足りるでしょうか? 足りなければ後ほど追加でお渡しします」
そう言って、青年は微笑む。
「流川、後は任せる」
「お任せくださいませ、坊ちゃま」
執事、
「怪我は無かったかい?」
青年が優しく声をかける。
「え!? ……ああ。大丈夫だ」
突然の出来事に呆気に取られていた燈哉だったが、慌てて答える。
「そうか、良かったよ」
青年は安心したように笑う。その笑みに釣られて燈哉も安堵の表情を浮かべた。
「はじめまして。僕は
「俺は立脇 燈哉。そんでこっちが、」
「椿坂 紗耶です。助けてくれてありがとうございます」
紗耶が頭を下げる。
「気にしないで。当たり前の事だからね」
「いや。俺からも礼を言わせてくれ。本当に助かった。ありがとう」
燈哉も頭を下げる。2人の真摯な態度に卓人は照れ臭そうに頬をかく。それも束の間。卓人の表情は真剣なものへと変わる。
「……君に頼みがある。そのトロフィーを僕に渡して欲しい」
卓人が燈哉の手にあるトロフィーを見ながら言う。
「そのトロフィーは怪物を引き寄せる。君の様な一般人が持ってて良い物じゃない」
燈哉は手に持ったトロフィーを見る。
「だから、僕にそれを渡してくれないかい?」
「それは……」
燈哉は答えられなかった。卓人の言葉はおそらく正しい。正しいのだが、どうしてか燈哉は渡す事を躊躇してしまう。
「お願いだ。これ以上、君達が巻き込まれる必要はないんだ」
「…………」
燈哉は無言でもう一度トロフィーを見つめる。
「……わかった。これをお前に渡す」
後ろ髪を引かれながらも燈哉はトロフィーを卓人に手渡す。
卓人は受け取ると、大事そうに抱える。
「ありがとう」
そう言って、一礼。卓人は燈哉達の元から去っていった。燈哉達は黙ってそれを見つていた。
石畳の薄暗い部屋。その中央でファブニールは足を組み椅子に腰掛けていた。
「トロフィーを奪えなかった挙げ句、新たな仮面ライダーが生まれた……か」
視線の先には白髪の青年が立っている。ファブニールは頬杖を付きながら、呟く。
「存外、あいつも役に立たなかったな」
「いかがいたしますか?」
その問いかけに答えたのはファブニールでは無かった。
「ならば、我々が奪ってきましょう」
そう言って現れたのは、異形の怪人達。狼の頭部と鋭い牙、手には巨大な爪、全身を覆う灰色の体毛を持つ三体の怪人だ。
「邪魔だ、雑魚が!」
その内の一体。恐らくリーダー格であろう最もガタイのいい怪人が進路上にいた白髪の青年を殴り飛ばす。重い一撃受け、白髪の青年は壁に叩きつけられる。
「ぐあっ!?」
口から血を流しながら床に転がる青年を見下ろしながら、鼻を鳴らす。青年の無様な姿を見て残る二体も嘲笑を浮かべる。
「それで? テメェらなら仮面ライダーを倒せるのか?」
そんな光景を前にして尚、表情一つ変えず、ファブニールは問い掛ける。
「勿論です! 仮面ライダーなぞ恐れるに足らず。必ずや我々、ウェアウルフレジェスターが結果を出して見せましょう」
リーダー格のウェアウルフレジェスターが自信満々に告げる。
「そうか、期待しているぞ」
「はっ!」
ファブニールは笑みを浮かべる。ウェアウルフレジェスター達は意気揚々と部屋を出ていく。
「お前もさっさと消えろ」
ファブニールが白髪の青年を睨む。
「はい……。失礼します……」
足を引きずりながら白髪の青年も部屋から出ていく。
部屋を出ると、白髪の青年は傷を押さえながら、壁にもたれかかる。そして表情を変える。
「あーあ。痛ったいなー、ホント」
口元の血を拭いながら白髪の青年は憎悪を込めて吐き捨てる。
「いつか覚えておけよ、レジェスター共」
そう呟くと白髪の青年は闇へと消えていった。
「ハッ!!」
ここは聖葉邸に存在する鍛錬の部屋。ピストの上で二人の男がフェンシングをしていた。その一人、卓人が剣を振るう。その動きは、素人のそれではない。卓人の振るった一閃が空気を切り裂き、風を起こす。剣は相手の胴に命中。
「お見事です、坊ちゃま。また腕を上げられましたな」
マスクを取り、執事兼師範を務める流川が称賛を送る。
「ありがとう、流川。でもまだまださ」
そう言って再び剣を構える卓人。その姿を見た流川は微笑みを浮かべる。
「では、再開しましょうか?」
「ああ!」
そして二人は再び剣を打ち合う。その時、卓人の体が少し振らつく。
「大丈夫ですか?」
「あぁ……。すまない……」
心配そうな表情を浮かべる流川に、卓人は苦笑いしながら答える。
「ここ最近、忙しくされていましたから。少し休んではいかがですか?」
「そうも言っていられない。レジェスターはいつ襲って来るか分からないからね」
卓人はそう言って、剣を持ち直す。
「頑張らなければ。僕は選ばれし者なのだから」
そう呟いて、卓人は再び剣を振るうのだった。
「聖葉コーポレーション……か」
噴水広場にて。ベンチに腰掛けながら燈哉はスマホを見ていた。その画面に映るのは検索で見つけたニュース記事だ。内容は勿論、聖葉コーポレーションについてである。
聖葉コーポレーション。それは日本有数の大企業である。その業務は様々な分野に精通しており、医療や食品など生活に必要なものは全てこの会社が関わっていると言っても過言ではない。
そんな聖葉コーポレーションの御曹司こそが、博物館で出会った青年、聖葉卓人だ。
「あれ、燈哉?」
振り返ると紗耶がいた。どうやら買い物帰りらしく、両手にはスーパーの袋を持っている。
「何してるの? こんなところで……」
「……昨日の事を考えてた。あいつにトロフィーを渡した事。それで良かったのかなぁ、って」
そう言うと、燈哉は空を仰ぐ。紗耶がそっと隣に座ってくる。
「燈哉はどうしたかったの?」
「それが分かんねぇんだよなー。けど、なんかモヤモヤするって言うか……」
燈哉は手のひらを見つめる。
その時、悲鳴が上がる。逃げ惑う人々を蹴散らしながらウェアウルフレジェスターがこちらへ向かって歩いていた。
「見つけたぞ、人間!」
突然現れたウェアウルフレジェスターに驚きつつも、二人は立ち上がる。
「お前は!?」
「俺はウェアウルフレジェスター! 貴様の持つトロフィーを寄越せ!」
どうやらウェアウルフレジェスターは燈哉がトロフィーを渡した事を知らない様子だった。
(どうする?)
燈哉は思考を巡らせる。ここでトロフィーが無い事を言ってもおそらく信じないだろう。そして何より、目の前にいる相手は確実に戦闘を仕掛けてくる筈だ。
「おっと、とぼけても無駄だぞ。お前の匂いはマークしてある」
ウェアウルフレジェスターは鼻をひくつかせながら不敵な笑みを浮かべる。それを聞き、燈哉の顔に冷や汗が滲む。
「そのトロフィーならここにあるよ」
声の方を見るとそこには卓人の姿があった。彼は右手には燈哉が使用したあのトロフィーが握られている。
「貴様が持っていたか」
ウェアウルフレジェスターが矛先を卓人へ向ける。
「そいつを渡して貰おうか?」
ウェアウルフレジェスターがゆっくりと迫る。
「残念だけど、これは渡せない」
卓人は懐から別のトロフィーを取り出す。それはブロンズの台座の上に白銀の西洋剣が突き刺さったトロフィーだった。卓人はそのトロフィーを腰の前に翳す。
<ヒロイックドライバー!>
腰にベルトが巻き付く。そして、トロフィーの上部を押し込む。
<カリバーン!>
トロフィーをベルトにセット。
「変身!」
ベルトの横ボタンを押し、卓人が高らかに叫ぶ。プレートが左側へ展開。ベルトに刻まれた顔と重なり、騎士を思わせる姿へと変化。
<夜明けの王! 引き抜け、選定の剣!!>
卓人の目の前に西洋剣が突き刺さる。剣から放たれた白と青の光が卓人を包む。青い光が青のアンダースーツを白の光が白銀の鎧を形作る。最後に熊を模した仮面から黄色い複眼が光を宿す。光の収束と共に青と銀色の騎士がその姿を現す。
<カリバーンソード!>
「仮面ライダー……ラウンダー。僕の剣で、世界を救う!」
ラウンダーが目の前の剣<選定剣カリバーン>を引き抜き、駆け出す。
「フン! 人間風情が俺に勝てると思うなよ?」
ウェアウルフレジェスターは応戦するべく構える。そして両者が激突。
ウェアウルフレジェスターの鋭い爪による斬撃がラウンダーを襲う。だが、それを難なくカリバーンで受け止め、逆に押し返す。
「何ッ!?」
よろけた隙にさらなる一撃が振り下ろされる。慌てて回避するも避けきれない。
「ぐあぁっ!」
左肩に直撃を受けてしまう。激しい痛みに顔を歪める。
「調子に乗るんじゃねぇっ!」
ウェアウルフレジェスターは左腕を振り上げる。だが、それよりも早く、ウェアウルフレジェスターの脇腹が斬られる。思わず膝をつくウェアウルフレジェスター。
「貴様ァ……」
ウェアウルフレジェスターは立ち上がると、そのまま素早く動き回り、背後から飛びかかるように接近。
「危ない!」
しかしそれも見切られていた。斬撃を避けたラウンダーがカウンターを決める。ウェアウルフレジェスターは地面を転がるように吹き飛ぶ。
「くそぉ……」
何とか立ち上がったウェアウルフレジェスターだったが、その鼻先に剣が突きつけられる。
「すげぇ!」
「強い……」
卓人の圧倒的な実力に燈哉達は目を見張る。
「ひっ!? ゆ、許してくれ! 俺の負けだ!!」
怯えた声でウェアウルフレジェスターが言う。その姿は先程までの威勢の良さなど見る影もないものだった。その姿にラウンダーは眉を顰め、一瞬だけ周囲への警戒が疎かになった。
「なんてな」
ウェアウルフレジェスターの口元に笑みが浮かぶ。
「危ねぇ!!」
燈哉が咄嗟に叫ぶ。背後から人影が現れ、ラウンダー目掛けて飛びかかる。不意を突かれたラウンダーだったがギリギリで回避。人影の正体はウェアウルフレジェスター。
「!?」
その時、背中に衝撃が走る。片膝をつきながらも、その正体を探る。そこにはウェアウルフレジェスター。
「油断したな? 仮面ライダー」
そう言って笑うのはウェアウルフレジェスター。ラウンダーを囲む様に三体のウェアウルフレジェスターが立っていた。
「卑怯とは言わせんぞ?」
三体のウェアウルフレジェスターが同時に襲い掛かる。カリバーンを振るうも、相手取れるのは1体だけ。
「ほら、こっちがガラ空きだぜ?」
後ろからの攻撃に、体勢を崩す。そこにまた別の攻撃。次々と攻撃を受け、ラウンダーは防戦一方だ。
「まずいよ、このままじゃ」
紗耶が不安気に言う。
(クソッ! 俺も戦えたら)
その様子を見ながら、燈哉はいつの間にか拳を握りしめていた。その間にも戦いは続く。手も足も出ないラウンダーへと、前方のウェアウルフレジェスターが切りつける。避けられない。鋭い爪がラウンダーに迫る。
「うぉぉぉ!!」
気がついたら駆け出していた。横からの衝撃がラウンダーを救出する。ラウンダーの元へ転がり込んで来たのは燈哉だった。
「ギリギリセーフ!」
「君は!? なんて無茶を……」
突然現れた燈哉に驚くラウンダー。それをよそに燈哉はゆっくりと立ち上がる。
「なぁ、聖葉。頼みがある」
燈哉がラウンダーを、卓人を見る。その表情は真剣そのものだ。
「俺にあのトロフィーをくれ」
「!?」
唐突な申し出に卓人は言葉を失う。
「やっと分かったんだ。俺が渡すのを躊躇した理由」
燈哉が一歩前に出る。
「きっと俺は戦いたかったんだ。あの時みたいに」
燈哉の脳裏に浮かぶのはヴァンパイアレジェスターとの戦い。
「そのトロフィーがあれば戦えるのに、それを渡した事で戦う事を放棄した。それが引っかかってたんだ」
「お前の言う通り、俺は巻き込まれただけかもしれない。それでも、戦う事が出来るなら、見て見ぬふりはしたくない」
「だから、頼む。俺にトロフィーをくれ!」
燈哉が卓人を見る。その瞳には強い覚悟が滲んでいた。
「……いいんだね? その選択を選べばもう後戻りはできない。最悪、命の危険だってある」
「ああ! それでも俺は戦う」
燈哉が力強く答える。それを聞いた卓人は燈哉の前に立つとトロフィーを差し出す。
「分かった。一緒に戦おう!」
卓人からトロフィーを受け取り、燈哉は腰に翳す。
<ヒロイックドライバー!>
ベルトが腰に巻き付く。
<ムラマサ!>
「変身!」
<抜刀!決闘!激闘!妖刀の戦士!!>
<ムラマサブレード!>
人魂が集まり、燈哉は再び赤紫の戦士へと変身する。そして目の前のウェアウルフレジェスターに向かって駆け出した。
右から斬りかかってくるウェアウルフレジェスターの爪を受け流すもすかさず左から別のウェアウルフレジェスターが迫る。
「ハァッ!!」
その攻撃を受け止めたのはラウンダーだった。ウェアウルフレジェスターは一度距離を取ろうとバックステップを踏むも、燈哉がその距離を詰める。
「オラァ!!」
ムラマサの重い一撃を受け、ウェアウルフレジェスターは後退する。その隙きにラウンダーがカリバーンにトロフィーを取り付ける。
<カリバーン!>
<必殺神技!!>
白く眩い光を纏わせ、ラウンダーがカリバーンを振るう。
「ハァ!!」
その一閃がウェアウルフレジェスターを切り伏せる。断末魔を上げ、ウェアウルフレジェスター残る一体が爆散した。しかし、まだ終わりではない。二人の前にはまだ二体のウェアウルフレジェスターが残っているのだから。
「チィ! 仮面ライダー共め!!」
忌々しげに吐き捨てると、残りの二体は一斉に走り出し逃亡を図る。
「おい、逃げるぞ!」
それを見たラウンダーが神器にトロフィーを投げ渡す。
「これを!」
「!?」
燈哉はトロフィーを受け取る。それは台座の上にバイクが乗った黒のトロフィーだった。
「それを使えば追いつける」
そう言うと自らもバイクが乗った白のトロフィーを取り出すと、バイクを押し込む。
<ドゥン・スタリオン!>
音声とともにトロフィーは白銀のボディを持つマシン、マッハ・スタリオンへと変貌した。
「なるほどな!」
燈哉もそれに習い、トロフィーを起動させる。
<カイノクロコマ!>
トロフィーが変化。漆黒のマシン、クロコマイルズとなる。
「よっしゃぁ! 追いかけるぞ!!」
燈哉はクロコマイルズに跨がり、アクセルを吹かす。
「ああ!」
同じく、ラウンダ-もマッハ・スタリオンに跨る。
二人は同時にエンジンをかけ、一気に加速。
二人の追跡が始まった。
二体のウェアウルフレジェスターは市街地を逃走していた。車の上から上へと飛び移り、逃げる。
「まさか、逃げる事になるとはな」
リーダー格のウェアウルフレジェスターが苦々しい表情で言う。後をついてくるウェアウルフレジェスターも悔しそうに歯噛みしていた。
その時、二体の足が止まる。こちらに迫る走行音を耳にしたからだ。
「まさか!?」
二体が振り返ると、そこにはバイクに乗った神器とラウンダーの姿があった。
「チッ!」
二体が逃走を再開する。そのスピードは先程より上がっていた。だが、神器達も負けてはいない。アクセルをさらに踏み込み、速度を上げる。両者の距離は徐々に縮まっていく。
「うおおぉっ!!」
燈哉は雄叫びを上げながらハンドルを切る。そして、二体の横を通り過ぎる、と同時にムラマサで横薙ぎ一閃。二体はそのまま近くの広場へと転がっていく。
「もう逃げられないぜ」
燈哉とラウンダーがバイクから降り立つ。ウェアウルフレジェスター達もゆっくりと立ち上がる。もはや逃げられないと悟ったのか、二体は臨戦態勢を取った。
先に仕掛けたのは燈哉とラウンダー。ムラマサとカリバーンを手に二体のウェアウルフレジェスターに向かって突っ込んで行く。対するウェアウルフレジェスター達もそれぞれ腕を振り上げ、応戦。
「ハァアアッ!!」
燈哉はムラマサを振るい、ウェアウルフレジェスターを切りつける。鋭い一撃が胴を捉える。
「フッ!」
ラウンダーもまた、リーダー格のウェアウルフレジェスターを相手に圧倒していた。相手の攻撃を避けつつ、カウンター気味にカリバーンを叩き込む。
「「ぐあっ!!」」
それぞれの攻撃を受け、二体のウェアウルフレジェスターは一箇所に集められる。
「決めるよ、立脇君」
「おう。行くぜ!」
二人はトロフィーの上部を押し込む。
<ムラマサ!>
<カリバーン!>
音声と共に2二人足にエネルギーが集中。続けざまにベルトの横ボタンを押す。
<<必殺奥義!!>>
勢い良く同時に飛び上がる。そして、そのまま空中で前転しキックを放った。
「「ハァアアア!!!」」
二人同時に放たれたキックが命中する。二人が着地すると同時に、蹴り飛ばされたウェアウルフレジェスター達は爆散した。
神器が辺りを見渡す。
「もう敵はいないよな?」
「そうだね。もう大丈夫だよ」
卓人が苦笑しながら変身を解除する。燈哉もそれにならって変身を解除した。そして、卓人へ向き直る。
「どうしたんだい? 立脇君」
燈哉が卓人へ手を差し出す。
「これからよろしくな、聖葉」
燈哉の言葉に、一瞬きょとんとした表情を浮かべたものの、すぐに微笑みを取り戻し卓人はその手を握り返した。
「ああ、こちらこそ」
2人は堅い握手を交わすのだった。
「ふーん。あれが当代の仮面ライダーか……」
ビルの屋上にて。楽しそうな声を漏らすのは白髪の青年。その視線は広場で握手を交わす燈哉達を向いている。
「上手く使えば、しっかり踊ってくれそうだ」
そう言って愉快そうに笑うと、その場から姿を消したのだった。