桃眼の鬼狩り   作:斬る斬るティー

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今回はミコトが岩の場所に言った後の犬さんと鱗滝、桑島の話し合いと
ミコトと犬さんのじゃれ合った後のお話です。


第15話:お話

「分かった。じゃあ犬さん!ちょっと行ってくる!!」

「わかったー!迷子になるなよー!」

「ならないよ!」

 

 ミコトと真菰は少し話した後に山頂に向かう。

 

「行ったか」

「・・・なあ、犬殿。聞きたいことが有るのだが良いか?」

 

 鱗滝と桑島は良い機会だと思い気になってた事を聞く。

 

「なんだ?」

「何故ミコト君を鬼殺隊には入れないんだ?」

「あの子の強さなら鬼殺隊に入れば多くの一般人の命を救えるじゃろ?」

「・・・お前達もミコトの眼を見たろ?あの桃眼を」

「うむ。珍妙な眼じゃったな」

「そこだ桑島」

「む?」

「ミコトの眼を、ミコトの鬼との戦いの狂気の笑みと笑いを普通の隊士、特に弱い隊士達が見たらミコトをどう思う?どう見る?」

 

 その言葉に二人は難しい顔になり黙り込む。(鱗滝は天狗面でどんな表情をしているかは分からないが。)

 理由は簡単で鱗滝も桑島もミコトの鬼を殺す時の狂気的な笑みを笑い声を聞いていた。その上、闇夜に紅く光る桃眼を見ていたからだ。その様は人間よりも鬼に近い何かに感じてしまっていた。

 

「・・・鬼と」

 

 口にしたのは鱗滝だった。

 

「そうだ。少なからずミコトの事を鬼と思う輩は出てくるだろう。そうなれば」

「鬼殺隊の士気に関わると?・・・だがそんな事は「ある!」 !?」

「あるんだよ!そんな事が!人は己と違う異質な奴をすんなり仲間と認められる奴は少ない!」

「「・・・」」

「そしてそんな奴らは桃眼の者を化け物と・・・鬼とのたまう奴も居る!!

「「!?」」

 

 犬歯を見せ犬さんから溢れ出た怒りと殺気により鱗滝と桑島はそれが虚偽では無いことを理解する。

 

「・・・すまん。でも、そんな奴らを俺は見たし会った。・・・まあ俺が人語を話す犬だから物の怪と言われよく石とかゴミを投げられた事も有ったからな、あの時の思いをミコトにさせたくないんだよ」

「そうか・・・」

「ああ・・・昔のミコトはな、あんな狂気な笑いをしなかったんだよ」

 

 その言葉に二人は黙って耳を傾ける。

 

「ある日、突如彼奴の幸せな日々は奪われた。母を眼の前で殺されそれから父と兄はミコトが逃げるための時間稼ぎをした。俺はミコトを引っ張り藤の花が咲き誇る場所まで行った。そして朝日が昇るといの一番に家に向かって、見たのは・・・バラバラの肉片にされた父と大きく袈裟斬りにされ死んだ兄の姿だったんだ。

 ミコトはあの日が初めて鬼を見た日だった。そしてその日以降ミコトは鬼を見ると狂気の笑みを浮かべ鬼を殺すようになったんだ。ミコトは鬼との戦いをそして鬼殺しを楽しんでるんだ」

 

「そんな辛い事が・・・」

 

「ああ。あの日から彼奴は自分の命の価値は何処までも低く、死んでも良いと思ってる。ミコトの心は何処か壊れてしまったんだよ、俺では治すことも代わりになることも埋めることも出来ない。

 そこで更に鬼と化け物と罵倒され、鬼に向けるような目を向けられたら彼奴の心がどうなるか分からない。だからミコトには鬼殺隊なんかに入らずに呑気に旅をしながらの鬼狩りをしていて欲しいんだ」

 

「・・・そうか。差し出がましい事を言った。すまなかった」

「気にするな。 俺はミコトを普通の人の様に見てくれているお前達には感謝しているんだ」

 

 それを言い終わるとその場に重たい空気になる。だがそれも真菰が帰って来たことにより無くなり、犬さんはミコトがいない代わりに真菰に速く走る為の指導をする。

 

「それじゃあ儂らは将棋でもしてるか」

「そうじゃな」

 

 鱗滝と桑嶋は将棋を持って来ると縁側で将棋を始めた。

 

 

 ☆

 

 

「そうだ真菰。森や山の中を速く走るときはその姿勢と足裁きを意識すれば体力の消耗を更に減らせる」

「あ、ありが、とう。ハアハアハーア」

「因みにミコトは子供の頃には服を思いっきり水で濡らして重くして走り回ってたぞ。山や森をな」

「・・・!?う、うそ!?今でもこんなにしんどいのに!!ほんとに?」

「おう。ミコトは父や兄に追いつくのに必死で呼吸を覚えた半年後頃には常中も覚えてたからな」

「す、凄い・・・ミコトってやっぱり天才だったんだね」

「まあ・・・あ?はああああああ!?」

 

 いきなり地響きのような音が聞こえ、音の方を見ると木が次々と倒れていくのが見え思わず犬さんは叫んでしまう。

 

「あ!あそこミコトを案内した場所!!」

「は!?・・・彼奴何してんだ?・・・あれは天才じゃなくて天災だと思う、ぞ?」

「犬さん上手いこと言ってる?」

「は、は、はー・・・そんな事言ってる場合じゃねぇええ!」

「あ、待って犬さん!私も行く!・・・」

 

 犬さんと真菰は急いで木々が倒れていく場所に向かう。

 

(は、速い!犬さんに全然追いつけない!)

 

 そんな中、真菰は犬さんの後ろを付いて行くのに精一杯で自分との差を思いさせられていた。

 因みに鱗滝達は犬さんと真菰が行ったのなら大丈夫だと思い将棋の続きをする。

 

「此所は炭治朗の岩の所!」

「・・・!ミコト!!」

 

木々が最後に倒れた場所に着くとそこには服がボロボロになり、傷だらけのミコトが四つに分かれた岩の前で倒れて寝ていた。

 

「ミコト!」

「おい!起きろミコト!」

「安心しろ。寝ているだけだ」

「・・・誰だお前?」

「錆兎!!」

 

 岩の上に座っていた錆兎は真菰と犬さんに微笑みかけると岩から飛び降り二人の前に立つ。

 

「錆兎?・・・お前普通の人間じゃ無いな・・・お前死人だな?」

「ああ」

「ミコトをやったのはお前か?」

「ま、待って犬さん!彼は」

「ああ、俺がやった。ミコトの立合い相手をな」

「そうか。それはあがとな」

「気にするな。あと、ミコトの作っていた新しい型は完成したぞ」

「じゃあ錆兎。この岩は」

「そうだ。ミコトが斬った」

「「!?」」

「岩って刀で斬れるもんなんだな」

「そろそろミコトを連れ帰って手当してやれ」

「あ、わ、分かった。・・・よいしょって!ミコトって思った以上に軽い」

 

 真菰はミコト背負い、錆兎に向き合う。

 

「ありがと、錆兎」

「気にするな」

「行こ、犬さん」

「いや、先に行っててくれ直ぐに追いつく」

「?わかった」

 

 真菰は疑問に思いながらも犬さんの足の速さなら簡単に追いつくと思い、ミコトの手当の為に走って鱗滝の家を目指す。

 

「どうした?犬殿」

「お前、無理して現世に残ってるだろ」

「・・・よく分かったな。俺達の心配だった手鬼が炭治朗に倒された事により鱗滝さんがこれ以上悲しむことも無くなった」

「それによりお前達は、違うな・・・お前以外は成仏して隠世にいったか?」

「ああ」

「何故そこまでして無理に残る?」

「俺は決めてるんだ。隠世に行く時は義勇が天命を全うして死んだときに共に行くと。また置いていって先に行ったら泣かせてしまうからな」

「・・・優しいな」

 

 錆兎は嬉しそうに微笑むと何かを感じ自分の手を見る。すると、手はだんだん薄くなり透けてきていた。

 

「時間か」

「ああ、もう現世には干渉出来なくなる」

「・・・もう一度言おう。ありがと」

「気に・・・いや、どういたしまして。犬殿も速くミコトの所に行くと良い」

「ああ。じゃあな」

 

 そう言うと犬さんは走り出し真菰の後を追う。その後ろ姿を見ていた錆兎は嬉しそうに笑みを浮かべると、完全に姿が消える。

 

「よお、お待たせ」

「う、うん(本当に来るの速いな~)」

 

 

 ☆

 

 

 

「帰って来たようだな」

「そのようじ・・・ど、どうしたぁああああ!!」

 

 将棋をしていた鱗滝と桑島の二人は帰って来た真菰たちを見て、桑島は目が飛び出すぐらい驚き、鱗滝は持ってた駒を落とし真菰に駆け寄りミコトを受け取る。

 

「隣の部屋で手当をしよう。桑島、手当の用意を」

「ああ、分かった」

「鱗滝さん!私も手伝います!」

「うむ。なら真菰は水と手ぬぐいの用意を」

「はい!」

 

 その後、ミコトの体中に着いた切り傷に適切な手当をし終えると鱗滝と桑島は何故ミコトがこれほどの怪我をしていたのか聞いていた。

 

「簡単に言えば優しい剣客と戦った。そして、新たな技を完成させた。だ」

「そうか」

「ふむ」

 

 犬さんの説明に二人は剣客に疑問を持つが、この半月間でミコトと犬さんが信用出来る者達と分かっている上に、犬さんが嘘をつく理由が無いために納得する。

 

「なあ、犬殿」

「なんだ?鱗滝」

「新たな技を完成させたミコトはいつ頃、此所を発つと思う?」

「そうだな~明日には発つと思うぞ」

「え!そんなに速く行っちゃうの!!」

「まあな。ミコトは旅人だ。目的を達成できれば風のようにまた何処かに行くさ」

「・・・そっか 」

 

 犬さんの予想に真菰は驚き少し落ち込んでミコトを見ていた。そして鱗滝は立ち上がり出かける支度をする。

 

「何処か行くのか?」

「ああ、ミコトが新たに型を完成させ岩を斬ったのだ。祝いをせんとな」

「鱗滝さん。もしかして」

「そうだ真菰。今夜はすき焼きにしよう」

「なら儂も買い出しを手伝うぞ鱗滝」

「助かる」

 

 二人は支度を終え出かけようとするがその前に犬さんが呼び止める。

 

「待ってくれ!出かけるならついでに桃と吉備団子を買ってきてくれ。金は後でちゃんと返す」

「金は必要無いが、なぜ桃と吉備団子?」

「ミコトは桃眼の人間だ桃さえ有れば大抵の怪我は直ぐ治る。そして桃と吉備団子はミコトの好物だからだ」

「・・・分かった」

「なら鱗滝、桃と吉備団子は儂が買ってこよう」

「頼む」

 

 二人は出ると張って街まで走る。見送った真菰はミコトの所に戻ると静かに寝息を建てているミコトの額を優しく撫でる。

 

「なあ真菰、お前はミコトをどう思う?」

「え!え~と・・・優しくて頼りになる人?かな」

「そうか。鬼と居るときのミコトの笑みをどう思う」

「ん~・・・初めて見たときは驚いて怖かったかな。けど再会出来た時に何処か悲しみと何かを無理に隠すように笑ってるって感じがしたかな。だから今は全然怖くないし、私に出来ることなら何でもしてあげたいかな。命の恩人だし」

「・・・!?・・・そうか。お前みたいな優しくいい女がミコトの女になってくれたら俺も安心していつでも逝けるんだがな

 

 

 

 ☆

 

 

 このあと、夕方頃に鱗滝達が戻り夕餉を作り、しばらくするとミコトは目覚め犬さんと一悶着あったが今は仲良く豪華なすき焼きを食べていた。

 

「もの凄く久しぶりのすき焼き!美味し過ぎる~!!」

「喜んで貰えて良かった。どれ、沢山食べると良いお肉もな」

「ありがとう御座います! 美味しいね、犬さん」

「だな」

「ほら、真菰」

「・・・ありがとうございます。・・・ねえミコト」

「モグモグ ゴクン なに?」

「新たな型は完成させたんだよね?ならいつ頃此所を出発するの?」

「ん?んー・・・」

 

 豆腐をハフハフしながら食べ考えていた。

 

「明日の朝には発とうと思ってるよ」

「・・・そっか」

「なあミコトよ、お主の新たな型とはなんじゃ?」

「そうですね。炎の呼吸炎虎に並ぶ虎の技、水虎です。真菰と鱗滝さんのお陰です。 そして桑島さんに教えて貰った雷の呼吸のやり方のお陰でもう一つの技。この二つですね」

「どちらも呼吸を合わせ作った技か、お主は本当に天才じゃな」

「桑島よ、ミコトの天才はてんさいでも天の災いの天災だと思うぞ」

「犬さん酷ーい!!」

「山の木々をバカスカ斬り倒したの何処のだーれ!!」

「はい。鱗滝さん本当にごめんなさい。本当にごめんなさい。ごめんなさい」

「気にせんでよい」

 

 鱗滝に土下座で謝るミコト。そのあとは普通に楽しそうにご飯を食べて、今は食後の桃を食べていた。

 

「ミコトの髪ってなんか凄く甘い香りするよね?」

「・・・? そんなに甘い匂いがする?」

「うん。なんか桃の匂い?」

「・・・俺がいま桃を食べてるからじゃないの?」

「そうかな?」

「いや、ミコトはほぼ毎日桃を食べてるから桃の匂いがするんじゃないのか?」

「そんなに桃食べてるんだ」

「食べてるな」

 

 犬さんの言葉に鱗滝と桑島は毎日幸せそうに桃を食べるミコトの姿を想像してすこし笑い、真菰はなんとなく納得したような顔になっていた。

 

「なんか皆の目が温かいのは何故?」

「ふふ。 ミコトは戦いの時に髪が邪魔にならないの?髪が長い女性隊士は少なくないけど皆髪を纏めてるよ」

「へー、まあ確かに初めの頃は邪魔だったけど今は慣れたよ。 それに相手の視覚阻害にもなるからね」

「そうなんだ。髪を伸ばす理由とか有ったの?」

「くだらない理由だよ」

 

 真菰の言葉に犬さんが答えそれに対してミコトは酷い!と言いながらも楽しく最後の一晩を過ごす。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 ~翌朝~

 

「ミコト。発つ前にやりたい事が有るんだけど良いかな?」

「ん?良いよ」

 

と、言ったのは良いが何故か真菰は俺の髪をといで前髪の左側を三つ編みしてる。何故?

 

「真菰のしたかった事ってこれ?」

「うん。私も髪は長い方だけどミコトほど長くないからね。やってみたかったの・・・よし!出来た!」

「おう。似合うかな?」

「似合うぞミコト。普通な女みたいだ」

「あっははは。怒る(殺す)ぞ・・・犬?」

「おー怖い。まるで般若だ」

「おい!」

「ふふ。ミコトと犬さんの遣り取り本当に面白い。・・・あ、そうだミコト、はいこれ」

「?」

 

真菰に渡されたのは両端に凄く綺麗な桃の刺繍の入った紐の髪留めを渡された。

 

「髪留めだよ。必要無いかもだけどこれから激しい戦闘があるかもしれないから、もし必要になったら使って」

「ありがと!」

「・・・そろそろ行くのか?ミコト」

「はい。いままでお世話になりました。鱗滝さん、桑島さん、真菰」

「きにせんでよい」

「達者でな」

「気を付けてに」

  

 

 

 

 

最後に皆がお見送りしてくれた。本当に言い人達。

 

「さーて!犬さん、張り切って行こうか!」

「おう!それで次は何処行くんだ?」

「ん?予定なし!」

「元気だな~」

「次は何処行こうかな~」 

 

 





~大正コソコソ噂話?~

ミコトが髪を伸ばしてる理由は小さい頃に、犬さんと同じ毛色!という理由で大事に伸ばしてます。
それに対して犬さんは興味なさげにしてたが尻尾を激しく振って喜んでました。



ちょびっと設定


真菰の階級は戊です。



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出来れば桃並みの甘さで!
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