ラブライブ!サンシャイン!!×ウルトラマンZ~遥かに輝き!0から1へ!!   作:ワーラー

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やっと20話!なんだかんだ良く続いているなと思うこの頃。リエラも新しいキャラクターが公開されてこれから楽しみです!
それでは今回も楽しんでください。


第20話 未熟DREAMER 前編

遡ること2年前

 

「私、スクールアイドル…辞めようと思う。」

私、小原鞠莉は果南の口から出た言葉の意味が一瞬分からなくなっていた…。

「まだ引きずっているの?東京で歌えなかったくらいで…。」

あの日、東京で歌えなかった事は私も果南も悔しかったがそこまで重く感じる程だろうか?

「鞠莉、入学の話が来てるんでしょ?行くべきだよ…。」

何かの冗談かと思った私だったが果南は人が傷つく冗談は絶対に言わないし、この時の声音は本気そのものだった。

「ダイヤも同じ意見。もう続けても意味無いんだよ…。」

何も言わず果南と共に部室を後にするダイヤ…。あのスクールアイドルが私達の中で一番好きな彼女までもが果南を止めてくれない。

「果南!ダイヤ…!!」

私は机の上に置かれた衣装を見せて二人を引き留めようとする。この衣装で次のイベントは絶対成功させたい、考え直して欲しい…。その私の願いも虚しく果南の言葉で全てが崩れてしまった。

「終わりにしよう…。」

 

 

 

 

私、ウルトラマンZは一体化しているハルキの中でAqoursの今後の活動を聞いている。

「夏祭り?」

「屋台も出るズラ!!」

ルビィ、花丸が地球のイベントである夏祭りにテンションをウルトラ高く上げている。

「これは…痕跡……。僅かに残っている…気配。」

そんな中、善子が相変わらず訳の分からない事を言いながら千歌の家である十千万の椅子に頬擦りをしている。

『ハルキ、どういう意味か分かるでございますか?』

「(俺もさっぱり…。)」

善子は面白いけど時々出てくるワードはハルキでも分からないらしく、俺は毎回首を傾げる始末。おかしい、光の国での授業でもこんな言葉は教えて貰っていないぞ…。

「どうしよう…、東京へ行ってからすっかり元に戻っちゃって……。」

ルビィが呆れながら善子を見るが花丸は黙々と沼津の名物「のっぽパン」を食べている。

「それより、しいたけちゃん本当に散歩で居ないわよね!?」

犬嫌いな梨子が上ずった声をしている中、曜がAqoursも参加するかを千歌に聞く。

「そうだよね~。決めないとね…。」

千歌もカウンターに突っ伏しながら、どうするかを悩んでいる様子だった。

「沼津の花火大会ってここら辺じゃ一番のイベントなんスよ。」

ハルキが梨子に沼津の花火大会と、そこから依頼が来ている事を教える。確かにAqoursを知って貰うにはウルトラ良い機会かもしれない。

「でも花火大会まであまり練習時間が無いよね…。」

ルビィが花火大会までの日にちをカレンダーを見て呟く。

「花火大会まで今日を含めて12日…。ちょっと急な気もするよね。」

「私は、今は練習を優先した方がいいと思うけど。」

曜、梨子は今回は見送る方針なのか…。確かにハルキと一体化して約3ヶ月が経ったが地球の一週間はあっという間だ。その上1日の半分以上は勉強をして放課後に練習をする為、スクールアイドルに当てる為の時間はほんの僅かだ。

「千歌ちゃんはどうする~?」

曜が千歌に夏祭りに参加するかを聞くと彼女は「出たい」と宣言。

「今の私達の全力を見てもらう。それでダメだったら、また頑張る。それを繰り返すしか無いんじゃないかな?」

その考えに皆が賛同しAqoursの夏祭り参加が決定した。

『ハルキ、今みたいなのを「鶴の一声」って言うんだよな?』

「Zさん、良くそんなことわざ知ってますね!?」

良し、昔授業で習った言葉は合っていたみたいだ。

「千歌ちゃん変わったね!」

「そうね。」

「0を1にしたい…。目標が決まったから前よりも熱が入ってるッスよね!」

曜、梨子、ハルキの言葉に俺も頷いている。東京でのAqoursの惨敗から千歌を立ち直らせた「0から1へ」と言う言葉…。Aqours全員の原動力になったのだなと俺は改めて確信したのだった。

「それにしても…果南ちゃん、どうしてスクールアイドル辞めちゃったんだろう?」

千歌がダイヤさんと鞠莉と一緒にスクールアイドルをやっていた果南の名前を口にする。

「生徒会長が言ってたでしょ?東京のイベントで歌えなかったからだって。」

あの時、どうやら果南はセンターだったそうだが大きな舞台で失敗してしまった事が彼女の中で傷になっているのではないのだろうか…。

「でも、それで諦めるような性格じゃ無いと思う。ね!ハルキ君!!」

「そうッスよね…。なんか果南ちゃんらしくないッスよね…。」

幼なじみの千歌やハルキも彼女らしくない行動に疑問を持っていた。

「俺と千歌ちゃん、果南ちゃんは小さい頃からいつも一緒に遊んでて…。千歌ちゃん、初めて高台から海に飛び込んだ時の事覚えてるッスか?」

「うん。飛び込みを怖がっていた私に、「ここで辞めると後悔するよ。」って果南ちゃんが言ってくれたの。」

3人の幼少期の話を聞き、果南がスクールアイドルを辞めた理由にAqoursのメンバーは疑惑を深めていた。

 

 

夏祭りに参加する事も決定し、浜辺で練習を始めるAqoursのメンバー。あの悔しい思いをした翌日から全員、練習着に“0から1に”と刺繍をしたストレイジの腕章を付けて練習している。

「もう少しスクールアイドルをやっていた頃の事が分かればいいんだけどね。」

やはり果南の事が気になる千歌。

「聞くまで全然知らなかったもんね…。」

曜も千歌に同意する中、何かを思い出したかの様にルビィの方を向く。それを聞いていたルビィ意外のメンバー全員もだ。

「ルビィちゃん、ダイヤさんから何か聞いてない?」

「小耳に挟んだとか?」

「ずっと一緒に家にいるのよね?何かあるはずでしょ?」

「お願い!!練習が終わったらルビィちゃんの好きなスイートポテト買ってあげるッスから!!」

千歌、曜、梨子、そして買収しようとするハルキに問い詰められ、ルビィは泣きそうな表情をしている。

「アワアワ…。ピギィーーー!!」

脱兎の如く逃げるルビィに善子がダッシュで捕まえに行く。

「とりゃー!堕天使奥義!堕天龍鳳凰縛!!」

ウルトラ戦士もビックリな締め技を発揮する善子に俺もハルキも驚きの声を上げる。

「辞めるズラ。」

善子の頭を笑いながら“バシッ”と空手チョップで叩く花丸に俺はハルキにある提案をする。

『ハルキ!善子からあの技を教えて貰いましょう!この技があれば怪獣も…』

「ダサいから却下で!」

即答で没にされた。

 

 

善子に締め技をされ、Aqoursのメンバーとハルキに取り囲まれたルビィは観念して口を開いた。

「ルビィが聞いたのは東京のライブが上手く行かなかったって位です。それからスクールアイドルの話は殆どしなくなっちゃって。だだ…。」

「「「「「「『ただ?』」」」」」」

「うわっ!」

ルビィが何か言いにくそうに言葉を濁し、俺も混じって声を上げる。ハルキの驚きに全員が怪訝な顔をしていたが…。

「鞠莉さんがお姉ちゃんと話をしに家に来た時があって、その時お姉ちゃんが「逃げている訳ではありませんわ。だから果南さんの事を逃げたなんて言わないで」って…。」

「「「「「………。」」」」」

ダイヤと果南の真意が分からないまま、全員が黙り混んでしまう中、千歌の呟きだけがポツリと木霊した。

「逃げた訳じゃ無い…か。」

 

 

 

 

俺、夏川ハルキは朝5時半頃にAqoursのメンバー全員で果南の住んでいる淡島に来ている。

「ふああぁ…。まだ眠いズラ。」

「何でこんな朝早くに走るのよ…。ふああぁ…。」

花丸ちゃんと梨子ちゃんが欠伸をする中、果南ちゃんは走り出す。

「毎日こんな朝早く起きてるんですね…。」

「果南ちゃんの父さん、今怪我してるから店の手伝いをする為に早起きしてるんッスよ。」

ルビィちゃんが感心する中、俺が補足をする。まあ小さい頃から早起きして俺や千歌ちゃんを遊びに誘っていたけど。

「それより、こんな大人数で尾行したら流石にバレるわ!ううっ…、もう無理。」

「だって皆来たいって言うし…。」

梨子ちゃんが今更ながらこんな事を言うが曜ちゃんが「なら皆で行こうか!」とゴリ押しで今回の尾行を決定した。

「梨子ちゃん、朝壊滅的に弱いんだから無理に来なくて良かったんだよ?それにしても果南ちゃん早いね…。」

千歌ちゃんが軽口を叩いている間に果南ちゃんはどんどんペースを上げていく。

「ううっ…。先に行ってて…。」

「ああっ、もう!!」

道端でへばっている梨子ちゃんをおんぶしながら果南ちゃんを追う事にした。頼むから今日だけは怪獣は出て来るなと祈りながら…。

俺達が尾行を開始して約30分が経過し、梨子ちゃんに引き続き一年生組が死にかける中、相変わらず果南ちゃんは走り続け淡島神社に向かう階段を駆け上がっていた。

「Zさん、一応聞くんスけど果南ちゃんは星人に操られているとかそういう事は無いんッスよね?」

マラソン選手顔負けのスタミナを持つ果南ちゃんを見た俺はZさんに聞いて見るも

『大丈夫!果南には宇宙人が何かをしたと思われる痕跡は全く無い。全部自分の力で走っている!』

バッサリ言い切られたが、梨子ちゃんを背中に俺も淡島神社の頂上に到着し、他のメンバーも遅れて全員集まった。

梨子ちゃんを下ろした俺の袖を引っ張りながら千歌ちゃんが果南ちゃんを見ろと指を刺す。

「スゲェ…!」

果南ちゃんは息を整える素振りも無く、その場でダンスをしていた。ダイナミックな動きや、優雅にその場で回転しながら楽しそうに踊る果南ちゃんに俺達全員が見惚れていた。

「綺麗…!」

「オッス…。」

千歌ちゃんの呟きに俺も頷く。だが、Aqoursが参加したイベントの上位グループにも匹敵する様なダンスをする果南がスクールアイドルを辞めた事に対する理由が未だ不明だ。今のダンスは思い付きで始めたものでは無く、長い期間練習を重ねて磨いたものである事は、武道をしながらこの3ヶ月間Aqoursマネージャーとしてパフォーマンスを見てきた俺でも分かる。

 

“パチパチパチパチ!”

 

俺が考えている時、どこからか拍手が聞こえる。とっさに辺りを警戒するも梨子ちゃんが「鞠莉さんよ。」と教えてくれた。

「復学届け、提出したのね。」

「まあね…。」

いつもの様に柔和な笑顔のまま話しかける鞠莉さんに果南ちゃんは素っ気無く返す。

「やっと逃げるのを諦めた?」

そう言った鞠莉さんに果南ちゃんは眉間にシワを寄せて言い返す。

「勘違いしないで!学校を休んだのは父さんの怪我が原因。それに復学してもスクールアイドルはやらない!!」

「私の知っている果南はどんな失敗をしても笑顔で次に向かって走り出していた。成功するまで諦めなかった…。」

鞠莉さんの言う通り果南ちゃんは負けず嫌いで成功するまで何度でも挑戦する子だった。そんな彼女がたった一度の失敗程度で諦めるとは到底思えない。

「これから始めても卒業まで一年も無いんだよ?スクールアイドルのレベルは私達がやっていた頃より格段に上がっている!」

「それだけあれば充分よ!それに今は後輩もいる。」

「「「「「「えっ!?」」」」」」

果南ちゃん、鞠莉さんの会話の中で“後輩”と言う言葉が出た時、Aqours全員が驚きの声を上げる。

「ヤバい、鞠莉さん気づいたか!?」

『落ち着けハルキ!俺達が尾行している事に気付いていない。話で出しただけだ。』

俺の不安も杞憂に終わり安堵する中、二人の会話は続く。

「だったら千歌達に任せればいい。あの時歌えなかった私よりずっと伸び代はある。マネージャーのハルキもいるし、今回の挫折を今のメンバーは乗り越えた!どうして戻ってきたの?私は…、戻って来て欲しく無かった。」

「果南…。あ、相変わらず果南は頑固なんだか「もうやめて!」…。」

普段の果南ちゃんからは想像出来ない冷たい目で鞠莉さんを見る。震える声の鞠莉さんを一瞥し、

「もうあなたの顔…、見たく無いの。」

そう言い切った果南ちゃんは神社を後にし、鞠莉さんは呆然と立ち尽くしていた。

 

 

「酷い…。」

「可哀想ズラ…。」

果南ちゃんに対しルビィちゃんと花丸ちゃんが非難の声を上げる中、俺は先程の果南ちゃんの言動について考える。

「やっぱり何かありそうだね…。」

曜ちゃんが俺に話し「そうッスよね…。」と同意する。

「友達思いな姉貴分なんスけどね…。中学までは喧嘩もして先生達から問題児扱いされてたって言ってたけど、果南ちゃんは弱い者イジメも相手が傷つく事も絶対しなかった。手を上げて謹慎する事は何度かあったッスけどね…。相談に乗る度に話を聞くとクラスメイトが嫌がらせを受けてそれを助ける為に殴ったって言ってたから、一緒にスクールアイドルをやっていた友達にさっきみたいな事を言うのは尚更おかしいんスよ。」

俺の言葉に曜ちゃんと千歌ちゃんも頷く中、時計を見ると船の出向時間が近づいており全員ダッシュで港に向かった。

 

 

 

 

果南ちゃんがスクールアイドルを辞めた真意が分からないまま数日が経ち私、高海千歌は朝のホームルーム前にも関わらず教室の窓際で黄昏ていた。ちなみにハルキ君はストレイジのミーティングがある為、昼から登校するとメールが来ている。

「果南ちゃん、今日から学校に来るって!」

「それで、鞠莉さんは?」

曜ちゃんが果南ちゃんが今日から復学する事を教えてくれるも、鞠莉さんがまた先日の様にスクールアイドルを再開させようとするのでは無いかと心配の声を上げる。

「んん!?」

曜ちゃんが何かに反応するように鼻をヒクつかせる。その視線の先には1枚の制服が…。

「クンクン…。制服~~!!!」

「「ダメーーッ!!」」

まるでボールを追いかける犬の様に制服に向かってダイブする曜ちゃん。私と梨子ちゃんは冷や汗をかきながら曜ちゃんの腰を掴み力づくで引き上げた。落ちていく制服に向かって飛び降り自殺をしましたなんていくら親友でも情けなさすぎるよ!

「いや~!制服を見つけるとついね…。」

「ついね…。じゃないわよ!あのままだと地面まで真っ逆さまよ!真っ逆さま!!」

笑って誤魔化す曜ちゃんに梨子ちゃんが青筋を立てながら怒りまくる!この親が子供を叱る様な様子を撮影してハルキ君に送った私は曜ちゃんが持っていた制服を改めて見る。これは普通の制服じゃ無いことは直ぐに気づいた。

「これって…、スクールアイドルの?」

 

 

 

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