ラブライブ!サンシャイン!!×ウルトラマンZ~遥かに輝き!0から1へ!!   作:ワーラー

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今回はこちらの完全オリジナルです。
それでは楽しんでください!!


第22話 “地球”来訪 前編

9人となったAqoursが花火大会でのライブを終えて3日後、俺達は部室の大掃除を行っていた。

「それにしても埃が結構溜まってるなぁ~!」

俺、夏川ハルキは部室の惨状を目の当たりにし愚痴をこぼす。女の子が使っている部室ってゴミとか落ちてない様な綺麗な空間だと思っていたのだが…。

「まあ部室はあるけど基本的には私達屋上で練習しているからね~。」

曜ちゃんが隣で答える中、俺は棚に置いてあった水晶玉を発見する。

「なんだ?こんなもん棚にあったッスか?」

水晶玉を掴もうとした瞬間真横から突然手首を捕まれる。

「待ちなさい…、これは我が堕天使の神器!闇の力を持たない者が触れると災厄が降りかかるわ!!」

善子ちゃんが眉間にシワを寄せて俺に忠告をする。

「触るなって言ってるズラ。」

と花丸ちゃんが机に置いてある本をルビィちゃんと一緒に整理をしながら通訳をする。作詞をする為に辞書や本を図書室から借りたまま放置している事も多い為、この二人は部室と図書室を往復し続けている。

「ねえ、もう十分綺麗になったんじゃない?切り上げて練習しに行こうよ!部室に籠ってばかりじゃ時間が勿体ないよ~。」

掃除が嫌なのか千歌ちゃんが机の上で突っ伏しているが彼女の頭に一冊のマ○ジンが乗っかる。

「今日は元々部室を掃除するって決めてたでしょ?大晦日にまとめてやるよりかは全然マシでしょ?」

梨子ちゃんが今週のマ○ジンで千歌ちゃんの頭を抑えながら掃除を再開する様に催促をする。そのマ○ジンをひょいと横から取り上げる手が…。

「まあ、千歌の言う事も分からなくは無いけどね。……、知ってる漫画全然無いや。」

梨子ちゃんの漫画を取り上げた果南ちゃんが目次を見るも知ってるタイトルが無いと知り鞠莉さんに回す。

「止めてよ果南!今机にある漫画をreadingしてるんだから。ねぇ、コードブ○イカーの14巻ある?続きが気になるわ~!」

梨子ちゃんが部室で少しずつ読んでいた俺の漫画を鞠莉さんが読む中、突然扉が開き大きな怒号が部室全体に響いた。

「あ~な~た~達~!ダラダラ、ダラダラ掃除をしても一向に終る訳が無いでしょう!!!」

「『うおっ!!』」

俺とZさんは同時に驚きの声を上げ、その声の主であるダイヤさんが浦の星高校のエンジ色のジャージにプラスチックメガホンを持つというスパルタ教師の様な格好で入室してきた。部室の奥まで行きながらサボっていた果南ちゃん、鞠莉さん、千歌ちゃんに善子ちゃんの頭をメガホンで叩きながら回れ右をする。ジャージを着て暴力を行使する姿はさしずめ浦の星のヤ○クミだな…。

「いいですか!明日から夏休みに入り今以上に質の高い練習をする為にも、日々使用する部室を徹底的に綺麗にする事で…、」

ダイヤさんの長くなりそうな小言を他所に作業を進める者、相変わらずサボる者と分断された新生Aqours。今日は午前中で授業は終わったがこんな調子だと晩になっても終わらないなと俺が思う中、突然蛇倉隊長から電話が鳴る。

「はい!こちらハルキ!」

「こちら蛇倉!ハルキ、今何処だ?」

緊迫した声でこちらの現在位置を訪ねる隊長。今は部室でAqoursのメンバーといる事を伝えると、沼津に怪獣と未確認の戦闘機が出現した為ストレイジに今すぐ来いとの緊急連絡を受けた。

 

 

部室を後にしストレイジの作戦室に着いた俺は、ユカ先輩から改めてメンバーに向けて説明を受ける。

「この怪獣は以前三津に現れた合体怪獣の腹部に当たる部分と酷似している事が判明しました。おそらく今画面に映っている怪獣が元になっていると思われます。」

画面に映っている金色のトサカに大きな鎌を持った怪獣の顔はあのファイブキングにそっくりだなと思う中、蛇倉隊長が今回の怪獣出現は今までとは少し違う事を説明される。

「これまでの怪獣は宇宙から来た、地球に眠っていた怪獣が何らかの原因で目覚めた、何者かの人為的な影響で突然出現したという、3つのケースから出現している。だがこの怪獣が現れる時、沼津上空に巨大な穴が出現するという初めてのケースだ。それも未知の戦闘機が来ると言うオマケ付きでな…。」

蛇倉隊長の言う通り画面に映し出されている戦闘機はストレイジでも自衛隊でも使われていない、文字通り未知の機体だ。的確な攻撃をしながら怪獣の頭部の光弾を滑らかに回避をしている。こんな兵器を保有しているのはストレイジだけの筈なのだが…。

「とにかく怪獣を迎撃する為、俺達も出撃だ。ハルキはセブンガー、ヨウコはウインダムで出撃!戦闘が終了次第、あの戦闘機のパイロットとコンタクトを取れ!」

「オッス!」

「了解!」

俺達は格納庫に向かい、セブンガーとウインダムに搭乗した際にバコさんから試作新兵器をセブンガーに取り付けた事を通信で説明される。

“ハルキ、鞠莉さんの家の技術部門からウルトラマンの攻撃を模した兵器をセブンガーに搭載した。着脱も可能だから臨機応変に使ってくれ!”

「オッス!存分に使いますよ!!」

鋼芯鉄拳弾といい鞠莉さんの家に感謝しなきゃなと思いながら沼津に向かってセブンガーを飛行させた。

 

 

沼津に現れた怪獣をウインダムとセブンガーで押さえつける。あのファイブキングの元になった怪獣…、両手の鎌で攻撃をしながらこちらが間合いを取った瞬間に光弾を放つ隙の無い戦い方に俺達は苦戦を強いられていた。

「コイツ…!ヨウコ先輩、怪獣を取り押さえてください!新兵器を使います!!」

「了解!外さないでよハルキ!!」

俺は新兵器“鋼刃鞭(コウジンベン)”を使用する為、怪獣と間合いを取りながらアタッチメントを着けた右腕を大きく振り上げる。

「鋼刃鞭…、発射!!」

振り下ろした右腕の遠心力で怪獣を袈裟斬りに切りつける。

“キシャーーー!!”

攻撃を食らった怪獣は大きく体制を崩し、取り押さえていたウインダムと未知の戦闘機が追撃をする。転倒した怪獣に馬乗りをし、顔面を殴りつけるも鎌で両脇腹を切りつけ、払いのけられたウインダムは活動不能になってしまう。そして追撃をしていた戦闘機までもが光弾によって機体の体制が立てなくなり撃墜されてしまう瞬間…。

「ヤバい!!」

俺が叫んだ瞬間、赤い光が視界を覆い目の前に巨人が現れた!

“ジュワッッ!!”

赤い体をした人型のシルエット、黒いVラインの胸の中央には青い光。それはまさに…

「ウルトラマン……。」

そう、俺が力を借りている先輩……ウルトラマンガイアだった!!

 

 

 

 

俺、蛇倉ショウタは目の前の巨人に目を見開く。

「50メートル級の人型エイリアン!該当するタイプは…、ウルトラマンです!!」

ユカが興奮気味に声を上げる。あの怪獣、コッヴと未知の戦闘機が現れた事でまさかと思っていたが俺の予想は的中したみたいだ。この怪獣と戦ったのはコイツくらいだしな…。

【ハルキ、あのウルトラマンを援護しろ!】

『オッス!』

久しぶりに戦いを見てみるか。

 

 

 

 

俺はガイア先輩を援護する為戦闘に再度加わる。鋭くパンチやキックを繰り出す先輩に合わせる為、こちらもタックルを行い怪獣に畳み掛ける。

“キシャーー!”

怪獣の鎌を回避しながら俺は再度鋼刃鞭を振るう為に右腕を上げる。だが振り上げたタイミングで光弾をコックピット付近に直撃してしまった。

「ぐああっ!!」

機体損傷の為活動不能になったセブンガーのコックピットでアラートが鳴り響く中、俺は先輩を援護する為ゼットライザーを構えた!

 

「宇宙拳法、秘伝の神業!ゼロ師匠、セブン師匠、レオ師匠!!」

『ご唱和下さい我の名を!ウルトラマンZ(ゼーーット!!)』

「ウルトラマン…Z(ゼーーット!!)」

俺達はガイア先輩の隣に降り立った。

 

 

ガイア先輩にアイコンタクトを取り、俺達は先輩と一緒に構えを取る。怪獣は光弾を連射するも前に出たガイア先輩が両腕をぶつけて全て叩き落とす。今度は俺達が飛び出し、鎌が届かないギリギリな距離でヌンチャクを振るう。ヌンチャクと蹴り技の波状攻撃で攻め立てながら、上空に飛翔したガイア先輩が手裏剣状の光線を怪獣の頭部に攻撃を食らわせる。俺達以上に連携に慣れているガイア先輩が急降下しながら怪獣の喉元に飛び蹴りを叩き込む。

“ジュワーーッ!!”

後方に吹き飛ばされた怪獣を横目にガイア先輩が俺達に向かって頷く。まるで「合わせろ」と言うように…。

“ハァッッ…!ジュワーーッッ!!”

体を大きく仰け反らせガイア先輩は頭部から光刃をぶつける。

「『ゼスティウム光線!!』」

俺達も必殺の光線を放ち怪獣は塵一つ残さず消滅した。

ガイア先輩が両腕をクロスさせ、体を消滅させるのを俺達も遅れて行い人間に戻った姿で顔を会わせる事にした。

 

 

「君が、あのウルトラマン…。」

青色のジャケットタイプの隊員服を着た青年が俺に訪ねる。歳は俺よりも少し上だろうか…?

「オッス、ストレイジの夏川ハルキです。Zさんと一緒に戦ってます!」

俺の自己紹介に青年が柔和な笑みを浮かべながら自身について話す。

「XIG(シグ)に所属する高山我夢。ウルトラマンガイアです。」

差しのべられた手を握り戦闘機で通信を送れなかった事についての謝罪をする我夢先輩。

「あの怪獣、コッヴを追ってワームホールに入ったせいで通信系統が故障したみたいなんだ。」

「いやいや、気にしないで下さい。ワームホールって…怪獣が出てきた穴の事ッスか?」

初歩的な事を質問する俺に頷く我夢先輩は詳細を説明する為にも俺が所属する、ストレイジに案内してほしいとお願いされる。俺は蛇倉隊長に通信を入れ、我夢先輩に俺がZさんに変身している事を皆に言わない事を伝えるとストレイジに案内した。

 

 

 

 

ストレイジに帰還したハルキとヨウコを作戦室に行く様に指示を出した俺、蛇倉ショウタは懐かしい人物に笑みを浮かべる。

「久しぶりだな高山我夢。いや、ウルトラマンガイアと言うべきかな?」

「君は…、ジャ「おっと」」

俺は我夢の言葉を手を突き出す事で遮る。

「ここでは蛇倉って名前で通っている。それとこの事は他言無用にしてくれよ…。」

頷く我夢に一応の安心を覚えた俺は本題に入る事にする。

「ワームホールからコッヴがこの町に現れた。お前の世界にいる、根元的破滅招来体が送り込んできたって事でいいのか?」

我夢の世界には怪獣を地球に呼び寄せる何かが存在し、それを防衛するストレイジの様な組織があると聞いた事がある。そしてコイツはそこの隊員である事も…。

「僕はそのコッヴを追ってワームホールに突入しこの地球に来たんだ。それにしても、この世界にも防衛隊が…。」

施設を見ながら興味深そうに呟く我夢にこの組織の事を説明する。

「この地球で対怪獣用ロボット部隊、ストレイジの隊長をしてんだ。まあ立ち話も何だから作戦室に行くか。あの戦闘機はどうしたらいい?」

親指で自分の胸を突き所属する部隊の隊長を伝えた俺は、我夢が乗っていた戦闘機の対処を本人に聞く。

「ファイターEXの弾薬補充と装甲の修理をお願いしたい。プログラムの点検は僕がするから、データは見ない事を伝えてくれるかな?」

我夢の要望に了承した俺はバコさんにこの事を伝える。自動操縦でこの場所に着陸したファイターEXを格納庫ギリギリまで寄せると俺達二人は作戦室を目指した。

 

 

 

 

俺、夏川ハルキは蛇倉隊長と一緒に入室した我夢先輩から改めてここに来た経緯をストレイジのメンバーに話をする。

「それにしても別の世界の地球…、多次元宇宙って本当にあったんだ!!」

子供の様にはしゃぐユカ先輩を宥めるヨウコ先輩を見ながら俺もウルトラメダルに描かれている戦士達について思い出す。別世界のウルトラマンが本当に現れた。協力して戦える反面、これが何かの凶兆なのではないかと言う不安も持ちながら…。

「あのウルトラマンの事も知ってるんですか?」

ヨウコ先輩が我夢先輩が変身したウルトラマン…、ウルトラマンガイアについて質問をする。

「あのウルトラマン、ガイアは僕達XIGと一緒に戦ってくれたんです。ワームホールに突入した僕をガイアが追ってくれて…。」

嘘も方便で自身がガイアと言うことを誤魔化しながら我夢先輩の世界では、ワームホールが開く=怪獣出現の予兆になることを話した所で会議は一旦終了した。

我夢先輩はそのまま自分の戦闘機、ファイターEXの様子を見る為格納庫に向かい、俺は浦の星の制服に着替えながら怪獣の被害は軽微な事を善子ちゃんに伝えた。だがその直後、彼女の携帯から電話が掛かる。

「もしもし?」

「ハルキさん!?もう大丈夫ですの?」

なんとダイヤさんが善子ちゃんの携帯から電話をかけて来たのだ。

「うおっ!どうしたんスかダイヤさん?一応帰る予定ですけど…。」

「疲れている所申し訳ありませんが、お願いします!あれから掃除が終わらないんです!!」

悲痛な声で懇願するダイヤさんに鞠莉さんからの声が入る。

「ハルキー!大丈夫よ。ダイヤの説教が余りにも長いし、貴方の戦いを見てたから全く終わってないだけ。」

「そもそも貴方は最初から片付ける気が無かったでしょ?どの口が言いますの!?」

「うるさいなぁ!読書に集中出来ないでしょ?今は読書の“夏”なんだよ?」

「果南さん、それ私のマ○ジン…。」

三年生のギャイギャイと口論する中にボソッと梨子ちゃんの声が混じる中、持ち主本人である善子ちゃんが

「別に来なくても大丈夫だから…。お母さんも怪我は無いってさっき言ってたし、大掃除は何とかなるわ!じゃあお疲れ様!!」

ブツンと切れる電話の音に俺はため息を付く中、作業が一段落した我夢先輩が戻ってくる。

「お待たせ。……どうしたの、沈んだ顔して?」

我夢先輩が俺の様子を見て声をかける。もう恥もへったくれも無い!俺は頭を下げ

「お願いします!ちょっと俺が行ってる学校に来てください!!」

 

 

私、桜内梨子はこの収集が付かない部室の惨状を目にしながら缶コーヒーを飲んでいる。もう皆部室の掃除をする事などどうでも良くなってるのか終バスが来るまで自堕落に過ごしていたのだ。まあ明日から夏休みだし、時間は沢山あるから練習始めと終りに少しずつ片付けをすれば綺麗になるのではと思った時、部室のドアが突然開いた。

「戻りま……何であれから進んで無いんスか!?」

ハルキ君がドアを開けた瞬間しかめっ面をする。でも違和感があるのは隣の…

「ねえハルキ君、その人…ストレイジの人?」

ストレイジとは隊服は違うが同じ組織の人なのだろうかと疑問を持った私にその青年は柔和な笑顔で答える。

「初めまして、高山我夢です!」

ハルキ君と一緒に来た高山さんが加わり部室の掃除を始める私達Aqoursのメンバー。話を聞くと今日現れた怪獣とウルトラマンに関係があるらしく、泊まる宛ても無い為ハルキ君の家に数日お世話になるみたいなのだ。

「それにしてもあの赤いウルトラマン、凄いですね!私何回か見たけどあんなに強いなんて思わなかったよ~!」

図書室に本を持っていきながら千歌ちゃんが赤いウルトラマンの感想を言うと高山さんは怪訝な顔をしていた。

「ちょっと待って!ガイアを何回か見た?ここにはガイアが出たのは初めてなんじゃ?」

どういう事?あのウルトラマンはハルキ君達が呼び出してるから何回か確認されている筈だけど。そしてあのウルトラマンの名前は私達も知らない…。私は一つ鎌をかけてみる事にした。

「高山さん、貴方もしかして……ウルトラマンですか?」

「えっ?」

素頓狂な声をあげて本を落とす高山さん…。どうやらビンゴの様だ。明らかに動揺し、ハルキ君も頭を抱えて掻きむしる。

「何でそんなに直ぐ気付くんッスか?勘が良すぎて怖いんスけど!!」

私の肩を掴みながら詰問するハルキ君に平謝りしながら目を反らす。そんな中、千歌ちゃんが高山さんが落とした本を拾い集め

「やったね、ハルキ君!頼もしい先輩が来てくれたじゃん!!」

と他人には言ってはいけないタブーをジャンプしながら即効でバラした!

「「千歌ちゃん!!」」

ハルキ君と声がハモったが時既に遅くアワアワと顔を青ざめる千歌ちゃんを隣に高山さんが驚愕した顔でハルキ君を見る。

「はい…、バレてます。3日前に……。」

 

 

ハルキ君が帰りにアイスを奢ってくれる事を条件に私達Aqoursのメンバーは今までと打って変わって掃除に熱が入り30分もしない内に部室の清掃が完了した。恐るべし食べ物の力…。

終バスまで時間があるし屋上で涼みながら私達は高山さんの話をハルキ君がアイスを買ってくるまで聞くことにしたのだ。勿論ハルキ君以外には伝えない事を条件に…。

「やっぱり別の世界でも怪獣がいるのね…。」

鞠莉さんの呟きに皆が頷く。パラレルワールドが存在し、その地球でも怪獣がいる。私達が住んでいる静岡以外にもその地球では世界中に怪獣が存在し、宇宙怪獣を呼び寄せる何かがいる事も…。大きすぎるスケールに混乱しそうな私だったが、ウルトラマンの力を授かった高山さんが所属している防衛隊と一緒に戦い続けているらしい。

「地球が生み出したウルトラマンか~!なんか神秘的だね…。高山さんの世界には他にもウルトラマンはいるんですか?」

ウルトラマンZと協力した時もガイアは連携して戦っていたし、何度もこの様なケースがあったのでは無いかと考えている果南ちゃんに高山さんは「鋭い!」と舌を巻きながら肯定する。

「僕がいた世界には大地の巨人ウルトラマンガイアと海の巨人ウルトラマンアグル、二人のウルトラマンがいるんだ。」

そう言いながら高山さんは自分の隊服にある掌サイズの小さなパソコンを開き、もう一人の青いウルトラマンを見せてくれた。

「おお!こんな小さいパソコンが!!」

「言うと思ったわ、ズラ丸。」

相変わらずの反応をする花丸ちゃんに善子ちゃんがツッコミながら青いウルトラマン、アグルを見る。

「カッコいい!!」

「うわっ!手から光の剣を出してるよ!?」

剣を振るいながら怪獣を攻め立てるアグルに興奮する曜ちゃんと千歌ちゃんに私も内心同意する。確かに今までのウルトラマンとちょっと違う、荒々しい戦い方に格好良さを感じていた。

「じゃあ今度は僕から聞こうかな?今まで聞けるタイミングが無かったけど君達はダンスか何かをやっているの?」

その質問に待ってました!と言わんばかりにダイヤさんが高らかに声を上げる。

「私達はスクールアイドル、Aqoursですわ!!」

「スクールアイドル?」

頭に?マークを浮かべている高山さんにルビィちゃんが

「まさか知らないんですか?スクールアイドル!?」

と詰問する。

「落ち着いてルビィちゃん!パラレルワールドから来たのよ?」

私の説得でルビィちゃんも納得したのか高山さんに謝罪をする。

「いやいや、気にしないで。学校のアイドルって事かな?」

「まあ、そういうものです。ステージの上で歌ったり踊ったりするんですよ!!」

そう言いながら千歌ちゃんはスマートフォンで動画を出し、高山さんに見せる。

「おお!凄い……。」

画面に魅入る高山さんからも本心で感動しているのが良く分かる。このPVは好評だったし、Aqoursを知ってもらうには丁度と私も思う。

ハルキ君も帰ってきた事で皆でアイスを食べこの日は解散。明日も高山さんの話を聞きたいとの皆の要望で昼から果南ちゃんの家でバーベキューをしながら親睦を深める事にした。幸いその日の松浦家は店は定休日で果南ちゃんを除いて全員外出をする為グッドタイミングな様であった。

 

 

 

 

「さあ肉が焼けたよ。皆食べて!!」

私、松浦果南はAqoursのメンバーと高山さんと一緒にバーベキューをしている。バーベキューコンロを掃除ついでに皆が彼の話も聞きたい為この機会を設けたのだ。それにしても…

「鞠莉、こんな大量のアワビと高そうな牛肉…何処から持ってきたの?」

「えっ?バーベキューをするって言ってたから取り寄せて貰ったの。お金は気にしなくていいわよ!」

さも当たり前の様に答える鞠莉に絶句する私。こんな高いものパクパク食べたら後からバチが当たりそうな気がする…、多分。

「いや~!バーベキューなんて久しぶりだよ。ずっと空の上で過ごしてたから!!」

「「「「空!?」」」」

今日は一先ずハルキの服を着ている高山さんがご満悦に焼き肉とアワビの感想を言う中でサラッと「空の上」と言うパワーワードを口にした事で花丸ちゃん、ルビィ、梨子ちゃん、ハルキがビックリした様に声を上げる。

「ゴホッ、ゴホッ!!」

むせる私の背中を千歌がさすりながら私も内心同じ事を考えていた。

「僕が所属するXIGにはエリアルベースっていう空中基地があるんだ。そこから地上を観測して異変があったら飛行機を飛ばすんだよ。」

「すげぇ!所変わればってやつですね!!」

高山さんの地球の技術にハルキが目を輝かせている時、ジュースが無くなっている事に気付く。

「あっ、ジュース無くなっちゃったな…。」

家にはジュースはもう無いから近くのスーパーで買いに行く為、一旦その場を離れる事にする。

「僕も荷物を持つよ。11人分の飲み物を買うんだ、大変でしょ?」

高山さんも同行し、私達は目的地に向かって歩き出した。

 

スーパーに到着するまでの間、昨日はスクールアイドルの事をあまり話せ無かった事もあり高山さんに伝える。廃校の危機になっている学校を救う為に千歌達がスクールアイドルを始めた事…。二年間蟠りがあった幼なじみの鞠莉と和解し、三年生は再びスクールアイドルとして復帰して全国大会であるラブライブを目指している事を伝える。

「人は必ずわかり会える…。どの世界でも同じなんだな。」

そう呟いた高山さんも自身の話をしてくれた。青いウルトラマン、アグルと最初は敵対していたが最後には分かり会う事ができ、今まで一緒に戦ってきたXIGのメンバーにガイアとして戦っていた事を知られた時もメンバー全員が受け入れてくれた事も…。

自分達の経緯を話しているとあっという間にスーパーに到着し必要な飲み物を買っていく。正直、2リットルのペットボトルを6本は一人で持って帰るのは大変だから高山さんがいて助かった。スーパーを出る前に私は入り口の雑誌コーナーで見知った男の子を目にした為、声をかけた。

「よっ!久しぶりヒロちゃん。」

「あっ!果南お姉ちゃん!!」

ヒロちゃんと呼んだ五歳位の男の子は釣りに来る近所のお爺さんのお孫さんであり、私が時々遊び相手をしているのだ。

「今日はお買い物?」

「うん、お母さんと来たんだ。買い物が終わるまでここで待ってるの!!」

元気に答えるヒロちゃんの両手にはウルトラマンZと合体怪獣の人形が握られていた。大方、これを使って遊びながら時間を潰していたのだろう。

「ウルトラマン好きなんだ?」

ウルトラマンとしての性なのか高山さんがヒロちゃんと目線を合わせ尋ねる。

「うん!僕、ウルトラマンZ大好きなんだ。いつか近くでウルトラマンを見たい!」

純粋な子供の願いに高山さんは微笑みながら

「その気持ちは絶対ウルトラマンに伝わってるよ。呼べば来てくれる訳じゃ無いけど、怪獣に襲われても諦めず自分が出来る精一杯の事をやりきった時にウルトラマンは来てくれる。そして応援する気持ちはウルトラマンの力になっている…。僕はそう思うよ。」

ヒロちゃんも大きく頷き私達は今度こそスーパーを後にした。

「ちょっとクサイ台詞だったかな?」

鼻を掻きながらはにかむ高山さんが私に問うも

「説得力がありましたよ。何せ本物が言うんですから!」

と笑顔で返す。買い出しも済み皆の元に帰った私はある提案をする事にした。

「高山さん、皆で一緒に写真撮りませんか?縁あって出会った記念に!」

「ナイスアイデア!!」

「賛成!」

鞠莉に千歌、そして高山さんも同意し皆で写真撮影をする事にする。

私と高山さん、ハルキを前にし全員で写真を撮る。

「はい!チーズ!!」

自分のスマートフォンとデジカメを使い写真撮影をし、全員分の印刷を済ませる。ピンボケも無く皆も笑った笑顔の写真とその裏面に高山さん直筆の座右の銘を記入してくれた。

「さて、残りの焼き肉も全部焼こうか!」

皆もまだまだ食べたりないのが肉をグリルに置いた瞬間、ハルキの携帯から電話が鳴る。

「こちら蛇倉…、怪獣が千葉に出現した。ハルキ、今から出動出来るか?」

こんな時に…と歯噛みする私だが今淡島に居る為到着迄に時間が掛かる事を知らせたハルキだが、高山さんが乗ってきた戦闘機を無人飛行で淡島に飛ばせばストレイジの基地まで直ぐに辿り着ける為、その場で待機を命令される。

「高山さんも行くんですよね…?」

私の言葉に肯定する高山さんを引き留める事は出来ない。元居た世界に帰るチャンスを逃す訳には行かず彼の帰りを仲間が待っている事を告げられた私は自分の部屋に駆け上がり、四隅にイルカが付いてある小さな写真立てを持って下り、高山さんに渡す。

「いつ帰れるのか分らないけど、これを渡すから!戦い…、頑張ってください!!」

私の言葉に高山さんは柔和な笑顔で返す。

「ありがとう、行ってくるよ…。この世界は滅んだりしない。君が…、君達が未来を信じる限り。」

戦闘機が浜辺に着陸し、高山さんはポケットから金色の拳大程ある三角形のアイテムを見せる。これがガイアの証である事に直ぐ気付いた。

ハルキと高山さんを乗せた戦闘機はストレイジに向かって飛び立つ。その飛行機雲の先を祈る様に見つめながら…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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