『CHAOS:WOLF+』-深淵と化した人狼遊戯-   作:兎々乃 まりぃ

3 / 4
『CHAOS:WOLF』3日目

=========================

『3日目:朝+』

 

個人的に、やはり悪役は似合わない。

私は『人狼』だ。協力して、人を殺した。

…しかし心の何処かで、とてつもない罪悪感が膿のように張り付いていた。

出来る事なら、早く帰りたい。そして、誰も殺したくは無かった。

当然…自分も死にたくなかった。

 

カズマさんが報告をする。

昨夜、私達が殺した二人の名前が挙げられる。今のところ怪しまれてはいないようだった。

…しかし、今回の会議は一名足りない。私達が殺していない人が。

 

アズサ 「…ねえ、もう一人いないような気がする。」

 

すると、エミリアさんが慌てたように走ってきた。

嫌な予感がする。

 

エミリア「大変!…リムルさんが、リムルさんが!」

 

予想通りといったところか。リムルさんは死んでいた。

当然、私達は殺しちゃいない人物だ。

 

でも、死んでいた。

小屋の中で、しかも「外傷も無かった」。

 

_「リムル・テンペスト」が

死体で発見されました。

================

 

『2日目:明け方にあったこと』

 

『妖狐』。最後まで生き残ったら勝ち。

俺は『預言者』を名乗って、出来る限り生き残るように仕向けた。

…少し体調が悪いのは気のせいだろうか。

 

リムル 「明日、俺が預言者を名乗り続ければ、そう簡単に殺されない…ハズ。」

 

智慧之王(ラファエル)がいないから、と言えば聞こえは悪いが…

ハッキリ言って穴だらけの作戦で動いている。

下手したらボロが出る。上手にやっても処刑されるかもしれない。

 

リムル 「そろそろ朝か…少し眠いな。」

 

…最初はただの眠気だと思っていた。

しかし、それは徐々に強くなってくる。

立っていられない程の眩暈。俺はついに、小屋の床に倒れた。

 

笑えない状況。

目を閉じる寸前、俺は理解した。

 

リムル 「そうか…これは…「呪殺」…なのか。」

 

目を閉じ、力が抜ける。

俺は負けた。さて、どっちが勝つのやら。

 

================

 

『3日目:昼』

 

『狂信者』のスバル、多分『妖狐』だろうリムルさん。

役職を特に言わなかったキリトさんに、本当の『預言者』のアクアさん。

 

あと生き残っているのはカズマさんにベルさん、

メイプルさんに…仲間のアズサさん。そして私。

状況はいい方。誰か一人がいなくなれば、私達の勝ち。

…そう上手くいくかな。

 

最初にベルさんが手を挙げた。

 

ベル  「僕は『霊能者』です。初日に処刑されたスバルさんですけど…やはり『狂信者』でした。」

メイプル「『村人』かぁ…ってことは、ターニャさんは役職が無くって…?」

カズマ 「つまり、『預言者』の可能性が無くなった。アクアの奴が本物かもな。」

アズサ 「どういうこと?リムルさんが預言者だった可能性は…!」

 

アズサさんは状況を理解していない。

このままだと…人狼だってバレるかも…!

私は必死にフォローする。

 

エミリア「アズサさん、リムルさんは「外傷なく」死んでいます。…恐らく「呪殺」です。」

 

アズサさんは「なるほど」と席に着く。

バレてはいない。だったら、今がきっと仕掛け時。

 

エミリア「ベルさん。私は本物の『霊能者』。ターニャさんは『狂信者』だった。」

アズサ 「…だとすると、人狼は味方だと分からずに殺したってこと?」

 

私はアズサさんに合わせるように頷く。

次第に二人がベルさんを疑っていた。

 

カズマ 「間違えられないが…多分『ベル』と誰かが「黒」だ。」

メイプル「同じくー!ということは、後一人を当てれば勝ちだよね!」

ベル  「僕じゃないですよ!僕は『霊能者』だって!スバルさんが最後に自白したじゃないですか!」

 

メイプル「そういえば…もしエミリアさんが本当の『霊能者』なら、スバルさんが『人狼』…」

カズマ 「…どっちにしろ、ベルが人狼だって言ってるようなものだろ。」

ベル  「うぅ…本当ですってば…。」

 

================

 

『3日目:夕方』

 

そうこうしているうちに夕陽が差し込む。

完全に信用されないこの気持ちは、フィーネの一件以来だ。

 

全員が僕を指差す。僕は本当に『霊能者』。

…一人がエミリアさんだとするなら…あと一人は?

 

死神が僕の後ろに現れ、「遺言は」と問いかける。

僕はこう言った。

 

ベル  「僕は『霊能者』です。…人狼は二人。完全に負けました。」

 

僕はそのまま死んだ…そして、その後夜は来なかった。

 

_「ベル・クラネル」が

処刑されました。

================

 

『3日目:日没』

 

カズマ 「…太陽が動かない?」

メイプル「どういうことだろう…ベルさんが最後に言ったのって…」

 

そう、そのまさかだった。

俺とメイプルの後ろに、ゆっくりと移動するエミリアとアズサさん。

 

アズサ 「いやー!上手くいったね…なんとか終了ってとこかな。」

エミリア「緊張したね。でも、これで勝ち。」

 

メイプル「まさか…お、お二人が…!」

 

 

アズサ&エミリア「そう、人狼でした!」

 

 

_おめでとうございます。

「人狼陣営」の勝利です。

=========================

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。