ラブライブ!サンシャイン!!×ウルトラマンZ~遥かに輝き!0から1へ!!   作:ワーラー

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今回はクロニクルDの会話で出た、サンプルとして回収したい怪獣の1体が会話で出ます!
皆さんの特空機候補があれば感想等で教えて貰えると嬉しいです!


第24話 シャイ煮はじめました/宇宙海賊登場 前編

「暑〜〜い!!」

「ズラ〜〜!!」

「ううっ、天の業火に闇の翼が…。」

俺、夏川ハルキとAqoursのメンバーはいつもの様に屋上でダンス練習をしている。だが午前中と言うのに直射日光が当たり、千歌ちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃんが暑さに悶えている。

『ハルキ、人間はなんで暑いのが苦手なんだろうな?寒いのは分かるのでございますが…。』

俺は空手の基本技を練習しながらZさんがテレパシーで疑問を口にする。

「この暑さだと大体の人はダウンするもんなんッスよ。俺は慣れてるから平気ッスけどね。」

武道をしている身からすればある程度の慣れも有る為、この程度なら余裕である。

「逆にZさんは寒いの苦手なんスね。」

『ウルトラマンは太陽のエネルギーを力に変えているからな。でも地球ではそのエネルギーが届きにくいから基本的に3分間しか活動出来ないんでございますよ。逆に寒い場所では普段以上に動きにくくなるから全員寒さに弱いんだ。長くなるから詳しく言わないがウルトラの星には冬が無いから基本的に温かい星なんだ。』

ウルトラマンの重要事項を聞きながら倒れている3人を見る。その傍らハイテンションな2人が…。

「さて数日過ぎましたが今は夏休み!」

「サマーバケーションと言えば…?」

ダイヤさんと鞠莉さんが普段以上にニッコニコな顔をして千歌ちゃんに問いかける。

「えっと……、夏と言えばやっぱり海だよね…?」

自信無さげに答える千歌ちゃん。俺は夏でも今年は泳ぐの難しそうだな…。急な出動もあるから釣りで我慢するしか無いだろうし。

「夏休みはパパが帰って来るんだ!」

「マルはおばあちゃんの家に…。」

「私はツーリング。」

「夏コミ!!」

「俺は釣りッスね…。後は特空機の操縦訓練。」

自分達の楽しい夏休み計画を述べる曜ちゃん、花丸ちゃん、果南ちゃんと俺にダイヤさんは肩をブルブル震わせ

「ブッブーー!ですわ!!」

と久しぶりに青筋を立てて激高する。

「貴女達、それでもスクールアイドルなのですか!?」

皆がビクつく中、ダイヤさんと鞠莉さん以外のメンバー全員が目線で俺に「聞け!」と訴えかける。

「…、じゃあ何なんッスか?」

 

 

俺の疑問に答える為、一度部室に戻るAqours一同。そしてホワイトボードに何やら円グラフが記された模造紙を貼り付けダイヤさんの説明が始まる。

「いいですか皆さん、夏と言えば…はいルビィ?」

ダイヤさんの問いかけにルビィちゃんが即答で「ラブライブ!」と回答する。

「流石我が妹!可愛いですね、良く出来ました!!」

この若干引く様な溺愛振りに善子ちゃんが、セブンガーが描かれたストレイジの団扇を扇ぎながら

「何、この姉妹コント…。」

とぼやく。確かに今のデレデレなダイヤさんに、お決まりの頑張ルビィをするルビィちゃんを見てると笑いが込み上げて来そうになる。

「コント言うな!夏といえばラブライブ!その大会が開かれる季節なのです!!」

そう言いながら先程貼った円グラフを指差し大特訓を行うとの事を宣言した。

「先ずは予選突破を目指してAqoursはこの特訓を行います!この円グラフは私が独自のルートで入手したμ'sの夏合宿のスケジュールですわ!!」

良くこんな情報を入手出来たなと関心する中、さっきまで暑さで悶絶していた花丸ちゃん、、善子ちゃん、千歌ちゃんが死人の様な顔をしている。

「遠泳10km…。」

「ランニング15km…。」

「こんなの無理だよ…。死んじゃうよ……。」

この3人の絶句した表情の中、果南ちゃんが屋上からずっと手元にあるエスプレンダーを眺めながら

「まあ、何とかなりそうね!」

と平然と答える。

「「「えっ!?」」」

3人がまたもや絶句する中

「確かにやれない事は無いッスよね!」

と俺も果南ちゃんに同意する。

「「はあ!?」」

千歌ちゃんと善子ちゃんが冗談だろ?と言わんばかりの表情をしながら抗議するが、ストレイジでもこれに近いトレーニングはしている事から不可能では無いのも事実なのだ。

「そうそう!気合があれば全然出来るって!!」

と果南ちゃんも2人を励ます。

「熱いハートがあれば何でも出来ますわ!」

とダイヤさんも燃えている中、曜ちゃんがダイヤさんのテンションの高さに疑問を持つ。

「ずっと我慢していただけに今までの思いがシャイニーしたのかも。」

「ははは…。」

鞠莉さんの説明に梨子ちゃんが乾いた笑いを漏らす。まあ確かに、様々な事情があって再開する事が出来なかったスクールアイドルを再びやれるのだ。テンションが高くなるのも分からなくは無い。

「何をゴチャゴチャと!さあ、今から外に出て始めますわよ!!」

皆外に出ろと言わんばかりにドアを指差すダイヤさん。

「オッス!ん、今からッスか!?」

俺は自分の携帯を確認する。現在の時刻は11時半、今日は13時からストレイジで特空機のシュミレーションと隊員達の格闘訓練がある事を思い出し、その旨を伝える。

「分かりましたわ!それでは特訓は明日から行います。大丈夫ですか?」

「オッス!それじゃあまた明日!!」

俺はダイヤさんに敬礼し彼女もノリノリで返したのを見てから駐輪場に向かいストレイジに向かった。

 

 

ハルキさんが部室を出たのを皮切りに曜さんが私、黒澤ダイヤに明日の特訓に出られない事を告げる。

「ダイヤさん、私と千歌ちゃんは明日の特訓には出られないんです…。ね?千歌ちゃん!」

「あ…、そうだった。自治会で出してる、海の家を手伝うように言われているのです!!」

揃って敬礼をする2人に便乗し、果南さんも参加は難しい事を伝えてきた。

「あっ、私もだ!ゴメンねダイヤ…。」

まさかの3人が抜ける事態に眉を顰める。

「そんなぁ…。ハルキさんにも伝えたのですのに、特訓はどうするのですか?」

「残念ながら、そのスケジュールでは…。」

「勿論サボりたい訳では無く…。」

数秒の思考時間で考案した私の特訓プランに思わず自身の口角を上げ、その旨を伝えようとする。

「お姉ちゃん、顔が!顔が怖すぎるよ!!」

「そんな事はありませんわ!今回の特訓に全員が参加出来るように海の家での業務の間に「じゃあ…」!」

私の素晴らしいプランの間に鞠莉さんが割って入る。

「昼は皆で海の家を手伝って、涼しいmorningとeveningに練習って事にすればいいんじゃない?」

「それ賛成ズラ!」

花丸さんが賛成していますがそれでは十分な練習時間が取れないと思い、私が意見しようとすると…

「じゃあ夏休みだし、家で合宿にしない?」

「「「「「「「「合宿?」」」」」」」」

千歌さんの提案に私達全員が疑問符を浮かべる。

「ほら、私の家は旅館でしょ?頼んで一部屋借りれば皆泊まれるし。」

このナイスな提案に曜さんや、果南さんも同意する。

「そっか!目の前が海だしね!」

「移動が無い分早朝と夕方、時間取って練習出来るもんね!!」

二人が互いに敬礼とサムズアップを返す中、この時期に急に泊まりに行って大丈夫なのかと花丸さんが疑問に思うも

「何とかなるなる!」

と千歌さんが笑顔でVサインを作り合宿をする事が確定した。

「それでは明日の朝4時、海の家に集合ということで!!」

「えっ、4時!?」

集合時刻にギョッとする梨子さんに千歌さんが

「頑張って起きよう!おー!!」

と拳を上げる。

今日はこれで解散する流れになり、そのまま部室を出ようとすると、善子さんが床に落ちてある何かを拾う。

「この鍵…もしかしてハルキのじゃない?」

黒とシルバーの厳ついケースに付いてある鍵を見ながら呟く善子さん。

「今から戻って来てもらうのも流石に難しいわよね…。シュミレーションって1時からって言ってたし。」

「なら私が届けに行くわ。元々今日は買い物する予定だったし。」

と梨子さんが鍵を渡してと手を伸ばす。

「…、私もついて行きたいんだけどいい?運が良ければストレイジの中もまた見れるかもしれないし。」

善子さんの要望に梨子さんもOKをし、2人で足早にバス停に向かって行った。

 

 

 

 

俺、夏川ハルキはウインダムのシュミレーションを行いこれまで戦ってきた怪獣を仮想敵とした戦闘を行っている。

「くそう!ネロンガもエレキングもかなり手強い!!」

衝撃もかなりリアルに設定している為、シュミレーションでも実際の戦闘と遜色無い緊張感で訓練が出来る。

“バコン!!”

大きな衝撃と同時にコックピット内の電気が消え、画面に撃墜の二文字が映し出される。

「ヨウコ先輩ならもっと上手に立ち回れる筈なんだけどなぁ…。」

ヨウコ先輩のシュミレーションを見た時には機体性能に頼りきりにならず、怪獣を追い詰めていっていた。俺もZさんに極力頼る事無く戦っていかなければならないが、如何せん特空機の操縦技術を上げなければ話にならない。

「(それに簡単に撃墜されるとAqoursの皆も心配するしな…。)」

再度シュミレーションで戦う相手を設定する。今度はコッヴに設定し操縦桿を握り直した。

 

 

 

 

私、桜内梨子は善子ちゃんと一緒にストレイジに来ている。

「いらっしゃい!どうしたの?」

ハルキ君の先輩であるユカさんが要件を尋ねる。

「ハルキ君、家の鍵を部室に置いたままにしていて…。お昼からシュミレーションがあるみたいで届けに来たんです。」

ユカさんが「わざわざありがとうね!」と返し、ハルキ君の様子を見ていくかを聞くと善子ちゃんが嬉しそうな顔をする。

「いいんですか!」

善子ちゃんの明るい笑顔にユカさんも

「直接渡してくれた方がハルキも喜ぶと思うしね。それに、特空機見たかったんでしょ?」

と、ユカさんに図星を突かれた善子ちゃんはさっきまでの笑顔とは打って変わって顔を真っ赤にしながらうろたえる。普段は厨二病のセリフを言うキャラなのに普段とちょっと違う反応を見る事ができ、可愛く感じてしまう私であった。

ストレイジの格納庫に特空機であるセブンガーとウインダムが佇んでおり、整備員がハルキ君に戦闘の指示を出す。

「よう!善子ちゃん、梨子ちゃん!!」

「こんにちはバコさん!うわぁ…やっぱり特空機、大きくてカッコいいな!!んん?」

会釈を返す私を他所に、善子ちゃんはキラキラした目で特空機を見ながら4機のバラバラになっている機体についてバコさんに質問をする。

「ねぇバコさん、あのロボットは…新型?」

バコさんも「気づいたか!」と言いながらバラバラになっている機体について説明をする。

「あの機体はコードネーム、キングジョー。善子ちゃん達が東京に行った時に鹵獲した奴でな。コイツを新型特空機として改造するんだよ。」

バコさんの説明に私も善子ちゃんも「おお!!」と驚嘆の声を上げる。あのロボットはハルキ君もウルトラマンZも苦戦したそうだし、仲間になればとても心強いんじゃないだろうか。整備員の一人がバコさんに現状報告をしこのロボットの性能を話している。

「いやぁ、こんな重金属を使いながらウルトラマンと同等の機動性が出せるのは凄いなぁ!」

「そうなんですか?」

私も少し興味が湧き整備員に尋ねる。

「そうだよ。頑丈さとスピードを兼ね備えた機体は今の技術で作るのは中々難しいからね。」

「制御系統も全く未知のテクノロジーだからな…。防衛軍の上層部も目の色を変える訳だよ。」

2人の職員と話の花が咲くもそれを聞いたバコさんが少し不安な表情で「でもな…。」と口を開く。

「人間は欲が深い。この技術はまだ人類には早すぎるのかもしれない。」

この意味深な反論に私も不安になりそうになるがユカさんが明るくバコさんに言葉を返す。

「バコさん、産業革命や蒸気機関だって当時の人類には早すぎたんですよ?でも文明はずっと豊かになってきたじゃないですか!だからこの技術もきっと未来の役に立てますよ。」

整備員も善子ちゃんも頷きバコさんも笑顔を見せる。

「そうだな…。そう願いたいね!」

そう言うとバコさんは遅い昼食を取る為休憩に入った。

「ただ強い武器があるだけでも意味は無いんですね…。」

私はユカさんに先程のバコさんの不安について聞く。

「まあ、新しい物を作り出すっていうのは一歩間違えると兵器になるかもしれないからね。怪獣を倒す武器を作っているから説得力は余り無いかも知れないけど…。だからこそ、その兵器を正しく扱える様に技術者も研究者も、パイロットも日々研鑽しなくちゃいけないと思うんだ。ハルキも最近頑張ってるんだよ?夏祭り前に怪獣が出てきた日から、“出撃しても俺は簡単に撃墜されてしまうから少しでも練習したい”って言って来て、ほぼ毎日シュミレーションしているし。」

「(夏祭り前って、ウルトラマンの正体が分かった日から……。)」

ハルキ君、ウルトラマンとして戦っているのに特空機のシュミレーションも頑張ってるんだ。いつも私達を守ってくれながら努力を惜しまず、自分と向き合っている…。

「(私はどうなんだろう…。)」

そう思った時、ユカさんから作戦室でコーヒーをご馳走してくれるとの事でハルキ君のシュミレーションが終わるまで暫く待つ事にした。

 

「よっし、今日のシュミレーションも終わりっと!さっさと着替えて部室に忘れた鍵を…。ん?」

私と、善子ちゃん、ユカさんが最近のスクールアイドルの近況について話をしていると独り言を言いながら作戦室にハルキ君が入ってきた。

「あれ、梨子ちゃんに善子ちゃん!どうしたんッスか?」

この様子だとメールを見ていない事を確信した善子ちゃんは「メール見てないの?後、ヨハネよ!」とお決まりの返しを決める。

「部室に鍵を忘れていたから梨子と一緒に届けに来たの。はい!」

善子ちゃんが笑顔で鍵を渡し、ハルキ君も笑顔でお礼をする。

「わざわざありがとう!今日の部活はもう終わったんスね。」

「シュミレーションお疲れ様!明日の特訓の為に今日は早めに終わったのよ。」

私の特訓と言う言葉にユカさんと一緒にいたヨウコさんが同時に「「特訓?」」と疑問を投げかける。

「オッス!夏にラブライブの予備予選があって明日からAqoursは特訓を行うんスよ!いやぁ、テンション上がるなぁ〜!」

まるで自分も特訓をする様な物言いをするハルキ君にヨウコさんが

「アンタはマネージャーでしょ?部員のサポートが役目じゃないの?」

と至極当然のツッコミをする。

「アハハ…。それじゃあ鍵も渡したしそろそろ帰るわね…。」

と善子ちゃんと一緒にストレイジを出ようとすると、ストレイジの隊長である蛇倉隊長が私達2人を呼び止める。

「ちょっと待て!2人共、“この土砂降り”の状況で帰るのか?バスも当分来ないのに…。」

「「え?」」

私達2人の声がハモり、隊長が外の様子をモニターに映す。

「うわぁ、凄い通り雨ッスね…。」

ハルキ君が絶句する程強い通り雨がアスファルトを叩く。それにバス停には傘も無く、これから1時間はバスも来ない状況に私達は雨宿りも込みでもう少し留まる事にした。

 

「レディ…ゴー!」

善子ちゃんの掛け声と同時にヨウコさんとハルキ君が腕相撲をする中、私はユカさんの机にある小さなロボットのミニチュアを発見し何かを尋ねる。

「ユカさん、これ何です?」

「これ?キングジョーの前に候補に上げてた特空機。色々欠陥が発覚して没になったけど、データを処分するのは勿体ないし、グッズにして残してるの!」

その没案になった機体は何故か、怒り顔、笑い顔、泣き顔の3つの表情を三角柱に当てはめた奇っ怪なロボットであった。

「ガラオンって機体で3つの表情からビームを発射する支援型の特空機の予定だったんだけど、操作が複雑過ぎるから没に…。だから貯金箱にしてみたんだ。」

頭にコインを投入しそれを認識したガラオンがルーレットのように回転する。回転が止まり笑い顔の面が大爆笑するという、ちょっと怖い貯金箱だ。どうやらその感情の声を録音し登録するとランダムで笑い、泣き、怒りの声を出すらしい。

「まだまだあるよ〜!」

「あるんですか!?」

ユカさんがガラオン以外の候補も存在する事を告げ、ボツ案をさながら通販番組の様に出していく。今度はお腹にシャッターを付けた金色のロボットを出してきた。

「お次はこれ!クレイジーゴン!!戦闘後に出た瓦礫を回収しながら金属のみを分別する特空機。」

「最早防衛ロボットと関係無いじゃない!」

話に入ってきた善子ちゃんが思わずツッコむ。

「当然本来のストレイジの本懐と全く合っていないし、自己処理班もいるから没に。なので…!」

そう言うとクレイジーゴンのお腹のシャッターを引き上げ地面に置く。

「塵取りにしてみました。これはストレイジの掃除道具として一応採用されてます!」

これが採用されたのか…。このユカさんがゴリ押して通したとしか思えない発言に眉を顰める私と善子ちゃん。

「ハルキ?この勝負にアンタが負けたらユカの没案の品を部室に持っていきな!これ以上作戦室に物が増えると困るんだよ!」

ヨウコさんとハルキ君の拮抗した勝負が続く中、彼女から賭けを要求される。

「上等ッスよ!なんなら今後ユカ先輩の没案の実験になってやりますよ?俺達Aqoursが!」

ハルキ君の口から出たAqoursが実験になるという言葉を聞いたヨウコ先輩がニヤリと笑い、力を段々と込め始める。

「ちょっと!ハルキ君頑張って!!」

私の声援に答えるようにハルキ君も腕に力を込める。だが今までの拮抗した状況が嘘の様にハルキ君の右腕が逆方向に傾いていく。

「ハルキ!根性で何とかしなさい!!Aqoursの部室が怪獣地帯になっちゃうわよ?ダイヤに怒られるわよ!?」

「ちょっとプレッシャー掛けないでくださいよ!!」

善子ちゃんの脅しも効果が無く、今尚逆転する兆しが感じられない。

「へぇ〜、ダイヤちゃんに?そうなんだ…。」

「くそう…!ぬあああっ!!」

ハルキ君の気合も虚しく右腕が机に叩きつけられ…惨敗した!

「ぐあああっ!」

「「終わった…。」」

ハルキ君の悶えている姿を目にしながら私と善子ちゃんの目が死んだ魚の様になってしまう。

「腕があぁ!」

「腕があぁ!じゃ無いわよ!?アンタ明日からの特訓絶対参加しなさいよ!!ランニング15kmと遠泳10kmやりなさいよ!!!」

「ハルキ〜、そんな軟弱な腕じゃ怪獣を倒す事は出来ないよ〜〜!」

したり顔で笑うヨウコさんの隣で、ハルキ君の頭を叩きながら善子ちゃんが怒りまくる。そんな中、ユカさんのグッズ紹介はまだ続いていた。

「最後はこれ!地中に潜む怪獣を撃退する、地中鮫ゲオザーク!」

「鮫!?」

鮫というワードに善子ちゃんが反応する。「でも地中には地下鉄とかガス管なんかのライフラインが多い地域もあるから惜しくも没に。これの水中用も考えたんだけど今の技術では実用が難しくて…。だから寝袋にしてみました。」

一旦自分の机から離れ倉庫に行くと最近出来たであろう鮫の口から顔を出す寝袋を持ち出してきた。それもハルキ君も余裕で入る程の…。

「凄い!これは商品にしても全然良いんじゃないッスか!!これ曜ちゃんでも作れるか分からないッスね。」

腕を摩りながらハルキ君が感想を述べる中、善子ちゃんも「凄い!」と同意する。

「あの〜、これはユカさんがここで寝る時に使うんです?」

「いや、ここでは寝ずに仕事する事が多いからね!」

それを聞いた善子ちゃんが

「これ譲ってください!」

とユカさんに申し出る。

「この凶悪そうな見た目と人が入った時のシュールさ!何より鮫!!めちゃくちゃ欲しいです!!」

この鮫が好きな善子ちゃんにユカさんも二つ返事でゲオザーク寝袋を渡し、お互いご満悦な顔をしていた。そんな中

“ファンファンファンファンファン!!”

と突然作戦室内にアラートが鳴り響く。

【ストレイジ内部に侵入者発見!繰り返す!ストレイジ内部に侵入者発見!!】

と館内放送で状況が説明される。

「場所は…、エントランスか!ハルキ、ヨウコは至急応援に迎え!」

「了解!」

「オッス!」

ヨウコさんとハルキ君は返事をし作戦室を飛び出す。

「梨子ちゃんと善子ちゃんはここに居て、俺達の指示に従ってくれ。」

私達2人は不安な顔で頷く事しか出来なかった。

 

 

 

 

俺、夏川ハルキは侵入者が潜んでいるであろうエントランスにヨウコ先輩と居るが見たところ何かが隠れている様子は見られない。

「ハルキ、そこに整備員が!」

ヨウコ先輩が整備員が倒れているのを発見し、俺達は状態を確認する。

「良かった…。全員息があるし見たところ外傷も無いみたいッス。」

「分かった…。アンタは全員を安全な場所に避難させて…。それまでは私が周囲を見ておく。」

俺は「オッス。」と短く返事をし整備員3人をエントランスの曲がり角に避難をさせる。

「ううっ…。」

全員を避難し終わる際、整備員の1人が意識を取り戻す。

「大丈夫ですか?しっかり!」

整備員は虚ろな目で唇を必死に動かし何かを伝えている。俺は唇に耳を近づけその言葉を聞くも…

「バロ…、バロ…。」

と譫言の様に言葉を発している。彼らを襲った、何かの鳴き声なのだろうか…。そう思いながらヨウコ先輩と合流した時、彼女の隣に未知の生物の背中があった!

「…おい!お前は誰だ?」

グレーの肌に金色の渦巻き状の装飾を付け、青白く光る目玉をした宇宙人がヨウコ先輩の頭を鷲掴みにしていた。

「下等動物の言語を話す声帯は持ち合わせていない。我が名はバロッサ星人。お前達が回収したロボット、キングジョーは我が宇宙船だ。返して貰おう。」

ヨウコ先輩の声で自分の名前と、ここに侵入した目的を話すバロッサ星人。あの掴んでいる手でヨウコ先輩に言わしているのか…。

「ヨウコ先輩を離せ!」

俺がライフルを向けると、バロッサ星人はヨウコ先輩を物か何かの様に雑に投げ捨てる。俺はヨウコ先輩を受け止め、ライフルを再度構え直すもバロッサ星人は視界から姿を消し、後ろから俺の襟を掴み放り投げた!

「くそう!」

俺は素早く立ち上がり反撃に出ようとするも『待てハルキ、俺が代わろう!』とZさんがテレパシーを送る。俺は手に持ったZライザーで変身をし、バロッサ星人を見据える。

『奴はバロッサ星人。銀河中で破壊と略奪を繰り返し、奪った武器を自分の力として使うウルトラヤバい海賊宇宙人だ!』

Zさんとバロッサ星人が構えを取り距離を詰める。人間サイズでの戦闘はウルトラマンであるZさんにとってかなり負担になる為、1分間が限界だ。時間がいつも以上に短い中交戦が始まる。

“シュワッ!”

最初にZさんが飛び蹴りを放つもバロッサ星人はあっさりと後を取り、何処からか取り出したのか大きな大刀を持ちながら袈裟斬りにしようとする。攻撃を回避したZさんが反撃を繰り出そうとするも、星人は空いた手で歌舞伎の様な構えを取りながらこちらの間合いを詰めるのを拒んでくる。

“ジュワッ!”

構わずZさんは回し蹴りを繰り出すも間合いを詰められ密着状態になり、有効打が与えられないでいた。

“キアァッ!”

バロッサ星人は足蹴りで間合いを離すと同時に大刀を振り下ろしZさんは胸に刀傷を負う。その時、星人はマントを取り出し姿を消してしまった…。

「消えた?」

『今のは怪獣サータンの毛で覆った透明マントだ!気をつけろ…。』

俺も気を引き締め辺りを警戒するも後ろから蹴りを食らった事で壁に激突してしまい、変身が強制的に解けてしまった。

「ぐっ……。あっ!」

痛みに顔を歪ませながら周囲を見渡し、何かをズルズルと引きずる音に俺は耳を傾ける。

「ヨウコ先輩!」

今の状況では追うことが出来ない俺は作戦室に現状と敵の目的を知らせる。

「こちらハルキ!敵の狙いは…キングジョーです!奴は姿を消して基地内に潜伏しています。ヨウコ先輩も攫われました!!」

 

 

 

 

私、津島善子はハルキからの通信を聞き、身を強張らせている。

「ユカ、俺はハルキと合流する。お前は梨子ちゃんと善子ちゃんの安全を第一に考えながら、敵の解析をしてくれ!」

ユカさんは全体に警戒態勢を取る為のアナウンスを流し、私達を後に下がらせながらパソコンを見ながら辺りを警戒する。

「重力波が大きく歪んでる…。この物質は何なの?」

何か腑に落ちない事があるのか数秒考えるユカさん…。その時!

「あっ!ヨウコさん!!」

梨子が作戦室に入ってきたヨウコさんに声をかける。

「大丈夫…?」

様子がおかしく目が虚ろなヨウコさん。そして体勢も何処か違和感を感じた私は思わず

「……、何か…居るの?」

と口にする。その言葉に反応するかの様にヨウコさんから

「感の良い娘だな……。」

と抑揚の無い言葉を告げられ後から金色の渦巻き模様の宇宙人が顔を出した!

「ヒッ!!」

涙目で声を上げる私を他所に宇宙人はヨウコさんを使って交渉を図ってくる。

「この女の命が惜しければキングジョーを返せ…。」

「…嫌よ。」

ユカさんが星人の思い通りにさせない為に要求を拒否するも

「少しでも力を入れると、コイツの頭は簡単に潰れる。地球にある林檎という果実の様にな…。」

そう言いながらヨウコさんの頭に手を置き力を入れると彼女の顔が苦痛に歪んでゆく。

「お願い!!死にたくない!!!私がどうなっても良いの!!!!」

「嫌っ!!」

「……うっ!!」

メリメリと不快な音を立てながらヨウコさんに言葉を言わす星人の残酷過ぎる行為に私と梨子は恐怖から目を背ける。

「もう止めて!!言う事聞くから…。」

ヨウコさんの苦痛に悶える声を聞いたユカさんが条件を飲み、キングジョーのプログラムを起動させる。

「ご苦労だった、下等動物…。もう用は無い!」

ヨウコさんを開放し自身の手にある大刀を振り上げた!!

「クッ!」

ユカさんが私と梨子を突き飛ばし斬り殺されるのを身を挺して庇おうとする!だが、どれだけ経っても肉を切り裂く音も痛みで叫ぶ絶叫も無い中、梨子が私の背中を叩く。

「善子ちゃん!見て!!死んでない!!」

気でも狂ったのかと思いながら私は恐る恐る目を見開く。そこには!

「人の縄張りを荒らすんじゃねぇよ…。」

ハルキとZの正体を始めて知った時に居たあの怪人が居た!!怪人は日本刀の様な刀を使い、鍔迫り合いをしながら私達との距離を引き離す。以前見た時はハルキのライザーを奪っていた筈なのに今回は私達を助けている。

「貴方は…?」

ユカさんが怪人に尋ねるも

「誰でもいい…。小娘共を連れてさっさと逃げろ!」

と手短に告げ、星人と交戦を始めた!

「ヨウコ先輩!皆!!」

ハルキも合流しヨウコさんを抱えて作戦室の入り口に誘導する。

「お前…、トゲトゲ星人!!」

ハルキがあの怪人に呟くもユカさんから

「急いでキングジョーを止めて!電源を止めたらまだ間に合う!!」

と言伝てを預かりアイツは弾かれた様に格納庫に向った!

 

 

 




ハルキとAqoursのウルトラナビ

ハルキ 「今回紹介するのは古代怪獣ゴモラ!」

Z    「怪力や尻尾の攻撃、角から発射する振動波はウルトラ強力だ!」

ハルキ 「ウルトラマンでは大阪城を舞台に戦いを繰り広げ、ウルトラマンマックスや、ウルトラマンメビウスも苦戦した怪獣だ!でも、花粉症は本当辛いよね…。」
善子  「ウルトラマンジードではスカルゴモラ、ウルトラマンルーブではメカゴモラみたいに何個かの派生がある怪獣で、ジードやロッソ、ブルを苦しめた強敵に!大怪獣バトルではレイのパートナー、ウルトラマンXではサイバーゴモラっていう、頼れる相棒になっている怪獣でもあるわ!極小サイズなら私のリトルデーモンにしてあげてもいいかも!」

ハルキ、Z、善子 「『「次回もお楽しみに!!」』」
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