桃眼の鬼狩り   作:斬る斬るティー

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第8話:蝶の姉

「お帰りなさい。しのぶ様、ミコトさんと犬さん」

「こんな時間にお出向かいありがとう。アオイ」

「ありがとう御座います」

 

 しのぶさんも言ってたが、目の前にいるのはこの蝶屋敷で怪我をした隊士達の看病をしている人だ。しっかりしている、確かコレで鬼狩りもしてるんだっけかな?凄いよね。あと確か、すみ、きよ、なほ、って子達も居たはず・・・多分、名前は合ってる。この三人はまだ子供だから鬼殺隊士では無い。それで流石に深夜だから寝てるかな?まだ子供だもん!寝る子は育つってね。

それと確か、しのぶさんの継子?って言うカナヲって人もいるけど、任務に行っててここ数日戻らないみたい。

 

「ミコトさん。まだお話したい事が有るのですが大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ三日三晩は寝ずにいられますので」

「そ、それは凄いですね・・・(本当に人間ですか?)」

 

まあ鬼狩りしながら旅してると寝れない日とかも普通にあるから三日三晩ぐらいは寝ずに活動が出来るようになった。これもたぶん桃眼の力のお陰かな?皆はどう思う?って誰に聞いてんだ俺は。っと、何か一際綺麗な部屋に来た。

 

「どうぞ」

「どうも・・・え?」

 

 案内された部屋に入るとそこには1人の女性が寝ていた。

 

「この人は・・・ねえ犬さん」

「ああ、あの時の女だな」

 

 2人はその女性を知っている。半年と少し前に出会った・・・いや、正確にはこの女性と上弦の弐との戦いに割って入って女性を連れ去った。そしてこの女性は。

 

「この人は私の姉さんです」

「やっぱりですか」

 

 彼女は元花柱 胡蝶カナエ、胡蝶しのぶの姉である。

 その後に3人はしのぶの応接間に移動して、お互いに向き合って座る。

 

「すみません、お姉さんの様態は大丈夫なんですか?」

「私が見た限りでは大丈夫ですがもう目を覚ます事は無いかも知れません」

「あの日からズッと寝続けてるのか?」

「はい。あれから目を覚ましません」

「・・・ごめんなさい。俺があの時もっと速く助けに入れば良かったのに」

「いえ、ミコトさんを責める為に姉さんに会わせたんじゃ無いんです」

 

 ミコトはどういう事なのか分からなかったが、しのぶはそんなミコト達に向き直ると頭を下げ、土下座の体勢になる。

 

「あの時、姉さんを助け出して下さってありがとう御座いました」

「あ、頭を上げて下さい!?お礼を言われる筋合いはn「筋合いはあります」え?」

 

 しのぶは頭を上げるとミコトの眼をちゃんと見る。

 

「貴方がいてくれなければ姉さんは鬼に殺されていました。いえ、戦っていた鬼に食べられて、姉さんの遺体すら戻ってこなかったでしょう。でも貴方のお陰で姉さんは生きたまま帰って来てくれました。もしこのまま死んでしまっても、ちゃんと見とれるので悔いは無いです」

 

しのぶさんって嘘下手だな。本当は目を覚まして欲しくてしょうがないんじゃないか。手を強く握ってるし。

 

「ミコトさん、貴方は人と鬼が仲良く出来ると思いますか?」

「何でですか?」

「人と鬼が仲の良い世界は素敵だと思いませんか?」

「・・・本当にそう思っているんですか?しのぶさんは」

「・・・」

「思ってませんよね?だってしのぶさんは豪鐵の死体を見たとき、顔には出ていませんでしたが目が笑っていました」

「・・・」

「人と鬼が仲の良い世界、それは貴女の本心では無くお姉さんの思っている事じゃ無いんですか?」

「!?」

「お姉さんが意識を無くす前に俺に言ってました、鬼も可哀想な人達なのと」

「姉さんがそんなことを?」

「はい・・・ですから、本当は鬼のことどう思ってるんですか?

「ええ、ミコトさんの言うとおりです。姉さんは優しい人でした。何時も鬼を哀れんでいました、そして何時も仲良く出来れば良いのにと口癖の様に言ってました。ですから姉さんがもし目を覚ました時ひ人と鬼が中の良い世界が出来ていたら良いと思い」

「それでお姉さんの真似をしていると?」

「はい。でも鬼はいつも嘘ばかりを言う、自分の保身のため理性もなくしむき出しの本能のまま人を殺す。・・・鬼が可哀想?例え姉さんの言葉でも巫山戯るな!と思ってしまいました。私の親も鬼に殺されました、鬼は何時も楽しんで人を殺しているそんな奴らが可哀想なんて有るはずが無いんです!!」

 

なるほど、しのぶさんはあの日からズッと悩んで苦しんでいたのか。確かにそれだとしのぶさんを見たときのあの違和感にも納得だ。

 

「どうですかミコトさん、貴方は人と鬼が仲良く出来ると思いますか?」

「全員は無理でしょうね。でも一部の鬼とは仲良く出来ますよ」

「・・・・!?ホントですか!?」

「はい、そういう鬼に会ったことがあります」

「え、ほ、本当ですか?」

「はい、その人は鬼で有りながら鬼無辻無惨を抹殺しようと思ってる鬼です」

「にわかには信じられませんね」

「でも事実です。その人は人間だった頃に病にかかり、子供が大人になるのを見届けられなかった。そこで無惨はその人を鬼にした、でも」

「鬼にされれば飢餓状態になり、人を喰らう、その方は」

「はい、家族を食い殺して仕舞った様です。その後は後悔と無惨に対する憎しみで生きていました、少なくとも千年以上もです。あ、因みにその人は無惨の呪いも外してますので、無惨に気づかれること無く密かに無惨の対抗作を作ってます」

「そんな方がいらっしゃったんですね・・・」

「はい」

 

 その後にしばらくの沈黙が続く。

 

「ミコトさん、その方の事を知ってる人は?」

「今は、俺と犬さんそして鬼殺隊ではしのぶさんだけです」

「お館様には?」

「言ってません。てかもしかしたらあの方は知っていって黙認しているかもですね」

「そうですか」

「言っときますがもしあの人を鬼殺隊の人が殺しに行くようでしたら俺は迷い無くあの人の方に付きますよ」

「!?何故ですか?」

「あの人の眼を直で見て確かめたからです。俺の桃眼を前にしても一切微動だにせず意思の籠もった眼で俺を見返していましたから」

「そうなんですね」

「はい」

 

 またもやしばらく沈黙が続く。

 

「今日はもう遅いので休みましょうか」

「そう、ですね」

 

 気まずい空気を胡蝶が終わらせようともう今日は休むことにするのにミコトも賛成し、寝ることにした。

 












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