ラブライブ!サンシャイン!!×ウルトラマンZ~遥かに輝き!0から1へ!! 作:ワーラー
「感じます…、精霊結界の損壊によって魔力構造が変化していくのが…。世界の崇生が天界議決により決していくのが。かの約束の地に降臨した堕天使ヨハネの魔眼がその全てを見通すのです!全てのリトルデーモンに授ける…。堕天の力を!!」
動画の生放送を終えた私、津島善子は部屋の窓を開けて絶叫した。それも堕天使ファッション(ゴスロリ)のまま。
「やってしまったーーーー!!何よ堕天使ってヨハネって何!?リトルデーモン?サタン?居る訳無いでしょ、そんなもん!!」
高校に入学して約二ヶ月、未だに学校に行くことが出来ず不登校の日々が続いている。それもこれもあの一言が原因だ。
始業式のHRでの自己紹介
「堕天使ヨハネと契約して貴方も私のリトルデーモンになってみない?」
「うわあぁ!何であんな事言ったのよ~!」
ドヤ顔でしかも盛大に滑ってしまった事を思い出し自室の床の上で転がりまくる。あの先輩には先日頑張って学校に行くとは言ったが、言ったのだが…
「学校行けないじゃなーーい!!」
もう私の気持ちは折れそうになっていた。
「ああ、今日もランキングが上がってない…。」
マル、国木田花丸は千歌先輩の嘆きを聞きながらハルキ先輩と話をしていた。なんでも先日怪獣が現れた日に喜子ちゃんと会ったらしく、今日は彼女は学校に来ているのかという話になり、相変わらず学校に来ていない事を伝える。幸い喜子ちゃんに怪我は無くて安心したが曜先輩がマルの名前を言っていた事でそちらを振り向く。
「花丸ちゃん応援してます。」
「花丸ちゃんが歌っている所を早くみたいです。」
曜先輩、梨子先輩が画面に映っている文字を読み上げているがそんな事よりも…。
「これがパソコン!」
マルにはそこだ!家にはパソコンが無く使い方も良く分からない為、とても興味を惹かれてしまう。
“ズルッ”
「そこ!!??」
ハルキ先輩がずっこけ、曜先輩がマジか?みたいなリアクションをしているがそんな事は関係ない。
「もしかして、これが知識の海に繋がっているという、インターネット!!」
マルの反応に千歌先輩はルビィちゃんにひそひそ何かを聞いている。
「花丸ちゃん、パソコン使った事無いの?」
「花丸ちゃんのお家、古いお寺で電化製品とかがほとんど無くて…。この前沼津に行った時も水が自動で出る蛇口やハンドドライヤーで凄い興奮してて…。」
「そうなんだ…。」
「花丸ちゃんにストレイジの作戦室とか格納庫とか見せてあげたいッスね…。ガッシュのキャラみたいな顔になりそう…。」
「何でガッシュなの?」
マルは千歌先輩にパソコンを触っていいか聞くと快くOKをしてくれて、一つだけ光っているボタンを押す。その瞬間画面が真っ暗になり皆がギョッとした顔をする。
「うわっ!」
「な、何したの?」
曜先輩、梨子先輩が心配する中
「一つだけ光るボタンがあるなぁと思いまし…」
マルがそう言った途端、先輩二人は急いでパソコンを復旧させるためキーボードを弄る。
「マ、マル…。いけない事しました?」
曜先輩の話だと衣装のデータをパソコンに保存しているらしく、マルは半分涙目になる。千歌先輩もハルキ先輩もマルを励ましてくれていたが…。
場所は変わって学校の屋上。俺達スクールアイドル部のメンバーは練習を始めようとしたのだが…。
「おお!こんなに弘法大使、空海の情報が!」
衣装のデータも無事だったパソコンを使って曜ちゃんが花丸ちゃんにインターネットの使い方を教えている。
「うん!ここで画面切り替わるからね。」
「凄いズラー!」
花丸ちゃんがパソコンに興奮している中梨子ちゃんが練習しようと指示を出す。そんな中
「練習も大切だけどランキングどうにかしないとだよね…。」
今のランキングは四千代、このまま続けても簡単には上がらないだろう。
「毎年スクールアイドル増えてますから…。」
ルビィちゃんが補足する中
「しかもこんな何もない、地味!アンド地味!!アンド地味!!!なスクールアイドルだし…。」
と千歌ちゃんも肩を落とす。
「やっぱり目立たなきゃダメなの?」
梨子ちゃんの言葉に曜ちゃんが「人気は大切だよ。」と返す。ラブライブについて良く分かっている訳ではないが、知名度を上げないと人気にはならない事は理解出来る。俺も曜ちゃんの言葉に頷き
「何かAqoursも目立つ事をすれば人気も出るんじゃないんッスか?」
と案を出してみる。千歌ちゃんも「それだ!」と言うも良いアイデアが浮かばず二人で唸っていると梨子ちゃんが助け船を出す。
「そうね…。例えば名前をもっと奇抜な物に付け直してみるとか?」
「おお、それいいッスね。インパクトのある名前なら皆興味持ってくれそうッスよ!」
梨子ちゃんの案に俺も同意しサムズアップをする。梨子ちゃんも同じ様に返して新しいグループ名を考えようとした矢先、千歌ちゃんからとあるワードが飛び出した。
「奇抜って、スリーマーメイド?」
「うっ…。」
「は?それはちょっとセンス無いんじゃ…。」
梨子ちゃんが苦虫を噛んだ様な顔をし、俺は余りにもダサイ名前に素頓狂な声を上げる。千歌ちゃんが
「Aqoursって名前になる前の候補の一つで梨子ちゃんが案を出してくれたんだよ。あっ、今は5(ファイブ)だ!」
俺は梨子ちゃんをジト目で見ながら彼女は羞恥で顔を赤くする。ルビィちゃんは意外にもネーミングが気に入っているのかキラキラした目でその名前を呟いている。
「千歌ちゃん!その話は蒸し返さないで!!」
「あっ、でもその足じゃ踊れない。」
梨子ちゃんが狼狽える中ファイブマーメイドでは踊れない事に気付いた千歌ちゃんにルビィちゃんは
「じゃあ…、皆の応援があれば足になっちゃうとか!」
という設定を追加し、話が盛り上がる。だが曜ちゃんが
「でも代わりに声が無くなるという…。」
と人魚から人になった時のデメリットを追加され俺は頭を抱え、千歌ちゃんは「ダメじゃん!」とこのグループ名は没に。
「だからその名前は忘れてって言ってるでしょー!」
と梨子ちゃんの絶叫が木霊す中、パソコンを弄っていた花丸ちゃんが何かに気付き顔を屋上の入り口に向ける。
「善子ちゃん?」
「えっ、善子ちゃん来てるんッスか?」
と花丸ちゃんに聞き返し俺も入り口に視線を向けると善子ちゃんと目が合った。
「ズラ丸、先輩…。」
「いきなり屋上から堕天してしまった。」
そんな事を言って廊下に設置してある物入れに籠っている善子ちゃんに、花丸ちゃんは「学校来たズラか。」と一気に扉を開け声をかける。急に声をかけられた善子ちゃんはとっさに飛び出し
「来たと言うか偶々近くを通りかかったから寄ってみたと言うか…。」
と口籠る。
「いや~、通りかかりついでに来てくれて良かったッスよ~。」
と言う俺に対し花丸ちゃんが「いやいや、制服着て偶々近くに来たから寄ってみたは無理があるズラ…。」と突っ込む。
「どうでもいいでしょ、そんな事!それよりクラスの皆、何て言ってる…?」
「え?」
善子ちゃんの質問の意味が分からないのか首を傾げる花丸ちゃんに善子ちゃんが「私の事よ?」と付け足す。
「変な子だね~とか、ヨハネって何?とか、リトルデーモンだって~とか!!」
そう言う善子ちゃんに花丸ちゃんは「はは…。」と乾いた笑いで返す。
「そのリアクション…、やっぱり話題になっているのね!そうよね、あんな変な事言ったんだもん…。」
オーバーなリアクションを取りながら隠れていた物入れに戻りながら
「終わった…ラグナログ。まさにデッドオワアライブ!」
と言いながら引き戸を閉め再び引きこもる。
「それ、生きるか死ぬかって意味ッスよ?」
と俺が訂正するが花丸ちゃんがクラスの皆は誰も気にしていないし、むしろなぜ来ないのかとか、怪獣の被害に遭ったりして大変な状況なのかな?という心配の声の方が多いみたいだ。
「本当ね…。天界堕天条例に誓って嘘じゃ無いわよね?」
と戸から顔を出した善子ちゃんが虚偽は無いかを花丸ちゃんに確かめる。
『ハルキ、地球にはそんな名前の条例があるのでございますか!?』
「うおっ!」
久しぶりにゼットさんにウルトラの空間以外で話しかけられ思わずビックリする俺に二人が顔を向けるも作り笑いで誤魔化す。
「(そんな条例、地球には無いッス…。)」
とゼットさんにテレパシーで伝えながら花丸ちゃんの肯定のニュアンスの「ズラ。」を聞いた善子ちゃんは勢い良く物入れから飛び出しガッツポーズを決める。
「よし、まだイケる!まだやり直せる!今から普通の生徒でいければ!!」
と気合いの入った声を上げ学校に行く気になった様子であった。
「オッス今ならまだ修正出来そうッスよ!善子ちゃん!!」
「ええ!その為にもズラ丸…。」
俺と善子ちゃんが互いに腕をクロスさせるクロスタッチを交わすと今度は花丸ちゃんに詰め寄りあることを頼む
「ヨハネたってのお願いがあるの…。」
「な、何ズラー!?」
翌日私、津島善子は朝から登校しながら周りの生徒の様子を確認している。
「(花丸の言っている通り、皆前の事は覚えていないようね!)」
さっきクラスメイトに挨拶をしても違和感のある返され方はしていない。これなら何とかなりそうだ。
「雰囲気変わってたからビックリしちゃった。」
「皆で話してたんだよ?どうして来ないんだろうって。」
ホームルーム前にクラスメイトに話しかけられたが
「ごめんね、怪獣の被害にも合ってないし、今日から学校来るから…。宜しくね」
とフレンドリーな対応をしながら切り抜ける。そんな中私の下の名前なんだっけ?と聞かれ、他のクラスメイトからヨハネのワードが出かけていた時には流石に冷や汗が出そうになったが…。
ルビィは不登校だった津島さんが学校に来た事を隣にいる花丸ちゃんに話す。
「津島さん、学校来たんだね!」
「ズラ。マルがお願い聞いたズラ!」
何のお願いだろうと花丸ちゃんに聞いた所、津島さんは気が緩むと堕天使が顔を出すらしく、
「危なくなったら止めてと…。」
「堕天使が出ちゃう?」
何の事だろうと思っていると「津島さんって趣味とか無いの?」と言う質問を耳にする。堕天使が出る…、ルビィは数分後にその意味を知る事になるのです。
「津島さんって趣味とか無いの?」
私、津島善子はクラスメイトの何気ない質問に「特に何も無いよー。」と答えるつもりだった。だがそれを言わなかった事を直ぐに後悔する事になる。クラス溶け込むチャンスであり、ここで上手く好感度を上げることで普通の高校生になれるのではないかと思い自分の趣味を伝える。
「う、占いをちょっと…。」
クラスの子達の黄色い歓声が響く中、「私を占ってくれる?」とリクエストをしてきた子に占いをしようとする。
「じゃあ、占ってあげるね!」
そう言った私は鞄の中から黒いローブと蝋燭を取り出し近くにいた子に火を着けてくれる?と指示をする。
「天界、魔界に蔓延る卷族達に告げます。ルシファー、アスモデウスの先導者堕天使ヨハネ…。堕天の時が来たのです!!」
時既に遅く、ノリノリで堕天使キャラを解放してしまいズラ丸以外のクラス全員がドン引きしていた。ちょっと、何でズラ丸は無表情な顔でこっちを見てるのよ!危なくなったら止めてって昨日言ったでしょ?
「(やってしまった…。)」
私の引きつった顔を横にズラ丸が蝋燭の火を吹き消す。火災報知器が鳴らなくて本当に良かった事が不幸中の幸いだと今になって思ったのだ。
「どうして止めてくれなかったのーー!」
俺、夏川ハルキは善子ちゃんがまたやらかした事を知りどう声をかけたら良いか分からないでいた。
「せっかく上手くいってたのに…。」
とぼやく善子ちゃんに
「まさか、あんな物学校に持ってきているとは思わなかったズラ…。」
「どういう事?」
梨子ちゃんのピンと来ていない様な反応にルビィちゃんが
「ルビィもさっき聞いたんですけど善子ちゃん、中学時代はずっと自分は堕天使だと思い込んでいたらしくて…。まだその頃の癖が抜けきってないというか…。」
「厨二病を拗らせちゃったんッスね…。」
もう俺にはこんな反応しか出来ない。
「分かってる…。自分が堕天使のはず無いって、そもそもそんな物いないんだし…。」
「だったらどうしてあんな物学校に持って来たの?」
梨子ちゃんの質問も最もだが善子ちゃん曰く「ヨハネのアイデンティティーみたいな物」らしい。あれが無いと自分らしく居られないみたいだがそれを話している時の笑顔と話し終わった時のハッとした時の顔がコロコロ変わりすぎて不謹慎だが笑いが出そうになる。
「実際今でもネットで占いやってますし…。」
とルビィちゃんがパソコンで善子ちゃんの占い動画を再生して皆に見せている。このタイミングで投稿まで晒されるのは流石に可愛そうだな…。
「とにかく私は普通の高校生になりたいの!何とかして!!」
ノートパソコンを勢い良く閉じ、普通の女子高生になりたいと言う事を一年生二人と俺に懇願する中、「可愛い…。」と言うメンバーが一人。
「「え?」」
俺と善子ちゃんがハモる中、Aqoursのリーダーである千歌ちゃんが再びパソコンを見ながら「これだ!!」とはしゃぐ。まるで良いアイデアを思い付いたと言わんばかりに善子ちゃんにある事を誘う。
「津島善子ちゃん、いや、堕天使ヨハネちゃん…。スクールアイドルやりませんか?」
「何…?」
「ハァァ…。」
当然の反応を善子ちゃんは返し、俺は千歌ちゃんに対しため息を付いた。