ラブライブ!サンシャイン!!×ウルトラマンZ~遥かに輝き!0から1へ!!   作:ワーラー

21 / 40
今回ちょっと初のオリジナルの戦闘を入れます!拙い文章ですが温かく読んで下さると嬉しいです
感想も待ってます。
それではどうぞ!!


第21話 未熟DREAMER 後編

制服が落ちて来た直後三年生の教室に野次馬が集まっているのを知り私、高海千歌と二年生も急いでその教室へ向かう。

「離せ!離せって言ってんの!!」

「良いと言うまで離さない!!」

案の定果南ちゃんと鞠莉さんが教室のど真ん中で取っ組み合いの喧嘩をして揉めていた。

「強情も大概にしておきなさい!たった一度の失敗でいつまでもネガティブに!」

「うるさい!いつまでもはどっち!?二年前の話をしつこいんだよ!!大体今更スクールアイドルなんて…。私達、もう三年生なんだよ!!」

「二人ともお辞めなさい!皆見てますわよ!!」

二人の喧嘩を止める事が出来ずダイヤさんはアワアワと狼狽えている。今まで私達に飛ばしていた怒号はどこに行ったのか…。

「ダイヤもそう思うでしょー!」

「止めなさい!いくら粘っても果南さんは再びスクールアイドルを始める事はありませんわ!!」

鞠莉さんの言葉をダイヤさんは否定する。

「あの時の失敗はそんなに引きずる事なの?千歌っち達だって再スタートを切ろうとしているのに何で!?」

「千歌とは違うの!!!鞠莉には他にもやるべき事がたくさんある筈でしょ?だったら…」

もういい…。私は野次馬を押し退け三人の前に仁王立ちをする。

「いい加減に……!!しろーーーーーーーー!!!!」

私は肺の中の空気を全て出しきる様に怒号を発する。当事者の三人以外は全員耳を塞いでいるがそんな事は関係ない!

「もう!何か良く分からない話をいつまでもずーっと!ずーーっと!ずーーーっと!!隠して居ないでちゃんと話なさい!!!」

「千歌には関係な「あるよ!!」…。」

果南ちゃんの発言を遮り私は続ける。

「ダイヤさんも、鞠莉さんも!三人揃って放課後、部室に来て下さい。」

「えっ?私(わたくし)も?」

まるで自分は関係無い様な言い方をするダイヤさんに青筋を立てながらガンを飛ばし全員来ることを約束させる。

「ハァ…。」

ため息を付いた果南ちゃんはカバンを持って教室を出ようとするも私は襟の後ろを掴む!

「果南ちゃん!逃げないでよ?」

「ぐえっ…。分かってるよ!放課後部室に行くから…。体育館の所でしょ!?」

堂々とサボる果南ちゃんを皆の目線が見送る。

「千歌ちゃん凄い…!!」

「三年生に向かって…。」

「大怪獣……。」

曜ちゃん、ルビィちゃん、善子ちゃんが呟く中、花丸ちゃんと梨子ちゃんが汗を浮かべたまま引きつった顔をしている。

「あっ……。」

やってしまったと思ったのも既に手遅れであった。

 

 

「だから、東京のイベントで歌えなくて…。」

「それはダイヤさんから聞いた。」

ダイヤさんと鞠莉さん、そしてサボっていた果南ちゃんも約束通り部室に来て私達は三年生が隠している事情を聞いている。

「何でその事言ったのよダイヤ?」

「仕方ないでしょ!」

青筋を浮かべダイヤさんに文句を言う果南ちゃんにダイヤさんも言い返す。

「でも、それだけで諦める果南ちゃんじゃ無いでしょ?」

再度話を進める私の後ろで鞠莉さんも

「そうそう、千歌っちの言う通りよ。だから何度も言ってるのに!」

と私を盾に果南ちゃんに問う。

「何か事情があるんッスよね?もう隠し続けるのもキツイんじゃ無いんスか?」

ハルキ君も果南ちゃんに優しく聞くも

「そんなのは無いよ。さっき言った通り私が歌えなかっただけ…。」

「ああ~~っ!イライラするっ!!」

「その気持ち良~~く分かるよ!ホント腹立つよねコイツ!!」

「勝手に鞠莉がイライラしてるだけでしょ!!」

話をはぐらかし続ける果南ちゃんに私も鞠莉さんもイライラしながら頭を掻きむしる。鞠莉さんの言う通り今の果南ちゃんにかなり腹が立っていた!なんだってこんなに隠したがるのか!!

「どうどう、三人とも落ち着いて!」

「そうだよ、カリカリしてたら尚更話が進まないって。」

ハルキ君と曜ちゃんが私達三人を宥める。そうだ、ここでイライラしてたら事情が聞けない。クールダウンだ、クールダウン。

「そういえばこの前弁天島で踊っていたような…。」

ルビィちゃんが先日果南ちゃんを尾行していた時の様子を思い出し、躍りを見られたのが恥ずかしいのか果南ちゃんは顔を真っ赤にしながらそっぽを向く。

「おお~、赤くなってる!やっぱり未練あるんでしょ~~?」

煽る鞠莉さんに怒りが頂点に達したのか果南ちゃんは机を叩き、立ち上がる。

「うるさい!未練なんて無い…。とにかく私はもう嫌になったの!!スクールアイドルは絶対にやらない。」 そう吐き捨てる様に言った果南ちゃんは振り向く事無く部室から出て行った。

「……。ダイヤさん、何か知ってますよね?」

果実ちゃんが去り、梨子ちゃんがダイヤさんに対し問い詰める。

「えっ?私は何も……。」

分かりやすく狼狽えるダイヤさんに梨子ちゃんは

「じゃあ何で今朝、果南さんの肩を持ったんです?」

言われて見れば…。何で果南ちゃんをあの時庇ったのだろう?現在スクールアイドルを拒絶している果南ちゃんに対し、片やあの三人の中で一番好きであろうダイヤさんが肩を持つ…。確かに何か違和感がある事に私もこの時思った。

「それは……。くっ!!」

問い詰められる空気に耐えられなかったのかダイヤさんは逃走し始めた!

「善子ちゃん!」

「GO!!」

「ギラン!」

逃走したダイヤさんに善子ちゃんは難なく追い付き、先日ルビィちゃんにした堕天龍鳳凰縛を食らわせる。

「ピギャーー!!」

「ヨハネだってば~~!」

痛みに悶えるダイヤさんに花丸ちゃんが「流石姉妹ズラ…。」と呟きハルキ君も同意し実の姉の情けない姿にルビィちゃんは眉間を押さえていた。

 

 

「「「「「「「わざと?」」」」」」」

私、小原鞠莉は部室からダイヤの家に場所を移し、二年前のイベントで果南が歌えずスクールアイドルを辞めてしまった事の真実を聞いている。

「東京のイベントで果南さんは歌えなかったのではない…。“わざと歌わなかった”のです。」

あの日まで三人、朝早くから日が沈むまで練習に明け暮れたのだ。それなのに…。

「でも、どうして…?」

「まさか…、闇の魔“ムグッ!!”」

「しーーっ!」

梨子が怪訝な顔をし問う中、訳の分からない事を言う善子の口を花丸が塞ぎハルキが静かにしろとジェスチャーをする。

「あなたの為ですわ。あの日、鞠莉さんは怪我をしていたでしょう。」

そうだ…、確かにあの日に限って私の右足首は怪我をしていた。だがステージで自分達のパフォーマンスを披露し、ラブライブで有名になる為にも弱音を吐く事は消してしたくなかった。この時の痛みなんて根性で何とかなる物だと本気で思っていた。でも結果、果南は歌えず失格になってしまった…。

「そんな…。私はそんな事して欲しいなんて一言も…!」

ダイヤや果南には悪いがあの日のイベントで失敗したとしてもまだ次がある筈だった。

「あのまま続けていたらどうなっていたと思うんですの?怪我だけで無く、事故になっていてもおかしくなかった…。」

私の為を思っての行動だったのだろうが未だに納得がいかない…。

「だから“逃げた訳じゃ無い”って…。」

「でもその後は?」

ルビィが納得する中、曜がイベントが終わり何故スクールアイドル事態を辞めたのかをダイヤに問いただす。

「そうだよ。怪我が治ったら続けても良かったのに…。」

「花火大会とかスクールアイドルとして参加出来るイベントもあった筈ッスよね?」

そうだ。幸い私の怪我は軽度の物であったから少し休めば完治もした。ハルキの言う通り、花火大会でのライブのオファーもあったのだ。

「そうよ…。花火大会に向けて新しい曲も作って、ダンスも、今朝果南が放り投げた衣装もその時に出来た完璧な物にした!なのに何で辞める必要があったの!?」

ダイヤに迫る私に、彼女はため息を着きながら「果南さん、鞠莉の事を心配していたのですわ…。」と呟く。

「あなた、海外留学や転校の話がある度に全部断っていたでしょ?」

「そんなの当たり前でしょ!!」

私の声に後輩が肩を震わせる。昔から一緒にいる三人で一つの事をやり遂げる。果南が歌えなかったと思っていたあの時も放って置けなかったし、力になりたかった!

「果南さんは思っていたのですわ…。このままだと自分達のせいで、鞠莉さんから未来の色々な可能性が奪われてしまうのではないかと…。」

確かに一年生の頃、担任からも留学について進められ、海外の高校を卒業すれば大学の推薦も貰える事を言われていた。だが学校を救う為、スクールアイドルを始めた事を伝えた事を果南は偶然知ってしまったらしいのだ。

「まさか…、それで?」

そう呟いた私は土砂降りの雨の中、ダイヤの家を出ようとする。

「どこへ行くんですの!?」

ダイヤに制止され果南を呼び出す事を告げる。

「ぶん殴る!そんな事、一言も相談せずに!!」

強引にスクールアイドルに誘い、強引に辞めた果南に怒りが込み上げてくる。だがダイヤは未だ彼女を庇う。

「果南さんはずっとあなたの事を見てきたのです。あなたの立場も気持ちも、将来も…。誰よりも考えている。」

 

 

私は降りしきる雨の中、浦の星高校に向かって走り出している。どうして誰も彼もが何も言わないの!?果南はちゃんと言っていたらしいが回りくどく言っていた事にやっと今気付く。

「あっ!!」

私は派手に転倒し、擦りむいた膝に血が滲む。体制を立て直し、再び走り出そうとしたその時

“ブロロロロロロ!!”

一台のバイクが止まり、ヘルメットを私に投げ渡した持ち主がバイザーを上げる。

「乗って!」

私も口角を上げてその持ち主に笑顔を向けた。

「ナイスな登場ね!ウルトラマン!!」

 

 

 

 

私、松浦果南は鞠莉に強引に呼ばれ、船と自分の愛用しているバイクを使い、スクールアイドル部の部室に来ている。

「本音でぶつかって下さい。これが最後チャンスですから…。」

部室前で背を預けているハルキにそう言われ、すれ違う。目の前の鞠莉がずぶ濡れの状態で立っていた。

「こんな土砂降りの中呼び出すなんて、何のつもり?天気が悪い中バイクで来るの結構危ないんだけど?」

私の嫌味など完全に無視し鞠莉は私を真っ直ぐ見つめる。

「いい加減話を着けようと思って…。ダイヤからあのイベントの真実を聞いたわ。どうして何も言ってくれなかったの?将来の事なんか今も昔もどうでもいい!留学も転校も全く興味が無かった。あの日のイベントで果南が歌えなかった事を放って置ける訳無いじゃない!果南が私を思う様に、私も果南を思っているんだから!!」

自分の本音をさらけ出した鞠莉は私に近づき…。

“バチン!!!!”

思いっきりビンタをかました。

「私が果南を思う気持ちを甘く見ないで!!」

人に頬を叩かれるなんていつ振りだろう…。痛みの中ハルキが言った、“最後のチャンス”と言う言葉が頭を過り私も思っていた本音をぶちまける。

「だったら素直にそう言ってよ!リベンジだの負けられないだの、回りくどい言葉なんか使わずちゃんと言ってよ!!」

私は鞠莉の胸ぐらを掴みながら言葉を吐き捨てると同時に突き放した。

「だよね…。だから……。」

そう言う鞠莉は自分の頬を指差し“叩け”とジェスチャーをする。私も手を上げようとした時、鞠莉と友達になったあの日の事を思い出した。

 

 

「み、見つかったら怒られますわ!」

「平気だよ。」

小学生の頃、鞠莉が転校し淡島ホテルの娘だと知った私とダイヤは興味本意でホテルの庭に忍び込む事にした。

「んん??」

庭の噴水にいる鞠莉に気付かれダイヤを盾に隠れる私をその時の鞠莉は怪訝な顔をして見る。

「あなたは~?」

そう言った鞠莉に取った行動は………。

 

 

「ハグ。ハグ…しよ?」

そう、初めて会った時も、ケンカをして仲直りをした時も取った行動はハグだった。中学までケンカも多かった私と仲が良かったダイヤと鞠莉はトラブルに巻き込まれる事も多かった。他のクラスメイトを助ける為に暴力を振るって担任に説教をされ気が滅入っていた時も、二人が悩んでいた時も私達はハグをする、される事で絆を深めて来た事を思い出した!

「うわあああああああーーーーーーっ!!」

私も鞠莉も子供の様に涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら泣きまくる。その間、曇天の空が少しずつ晴れていき泣き止んだ頃には雲一つ無い青空が広がっていた。

 

 

 

 

『凄いなハルキ、こうやって地球人は絆を深めていくんだな…。』

「そうッスね…。仲直りも出来たんだ。あの三人、きっと昔みたいに戻れると思いますよ!!」

鞠莉さんと果南ちゃんが泣き止み互いの顔を見て笑い会う様子を思い出しながら俺、夏川ハルキとZさんは話をする。

「ダイヤさんって、本当に二人の事が好きなんですね!」

千歌ちゃんがダイヤさんに笑いかける。皆後を追い事の結末を見届けた中、鞠莉さんと果南ちゃんを頼むとお願いをしていた。

「ああ見えて二人とも繊細ですから…。」

「じゃあダイヤさんも居てくれないと!」

悪戯っぽい笑みを浮かべながらダイヤさんを勧誘する千歌ちゃん。

「えっ?私は生徒会長ですよ!とてもそんな時間は…。」

生徒会の仕事を理由に断ろうとするダイヤさんに

「鞠莉さんと果南ちゃん、後7人もいるので!!」

生徒会の仕事も全員で手伝う事を告げられ、断る理由を無くしたダイヤさんは頬を掻きながらはにかむ。そして

「親愛なるお姉ちゃん…。ようこそAqoursへ!!」

ダイヤさんの衣装を持ってきたルビィちゃんが勧誘し、Aqoursはこれで9人となった!鞠莉さんと果南ちゃんも皆に合流し円陣を組もうとした時、俺の秘密が全員に知られる事になる。

「見つけたよ!ウルトラマンZ。」

 

 

俺はその言葉を聞いた瞬間心臓が止まる様な感覚に襲われた。全員の視線が俺に刺さる中、俺の正体を知っている声の主に顔を向ける。

「お前ら…。ピット星人!!」

そう、三津でダイヤさんを襲ったピット星人の二人組だった。人間に擬態した星人が本来の姿を現し、全員が青い顔をしている。

「お前の事は調べさせてもらったよ、夏川ハルキ!この地球の防衛ロボットが到着するのに時間が掛かる筈だ。ファイブキングも倒されてしまいこの地球に用は無いが、去りついでに廃校になるかもしれない学校をこの場で物理的に終わらせてやろう。」

そう言いながらピット星人が指を鳴らしもう一人が自身の脇に抱えていた大きなカプセルの蓋を開く。

“バリバリバリバリバリ!!”

大きな稲光と共にカプセルの中身が巨大化し一体の怪獣が現れた!

「「このエレキングで破壊させてやる。壊されない様にせいぜい頑張るんだな!ハハハハハッ!」」

牛のような模様に目の代わりにアンテナを着けた黄色い怪獣、「エレキング」を呼び出したピット星人は自身の宇宙船に乗り姿を消してしまった。

エレキングを迎撃する為、俺はゼットライザーを取り出す。その時

「ねぇ…、あの星人の言った事本当なの?ハルキ君がウルトラマンだって…。」

千歌ちゃんの震える声に俺は無言で頷く。

「俺の事、怖いッスか?ウルトラマンとして戦ってる俺は半分人間じゃ無いんッスよ。」

Zさんと一体化し、ウルトラマンとして怪獣と戦っている俺は普通の人間とは違う…。初めて変身した時から覚悟はしていた事だったが、共に戦うストレイジの隊員とは違い、千歌ちゃん達は戦いと無関係の一般人。俺の秘密を彼女達が知ってしまい、危険に巻き込んでしまう事を極力避けたかった。だが…。

「ちょっと怖いよ…。でもそれ以上にハルキ君が傷ついちゃうのが一番怖い!」

千歌ちゃんの嘘の無い言葉に俺は笑みをこぼす。他の皆も同じ意見だと言わんばかりに頷いてくれた。その中で、秘密を知ってる善子ちゃん、鞠莉さん、ダイヤさんが口を開く。

「大丈夫!アンタを悪く言うヤツがいればこの堕天使ヨハネがぶっ飛ばしてあげるわ!」

「そうそう!本当に怖かったら例え信じて貰えなくてもマリーはストレイジに言ってたと思うし!」

「皆、あなたとウルトラマンさんに助けて貰って感謝しているのです。自身を持って下さい。」

三人の言葉に俺はいつも以上に気持ちが昂っているのを感じる。

「先輩、頑張ルビィ!」

「マルたちは信じてるズラ!」

「あんな怪獣、ボコボコにしちゃえ!」

「勝ったらハグしてあげるからね。」

「逆に逃げ帰っちゃったら……、どうしようかな?」

ルビィちゃん、花丸ちゃん、曜ちゃん、果南ちゃんが応援し、梨子ちゃんが両手をワキワキ動かしながら茶化す中俺は再度皆に背中を向ける。

「ありがとう…。俺、絶対勝ってここに帰って来るッスから!さあもうバレちゃったし、今回はこのまま行きましょうか!Zさん!!」

『まさか、こんなに早くメンバーにバレるとはな…。今回だけだぞ?』

俺は敢えてウルトラの空間に入らずゼットライザーにメダルを入れる!

「宇宙拳法!秘伝の神業!!ゼロ師匠、セブン師匠、レオ師匠!」

『ご唱和下さい我の名を!ウルトラマンZ(ゼーーット!!)』

「ウルトラマン…Z(ゼーーット!!)」

ウルトラマンに変身した俺達は浦の星を、Aqoursを背にしエレキングに対し構えを取った!

 

 

「チェストー!」

Zさんに変身した俺達は助走を着け、エレキングに先制パンチを仕掛ける。だが行動を予測していたのかエレキングは拳打を受け流し体全体を使って弾き飛ばす。

“キシャーーー!!”

甲高い鳴き声を上げながらエレキングは追撃と言わんばかりに長い尻尾を鞭の様に振るいながら俺達の接近を許さない。

『これじゃあ近づけない…。』

Zさんも対応が難しいのか不満を口にするが俺はヌンチャクを使用し尻尾を叩き落とす事を提案する。

“シュワッ!!”

ヌンチャクを生成し尻尾の連撃を真っ正面から叩き落とした俺達はエレキングに密接し転倒させようと体を掴む。その時、

“バリバリバリ!!”

エレキングの体から高圧電流が放出され咄嗟に手を放すもその一瞬を敵が見逃す訳が無く、俺達の両手首を掴み電撃を浴びせ続ける。

“シュワッッッ!”

「『ぐあああっ!!!』」

電撃に苦しむ俺達をエレキングは放り投げ、口から火炎を放出し焼き付くそうとする。俺達はタイミングギリギリで回避するも体に力が入らない。

「あの怪獣、電撃以外に炎まで…。」

『あの怪獣、エレキングは本来火炎なんて吐かない…。まさかコイツ!?』

何か心当たりがあるのかZさんがウルトラの空間で俺に続きを伝える。

『昔、メビウス兄さんに聞いた事がある。セブン師匠が倒したエレキングが月の光で再生して、その個体をタロウ兄さんが倒したって!でも…。』

あんな怪獣を師匠と兄さんが戦って勝ったのかよ…。と思いながらZさんが口籠る。

『そのエレキングは元々は電撃、再生した時は炎と“別々の攻撃”をしてた…。今みたいに一度に二つの攻撃は出来ないのでございますよ!』

Zさんの口調から戸惑いの感情が読み取れるが目の前のエレキングは攻撃の手を緩めない。口以外にも尻尾の先端からも炎を発射し、俺達を火だるまにしようと距離を詰めてくる。

「もしかしてこのエレキング、人為的に改造されてるんじゃないんスか?」

俺の正体をAqoursのメンバー全員が居る状態で暴露させ、勝算があるかの様にエレキングを呼び出した。ウルトラマンと戦った情報をピット星人が知っているのならあの強さに合点がいく。このままだと時間制限がある俺達が圧倒的に不利だ…。胸のカラータイマーも点滅している。

「Zさん!師匠と兄さんはエレキングをどうやって倒したんッスか?」

『確か…、セブン師匠は体と首を切って、顔のアンテナを破壊、タロウ兄さんも同じくアンテナを潰し光線でエレキングを倒したんだ!!』

共通して言える事はエレキングの弱点はアンテナにあると結論付けた俺はZさんに提案をする。

「Zさん、ガンマフューチャーで行きましょう!アンテナを破壊します!!」

 

「変幻自在…。神秘の光!ティガ先輩、ダイナ先輩、ガイア先輩!」

『ご唱和下さい我の名を!ウルトラマンZ(ゼーーット!!)』

「ウルトラマン…Z(ゼーーット!!)」

ここからが本当の戦いだ!

 

 

 

 

私、高海千歌はAqoursの皆とウルトラマンZになったハルキ君の戦いを見守っている。劣性に追い込まれているも変幻自在な戦いを得意とする形態に姿を変化させた。

「大丈夫かな…。」

不安に思うルビィちゃんにダイヤさんが安心させるように声をかける。

「大丈夫ですわ!あの姿になったハルキさん、…Zさんは強いですもの。この目で見た私が言うんですから…。」

「そうよ、今までだってどんな強い怪獣にも打ち勝って来たんだから!」

善子ちゃんもルビィちゃんを励ます。

「でも胸のランプが!そろそろ危ないんじゃ…。」

梨子ちゃんの心配する様にウルトラマンの胸のランプが点滅し始めた。ネットでウルトラマンの戦いを見ると全て三分以内で敵を倒している。姿を変えても火炎や電撃を纏った尻尾で攻撃をされ、反撃に出られない状態のままだ。

「が、頑張れ…。頑張れーーーー!」

私は咄嗟に苦戦し、傷ついていくハルキ君に向かって叫んでいた。私達は見ているだけで何にも力になれないかも知れないがそれでも何かをせずにはいられなかった。

「ハルキ君!私は何も出来ないかも知れないけど、絶対勝てるって信じてるし、応援する!!」

私の叫びにメンバー全員が口元に手を当てて声をかけ始めた。

「マネージャーとしての仕事が沢山あるんだよー!!」

「ラブライブに絶対出るんだから!0から1にするために!“あの姉妹”に一泡吹かせてあげるんだから!!ハルキ君も気合いを見せなさい!!!」

曜ちゃん、梨子ちゃんに続いて花丸ちゃん達一年生も声をあげる!

「ハルキ君に読んで貰いたい本が一杯あるズラー!だから頑張ってーー!!」

「アンタは私のリトルデーモンなのよ?こんな所で負けるなんて許さないわ!しっかりしなさい!!」

「みんながハルキ君の勝利を信じてるの!ルビィも!Aqoursやこの町の皆も!!だから!!!」

一年生達の言葉にハルキ君が視線を向け頷く。そして少しづつだが怪獣の攻撃に光線を当て主導権を取り返していった。

「ハルキさん!貴方“絶対勝ってここに帰って来る”って言ったじゃ無いですか!!言ったからには必ず約束を守りなさい!!だから頑張って!!!」

「そうだよ?貴方が居なかったらAqoursが今ここには無いわ!果南とも仲直り出来なかった!!花火大会のライブを成功させる為にも…、お願い勝って!!」

「私も!せっかく鞠莉と仲直り出来て、バラバラだった三人が一つになれたのに…。私もまたスクールアイドルがやりたい!ハルキも絶対居ないとダメなんだよ!!」

ダイヤさん、鞠莉さん、果南ちゃん、も自分達の胸の内をさらけ出す。そして私達全員の声がハルキ君に届いた。

「「「「「「「「「頑張れ~~~!」」」」」」」」」

その時……、流れが変わった!!!

 

 

 

 

俺、夏川ハルキは皆の応援を聞き、何か体の内から力が湧いてくるものを感じた。1人、また1人と応援がある度に動きのキレが良くなっていく。

「なんなんッスか?力が!!」

武道を経験する1人として確かに応援は力を増す要素の一つだがウルトラマンとして戦っていると限界以上の力を使う事が出来るような感覚を覚えていた。

『師匠も兄さんも先輩も、ウルトラマンは昔から人々の声を聞いて戦い抜いてきた!今の俺達と同じ様に!!ハルキ、戦ってるのは俺とお前だけじゃ無いんだ!!』

そうだ、俺とZさんだけが戦ってるんじゃ無い。Aqoursの皆も勝利を信じて声を届けてくれているんだ!

俺達はエレキングの電撃を纏った尻尾を切り落とす為、狙いを定め、居合いの構えを取る。エレキングが自身の尻尾を横に凪ぎ払った瞬間…、

「『ゼスティウムドライブ!!』」

両手から赤と青の光の刃ゼスティウムドライブを振り切り、尻尾を切り落とした。

「よし!Zさん、空へ!!」

俺達はエレキングの火炎が届かない空へ飛翔し指を鳴らす。

「『ガンマイリュージョン!!』」

ティガ先輩とガイア先輩を呼び出し、ティガ先輩は紫色に姿を変えて光弾を、ガイア先輩は頭から光の刃をまるでゼスティウムドライブの様に発射させエレキングのアンテナを破壊した。

「止めだ!」

『よし、行くぞハルキ!!』

再度指を鳴らした俺達はダイナ先輩を呼び出し計四人で光線を発射しエレキングを焼き付くした!

「おーい!!」

目線を向けると千歌ちゃんが笑顔で手を振っている。

俺達は先輩達の幻影を消す事無く地面に着地しそのままゆっくりと光を消滅させていった。

 

 

戦いを終えた俺は浦の星高校に向かって手を振りながら走っていく。皆も手を振る者、サムズアップやVサイン、堕天使ポーズを取ったりと歓迎してくれた。

「ただいま…、皆!」

俺も笑顔で皆に答える。今回の戦いは正直キツかった。皆の応援が無ければ確実に負けていたと思える程に。

「お帰り!」

再度千歌ちゃんが笑顔で答える。

「よしよし、良く帰って来た!!」

「本当、ヒヤヒヤしたんだから!!」

果南ちゃんが俺の頭をガシガシと撫でる中、梨子ちゃんは子供を叱る様に俺の頬を引っ張る。

「い、いふぁい!いふぁい!!」

高校生にもなってこんな子供扱いされる事に抵抗があった為、俺の顔は真っ赤になってしまっている。

「アハハ!ハルキ君、顔真っ赤!!」

「ワーオ、ハルキったら可愛いわね!!」

ルビィちゃん、鞠莉さんが茶化す中、残り4人も便乗する。

「ハルキ君、子供扱いされるの苦手なんだよね~~!(よしよし)」

「じゃあよしよし止めて下さいよ曜ちゃん!!」

「ハルキ君、戦いで疲れてるんだから大人しくするズラ。」

「コラッ!苦戦しまくってたじゃないの!!あんな怪獣一撃で倒しなさいよ。オラオラオラ!」

「まあまあ、勝ったから良いじゃ無いですか。良く頑張りましたよ!(なでなで)」

曜ちゃん、ダイヤさんに追加で頭を撫でられ、善子ちゃんには腹を軽く小突かれ、戦いの疲労と羞恥で俺は鼻血を出してしまった。

 

 

数日後花火大会まで怪獣の出現は確認される事は無く、9人となったAqoursの発ステージが始まった。

 

(♪未熟DREAMER)

 

「それにしてもAqoursか…。」

ライブも拍手合切で大成功を納め、見に来てくれたストレイジの隊員や蛇倉隊長から、たこ焼きの差し入れを食べながら果南ちゃんが懐かしむ様に呟く。

「私達がスクールアイドルをやっていた時のグループ名もAqoursだったのデース!!」

ええっ!マジかよ。凄い偶然もあるんだなと思っていると果南ちゃんがケラケラ笑いながら続きを話す。

「私もそう思ってたんだけど、千歌達も私も鞠莉もまんまと乗せられたんだよ!」

そう言いながら果南ちゃんの目線の先にいる人物を皆で見つめる。

「誰かさんに。」

皆の視線に気づいた“誰かさん”は顔を真っ赤にしながらそっぽを向き、同じ色をしたリンゴ飴を丸かじりした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ハルキとAqoursのウルトラナビ!

ハルキ 「今回は二体紹介するッス!まずは透明怪獣ネロンガ!!」

Z   『電気を食べる怪獣で透明になると体温が下がる手強い怪獣だ!』

鞠莉  「ウルトラマンやロッソ、ブルもあの透明な能力には苦戦を強いられたわ!!」

Z   『次は宇宙怪獣エレキング!今回の個体はオリジナルと再生、両方の力を備えた曲者だ!倒すのにウルトラ苦労したぜ…。』

ハルキ 「セブン師匠やタロウ兄さん、マックス兄さんとも戦った昔から知名度が高い怪獣だ!」

果南  「他にもウルトラマンメビウスの防衛組織GUYSのマスコットやXのアーマー、ビクトリーの武器みたいにマスコットや味方につけると頼もしい怪獣にもなるよ!」

ハルキ Z 鞠莉 果南 「『「「次回もお楽しみに!!」」』」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。