桃眼の鬼狩り   作:斬る斬るティー

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第19話:柱合会議2②

 

 

「ミコト。私はねミコトには鬼殺隊に入って欲しいと思っている」

「はい」

「でも一方的にそれだとミコトの意にそぐわない事をさせる。だからミコトには外部協力者と言った感じになって欲しいんだ」

「はい・・・?外部協力者ですか」

「そう。そしてミコトに協力して貰う為にミコトの利益になることを此方も提示しないとね」

「?」

「一つ、鬼殺隊に属して無いために隊律に従う必要は無い。

 二つ、自由に蝶屋敷並びに藤の花の家紋の家を使っても構わない。

 三つ、都合が悪ければ討伐の依頼を断っても構わない。

 四つ、我々鬼殺隊は絶対にミコトの(人生)の侵害しない。これでどうかな?」

 

 口に手を添えて考えるミコトに「金銭援助も行なうよ」と最後に付け加える。

 

「産屋敷さん」

「なにかな?」

「分からない」

「?」

「何故そこまで?そこまでして貴方になんの利益がありますか?全くない。それほどまでの条件を出さなくてもいいはずですし、何より俺は勝手に鬼を殺しますのでそこまでして俺に利益にしかならない条件を出して引き込む理由がわからないんです」

「簡単だよ。ミコトはこの2年間の間に多くの人達を助けてくれた。ミコトが居なかったらそれこそ数え切れない数の人達が死んでいただろう。この条件の中にはそのお礼の意味も入っているんだ。それにミコトに助けて貰った子が多く居るからね、ミコトが鬼殺隊の外部協力者に成ったと隊全体に広がれば士気が上がると思ってるからね」

「なるほど・・・犬さん」

「ミコトが決める事だ」

「え」

「オレはミコトがどんな判断をしようとオレはミコトについて行く」

 

やっぱり犬さんは優しいな。 さて、この条件は悩む必要が無いな。特に1つ目の隊律に従う必要が無いのが良いな。これなら鬼を庇っても問題は起きな、い・・・っ!?

 

 ミコトは「まさか!」と言いそうになったのを抑えお館様を見る。そして見られたのが分かったのかお館様はニッコリ微笑むと人差し指を立て口元に持って来る。その仕草を他の隊士は何か分かってなかったがミコトだけは理解した。

 この人は那田蜘蛛山で子供の鬼を庇ったことを知っていると。

 

「産屋敷さん。俺、桃眼の鬼狩り 大和ミコトは条件を受け入れ、鬼殺隊の外部協力者になります」

「ありがと、ミコト。 それでは柱合会議を始めようか」

「あ、それでは俺はこれにて失礼します」

「待ってくれるかいミコト。柱合会議の最後に大事な話があるんだ」

「?分かりました。では部屋の隅っこで待ってます」

「ごめんね」

 

 ☆

 

 

あれから長い時間話して隊士の質の話をしている。・・・眠い。

 

「ここ最近、槇寿朗さんやカナエさんのお陰で、隊士の質が上がりつつある」

 

上がりつつなんだ。てか話に出てきたカナエ?槇寿朗?って誰だ?まあいいか、関係無い人達だしな。

 

「・・・・・だが、それも一部のみ。殆どはダメだ、那田蜘蛛山の事件でも勝手に下山して逃げる者もいた。まず、育手の目が節穴だ。使えそうな者とそうで無い者の判断は付きそうなのになァ」

「へー。炭治朗はかなり良い方だと思うけどな」

 

 ミコトの何気ない呟きに柱全員はミコトを見る。その中でも不死川は殺しそうな程怖い目でミコトを睨みつける。

 

「うむ!竃門少年の頭突きはミコト少年ですら気絶させる程の威力があるみたいだしな!」

 

 ミコトを庇うかの様に煉獄が喋る。それに興味を持ち甘露寺が訪ねる。

 

「ほ、本当に気絶したんですか?」

「はい。あの時は俺も初めて禰豆子ちゃんを見て、殺そうとしたら炭治朗が庇ってその炭治朗を攻撃をしたら禰豆子ちゃんが身を盾にして炭治朗を庇ったんです。それで禰豆子ちゃんがどんな鬼か考えていたら油断して炭治朗の勢いの乗った頭突きを脳天に喰らったんです」

 

 頭をかきながら「いやー痛かった。あはは」と笑うミコトにたいして不死川は鼻で笑い口を開く。

 

「あの程度の頭突きで気絶するとかなってねえァ」

「うるせえよ。ボロボロで後ろに手を縛られてたにも関わらず正面から来た炭治朗の頭突きをモロに喰らって鼻血出してた奴がどの口で言うか。あと俺はアンタに蹴り飛ばされたこと未だ許してないからな?」

 

 それだけ言うと、不死川は苦虫を噛み潰した様な顔に成る。この遣り取りを聞いていたお館様に「二人は仲良しだね」と言われミコトは思わず「どこが!?」とツッコんでしまう。

 

「それで、産屋敷さん・・・お館様?」

「呼びやすい方で良いよ」

「それでは産屋敷さん。俺を残したのは何故ですか?柱合会議ももう終わりですよね?話の流れてきに」

「そうだね。今からの話はミコトも大事なことになってくるから聞いて貰いたいんだ」

「?」

「呼吸の始まりの剣士達の話になってくるんだ」

 

 そしてお館様が手を叩くと襖を開けて一人の男性が入って来る。その人を見た瞬間にミコトは目を大きくし驚いた後に鋭く睨み付け口を開く。

 

「飲んだくれのクソ野郎・・・!」

 

 入って来たのは元炎柱にして杏寿朗の父、煉獄 槇寿朗だった。

 部屋に入るやいなやミコトの言葉を聞き槇寿朗は気まずく、ぎこちない表情を作るしかなかった。そしてそんな父を思って杏寿朗が助け船を出す。

 

「すまないミコト少年。あの時は荒れていたが今は心を入れ替え隊士達の指導をしているんだ」

 

 助け船のはずだ・・・。そして槇寿朗はミコトの顔を見ると頭を深々と下げる。

 

「あの時はすまなかった、ミコト君」

「え?」

「あの時は瑠火が死に、信じられない事実を知り自暴自棄に陥っていた。そして才能の有る君にいわれのない暴力を振るってしまった。本当にすまなかった」

 

 再度頭を深く下げる槇寿朗をミコトは瞬き一つせずしばらく見るとふと我に返り咄嗟に杏寿朗の羽織を引っ張り距離を詰める。

 

「れ、煉獄さん」

「なんだ?」

「失礼ながら、あの人本当に俺が会ったあの人ですか!?あんなに無精ひげ生やして酒臭かった人が何が有ったらこんなに変わるんですか!!男子三日会わざれば刮目せよって言うけど変わりすぎでしょ!?」

「うむ!父上が変わったのはミコト少年のお陰だ!!」

「はい?」

 

 どうゆう意味か分からず首を傾げるミコト。そして頭を上げた槇寿朗が口を開く。

 

「あの時君に言われた通り、今のままでは死んだ後に瑠火に会えない。会っても必ず叩かれて呆れられていただろう」

「それで心変わりを?」

「そうだ。今更だが杏寿朗と千寿朗が胸を張って自慢できるような父になることを決めたんだ。大事な事に気づかせてくれて、ありがとう」

「ど、どういたし、まして。変われたのならよかったです」

「ミコト、そう思っているなら煉獄・・・杏寿朗の羽織を掴んで隠れるな」

「うっ、はい」

 

 犬さんのツッコミに甘露寺としのぶと天元は笑いを少し我慢していた。そして槇寿朗はお館様の方を向く。

 

「お館様。柱合会議という貴重な時間でミコト君と話す機会を頂き、ありおがとう御座います」

「気にしなくて良いよ。 それじゃあ始めようか。 槇寿朗、皆に説明を頼むよ」

「御意に」

 

そして槇寿朗さんから語られたのは信じられない物だった。

 

はじまりの剣士―――その名を、継国縁壱。

 

 

 

驚異的な身体能力を持ち、更にはそれを限界以上に引き出せる技法―――はじまりの呼吸、『日の呼吸』を生まれつき身に着けていたという、天才。

その呼吸から繰り出される剣術は日輪が如く鬼に極めて有効な威力を生む。

当時の鬼殺隊は、この呼吸を身に着けるべく努力したのだが出来た剣士は皆無だった。

適性の問題か、或いは肉体への負担か……様々な要因から、習得まで辿り着けた者は誰一人としていなかったのだ。

唯一可能性を期待されていた、縁壱の実兄ですら……日の呼吸を身に着ける事は、叶わなかったという。

 

だが、そんな最強の剣士、縁壱ですら無惨を倒すことが出来なかった。

そして呼吸を極めた者達は皆、痣と呼ばれる物を発現した。そして、その者は皆25歳を越える者はいなかったらしい。

 

凄い内容だったが俺に関係してるか・・・?

 

「そしてそんな最強剣士 継国縁壱と背中を預け肩を並べて戦った者が一人。 その者の名は、

 

 桃眼の鬼狩り 大和 神子之彦」

 

「・・・!? 俺のご先祖様・・・」

「そう、ミコト君。君のご先祖様、神子之彦さんは縁壱さんの次に最強と呼ばれていたらしい。鬼殺内で呼ばれていた異名は剣鬼」

「そうなんだ。私の家、産屋敷家にある書物も同じ内容だった。 それでね、私の家と煉獄の家の書物でも分かったんだけどね。

 

 

 

 

 犬さん・・・貴方様は一体何者なのでしょうか」

 

 

 

 

「え? 産屋敷さん、なにいって」

「全く。彼奴らには彦と俺の事は書物に残すなとあれほど言っておいたのに」

 

 犬さんは伏せていた状態から座った状態になる。その姿を見た者はみな、犬さんが只の犬ではないことを理解する。





~大正コソコソ噂話~

今回の柱合会議ではミコトが居るために槇寿朗は呼ばれるまずっとそわそわして待っていました。
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