「久し振りだな!ミコト少年!犬殿!」
「お久しぶりです。煉獄さん」
「久しぶり」
那田蜘蛛山でしのぶさん達に会った後はしのぶさんの案内でまたやってきた鬼殺隊本部。あの体中に傷のある人、確か不死川さん?は居ないから知らんが他の人達は元気みたいだ五体満足で居られてよかった。
・・・前回と違って今回は季節的に暖かいな~。
「・・・」
「な、んですか?」
ナンカスゴイみられてるのは何でだろう?他の人達もそうだし・・・俺なんか変かな?てか何気に犬さんがさっきから時透さんにもふもふされてる。分かるよ!この季節の犬さん凄くもふもふしてお日様の匂いするんだよね!
「ミコト少年!前の時より更に強くなったみたいだな!」
「そりゃあ毎日鍛錬してますからね。1日のサボりは十日分の遅れになりますから」
「うむ!良い心がけだ!」
「あ、あのー、よく迷い無く此所に来れましたね」
煉獄さんの後ろから甘露寺さんがオロオロしながら出てきた。
「そうですね。那田蜘蛛山で丁度しのぶさんに会ったからです。あと富岡さ、ん・・・富岡さん遠い!?」
なんであんなに遠いの?なに?嫌われてるの?・・・そんなことは無いか。・・・無いよね? ね!
そういえば炭治朗は?
「・・・!炭治朗!」
「ミコト少年、あの者が」
「炭治朗。鬼を連れた者で、俺の友達です」
「・・・そうか」
煉獄さんや他の人が何考えてるみたいだが、俺はとにかく炭治朗を起こすために炭治朗の下まで行く。
「隠の方後は俺がします」
「あ、はい・・・貴女は?」
「俺は桃眼の鬼狩りです」
「・・・!?あ、貴女が!?し、失礼しましたぁあああ」
ええー。走って逃げなくても良くない?悲しむよ?まあ今はいいや炭治朗が先。
「起きて炭治朗。・・・おーい!起きろ!・・・起きない・・・起きろ!もう朝だぞ!!」
「う、うう。ミ、コト?・・・此所は?それにその人達は?」
「此所は鬼殺隊本部。この人達は柱って言われる人達だよ」
(柱・・・!?柱ってなんだ?何のことだ?)
「先ほどミコトさんが言いましたが此所は鬼殺隊本部です。そして貴方は今から裁判を受けるんですよ。竃門 炭治朗君」
「裁判!?流石にいきなりすぎじゃあ!」
しのぶの説明で裁判の言葉にミコトは反応するが当の炭治朗はそんな事より禰豆子の入っている箱が見えず辺りをみていた。
「ミコト!禰豆子は!?禰豆子は何処に!!」
「お、落ち着いて炭治朗!禰豆子ちゃんの気配はこの本部にあるから大丈夫まだ殺されてないよ」
「こ、ろす?なんで!ね、禰豆子は鬼だけど人を食べたりしない!妹は俺と一緒に戦えます!鬼殺隊として人を守るために戦えます!!」
「オイオイ!なんだか面白いことになってんなァ」
不適に笑みを浮かべ現れたのは風柱不死川だった。そして不死川の手には禰豆子が入ってる箱が有り、後ろには慌てた隠の人が二人居た。
「困ります不死川様!どうか箱を手放してください!」
「鬼を連れたバカ隊員はそいつかィ? 一体全体どういうつもりだァ?」
苛立ちを隠しもせず、声色に憤怒を滲ませる不死川。
「不死川さん、勝手なことをしないで下さい」
しのぶは勝手なことをする不死川を止めようとするがその声には確実に怒気が含まれていた。
「鬼が何だと?坊主ゥ鬼殺隊として人を守る為に戦えるだァ?」
「・・・!」
不死川が刀を抜き掲げた瞬間にミコトは一気に不死川との距離を詰め不死川の腕と箱の肩紐を掴む。
「ああ”? 手ェ離せやガキィ」
「ならまずはお前が離せよ傷顔」
此奴、速い!!俺が肩紐を掴んだ途端に此奴も肩紐を掴みやがった!
「さっき炭治朗が言ってたが禰豆子ちゃんは人を守れる」
「だからなんだァ?それだけでこの鬼が人を喰って無い証拠にはならねェだろうがよォ。 鬼は斬る、鬼を庇い立てする馬鹿隊員は斬首刑なんだよ」
「知るか!俺は鬼殺隊じゃねぇ」
「なら部外者が口を出すなよなァ」
「出すね!俺は鬼殺隊じゃあ無いが、炭治朗と禰豆子ちゃんは友達だ!友を眼の前で傷着けられそうになって黙っていられる奴は居ねえよ」
「・・・ミコト」
炭治朗はミコトに自分たちの事で鬼殺隊と揉め事を起こさせない、迷惑を掛けないでいようと決めていたのに蓋を開けてみれば大きな迷惑をかけてしまった事に唇を噛む。
「だから離せ。柱のくせに人を喰ったかそうで無いかの区別も出来ないのか? 禰豆子ちゃんは人を喰わない!それどころか、人を守れる・・・!」
額に青筋が浮かび上がり威圧感が増したことを理解した瞬間にミコトは視界が激しく揺れ動き体がくの字になる。
「ガッ!」
不死川はミコトを蹴り飛ばしたのだ。
蹴り飛ばされたミコトは数回地面を跳ね池に落ちそうになるが、急いで先回りをしたしのぶがミコトを受け止めるが勢いが強すぎて完全に受け止め切れずに、一緒に池に落ちそうになるが煉獄がミコトを受け止めたしのぶを受け止める。
「ミコト!! このクソガキがぁぁあああ!!!」
犬さんはミコトが蹴り飛ばされた瞬間に自分を撫でていた時透を振り払い、毛を逆立て不死川に牙を向く。
「まって犬さん・・・」
だがミコトは急いで犬さんを止める。
「大丈夫ですかミコトさん」
「グッ、あの野郎!・・・!」
「「止めろぉおお!!」」
そしてミコトが顔を上げると不死川が箱を突き刺す姿が見え、止めに行こうとするが蹴られた箇所が痛み動けなくなりその代わりに叫ぶ。その声は炭治朗と被り次には、炭治朗が不死川に向けて走り出してる姿が見えた。
「禰豆子を!俺の友達を!傷付ける者は!誰だろうと許さない!!」
炭治朗は高く跳躍すると不死川を睨みながら落下の勢いを使い不死川の額に思いっきり頭突きをかます。
「ヒィ!」
「ど、どうしたんですか?ミコトさん」
ミコトはゴンと聞こえ炭治朗の頭突きを見た瞬間に脳天を両手で押さえ怯える。その行為を不思議に思いしのぶが訪ねる。
「前に炭治朗の頭突きを脳天に喰らって気絶したんです」
「それは痛いな!不死川も鼻血が出るぐらいの強さだからな!」
(死不川さんは自業自得の面もありますが・・・頭蓋骨は大丈夫でしょうか?)
頭突きをした炭治朗は起き上がり不死川を睨む。
「善良な鬼とそうで無い鬼の区別が出来ないなら、柱なんて止めてしまえ!!」
「テメェ!」
「風柱ぁああ!!」
体をおこした不死川が炭治朗を睨むとミコトが叫ぶ。全員がミコトを見ると蹴られ痛む左横腹を押さえながらも立ち上がり、不死川を睨むミコトの姿が入る。
「それ以上!炭治朗と禰豆子を傷付けるのなら!俺はお前を・・・敵と見なす!」
――パン!!
「「「!?」」」
殺伐とした雰囲気が流れるその場に突如強く手を叩く音が聞こえ全員が音のした方を見る。
「不死川、刀を収めろ」
「だが悲鳴嶼さん」
「不死川、お前が足蹴にしたミコトは私達柱と同等の強さを持つが一応は一般人だ」
「・・・!」
「それにそろそろお館様がお見えになる。これ以上勝手なことをすればお館様を悲しませるだけだ」
そう言われれば、不死川は苦虫を噛み潰した様な顔になり刀を鞘に収める。それを見たミコトは横腹を押さえながら炭治朗の元に向かう。だがその前に犬さんがミコトの元に駆けつける。
「ミコト大丈夫か?骨折れてないか?」
「大丈夫だよ。体の丈夫さは俺の取り柄だから」
「だが無茶はしないようになミコト少年」
「はい」
煉獄に言われミコトは忠告を受け入れる。そしてしのぶに肩を貸してもらい炭治朗の下に来たミコトは先に炭治朗の心配をして禰豆子の箱を取りに行きまた戻ってくる。
「ごめんミコト。迷惑掛けて本当にごめん」
「気にすんな。あの時言ったろ?信じるって。だから迷惑なんて思って無いよ。てか友達なんだから迷惑掛けてもいいだろ」
「ありがと」
「むー」
「禰豆子もありがとうだとよ」
「犬さん禰豆子ちゃんが何言ってるか分かるの?」
「分かるぞ?」
「どこでそんな技術を」
「「お館様がお成りです」」
二人の子供の凜とした声が聞こえると炭治朗以外の全員が膝を突き頭を下げる。
「よく来たね。 私の可愛い
お早う皆、今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな?顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えられたこと嬉しく思うよ」
(傷・・・?いや、病気か?この人がお館様?)
「炭治朗この人は鬼殺隊の1番のお偉いさんだよ。だから頭を下げた方がいいよ」
「う、うん」
現れた男が誰か考えていたがミコトが説明をして頭を下げる事を進める。
炭治朗が正座をしようとしてるが怪我で動くのがしんどそうだから体を支えて手伝う。俺も横腹が泣き叫びたいほど痛い。もし父さんと母さんの子で兄さんの弟じゃ無かったら叫んでた。泣き叫んでた!!
「久しぶりだねミコト。また来てくれて嬉しいよ。ありがと」
「えへへ~じゃなかった。お招き頂ありがとう御座います」
「元気そうで良かったよ」
「はい。えーと、
お館様におかれましても御壮健で何よりです。
益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」
「「「「・・・」」」」
え?なに?何か皆が目を見開いてこっちを見てるんだけど。あ、煉獄さんはいつもか。てか、産屋敷さんのお子さん?達も俺を驚いた目で見てる・・・ナンデ??
「あの~なにか?」
「ミコト少年!」
「はい?」
「よくお館様への挨拶の言葉を知っていたな!」
「え?だって前回しのぶさんが隣でいってたの覚えていたので・・・間違えてましたか?」
「いや、合ってるよ。ただ私も含めて誰もミコトが言うとは思って無かったんだ。柱の子達以外の誰かに言われるのは初めての事だったからね、新鮮で良いね」
「はぁ・・・」
いやだって、産屋敷さんに健康を気遣われていたからそんな感じのいわないとと思ったんだもん流れ的に。あとただたんに言いたかっただけなんです はい。だから甘露寺さん!そんなに私が言いたかったって顔で見ないで下さい・・・!
と、ミコトは思っていたが実際に甘露寺が思っていたことは
(す、凄いわミコト君!私が初めて言ったときは何度も噛んじゃったうえに言う言葉を忘れちゃって何度もお館様に気を使わせちゃったのに。半年前に一度聞いただけで覚えて初めて言うのに一発で言い切れるなんて凄いわ!)
だった。
この後は産屋敷さんが皆に禰豆子ちゃんの事を認めて欲しいと言うがやっぱり皆は否定の立場だった・・・煉獄さんも。あの時の気まずそうな目線はそうゆうことか。
そして分かった事が一つ。もし禰豆子ちゃんが人を食べたら炭治朗、鱗滝さん富岡さん、真菰が腹を切ってお詫びするって。
「そして炭治朗は鬼舞辻と遭遇している」
まじか!?俺も遭遇したけど炭治朗も遭遇してたんだ、よく生きてたな。まああの臆病者が逃げたんだろうな~。
「分かりませんお館様。人間ならば生かしておいてもいいが、鬼はダメです、承知出来ない」
やっぱり。
「ならこうしましよう」
ミコトは箱を手に取るとお館様を見る。
「産屋敷さん」
「なにかな?」
「部屋に上がらして貰ってもいいですか?」
「うん、いいよ」
「失礼します」
少し頭を下げると一瞬で部屋に上がり日の当たらないところに移動して箱を開けると、中から禰豆子が出てきて立ち上がる。
「禰豆子ちゃんごめんね」
「む?」
悲痛の顔で禰豆子に謝ると、刀を握った瞬間に刀を引き抜き禰豆子の心臓を刺し貫く。
「むっ!」
「ね、禰豆子ぉおおおおお!」
「ごめん、禰豆子ちゃん炭治朗。これも二人の為なんだ」
ミコトは炭治朗に顔を向けて謝る。それに普通は嘘だと思うが炭治朗はミコトからもの凄い罪悪感の匂いを感じ取った為に、ミコトに恨みごとを言えなくなった。
そしてミコトは刀を捻り禰豆子の心臓に更に大きいダメージを与えると刀を引き抜き、自分の左腕を切りつける。
「産屋敷さんは俺のこと詳しかったですよね?それなら俺の血のことも知ってますか?」
「知ってるよ。ミコトの血は実弥同様、希血の中でも更に希少な希血だと聞いてるよ」
「正解です」
「だがそれだけじゃ無い」
お館様の言葉に付け足しの様に犬さんが喋る。
「ミコトは例え怪我をしていなくてもその希血の匂いで鬼を引き寄せる。しかもミコトの血の効果は食欲増加ときた。今の禰豆子の目の前には豪華絢爛なご馳走があるように見えてるだろうな。まず普通の生き物では耐えられない空腹で目の前にはご馳走。もう一種の拷問だ」
犬さんの説明も正しく今の禰豆子はミコトの血を見た瞬間に大量のよだれを垂らして、ミコトの腕に手を伸ばす。
「ね、ねず ガァ! 禰豆子!」
禰豆子の元に駆け寄ろうとした炭治朗を不死川は地面に叩きつけ押さえつける。
「不死川さん。強く押さえすぎです」
「この坊主が暴れようとするからだァ」
「そうだ炭治朗。お前はそこで禰豆子を信じて見てろ」
そういうとミコトは更に禰豆子に血の流れてる腕を近づける。だが、
「む!」
「・・・!?」
禰豆子は伸ばしていた腕を爪が深く食込むほど強く握り、ミコトに近づける腕を止め、顔を逸らす。それだけで柱全員は驚くがそれだけでは無かった。
不死川に強く押さえつけられている炭治朗を見た瞬間に禰豆子は畳を鷲掴みにして持ち上げる。皆は何をしようとしてるのか分からなかった。
「うそ」
だが、畳を落とすと炭治朗を取り押さえてる不死川に向けて思いっきり蹴り飛ばす。全員が驚いたが咄嗟に不死川は刀を抜き畳を切り裂き衝突を回避する。そしてそのあとは禰豆子の唸り声だけが聞こえる。
「どうなったのかな?」
「はい。禰豆子さんはミコト様に心臓を刺し貫かれミコト様の希血を目の前にされても食べること無く、伸ばした腕を掴み顔を背けました。最後に畳を使い炭治朗さんを取り押さえていた不死川様に攻撃を仕掛けました」
説明を聞くと正面に向き直り、口を開く。
「これで禰豆子が人を食べたいという証明が出来たね」
そう、これで禰豆子が人を食べない証明は出来た。けど、これは流石に炭治朗と禰豆子ちゃんには嫌われたかな?あ、やばい泣きそう。・・・ん?
「俺は・・・俺と禰豆子は鬼舞辻無惨を倒します!! 俺と禰豆子が必ず!! 悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!」
「今の炭治朗には出来ないから、まずは十二鬼月を一人倒そうね」
「・・・はい//」
「炭治朗、その心意気は良いけどまずはやっぱり十二鬼月の下弦を簡単に倒せるようにならないと。そして今の柱の人達の最低でも五人には禰豆子ちゃんのことを認めてもらうのが先だね」
「うん」
「それで禰豆子ちゃんを刺したのはごめん。この方法しか思いつかなかったんだ」
「大丈夫。ミコトが俺達の為にした事だってのは分かってるから」
「ありがと」
礼を言うと禰豆子の入ってる箱を炭治朗の近くに置く。
「炭治朗の話はこれで終わりだね。下がっていいよ」
いよいよ次は俺の番か。って炭治朗はしのぶさんの所で預かるのね。まあ当然かな?ある意味しのぶさんの蝶屋敷は鬼殺隊の生命線みたいな所もあるしな・・・な! あ、出てきた二人の隠の人凄い勢いで俺に頭を下げて行った・・・なぜ?
「さてミコト」
「はい」
「とりあえず怪我の手当をしようか」
「あ、このぐらいなら唾を付けて縛っておけば大丈夫です」
「駄目ですよミコトさん。ちゃんと手当をしなくては」
「でもしのぶさん。そんな大げさな傷じゃあ」
「駄目です」
「時間が勿体ないですよ」
「駄目」
「でも」
「駄目だと言っているでしょ? ちゃんと手当をします。異議は認めません。いいですねミコトさん」
「は、はい」
こ、怖ーよー!なにこのしのぶさん。めっさ怖い!? しのぶさん凄い微笑んでるけどもの凄く怖い。何か黒影が出来てゴゴゴゴゴゴといった感じの音が聞こえる。怖ーよー。あ、部屋に移動するのね、前に使った部屋か。
手当して貰って移動中もしのぶさんずっと後ろにいて微笑んでるんですけど!! 怖い! 煉獄さん!!
「・・・」メソラシ
眼逸らされた!?怖い!泣きそう!!助けて!炭治朗ぉぉぉぉおおおおお!!!!
~大正コソコソ噂話~
ミコトは傷の手当て中ずっとしのぶに怒られていたようです。
そしてミコトの中でしのぶは母同様に怒らしてはいけない人認定しました。
良ければ評価や感想お願いします!
出来れば桃並みの甘さで!