ラブライブ!サンシャイン!!×ウルトラマンZ~遥かに輝き!0から1へ!! 作:ワーラー
ラインナップで作者の世代が分かってしまうかも…。
私、桜内梨子は千歌ちゃんの部屋で新しい衣装を試着しているのだが…。
「この前より短い…。これでダンスしたら流石に見えるわ…。」
ゴスロリチックの服を着てダンスをするのかと思うと気分が若干ナイーブになっている。
「大丈夫!」
と千歌ちゃんがスカートを捲って、「問題無し!」みたいなリアクションをしていると
“パコン!”
「痛ったぁ~!」
“ゴン!”
千歌ちゃんを叩いたハルキ君、その後に曜ちゃんがハルキ君を流れるように叩いた所を目撃し吹き出しそうになる気持ちを押さえながら千歌ちゃんのスカートを強引に元に戻す。
「痛った!何するんスか!?」
「女の子の頭を叩くな!」
「だからって今日俺が買ったマ○ジンで叩くんスか!?しかも背表紙で!」
ハルキ君と曜ちゃんが横で口喧嘩をしている中、花丸ちゃんとルビィちゃんが二人の仲裁に入っている。こんな風に揉めているがなんだかんだ仲が良い事を知っているので気に止めていない私は思考を戻す。
「はぁ…、良いのかな本当に…。」
この衣装とランキングを上げる事とは違うんじゃないかと思っているが千歌ちゃん曰く、堕天使をモチーフにしたスクールアイドルは居ないらしく、結構インパクトはあるのではないかと言う事だ。
「ゴホン…。確かに昨日までこうだったのが…、こう変わる…。」
口喧嘩を終えた曜ちゃんがファーストライブの衣装と、現在皆が着ているゴスロリを見比べる。曜ちゃん、「ほほーう」みたいな顔しないでよ。この路線で行くの賛成なの?
「確かにこの路線変更…。」
ハルキ君…、あなたから一言「ちょっとやり過ぎなんじゃないんッスか?」って言って!男の子目線からの意見だと説得力がきっとある!!
「インパクトがあっていいんじゃないッスか!」
曜ちゃんにサムズアップをして肯定する。曜ちゃんも敬礼をしながらさっきまで喧嘩をしていた二人とは思えない程の笑顔と頼みの綱であったハルキ君の意見を耳にした私はガクッと肩を落とす。そんな中
「うう…、なんか恥ずかしい…。」
「落ち着かないズラ…。」
とルビィちゃん、花丸ちゃんの二人は抵抗がある様な声を上げる。確かにこういう服を着る機会はほとんど無い為確かに少し恥ずかしい。
「ねぇ、もう一度聞くけど本当に大丈夫なの?こんな格好で歌って…」
「可愛いね~!」
「そういう問題じゃない。」
皆のゴスロリファッションをキラキラした目で褒める千歌ちゃんに青筋が立ちそうになった私だったが善子ちゃんも同意見な様で「本当にいいの?」と確認をする。
「これでいいんだよ!ステージで堕天使の魅力を皆で思いっきり振り撒くの!!」
「堕天使の魅力…。ダメダメ、そんなのドン引きされるに決まっているでしょ?」
「大丈夫だよきっと!」と言う千歌ちゃんのごり押しなアイデアに善子ちゃんもブツブツ「大人気」と呟きながら笑っている。
「協力…、してくれるみたいです。」
「オッス。」
善子ちゃんの様子にルビィちゃんが代わりに答え、私も仕方無く腹を括る。少し外の空気を吸いたい為外に出ると美渡さんと千歌ちゃんの家のペットのしいたけと目が合う。私に悲劇が起こる事は言うまでもない…。
「それにしても千歌さんの部屋、漫画が沢山あるズラ!」
「確かに…。それもマ○ジンの物が多いわね。」
俺達はAqoursの堕天使アイドル路線で活動する事を決め、一旦休憩している時、千歌ちゃんの部屋の本棚を見た花丸ちゃんがそう呟き、善子ちゃんも話に加わる。
「あはは…。美渡姉が昔読んでた漫画を貰ってそこから色々ハマったんだよね。」
本棚を改めて見るとヤンキー先生の漫画や詐欺師の先生が主役の漫画、高校生ハッカーが主役の漫画などどれもドラマになった物が多い。
「ハルキさんはどんな漫画を読んでるんですか?マ○ジンはあんまり読んだ事無いんですけど…。」
ルビィちゃんも話に混ざりたいのか俺に話を振ってくる。
「ボクシングの漫画とか、妖精のギルドの漫画とか、マイナーな物だと法律で裁かれない悪党を青い炎とか磁石の力を使って倒す“悪者”が主人公の漫画とかが家にあるッスよ。」
俺の持っている漫画のラインナップに曜ちゃんが
「青い炎の漫画は結構面白かったよ!中学の頃クラスの子にハルキ君、布教してたし。」
と当時の事を話す。
「善子ちゃんはハマった漫画とか無いッスか?」
善子ちゃんも漫画とか好きそうなイメージがあるし、聞いてみたいなと思い話を振る。
「死神代行のとか、ノートのやつとか…。カードゲームで決闘するのとか…。デッキもあるし。」
喜子ちゃんのラインナップに俺も曜ちゃんも「おお~!」と同意する。三つの漫画もかなりハマったしデッキを持っているならいつか善子ちゃんとも遊んでみたい。
「曜ちゃんはガ○シュだっけ?好きな漫画」
と曜ちゃんが昔からハマっていた漫画について聞き
「笑いあり、涙あり、バトルもカッコいい神漫画だよ!」
と敬礼をしながらご満悦な表情をする。そんな風に盛り上がっている中
「いやー!来ないでーー!!」
外に出ていた梨子ちゃんの悲鳴に皆が廊下に視線を向ける。
「こら、しいたけ!!」
美渡姉さんがしいたけを止めているが治まる気配は無く、梨子ちゃんを追いかけ回している様だった。
「大丈夫、しいたけは大人しいか…ウッ!」
そう千歌ちゃんが言いかけている時、襖が倒れてそのまま下敷きになる。その時「ビリッ」という何かが破れた様な音を聞き、まさかと思って目線を下に向けると今日買ったマ○ジンのページがグシャグシャになっていた。
「うわっ、俺のマ○ジン!!」
まだ最初しか読んでない雑誌がご臨終し俺も思わず声を上げる。
「とりゃーーー!」
普段の彼女からイメージ出来ない様な声に俺は視線を向けると外に向かってジャンプしている梨子ちゃんがいた。
「「「「「おお…、飛んだ……。」」」」」
「ワン!」
俺以外の五人としいたけの鳴き声がハモり、俺も「すげぇ…。」と声を上げる。梨子ちゃんはそのまま一回転し、向かいのベランダに尻餅を着いて着地した。
「グァッ!」
そんな声を出しながらも着地した梨子ちゃんに全員が拍手をする中、Zさんが
『ハルキ、梨子がセンターになってこのジャンプのクオリティを上げたらスクールアイドルとして注目されるんじゃないか?』
と俺に聞くも
「(多分しいたけが居ないと無理と思うッスよ?)」
と無理がある方法をしないと成功しないと思い、Zさんにそう返す。
彼女がジャンプして帰ってきた瞬間を梨子ちゃんのお母さんにも目撃されてしまい、尻の痛みと羞恥で梨子ちゃんは泣きそうになっていた。
「じゃあ衣装宜しくね!」
「ヨーソロー!!」
梨子ちゃんとしいたけの騒動の後、帰りのバスが来る時間になった為、私高海千歌はハルキ君、着替え終わった梨子ちゃんと一緒に曜ちゃんと喜子ちゃんを見送る。
「痛たた…。」
「大丈夫ッスか?」
未だ、お尻を痛がる梨子ちゃんをハルキ君は案じており、私は笑いながら様子を見守る。
「笑い事じゃ無いわよ!今度から絶対繋いでおいてよ?」
「はいはい。アハハ!」
笑い続けている私に「人が困っているのがそんなに楽しい?」とムスッとした様子で梨子ちゃんが尋ねるも私の考えはそんな事では無かった。
「違う違う、皆それぞれ個性があるんだなって。ほら私達、初めたは良いけどやっぱり地味で普通なんだなぁって思ってた。」
「そんな事思ってたの?」
梨子ちゃんの意外だなぁと言う様なリアクションに
「そりゃ思うよ、一応言い出しっぺだし。かといって今の私に皆を引っ張っていける力は無いし…。」
と最後は自信無く答える。
「でも皆と話して少しずつ皆の事を知って全然地味じゃ無いって思ったの。それぞれ個性があって魅力的で…。だから大丈夫じゃないかな?」
そう答える私にハルキ君が「凄いッスよ…。」と返す。梨子ちゃんは「やっぱり変な人ね」と笑う。
「えー!」
「初めて会った時からそう思ってた。」
失礼な事を言う梨子ちゃんに対し誉めているのか貶しているのかを問うも「どっちも~」とはぐらかされ地団駄を踏む。
「とにかく頑張って行こうって事。地味で普通の皆が集まって何が出来るのか…。ね?」
「そうッスね、頑張っていけばきっと何が変わると思うッスよ!ね?」
私にそう言った梨子ちゃんに、ハルキ君は私達二人に「頑張ろう!」と言うニュアンスでサムズアップをする。梨子ちゃんはサムズアップを返すも、その時の二人の詳しい意図は私には分からず「まぁ、いっか」と呟く。
「さて…。コンビニまで競争ー!」
と突然走り出した梨子ちゃんに私とハルキ君も駆け出す。コンビニで私はミカンのアイスを、梨子ちゃんは今日破ったマ○ジンをハルキ君に弁償し、ハルキ君や私が読んでいた漫画を読んでみたいという事で5冊づつ貸してお互い帰宅した。
翌日、俺達は堕天使スクールアイドルとして動画を上げる事になった。なったのだが…。
「ハーイ。伊豆のビーチから登場した待望のニューカマー、ヨハネよ!皆で一緒に~~堕天しない?」
「「「「「「しない?」」」」」」
と善子ちゃんの一声で俺達6人も目元に裏ピースをしてキメ顔でポーズを録る動画を撮影。
「やってしまった…。」
「というか何で俺も写らなくちゃならなかったんスか?それもデ○メタルみたいな格好で!?」
撮影終了後、梨子ちゃんが部室の窓際でうなだれる中俺は曜ちゃんと千歌ちゃんに今更ながら抗議する。
「だってハルキ君のも作っちゃったんだもん!格好良かったでしょ?」
「マネージャーも入った方がインパクトあるでしょ?」
「マネージャーが入った方がインパクトがあるのは分かるッスけどデ○メタルの格好はただの色物じゃ無いっすか!!」
そんな「当たり前だろ?」みたいな返答を二人ともがし、俺の抗議を完全無視をする中梨子ちゃんを除いた女子5人はサイトのランキングを見る。953位と昨日まで4000位代だったAqoursのランキングから一気に伸びていた。
「おお!すげぇ!!」
「一気にこんなに!?」
「じゃあ効果あったって事?」
俺、千歌ちゃん、気持ちが落ち着いたであろう梨子ちゃんも加わりこのランキング上昇に驚きの声を上げる。
「コメントも沢山…。凄い!!」
ルビィちゃんが動画のコメントについて触れると画面に弾幕が出るほどの量…。
ルビィちゃん最高!
ルビィちゃんのミニスカートがとても良いです。
最初からルビィちゃん一択!
ルビィちゃんの笑顔が等
ルビィちゃんも満更では無い様子で「いやぁ、そんな!」と恥ずかしがる。デ○メタル姿の俺に対するコメントもそれなりに多くこれがアップロードされていると思うとメチャクチャ恥ずかしくなった。
「ヨハネ様のリトルデーモン4号、黒澤ルビィです…。一番小さい悪魔…可愛がってね!」
この堕天使スクールアイドルの動画を見た鞠莉さんは
「OH!プリティーボンバー※#$×○!!」
と最後は何を言っているのか分からない発音をしながらテンションを上げている中、ボソッと「プリティー…。」と答えたダイヤさんは
「どこがですの…。こういうものは!ハレンチと言うのですわ!!!」
と今まで以上に大激怒していた。
「え?でも今さっきプリティーって言っ…「ギロッ!!」スンマセン!!!」
言いかけた俺に黙れと言わんばかりに睨み付けられ反射的に謝罪をする。
「いや~、そういう衣装というか…。」
「キャラというか…。」
千歌ちゃんも曜ちゃんも歯切れ悪く答える中梨子ちゃんが
「だから私はいいの?って言ったのに…。」
と二人に小声で言う。こうなる事を予想してたのか…。
「そもそも私がルビィにスクールアイドル活動を許可したのは節度をもって節度を持って自分の意思でやりたいと言ったからです。こんな格好をして注目を集めようなどと…。そしてハルキさん、何で止める立場であるマネージャーのあなたもデ○メタルの格好で写ってますの!?」
「本当にスンマセンでした。妹さんにハレンチな格好をさせて、俺も調子に乗って動画に出てしまって申し訳ありませんでした!!」
俺にも怒りの矛先が再度向けられ、長官に謝罪する時の様に頭を垂直に下げる。この人は怖すぎる…、そう思っている俺にZさんも
『この子、ウルトラ怖いであります…。』
とテレパシーで俺に伝える。この部屋から今すぐ出て行きたい!
「ごめんなさい、お姉ちゃん…。」
ルビィちゃんの謝罪の言葉を聞き少し落ち着いたのか声音が普段の様な状態に近づく。
「とにかくキャラが立ってないとか、個性が無いと人気が出ないとかそういう狙いでこんな事をするのは頂けませんわ!」
ダイヤさんの言いたい事は分かるが曜ちゃんは少し納得出来てない様子で「でも、一応順位は上がっているし…。」と抗議する。
「そんなもの一時だけに決まっているでしょ?」
試しに今ランキングを見てみろと言うダイヤさんの言葉に俺達はパソコンの画面を見る。
「え!?」
現在のランキングの結果に曜ちゃんほ愕然とした声を上げる。約950位のランキングから1500位に一気に落ちていたのだった…。一気に上がった筈なのに短時間でここまで落ちてしまう事は俺も思っていなかった。勿論他のメンバーも。
「本気で目指すのならどうするべきかもう一度よく考える事ですね!」
ダイヤさんの話はこれで終わり俺達は生徒会室を後にする。その時の善子ちゃんが曇った顔をしていたのに俺は気付く事が出来なかった…。
「失敗したな~。」
私、津島善子とAqoursは生徒会長の説教が終わり、千歌先輩の家の近くにある浜辺で今日の事について反省していた。
「確かにダイヤさんの言うとおりだね…。こんな事でμ'sになりたいなんて失礼だよね。」
「そんなに気に病む事無いと思うっすよ?次で挽回すればいいんッスよ!」
項垂れた先輩にハルキ先輩がフォローを入れる。
「千歌先輩が悪い訳じゃ無いです。」
「そうよ…。」
黒澤さんの言葉に私も同意し視線が集まる。
「いけなかったのは堕天使…。やっぱり高校生にもなって通じないよ。」
私のせいでランキングも落ちて、生徒会長に他の皆も怒られた。
「それは違…」
千歌先輩の言葉を遮り私は続ける。
「なんか…スッキリした!明日から今度こそ普通の女子高生になれそう。」
「じゃあスクールアイドルは?」
そう尋ねる黒澤さんに「止めておく。迷惑かけそうだし…。」と答える。このままスクールアイドルを続けても私はきっとロクな事を言わないだろう。
「少しの間だけど堕天使に付き合ってくれてありがとうね。楽しかったよ!」
私は何とか笑顔を作りそのまま去ろうとする。その時
「本当に堕天使を終わらせていいんスか!?自分が一番好きな物をこんな形で投げて後悔しないんスか?」
ハルキ先輩の言葉に一瞬立ち止まるも
「心配してくれてありがとう。でもいい機会だし、これでいいのよ。」
と振り替える事無く答えバス停に向かって走りだす。そう、いい機会だったのよ、きっと…。
「クソッ!こんな終わり方なんて納得出来るわけ無いだろ!!」
マル、国木田花丸は自分の手をコンクリートに叩き付けているハルキ先輩を見ながら善子ちゃんの事を思い返す。
「どうして堕天使だったんだろう?」
そう言う梨子さんの疑問にマルは幼稚園の頃の善子ちゃんの事を皆に話した。
「マル、分かる気がします…。ずっと普通だったんだと思うんです。私達と同じで余り目立たなくて…。」
小、中学校の頃の善子ちゃんはよく分からないが、きっとマルやルビィちゃんの様に大勢の輪の中にいるタイプでも、皆を引っ張っていくタイプでも無い気がする。
「そんな時、思いませんか?これが本当の自分なのかなって…。元々は天使みたいにキラキラしてて、何かの弾みでこうなってしまったんじゃないかって。」
マルの言葉に皆が同意する。勿論ハルキ先輩もだ。
「そっか…。」
「確かにそんな気持ち、あった気がする。」
「オッス…。」
きっと皆が少なからず持っていた気持ちを聞きながら善子ちゃんが幼稚園の頃、良くマルに言っていた事を話す。
“私、本当は天使なの。いつか羽が生えて天に還るんだ!!”
その時の善子ちゃんはとても可愛くてキラキラしてた。でもその善子ちゃんらしさが明日から無くなる事を考えると途端に寂しくなった…。
「ねぇ皆、明日協力してほしい事があるんだけどいいかな?」
千歌先輩が皆をまとめ明日の事を相談し始めた。
翌日の朝私、津島善子は部屋にある堕天使グッズを段ボールに入れゴミステーションに持って行こうとする。
「これで良し…。」
整理した部屋を思い返すと意外と堕天使以外の物が無いんだなと思いながらゴミステーションに段ボールを置く。これで堕天使とも卒業…、そう思っている私に「堕天使ヨハネちゃん」と声をかけられその声の主に顔を向ける。
「「「「「「スクールアイドルに入りませんか?」」」」」」
昨日のスクールアイドルとマネージャーのハルキ先輩が再度スカウトにやって来た。まだ朝の7時に…。
「ううん、入ってください、Aqoursに!堕天使ヨハネとして!!」
「何言っているの、昨日話したでしょ?」
堕天使を卒業しようとしている私をまだ誘おうとしているのか?これを続けても結果は分かりきっているのに!
「いいんだよ、堕天使で!自分が好きならそれでいいんだよ!!」
千歌先輩の言葉に「ダメよ!」と否定し、私はそのまま走って逃げる。それでも追いかけるメンバーに
「生徒会長にも怒られたでしょ?」
と昨日の事を伝える。またハレンチとかキャラが立ってないとか言われるのも関の山だ。
「それは私達が悪かったんだよ!善子ちゃんはいいんだよ?そのまんまで!!」
「どういう意味ー?」
沼津の商店街を通過しても諦めず追ってくる。
「私ね、μ'sがどうして伝説を作れたのか、どうしてスクールアイドルが繋がってこられたのか考えてみて分かったんだ!」
沼津駅も沼津バーガー店を過ぎてもまだ追ってくる。
「もう!いい加減にして!!」
私も流石に体力が限界になり、立ち止まって息を整える。勿論他の皆もだ。
「ステージの上で自分の好きを迷わずに魅せる事なんだよ!お客さんにどう思われるかとか人気がどうとか関係ない。自分が一番好きな姿を、輝いている姿を魅せる事なんだよ!!」
そうだ、堕天使を好きなのは今でも変わらない。それを無理矢理終わりにさせた事に本当は何一つ納得出来ていない!
「だから善子ちゃんは捨てちゃダメなんだよ!自分が堕天使を好きな限り!!」
皆が堕天使を認めてくれている…。本当にいいんだろうか…。
「いいの、変な事言うわよ?」
「いいよ!」
曜先輩が肯定する。
「時々儀式とかするかもよ?」
端から見ると訳の分からない事をするかもしれない…。
「そのくらい我慢するわ。」
梨子先輩も笑いながらサムズアップをする。
「リトルデーモンになれって言うかも!!」
皆が笑うも千歌先輩が
「それは…、でも嫌だったら言う!」
と肯定的な言葉で返してくれた。そして先輩の手にある黒い羽を私に向けて
「だから…。」
私もその羽を受け取る。契約をするかの様に。
千歌先輩の笑顔に私も思わず笑顔になる。心から笑顔になれたのは凄い久しぶりな気がした。
「そうだ!堕天使グッズ!!」
ゴミステーションに置いたままだった堕天使グッズはきっと業者が持って行ってしまっただろう…。またお小遣いを貯めて集めれば良いが愛着があった物もあったため表情が曇りそうになる。そんな時
ブロロロロロ!!
バイクの音が聞こえ、ハルキ先輩が追い付いてきた。
「ハルキ君遅いよ?」
曜先輩が言う物のハルキ先輩が
「なんで俺は昨日と同じデ○メタルファッションでメイクまでしないといけなかったんスか~!!こんな事千歌ちゃんは言っていなし、お陰で職務質問されたんッスけど?」
友達の家でパーティーすると言う嘘を吐いて切り抜けたハルキ先輩は曜先輩をヘッドロックしながら横腹を擽る。
「痛い痛い痛い!ワハハハハ!ごめんなさい!!」
表情がコロコロ変わる曜先輩を他所にハルキ先輩はバイクの後ろを見ろと向ける。そこには…!
「あっ!堕天使グッズ!!」
捨てた筈の堕天使グッズが全部入っていた。
「ありがとう!本当は捨てたく無かった!!本当にありがとう!」
「オッス!」
ハルキ先輩の代名詞とも呼べる言葉に私は笑顔になり、千歌先輩も
「流石リトルデーモンハルキ君!」
と目元に裏ピースをし誉める!
「そんな事よりこのリトルデーモン、ヨーソローを生け贄に捧げる必要があるッスね~!!」
未だに続けられる痛みと笑いで顔がぐちゃぐちゃになっている曜先輩は千歌先輩に助けを請うも
「面白そうだから続けて良し!」
との宣告を告げられ他のメンバーも笑いながら参戦する。
ここでならきっと自分らしくいられる…。そう思った私は晴れやかな顔をしていた事は間違いない。
「鞠莉さん!」
「どうしたのです?」
私、黒澤ダイヤは渡辺さんが悲惨な目に合っているのは知るよしも無く、鞠莉さんにパソコンに送られてきたメールはどういう意味かを問い詰める。
「あのメールは何なのです!?」
「何って、書いてある通りデス。」
そう告げる鞠莉さんの顔は曇り、私も「嘘でしょ…。」と呟く以外の言葉は思い浮かばなかった。