桃眼の鬼狩り   作:斬る斬るティー

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第3話:逃れ者の珠世

「桃眼の鬼狩り、大和様」

「!?何故俺の名を!」

 

流石のミコトも初めて会った鬼が自分の名を知っていた事に驚く。が、少し珠世と名乗る鬼を見つめると刀を仕舞う。

 

「ミコト?」

「犬さん、多分大丈夫だ。この人達からは他の鬼の様な気配がしない。桃の反応も弱い」

「そうか」

「うん。珠世さん、話は聞きます。ですが殺さないわけじゃ無い一旦保留と言うわけだいいな?」

「はい、ありおがとう御座います。」

「・・・調子が狂う」

 

 珠世はその言葉を聞くとまた頭を下げお礼を結うが、その鬼らしくない態度にミコトは些か困惑する。

 

その後普通に建物の中に入れて貰って部屋に通されたが珠世とか言う鬼全く警戒心が無い。それに比べてこの愈史朗は凄い警戒してる、てか殺気まで感じる当然か。これが当たり前か・・・そうだ、珠世さんが可笑しいんだ。

 

「このような物しか有りませんがどうぞ」

「これはご丁寧にどうも」

 

普通の来客の様にお茶と茶菓子を出してくれた。あ、このお茶美味しい。

 

「このお茶美味しいっすね」

「ありがと御座います」

「それで話とはなんですか?」

 

 珠世は一度間を置き、真剣な表情でミコトを見つめる。

 

「貴方様にお願いがあります」

「お願い?」

「はい。私は鬼ですがあの男、鬼舞辻無惨を抹殺したいのです」

「!?」

 

 珠世のその言葉には驚きしか無かった。鬼達は全員無惨の配下であり、殺すのは人間のはずなのに目の前の鬼はあろう事か鬼の始祖を殺そうとする、その言葉を鬼から聞いて驚かないわけが無い。

 

「何故だ?お前ら鬼は無惨の為に生き、無惨の命令に従う生き物だろ?」

「貴様!!」

「愈史朗!よしなさい」

「・・・はい」

 

 ミコトの言葉に思わず掴みに掛かろうと愈史朗は動くがそれを珠世は制止させる。

 

「そうですね普通の鬼はそうです。ですが私はある日無惨の呪いを解くことが出来、自由になりました」

「そうか。でもそれなら何故無惨を殺そうとする?関わらず静かに暮らせば良いんじゃないか?なにか殺す理由があるのか?」

「・・私は人間だった頃に夫と子供がいましたが、私は病に倒れ子供が大人になるのを見届けれなくなりました。ですがそんなときに私の前にあの男、鬼舞辻無惨が現れました。そして私は無惨に鬼になれば子供が大人になるのを見届けられると言われ」

「その手を取ったと」

「はい。ですが鬼は本来人の血肉を喰らうもの。それ故私は――」

「一番最初に近くに居た人間、夫と子供を食い殺したと?」

「その通りです。ですが私はそんな事が分かっていれば、あの男の手を取らなかった!」

 

そうか、この人、珠世さんは愛する人達の為に生きたいと願ったがそれは鬼となった瞬間に壊れ愛した夫と子を殺してしまったのか。無惨は鬼の真実を隠していたせいで。

 

「だがそれは」

「はい、逆恨みに近い物でしょう。ですが!私は無惨を殺さないと私は夫と子、そして殺してしまった罪なき人々に償いが出来ません」

 

 ミコトは小さく「そうか」と呟くと横に置いていた刀を取り立ち上がり珠世に近づく。その行為に愈史朗は警戒し立ち上がろうとするがそれを又、珠世が制止する。

 そして珠世の前に立つとしゃがみ込み珠世の目と同じ目線に合わす。そして目を瞑り目を開くと右目に桃の印を宿し、一切目を動かさず瞬きすらせず珠世の目を見つめしゃべり出す。

 

「珠世お前の言葉、いま話した過去・・・そして鬼舞辻無惨を殺したいという言葉に嘘偽りは無く全部真実だと言うんだな?お前の命を懸けれるんだな?」

「・・・はい」

 

 ミコトの狂気的な笑みや気迫のある睨みは鬼ですら怯むぐらいに恐怖を抱かせる程の物であるが、珠世もミコトと同じく一切目を動かさず瞬きすらせずにミコトの目を見つめ強く意思の籠もった声で返事をする。

 

「「・・・」」

 

 数十秒か数分か、もしかしたら数秒かもしれないが2人は見つめ合う。そしてミコトは嬉しそうに微笑むと立ち上がる。

 

「そうか!なら俺はアンタを信じるよ珠世さん」

「そんな簡単に信じて良いのですか?」

「俺こう見えて、人を見る目には自信があるんだ!」

 

 ミコトは右人差し指で右目を指さすとニカッと笑う。その姿に珠世は昔会った人間と姿が被り目を見開くが直ぐに元の表情に戻る。

 

「ありがとう御座います」

「良いよ。それより――」

 

 ミコトは座ると額を畳に着け土下座の体勢で謝罪する。

 

「今までの無礼な発言悪かった」

「頭を上げてください。貴方の反応は正しいものです」

 

いや、まあ珠世さんはそう言うかもしれないが愈史朗が凄い睨んで殺気出してんのよ!?

 

「分かった。それで貴女が言ってたお願いってなんですか?」

「そうでしたね。それが最初の話でしたね」

「俺のせいで話がそれましたねごめんなさい」

「大丈夫ですよ。それで私はいま鬼を人間に戻す薬を作っています」

「鬼を人間に!?そんな事出来るの?」

「どのような病にも治療薬があります。ですがいまは作るのにたりない物が多くあります」

「それを俺に調達して欲しいと?」

「はい。そしてその物は鬼の血です」

「それは集めれると思いますけど、特にどんな鬼からがいいですか?」

「なるべく強い鬼からが良いですね。強ければ強いほど無惨の血が濃いということですから」

「なるほど」

「ですので、特に十二鬼月の血をお願いしたいのですが・・・」

「十二鬼月って何?」

「・・・へ?」

 

 ミコトは十二鬼月が何かよく分からず聞き返す。が、十二鬼月を知っていて当然なのにそれを知らないミコトに驚き珠世は思わず変な声を出してしまう。

 

「(いまの珠世様凄くカワイイ!!)貴様そんな事も知らないのか!」

「仕方無いだろ!!俺は流浪の鬼狩りなんだから!鬼殺隊じゃ無いもん!!」

「言い訳するな!!田舎者!」

「よしなさい!愈史朗!」

「はい!」

「大和様、十二鬼月は鬼の中で特に強い鬼舞辻無惨直属の精鋭の鬼です。内部は上弦の6体と下弦の6体に別れており、上弦と下弦は1~6の数字が割り振れられ1に近づくにつれ強くなります。下弦の鬼は片目に下と数字が刻まれ、上弦の鬼は片目に上弦と刻まれもう片方に数字が刻まれています」

「なるほ・・・ッ!なら珠世さん!」

「珠世様に近づくな!」

 

 殺気とは違い勢いよく立ち上がり珠世に近づいた為、ミコトは愈史朗に腕を掴まれ合気道の様な技で投げ飛ばされる。

 

「いって~今のは油断してた」

「ユシロウ」

「は!今のは投げただけです!珠世様」

「ダメです。すみません大和様それでどうかしましたか?」

「そうだ!!貴女は上弦の壱、黒死牟を知ってますか!?何処に居るか!?」

「すみません。居場所は今はもう分かりません」

「そう、ですか」

「・・・上弦の壱に会ったことが?」

「はい。母を目の前で斬り殺し父と兄を殺した男です」

「そうですか、辛い事を思い出させてしまいすみません」

「大丈夫ですよ。それで上弦の鬼?は上弦の壱、黒死牟しか会った事がない。そして下弦の鬼?目に下と数字が刻まれた鬼なら何体か殺したことがあるよ」

「でしたら」

「はい。貴女のお願いは叶えられそうですね。でもどう採取すれば?」

 

 血の採取の仕方を考えていると珠世は小さい木箱をミコトに渡す。

 

「これは?」

 

小さいナイフ?ただのナイフでは無いな。刀身に透明な何か、ガラスって奴かな?があり柄は殆どがガラスみたいな感じだ。

 

「これは刺せば勝手に血を採取してくれます」

「なんとも便利な物で。ありがたく使わせて貰う」

「はい」

「「・・・」」

 

とても気まずい。本題が終わったから話す内容が思いつかないよ、どないしよ~。

 

「なあ、ミコト珠世一つ良いか?」

「はい」

「なんですか?犬さん」

「とりあえず皆ちゃんと自己紹介しないか?」

「「・・・あ」」

 

ワーオー珠世さんと声が重なった。自己紹介してなかったな。最初はピリピリしてたし、特に俺と愈史朗が。

 

「改めてしますか」

「そうですね」

「お先にどうぞ」

「では、私は珠世と申します。鬼でありますが自分の体を色々といじり人を食べなくても少量の血で大丈夫になりました。此方は愈史朗、私が二〇〇年掛けて唯一鬼に出来たただ1人の存在です」

「フン」

「へー人間を鬼に出来るのは無惨だけだと思ってたが違うんだ、じゃあ次は俺ですね。俺は桃眼一族のただ1人の生き残り、大和ミコトと申します。一族と言ってますが正確には一家です、格好いいから一族と言ってます。そして此方は俺の相棒の犬、名を犬さんと申します」

「おう!よろしくな」

「それから俺はミコトと呼んでくれ」

「はい・・・犬さんとは昔あ」

「珠世さん会うのは、は・じ・め・て!だよ」

「そ、そうですね」

「?あ!そうだ珠世さん愈史朗」

「はい」

「なんだ?」

「少量の血で良いのなら俺の血要りますか?一応俺の血は希血ですよ」

「よいのですか?」

「はい、それにこの血液採取ナイフ使ってみたくて」

 

 すると血液採取ナイフをなんのためらいも無く自分の左腕に刺す。そのミコトの姿を見て、愈史朗は目を見開き珠世はうろたえる。

 

「すげえ本当に血を吸ってる」

「ミコトさん!?」

「バカか!?ナイフ半分まで刺さってるじゃなか!?」

「驚き過ぎでしょ」

「何を言ってるんですか!愈史朗直ちに手当ををする道具を!!」

「はい!」

 

 ミコトは腕の手当をして貰い、今現在は珠世にお説教されてます。

 

「はい、すみません。でも畳は汚さず」

「そんな事を言ってるのではありません!ミコトさんは人間なのですから無用な怪我は作らない方がいいと言ってるんです」

「はい。ごめんなさい」

(心配して怒る珠世様も素敵だ!)

「ミコトさんも女の子なんですから一生残る様な傷は嫌でしょ。・・・どうしました?」

「お、女の子・・・」

 

女の子って、俺って鬼にも女の子に思われてたのか。匂いで男女が分かったりしないのか・・・。

 

 両手両膝をつき、ズーンという効果音が似合いそうな態勢で「女の子」を呟いていた。

 

「あー珠世さんよ」

「はい?」

「ミコトはこんな顔立ちでこんな声だけどちゃんとした男だぞ」

「・・・へ?」

「いいよどうせもう俺は一生死ぬまで女に間違われ生きていくんだ。この髪を切ればいいのかな?いや、いっその事もう女として生きるか?いままで会った人は勿論殺してきた鬼にも女に間違われてる事多いいもん、もう本当に女として生きるか?はは」

 

 ミコトの反応に驚き珠世はわたわたと慌てだす。愈史朗はそんな珠世をみて

 

(滅多に見られない珠世様の慌てふためいている姿!かわいらしい!)

 

 と、思っていた。

 

「そんな事よりお前、俺の血鬼術は掛かっていなかったのか?」

「そんな事って、まあいいか。それで使ってた?」

「はあ?」

「ミコトさん、愈史朗の血鬼術は視覚に関する物なんです」

「あーなら効かないよ。俺達、桃の力を持つ者は視覚や精神に関わる血鬼術は無効に出来るんだ」

「それにミコトはその力と希血が合わさり鬼が作り出す毒すら無効に出来る」

「それは凄いですね」

「伊達に旅をしながら鬼を殺して来たわけでは無いようだな」

「まあね。・・・ところで珠世さん、なんで俺の大和の名を知っていたんですか?」

 

 殆どの鬼は自分を桃目の鬼狩りとしてしか知らず、大和と言う名を一度も名乗ったことが無い為、最後に一番の疑問を聞く。

 

「それはですね、ミコトさん」

「はい・・・ん?ちょっと待った」

「どうした?」

「いやなんか、刀が珠世さんに反応してる?」

 

 刀を鞘から少しだけ抜き刀身を見る。

 

「ミコトさん、その刀、見して貰ってもいいですか?」

「あ、はい」

 

 鞘から刀を全部抜き、ミコトから刀を受け取ると珠世はじっと刀身を見つめる。そして次第に目を見開き「うそ」と呟く。

 

「珠世様?」

「・・・・・・・・・・・・・・そうですか、そおゆうことだったんですね

「珠世さん?」

「ミコトさん、ありがとう御座いました」

「?はい・・・」

 

 刀を受け取るが、なんに対してのお礼なのかよく分からず首をかしげる。

 

「それでですね、捕らえた鬼から貴方の容姿を聞いていおり、ここは浅草で多くの人が行き交います。それでここに、来る人から貴方の話を聞き、鬼の証言と人から聞いた話で貴方を突き止めました。そして人から聞いた時にお名前も分かりました」

「そうだったんですね」

「伊達に旅してきただけじゃないな」

「だね~。名前知れててちょっと嬉しいかも。あ、珠世さん、なんだったら旅の話聞く?」

「良いのですか?」

「夜はまだまだ長いですしね」

 

 珠世はミコトの旅の話に興味を持ちまた、愈史朗も興味なさげにしているが興味を持ちチラチラとミコトを見ている。でも基本は旅の話に興味津々でワクワクしている珠世を見ている。

 

「じゃあ話しますね」」




~ちょびっと設定~

本家の桃眼の人達は鬼の必殺技『鬼砲』(血鬼術みたいな物)を完全に無効化したり、鬼の攻撃を無効か?します多分。でもそれだとあれなので、ミコトの桃眼は視覚や精神に関係する血鬼術等を無効にします。そして、鬼が作る毒等も効きません。しかし物理攻撃の血鬼術は無効化が出来ません。








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出来れば桃並みの甘さで!
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