「それじゃあやるねミコト」
「お願いします!」
――水の呼吸 玖ノ型 水流飛沫・乱。
真菰には草木が生い茂り足場の悪い森の中で玖ノ型を見して貰ってるが、凄い・・・その一言に尽きる。俺も昔は鍛錬でよく森の中を走り回ったがあんなに速くは走れなかった。
おそらく玖ノ型は着地面積と着地時間を最小限にしながら動き回る事により、足場の悪い所でもあの速さで動き回れるのかな?。最も真菰の場合は足場が地面だけとは限らない、その速さ故に木の側面や枝すらも足場として使ってる。枝も使ってるが木の葉は全く落ちない。
「凄い、凄く・・・綺麗だ。 更地ならともかく森の中なら目で追うことは出来ても追いつくのは少ししんどいな。・・・森の中だと犬さんに近い速度か?」
右手を口元に持ってきて呟きながら考えるミコトの元に真菰は戻ってくる。
「ふぅ・・・どうだったかなミコト」
「ああ、凄かった。あの時より更に速くなってなかった?足あんなに大怪我していたのに」
「?・・・あ~あの時の怪我は実際たいした事無かったんだ」
「そうなの?」
「うん。あの時は鬼に食い殺されちゃった人の遺体を取り返した時に血が大量に着いちゃったんだ~」
「そうだったんだ。それであの戦いの後に鱗滝さんの所でまた修行?」
「そうなの、まあ任務しながらだけど。・・・一般隊士は時には鬼に殺された人を横目に鬼と戦わないと行けないから・・・もうあんな思いしながら戦いたくないからもっともっっと!!速く色んな人のところに助けに行けるように鱗滝さんの所で更に修行してるんだ」
「凄いね真菰は!」
「そうかな?」
「うん!正直森の中だと真菰の速さについて行ける自信は少ししか無いよ!!そのぐらい真菰は速い!!」
「えへへ、嬉しいな。・・・あ、それでミコトの手助けになれたかな?」
「真菰が玖ノ型を見せしてくれたお陰で頭の中では型の動きが完成してる!後はひたすら磨くだけ!」
「頑張って!私は応援してるよ!!」
「ありがとう!!」
――――――
――――
――
と!言うのが今から半月前の話。そして今は
「行くよ~、第陸秘剣 三途の川!」
「おおお!凄い!ちゃんと出来てたよ!!」
「ホント!?やった!」
真菰に俺の剣術、第陸秘剣 三途の川を教えている。
「本当にミコトの剣術凄いね!水流飛沫・乱で最高速度に持っていって間合いに入ったら最後に強い踏み込みで三途の川の抜刀の勢いも足して、速さと威力を底上げするんだもん!本当に凄いよ!」
「凄いのは真菰の上達速度だよ」
「そんな事無いよ、ミコトが剣術の三途の川と水流飛沫・乱を合わせた技を教えてくれたお陰だよ!これのお陰で私でも鬼の首を一撃で断ち切れるよ!」
新しい技はあと少しなんだけどそのあと少しがかなり遠いんだよ。大体は出来た、あとは立合いか実戦で使えたら良いんだけど実戦は雑魚鬼だと技を使う前に終わるからなかなか進展しない。
「ミコトの指導は本当に上手なのに・・・ごめんねミコト」
「なんでいきなり謝るの?」
「本当はミコトが新しい技を作るために
「気にしないで」
「・・・するよ。私が普通の人の体格だったり強かったらミコトの立合い相手になれたのに・・・本当は立合い相手が欲しいんだよね?・・・ごめんね。ちゃんと役に立てなくて」
「真菰!そんな事言わないでくれ!俺は真菰が役に立ってないなんて思って無い!真菰が玖ノ型の足裁きとかを色々教えてくれたお陰で新技完成まで持って来れたんだ!真菰はちゃんと役に立ってるよ!頼りになってるよ!」
「本当に?」
「ホント!!頼りになってる!格好いい!速い!可憐!カワイイ!!」
「か、カワイイ」
「?」
真菰はミコトのカワイイに頬を赤くしてミコトから顔をそらしていた。そしてミコトは顔を逸らされた理由が分からず首をかしげていた。
そして犬さんはそんな二人の光景を懐かしそうに、嬉しそうにそしてニヤニヤしながら見ていた。
「嬉しそうですな犬殿」
「当たり前だ。俺に取ってミコトは子供か孫の様なもんだからな。ああゆうの見ると嬉しくも成る。お前達も弟子はそんな感覚だろ?」
鱗滝の質問に答えた犬さんは逆に鱗滝と桑島に質問する。
「そうだな」
「確かにな。獪岳は努力家で善逸は手の掛かる孫じゃな」
「あんたらの弟子も良い奴らばかりなんだろうな。・・・なあ鱗滝」
「なんだ?」
「もしうちのミコトとお宅の真菰が恋仲になったらミコトを認めてくれるか?」
「・・・真菰を幸せにしてくれる男なら儂は大歓迎だ」
二人と一匹は微笑みながら頭を撫でてるミコトと顔を赤くして照れながら頭を撫でられてる真菰を幸せそうに眺めていた。
なんか犬さんと鱗滝さんと桑島さんが縁側でお茶を飲みながら楽しそうに話してる。・・・犬さんってあんなにお爺ちゃん犬だったけ?呼びかけてみよ。
「なにしてるの犬さーん!」
「お前らの光景を
「そうなんだー!」
「・・・ねえミコト」
「なに?」
「山頂の方に行ってみよ」
「なんで?」
「そこに行けばミコトの新技を完成させる手立てが有るかも」
「?まあ真菰が言う事だから間違いは無いだろう!行こう!」
「うん!走れば直ぐだよ」
「分かった。じゃあ犬さん!ちょっと行ってくる!!」
「わかったー!迷子になるなよー!」
「ならないよ!・・・失礼だな。真菰が居るから大丈夫だよ」
「(そこは私任せなんだ。まあ嬉しいけど)じゃあ行こうか」
「おう」
それから山頂に向かって走って数分したらいきなり酸素量が減ってきた。でも全然平気!富士山に比べればね!それでなんか真っ二つになってる岩がそこらじゅうに有るんだが?
「この辺りだよ」
「おう・・・ってすげ~。この岩は他と違ってしめ縄が有るし一際デカいし、すげ~」
「この場所は私達の藤襲山の選別に向かうための最後の試練場なの」
「試練場?」
「うん。他にも沢山真っ二つの岩が有ったでしょ?私達は岩を斬ったら選別に向かうのを許されたんだ」
「へ~・・・ん?」
「私は体が小さくて他の人より1番小さい岩だったんだ~。それで、目の前に有る大岩は炭治朗が斬った物で私達弟子の中では1番大きい岩だったんだって~」
「・・・」
え?・・・斬った?・・・え?え?い、い、岩、岩を・・・きき斬った?・・・え?今ちゃんと岩を斬ったって言ったよな?言ったよね!?
「ん?どうしたの?」
「これを炭治朗が?」
「ん?そうだよ」
「真菰も岩を斬ったの?」
「うん。私も斬ったよ。一番小さい奴だけどね。付いてきて・・・・・・・・ほらあれ」ニコ
え?普通になんにも屈託の無い笑顔をしているよ?この子。しかも真菰の斬った岩って真菰より一回りか二回り大きいじゃん。・・・え?しかもさっきの炭治朗が斬った岩が一番デカいって・・・炭治朗の何倍の大きさがあるの?
そもそも、岩って斬る物だっけ?刀で斬れる物だっけ?・・・いや無理でしょ!刀が折れる。折れなくても刃が欠けたりする。
「ミコト?大丈夫?」
「・・・真菰」
「な、何?」
「君達は本当に凄いよ」
「?ありがと、う?」
ミコトは思わず無意識に真菰の頭を撫でていた。当の真菰は何故いきなり撫でられたのか分からずはてなを浮かべていた。
「・・・じゃあまあ鍛錬するか」
「うん。・・・じゃあミコト、夕餉が出来たら呼びに来るね」
「何時もありがと」
「どういたしまして。鍛錬頑張ってね」
「おう」
気を使って一人にしてくれたか・・・真菰は半月前に比べて更に速くなってる。・・・成長が早いな羨ましい・・・。
「さて!俺もがんばろ!!」
――――――
――――
――
「ハアハア・・・ハア・・・ゴクン・・・ハア~疲れた」
あれから約1時間か2、3時間か型の練習してた。今は午後一時か・・・真菰にはああ言ったけどやっぱり立合い相手は欲しいな。実戦でどのタイミングで使えるかの確認もしたいし。
「流石にどうしようも無いな~」
「だったら俺が相手をしてやる」
「!?!?!?!?」
声のした方を向くと真菰が斬った岩の上に人が座って居た。
宍色の髪に口元から頬にわたって大きな傷があったり、亀甲柄の着物に白い羽織を着た男が居た。その男の首元には縦に斬られた狐の面があり、刀を握っていた。
「・・・貴方も鱗滝さんの弟子か?」
「そうだ」
なんだこの男は!全く気配を感じなかった。・・・いや、感じないなんてもんじゃない・・・気配が無い!なんだこの男は!本当に人間か!?人間なのか?鬼?それは論外だな雲一つ無く普通に太陽が出てるし。
「新しい型を作るために立合い相手が欲しかったんだろ? なら俺が相手をしてやる」
男は岩から飛び降りると軽やかに着地する。
「え?」
「何している?さっさと構えろ」
「・・・何言ってる?俺もお前も持ってるのは本身だぞ?下手に当たれば痛いじゃすまないぞ?」
「ハハ」
「?」
「フハハハハハハハハハ!!」
「!?」
「ふははははははははは!!それはそれは!!心配して頂いてありがたいことだ!!だが!心の底より安心しろ!俺は真菰や炭治朗より遙かに強い!」
「・・・!」
「そうだな、お前の知っている奴で言えば義勇と同じ強さだと思って貰っても構わないぞ?さあ、どうする?」
以前気配は感じない。だがこの男からは強い・・・いや、強すぎる気迫がました!だが。
「・・・あっは!そこまで言って貰ったら頼まない訳無いだろ?」
「良い眼だ!」
「当然だ!・・・俺は桃眼の鬼狩り、大和ミコトだ!」
「俺の鱗滝さんの弟子!名は錆兎!」
「死んでも知らねえぞ?」
「ふ、無論、気にするな!」
死ぬ?・・・ああ、そうか。そう言う事か。この男は。
二人の男は刀を正眼に構え呼吸を整える。
~大正コソコソ噂話~
この半月間はミコトと真菰はお互いの鍛錬の為にずっと一緒にいて行動してました。
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出来れば桃並みの甘さで!