桃眼の鬼狩り   作:斬る斬るティー

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Cran様

沢山の誤字脱字報告ありがとう御座います!


第24話:上弦の鬼

 

 

「じゃあミコトも任務に行くんだね」

「俺の場合は討伐任務じゃ無く討伐依頼だけどな」

 

煉獄さん達と少し話した後は蝶屋敷に昼過ぎ頃に戻ってきて炭治朗とお見舞いに来た真菰と話してる。

因みに犬さんはまた禰豆子ちゃんの枕代わりにされてる。

 

「そう言えば炭治朗達も任務に行くんだよな?どんな任務?」

「俺は善逸と伊之助と一緒に現地にいる煉獄さんと合流して任務に向かうんだ」

「あー煉獄さんと任務するんだ。煉獄さんは柱の中でも信頼は凄く厚いから禰豆子ちゃん認めて貰えたら大いなる一歩になるよ。頑張れ!」

「うん!・・・?ミコトは煉獄さんを知ってるの?」

「知ってるよ」

「炭治朗知らないの?隊士の間の噂」

「噂?」

「え真菰、噂って何?」

「ミコトは隊士の間では凄い噂になってるよ」

「ほへ?」

 

凄い噂って何だろう?大して立つ凄い噂は無いはずだけどな?アレか女みたいな見た目なのに実際は男とかか?

 

「元炎柱の煉獄槇寿朗様は今は育手として隊士の面倒を見てるけど、半年前までは自棄になって飲んだくれだったんだって。それに怒ったミコトが槇寿朗様を殴り飛ばして一喝したとか」

「うっ」

「一年ぐらい前?にはカナエさんが上弦の鬼と接触してピンチになったところを目の前でカナエさんを掻っ攫ったとか」

「あはは」

「それで二年ほど前、私が藤襲山の最終選別の時は行なわれる日が数日遅れたんだけどその理由が前日の夜に山に迷い込んだミコトがたった一晩で鬼全てを討伐したんだって」

「へー。ミコトはやっぱり凄いね!・・・ミコト?」

「クソ、背びれが付いてデタラメ内容が出てると思ったらほぼ真実じゃんか・・・! 誰だよ言いふらしたの!!」

 

 蹲って畳をダンダンと叩くミコトを真菰は優しく頭を撫でる。

 

「言ってるのは本人の槇寿朗さんとカナエさんと柱の人達だったよ。 あと、背びれじゃなくて尾ひれだよ」

「いや、皆さん何してんのまじで・・・いや、マジで!!」

「良かったなミコト。有名人じゃないか」

「良いことなのかな?」

 

 突っ伏したまま涙を流すミコト。

 

「そういえばミコトの討伐依頼って何なの?」

「うにゃ? ああ、山に潜んでる鬼の討伐だよ。なんでも何人もの人間が襲われてるのに隊士を送り込んだら被害がパタリと止むんだって。だから俺に行って欲しいんだって」

「それはまた大変な任務だね~。大丈夫なの?」

「その心配は要らないよ真菰。 桃の力があれば鬼の位置は直ぐ分るし、いざというときは俺の血を使えばいいからな」

「血?・・・もしかして希血なの?」

「そうだよ」

「確かミコトの血はあの乱暴な柱の人と同じ血なんだよね?」

「乱暴・・・風柱様のこと?」

「真菰ー大正解!  ちなみにあの人は死不川って名前だよ炭治朗。 それであの人の血は鬼を酔わす効果があるみたいで、俺のは食欲増加だよ」

「ミコトってホント色々と凄いよね」

 

 あははと笑うミコトに二人も笑う。その後も楽しく話すだが次第に暗くなり始めた頃にミコトは旅路の支度を始める。

 

「そろそろ行くの?」

「今夜出発すれば明日の夜には目的の山に着くからね。確か炭治朗は明日の朝行くんだよね?」

「そうだよ。善逸と伊之助と一緒にね」

「そうにゃんだ。真菰は任務終わりだったよね? しばらくは蝶屋敷に居るの?」

「どうかな~?私は尾崎ちゃんのお見舞いに来ただけだから」

「尾崎・・・あーあの女の子」

「そう、那田蜘蛛山でミコトが助けたあの子だよ。 尾崎ちゃんは私と同期なの」

「あの子は元下弦の壱、豪鐵相手に最後まで粘っていたからな、覚えてる。 よし!準備終わったしそろそろ行くよ」

「うん。気を付けてね」

「またね」

「二人も体には気を付けろよ」

 

二人は元気で良かった。炭治朗も真菰のお陰で全集中・常中が出来るようになったみたいだしな。

常中が出来る様になった炭治朗に触発されて善逸と伊之助も猛特訓して出来る様になったみたいだし。皆強くなった、真菰は戊から丙になったみたいだし。なにかお祝い品を買おう!

 

「わああん!ミコトさん御達者で!」

「怪我しないで下さいね!」

「いつでも戻って来て下さいね!」

 

 まさか出発の時に蝶屋敷の門のとこに誰か居ると思ったらお見送りの人達がいた。

 

「ありがと、すみちゃん、きよちゃん、なほちゃん」

「無茶をしてはいけないわよ」

「分ってますよカナエさん。炭治朗達もお見送りありがとな」

「気を付けてね」

「俺は憂鬱だよ明日からまた怖い任務・・・いっやああああ!」

「お前は強いから大丈夫。そんな情けないこと言ってたら女にはもてないぞ」

「また勝負しろ!ミミコ」

「だからミコト!」

「ミコト!怪我しないで!」

「炭治朗もな。禰豆子ちゃん、行って来ます」

「ムー!」

「あれ?真菰は?」

「あ、まだ居た!よかった!」

 

 急いで駆けつけて来た真菰をミコトは首を傾げてみる。

 

「大丈夫?」

「うん。コレを渡したくて」

「おにぎり?」

「お腹空いたら食べて」

「ありがと。 それじゃあ行って来まーす!」

 

 お弁当を受け取るとミコトは目的の山に向けて出発する。

 

「・・・」

 

 真菰は心配な目でミコトの後ろ姿が見えなくなるまで見ていた。なぜなら、遠ざかるミコトに不安を覚えていたからだ。

 

「ミコトなら大丈夫」

 

 自分を安心させるように呟く。

 

 

 

 ☆

 

 

 

「あの山かい?あそこに行くのはやめときな」

「先月なんて山菜採りに一組の家族が入ったけどそのまま行方不明になったみたいだよ」

「そうですかありがとう御座います」

 

 目的の山付近に付くと夜までには時間があるためにミコトは近くの村で情報収集を行なっていた。

 

「嬢ちゃん。あの山に行く気かい?」

「ええ、今日中にあの山を越えないといけないので」

「あすすめはしないよ。遠回りになるけど街道を通ることをすすめるよ」

「お気遣いありがとう御座います。では」

 

さて、情報収集で分ったのは事件が起きてから今日まで少なくとも50人は行方不明になってる。やってるのは下弦の鬼かな?

 

「どう思う犬さん」

「十二鬼月ならもっと派手に動くだろ」

「かな?あと分った事は」

「襲われるのは女が多いときか。なら女みたいなお前なら狙われやすいな」

「複雑だよ」

「でも最近は女に間違えられても否定しなくなったな」

「・・・疲れたの」

「・・・あ、ご愁傷さま」

「・・・」(涙)

 

 涙を流しながら吉備団子を食べ歩くミコト。

 しばらく歩き二人は・・・いや、何時のまにかミコトの頭の上にはミコトの鎹烏、白桃が止っていた。一人と一匹と一羽・・・白髪男の娘、人語を喋る白髪ワンコ、同じく人語を喋る白色烏。

 色物集団のはずだが色が殆ど無い。

 それはさておきミコト達は山に入り中腹まで入ると野営の準備をして食事の準備をする。

 

「よし。魚やキノコは焼けたな。犬さんと白桃も食べる?」

「ああ食べる」

「食ベルー!食ベル~!骨ハ取レー!!」

「はいはい。ちょっとまってねー」

「悪いなミコト」

「気にしないでー。骨の有るまま渡して喉に骨詰まると大変だもん。・・・あ」

「どうした?」

「炭治朗に日の呼吸のこと聞くの忘れてた。煉獄さんから聞いてるのかな?」

「流石に聞いてるだろ。鬼殺隊の重大事だし」

「かな。はい出来た」

 

犬さんも白桃も美味しそうに食べてくれた。でも結局その日の夜は警戒していたが鬼の姿どころか気配すらなくその日の晩は終わった。

桃の探知に引っかからないって事はかなり遠い所に居るのかも知れないから適当に場所を移動しよう。

 

「さて、場所を移そうか」

「次はどの当たりにする?」

「とりあえず山頂まで行って山を越えようと思ってる」

「反対側に行くのか?」

「そうだよ」

 

何も無いまま獣道とかを通ったりして山の反対側に行くと驚いたことに山の下側に線路が見えた。

そしてもう夜だよ。

 

「線路があるね」

「だな。・・・もう暗いしこの辺で野営するか?」

「そうだね」

「ん?・・・汽笛の音がする」

「あ、見えてきた。もしかしたら煉獄さんの乗ってる列車かな?」

「それだと笑え、る、な・・・」

「・・・い、犬さん。列車ってあんなに肉の塊みたいな乗り物だったけ?」

「違うな」

 

目の前を通った列車は何か先頭がお椀の様に紫の肉塊が広がり柱みたいなのが有って、各車両も肉塊が引っ付いて、いや違うかな?列車その物から出てた感じかな?とりあえず。

 

「追いかけようか犬さん」

「そうだな」

 

ダッシュで列車を追いかける。此所の鬼はあの列車が無事に片づいたらかたづける!

 

「あそこから飛び降りて追いかけてるのに追いつかない」

「列車だからな最初にかなり距離も有ったから仕方無い。もっと速度上げるぞ!」

「うん! そうだ、白桃!お前は先行して見てきてくれ!」

「了解ー!了解ー!」

 

 ~数分後~

 

 

「線路に振動を感じてきた近づいてるな」

「そうだn・・・」

「「っ!!」」

 

 二人は突如来た大きな振動に足を止めて警戒をする。だが何も無く何かを考えてるときに夜空に白桃ともう一羽の鎹烏を見つける。

 

「白桃!何が有った?」

「大和 ミコト! 急ゲー急ゲー。 炎柱 煉獄杏寿朗ガ!十二鬼月 上弦ノ参ト交戦シテイル!! 至急助太刀セヨ! カァーー!!」

「!? 行くぞ!犬さん!!」

「おう!!」

 

 二人はまた走り出す。特にミコトの速度は先ほどよりも速度は遙かに速くなっていた。

 そしてミコトの右眼は徐々に紅い光を灯し始めた。

 

 

 

  ☆

 

 

 

 炭治朗が無限列車にとりついた下弦の壱 魘夢の頸を斬った事に任務が終わったと思った最中新手の鬼が現れた。

 それは百年ものあいだ顔ぶれが変わることの無かった十二鬼月上弦の参 猗窩座だった。

 

「ハア ハア ハア」

 

 煉獄は猗窩座との戦いで左目が潰され肋骨は砕け、内蔵も傷つくといった大けがをしていた。だが

 

「俺は! 俺の責務を全うする!!」

 

 その程度で折れるほど炎柱 煉獄 杏寿朗という男は弱くなかった。

 

「ここにいる者は誰も! 殺させはしない!!」

 

 刀を強く握る。 炎の呼吸最後にして最大の技、玖の型 煉獄。 自分の名を冠した最大の奥義を放つために構える。

 

「術式展開!」

 

 また猗窩座は強く踏み出すと地面に雪結晶のような模様が浮かび上がる。

 そして煉獄は大きく息を吸って駆け出す。

 

――パン! パン! パン!

 

「「!?」」

 

 瞬間に手を強く叩く音が辺りに響き渡る。そしてその後に響くのは

 

「アハ! アッハハハハハハハ!!」

「こ、この声は!?」

 

 笑い声。その声を煉獄は知っている、炭治朗も伊之助も知っている。その方を見ると満面の笑みを浮かべるミコトが居た。

 

「鬼さんこちら~♪ 手の鳴る方へ~♪」

 

 命を懸けた戦場には不釣り合いな楽しそうな歌声が聞こえる。

 

「いっひ! イッヒヒヒヒ アッハハハハハ!! 見つけた見つけた!下弦なんて雑魚とは違う強い鬼!!イッヒアハハハハハハハハ!!」

 

 煉獄と猗窩座の間に立つと狂った声で笑う。

 

「その闘気、お前は柱か? いや、違うな。その眼、お前は桃眼の鬼狩りか!」

「そうだよ」

 

 ミコトの狂った声に狂気的な笑みにも臆すること無く話す猗窩座。

 

「名は何だ?」

「人に聞くときは先ず自分から名乗れよ鬼ぃ~。その程度の礼儀も無いのか、何年生きてんだよアハハ♪」

「そうか。これは失礼した。俺は上弦の鬼 猗窩座だ」

「俺は桃眼の鬼狩り。大和 ミコトだ」

「そうか、ミコト。 素晴らしい提案をしよう、お前も鬼に「断る」・・・」

 

 猗窩座の鬼への誘いを最後まで聞くこと無くミコトは断る。

 

「どうせ鬼になれとかだろ?断る」

「何故だ? 鬼になれば老いることは無い。永遠に自分を磨き続けることが出来る」

「それで磨き上げてその先に何が有る?」

「至高の領域がある。ミコト、お前のその闘気は至高の領域に近い! 杏寿朗と共に鬼になり鍛え上げれば百年もしないうちにたどり着くだろう!」

「それはそれはなんとも・・・くだらない」

「・・・何?」

 

 ミコトの発言に猗窩座は眉を顰める。

 

「至高の領域?最強の力? 無理に決ってんだろ!! 何故かって? あの臆病者がそれを許すと思うか? ないない無い!! 彼奴は自分より強い鬼が出る可能性があればそいつを殺すだろうよ!!だってあのビビりは

 

 継国縁壱と大和神子之彦に殺されかけて惨めにみっともなく逃げて!し・か・も!2人にビビりにビビって2人が死ぬまで縮こまって逃げてたんだから!! どうせ今も怯えながら見てるんだろ?鬼舞辻無惨!! ウッハハハハハハ!!」

 

 わらう・・・笑う・・・嗤う。何処までも狂った声で狂った笑顔で笑う。

 

「そしてこの俺にそんなビビりの犬になれってか? ワーン!ワン!」

 

 両手を握り顔の近くに持って来ると犬の様に吠える。

 

「ぷ、う、ふふふアッハハハハハハハ!!バカみたいアハハハ!なにがワンワンだよ、あーお腹痛い。それで、だから鬼には成らない」

「そうか、鬼にならないのなら殺す」

「逆に殺してやるよ」

 

「ミコト少年」

「煉獄さん。時が来るまでそこで休憩していて下さい」

 

 後ろを振り返り笑顔で告げるミコト。その顔はさっきまでの狂気的な笑みでは無く、いつも煉獄が見る優しい笑みだった。

 

「さて、日が昇るまであと一時間ちょい。

 

 

 

 

 

頑張るか(楽しもうか)






~大正コソコソ噂話~


ミコトは情報収集で立ち寄った村では情報収集よりも
真菰に上げる品を選んでいる時間の方が多かったみたいです。





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