仮面ライダー神器   作:puls9

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第三十一節 百鬼夜行進軍! 鬼大五将の意地!!

「これより百鬼夜行を行う」

 

憤怒の顔で酒呑童子が言う。その言葉に夜行衆の鬼達は跪き頷いた。

 

「……茨木はどこへ行った?」

 

鬼大五将の顔を冷や汗が伝う。

 

「あー。茨木のやつは……尻尾を巻いて逃げました。棟梁に痛い目を見せられ恐怖したんじゃないですかね」

 

星熊童子が頭をフル回転させアドリブで答える。まさか茨木童子の所在を聞かれるとは思っても見なかったのだ。

 

「……そうか」

 

酒呑童子が足を一歩踏み出す。

 

「まぁいい。行くぞお前達。目に映る尽く皆殺しだ」

「そうはさせない」

 

そんな彼らの前に二人の人影が立ちはだかる。卓人と桃だ。それぞれトロフィーを手に夜行衆達を睨みつけている。

 

<アロンダイト!>

<エンオウケン!>

「「変身!」」

 

二人が高らかに叫ぶ。

 

<湖の騎士!打ち砕け、強靭の刃!!>

<アロンダイトセイバー!>

<雌雄一対の剣!!双!双!双!>

<エンオウツインズ!>

 

ラウンダーと天華がそれぞれ武器を手に駆け出さんと足に力を入れた。その瞬間、禍々しい斬撃が二人を襲った。

 

「うわぁぁっ!?!!」

「きゃぁぁっ!?!!」

 

斬撃を諸に受け地面を転がった。

 

「こ奴らの相手は任せる」

 

酒呑童子が歩き出す。その背中に熊童子が声をかけた。

 

「と、棟梁はどちらに行かれるのですか?」

「我を封じ込めた不届き者を八つ裂きにする」

 

 

 

 

 

「えっ、こっちに来るのかい!? ほんとに!?!!」

 

遠隔魔術で一部始終を見ていたマーリンが素っ頓狂な声を上げ、慌てて椅子から立ち上がる。そして店内を見渡した。店内には未だ夢の中の燈哉とそれを心配そうに見つめる紗耶がいる。

 

「うーむ。致し方ない」

 

マーリンは杖を掲げる。魔法陣が足元に出現した。

 

「何をするんですか?」

「足止めさ」

 

思わず尋ねる紗耶に対しマーリンが得意気にウインク。

 

「な~に。向こうがどれだけ強かろうと逃げる事に関してはは一家言あるのがこの私さ。うまく時間を稼ぐよ。試練をクリアすれば燈哉君は目を覚ます。そっちは任せたよ」

 

そう言うとマーリンは姿を消した。

 

 

 

 

 

 

ラウンダーと天華は起き上がり体勢を整える。そして夜行衆の鬼達と改めて対峙した。出鼻を挫かれはしたもののやるべき事は変わらない。今すべきは目の前の敵を倒す事だ。二人は武器を構え直す。

 

「ゆくぞ!」

 

最初に動き出したのは熊童子。メリケンサックを握りしめ先陣を駆ける。

 

「フッ!」

 

その拳を躱し、ラウンダーがすれ違いざまに斬りつける。背中にアロンダイトが直撃。熊童子が地面を転がる。

 

「ちっ」

 

星熊童子が舌打ちしながらラウンダーへ薙刀を振り下ろす。それを躱し、袈裟斬り。星熊童子が薙刀で受け止めるも力負け。後ろへ下がった。その傍らで天華が駆ける。

 

「今度はこっちから攻める!」

 

そう言って虎熊童子の元へ、二振りの剣が迫る。

 

「合わせろ虎熊」

 

金熊童子が虎熊童子の隣に並ぶ。二人はそれぞれの得物を手に迎え撃つ。両者の武器がぶつかりあい、けたたましい金属音を奏でる。競り勝ったのは天華。二体の鬼が吹っ飛ぶ。ちょうど熊童子と星熊童子の元へと転がった。

 

「決めるよ!」

「ええ!」

 

二人が四体の鬼目掛けて斬撃を放つ。

 

「「「「うあああああっ!!!」」」」

 

四体の鬼が吠える。各々が武器を振るい斬撃を相殺した。

 

「お前達は強い。だが、俺達も負けられない!」

 

立つのもやっとの風体だが、その目は死んでない。まさに鬼気迫るといった具合で歯を食いしばっている。

四体が同時に駆け出した。星熊の薙刀が刺突を連続で繰り出す。それを躱すと今度は虎熊ののこぎりと金熊の金棒が両脇から挟み撃ち。ラウンダーが金棒を、天華がのこぎりを抑える。だが勢いのついた攻撃は強かった。二人は背中合わせで追い詰められる。

 

「渾身のぉ! 力を込めてぇ!!」

 

熊童子がメリケンサックを振り抜く。強烈な一撃が二人を襲う。

 

「ぐぅっ!」

「くっ!」

 

装甲が火花散り、地面を抉りながら後退る。これを好機と捉え、四体が追撃に走る。

 

「「負けられないのはこっちも同じだ!!」」

<カリバーン!>

<レイエンキョ!>

<ダボウ!>

<必殺神技!!>

 

ラウンダーと天華が叫ぶ。トロフィーを武器にセット。エネルギーが武器に集束する。

 

「「はああああっ!!!」」

 

ラウンダーが地を這うような低空で横薙ぎ一閃。その攻撃を避けるべく四体が飛ぶ。だがそれは悪手。逃げ場のない空中へと氷の龍と雷の蛇が放たれた。

 

「「「「ぐあああああ!!!!」」」」

 

防御すら意味をなさず吹っ飛ぶ。

 

<アロンダイト!>

<エンオウケン!>

<必殺奥義!!>

 

二人が跳躍。足を突き出し、四体へ。ダメ押しの追撃が決まった。四体の鬼が地面をバウンドして止まる。その体が徐々に粒子へと還っていく。

 

「ここまでか……」

 

熊童子が力無く大の字で寝転ぶ。そんな言葉とは裏腹にその表情は清々しい。

 

「別にそこまで問題でもなくない? 棟梁がいればオッケーなんだから」

 

星熊童子が肩を竦める。

 

「確かに確かに。棟梁あってこその夜行衆。その逆は無いですもんね」

 

虎熊童子が苦笑する。

 

「ふっ。俺達が集う理由は棟梁がいたからこそだ。後は茨木に託すほかあるまい」

 

金熊童子が空を見上げる。

 

「「「「任せたぞ、茨木」」」」

 

そして四体の鬼達が消滅した。

 

「……」

 

だが、ラウンダー達は気を緩めない。鬼大五将の内の四体を倒したとしてもまだ夜行衆のメンバーは残っている。彼らの勇姿を見届けた他の鬼達がラウンダー達へと向かっていく。激闘はまだ続く。

 

 

 

 

門出市の都市部。ビルが建ち並ぶその場所で破壊の音が次々と巻き起こる。ムラサメを振るい辺りを火の海に変えるのは酒呑童子。その攻撃を紙一重で避わすのはマーリンだった。響く轟音の通り、一撃一撃は重く、一発でも貰えば致命傷になりかねない。

 

「いや〜。避難が進んで良かったよ。人がいたら何人死んでた事やら」

 

冷や汗をかきながらビルの一角に着地する。

 

「いつまで逃げるつもりだ?」

 

マーリンの元へ辿り着いた酒呑童子が切っ先を向ける。

 

「さあて、いつまでだろうね?」

(燈哉君はまだかな?)

 

焦りを隠すように笑う。

 

「まぁいい。そろそろ終わらせよう」

 

酒呑童子が深く息を吸い、吐き出す。酩酊の息吹が放たれた。

 

「くっ」

 

杖を掲げ魔法陣を展開。酩酊の息吹を魔術で防御。だがその盾はすぐに破られる事となる。素早く接近するとムラサメが振るわれる。

 

「がぁっ!?」

 

マーリンの体が斬りつけられ吹き飛んだ。

 

「あ、痛たたた。キツイねぇ」

 

血を流しながらマーリンは呟く。杖を支えに片膝をつきながら顔を顰めている。

 

「トドメとゆこう」

 

ムラサメに禍々しいエネルギーが集っていく。そして、その刃が振り下ろされ――

 

「ちぉょーっと待ったぁ!」

 

二人の間に人影が割り込んだ。その姿を見た酒呑童子が動きを止める。そこに立っていたのは燈哉だった。

 

「待たせたな酒呑童子。リベンジマッチを始めようか!」

 

ベルトを巻き、トロフィーを構え、燈哉は不敵に笑いながらそう言った。

 

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