ラブライブ!サンシャイン!!×ウルトラマンZ~遥かに輝き!0から1へ!!   作:ワーラー

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第27話 友情ヨーソロー 前編

海の家での合宿が終わって一週間後、梨子ちゃんが東京で開催されるピアノコンクールに出場するため今日から5日後に控えたラブライブ予選は8人で出ることになった。まだ午前中にも関わらず日差しが照りつける沼津駅前で私、渡辺曜とAqoursのメンバー、ハルキ君が梨子ちゃんの見送りとエールを送る。

「しっかりね!」

「頑張って下さい!」

「お互いにね!!背中を押してくれてありがとう。千歌ちゃん、ハルキ君!」

梨子ちゃんと握手と互いに拳を合わせる千歌ちゃんとハルキ君。

「梨子ちゃん、頑張ルビィ!!」

「東京に負けてはダメですわよ!」

ルビィちゃんの応援の横でダイヤさんが上ずった声をあげる。

「そろそろ時間だよ?」

掲示板を見た私が電車の到着時間10分前を梨子ちゃんに告げ、果南ちゃんと鞠莉ちゃん、花丸ちゃんがエールを、善子ちゃんが無言で拳を前に出す。

改札口にチケットを通した梨子ちゃんに千歌ちゃんが大きな声で叫ぶ。

「梨子ちゃん!次のステージは絶対皆で歌おうね!!」

「うん!もちろん!!」

千歌ちゃんのエールを受け取った梨子ちゃんはその勢いに押される様にプラットフォームに向かって駆け出して行った。

「さあ、練習に戻りますわよ?」

ダイヤさんの指示の下、私達は浦の星に戻り練習をする為に歩を進める。

「よし、これで予備予選で負ける訳にはいかなくなったね!」

「なんか気合が入りマース!」

「じゃあ俺は部室の鍵開けるため先に行ってますね!」

果南ちゃん、鞠莉ちゃんの気合満々な声とハルキ君が先に部室を開けるため駐輪場に向かって駆け出していく。

「ねっ!千歌ちゃん!!」

梨子ちゃんの分まで頑張ろうと千歌ちゃんに声を掛けた時、千歌ちゃんの背中が何処か寂しそうに見えたのだった。

 

「特訓ですわ!!」

部室に全員集合し、大きく特訓と書いたホワイトの眼の前にダイヤさんが仁王立ちをしている所を俺、夏川ハルキ以外のメンバーが半ば呆れた目で見ていた。

「また…?」

「本当に好きズラ…。」

千歌ちゃん、花丸ちゃんがこの前合宿したのにまたハードな事をするのかと呆れた声で返す中、パソコンを操作していたルビィちゃんが全員に画面を見せる。

「これって…Saint Snow!」

「うわっ出た…。」

千歌ちゃんが声を上げる中、俺はポロッと毒を吐いてしまう。ラブライブを諦めろだの、遊びじゃないだと散々言ってくれたあの姉妹はどうも好きにはなれないでいた。

「先に行われた北海道予備予選をトップで優勝したって!」

ルビィちゃんが解説をする横で果南ちゃんが「これが千歌達が東京で会ったっていう姉妹のスクールアイドルねぇ…。」と興味深そうに呟きながら画面を見る。

画面越しだが、東京のイベントよりもダンスのクオリティーが格段に上がっているのを見ると、トップでの優勝は伊達じゃ無いと敵ながら思ってしまう。

「頑張ってるんだ…!」

千歌ちゃんもSaint Snowの姉妹を見てやる気を出すも

「気持ちは分かるけど大切なのは目の前の予備予選だし、先ずはそこに集中しない?」

と目先の目標を突破する事を提案される。

「果南にしては随分堅実ね?」

鞠莉さんの茶化しに「色々勉強したからね」と悪戯っぽく返す果南ちゃん。目先の目標を決め、特訓を開始しようとダイヤさんが手を叩く。

「では、それを踏まえて…。」

「予備予選通過大特訓…開始!!」

 

 

かと思ったのだが…

「なんで…こうなるの!!!!」

「文句言ってないでしっかり磨くのですわ!」

千歌ちゃんの今さっきの熱意を返せと言わんばかりの文句にダイヤさんが檄を飛ばす。特訓しようと屋上に行くのかと思いきや、使っていないプールの清掃をさせられているこの現状では文句の一言も言いたくなるのは俺も良く分かる。

「で、でも足元がヌルヌルしてて…ピキッ!!」

「ズラッ!」

「うおっ、危ねえ!!」

プール底のぬかるみでバランスが取れず、足を滑らせるルビィちゃんと花丸ちゃんを俺が力尽くで支える。

「これで特訓になるの?」

千歌ちゃんの疑問に俺はある意味足腰や体幹を鍛える特訓になるのではと考えながらルビィちゃん達を見守りながらプール底をブラシで磨く。

「ルビィちゃんも花丸ちゃんも足にしっかり力入れて!」

「アンタ、一人だけ気合入れ過ぎでしょ…。」

花丸ちゃん達2人を指導する横で善子ちゃんが半ば呆れた様な声を上げる。

「まあ、ダイヤがプール掃除の手配を忘れていたから特訓と言う名目で私達が掃除をしているんだけどね〜。」

「忘れていたのは鞠莉さんでしょ!?」

鞠莉さんの煽りに反応したダイヤさんが青筋を立てながら言い返す。

「言ったよ?夏休みに入ったらプール掃除何とかしろって。」

「だから何とかしてるじゃないですか!」

「ああっ!もうこの熱い中揉めないで下さい!!」

この炎天下で喧嘩を聞くのも疲れる為、俺が間に入って仲裁をする。

「果南、生徒会長と理事長があんなので大丈夫なの?」

「私もそう思う…。」

善子ちゃんと果南ちゃんがプールの側面に背を預けながらペットボトルのお茶を飲んで小休憩していた。

「でも皆で生徒会の仕事は手伝うって約束したもんね。よし、この際プールの床をピカピカに…「そうだよ?皆しっかり磨かなきゃ!ヨーソロ!!」んん?」

千歌ちゃんが気合を入れ直そうとした時、もう一人の聞き慣れた幼なじみの声と姿に思考が止まった様な表情をする。

「デッキブラシと言えば看板磨き!」

視線の先にいた曜ちゃんが水兵のコスプレをしながら敬礼をしている。

「いつの間にそんなもの持ってきたんスか!?」

俺の疑問に堂々の無視をした曜ちゃんがテンションを上げてジャンプするも、着地に失敗し盛大に尻もちをついてしまった。

「とっとっと…うわあぁっ!!」

「貴女!その格好はなんですの!?遊んでる暇はありませんのよ!!」

何時になったら終わるのやら…とダイヤさんが頭を抱えながらも皆でプール掃除を終らせる頃には昼の12時半を回っていたのだった。

 

「綺麗になったね!」

「オッス!!」

「ピッカピカになったズラ!!」

ルビィちゃんと花丸ちゃんが額の汗を拭いながら達成感に酔うもダイヤさんの

「ほら見なさい?やってやれない事は御座いませんわ!」

と言う発言に俺達全員がブーイングをする。

「ゴホン…!そうだ、ここでちょっとだけダンス練習やらない?」

果南ちゃんの提案に皆が同意し、滑って怪我をしない事を忠告し、俺が全員に配置に着くように指示を出す。

「「……あれ?」」

何か違和感を覚えた俺と千歌ちゃんが声を上げ、一旦皆の構えを解かす。

「そっか、梨子ちゃんが居ないんだよね…。」

違和感の原因を知った果南ちゃんがダイヤさんにどうする?とアイコンタクトを送る。

「そうなると今の配置ではちょっと見栄えが良くないですわね。」

「確かに1人欠けた状態でのフォーメーションってかなり違和感あるッスね…。」

あの合宿の日に千歌ちゃん、梨子ちゃん、果南ちゃんとダンスの相談をしながら改めて基本的な振り付けや配置を教えて貰ったが現状の人数と配置ではかなり不格好に見えてしまう。

「今から大きく修整するズラ?」

「嫌…時間が押してるから難しいね。だとすると……。」

花丸ちゃんの問いに数秒果南ちゃんが考え込む。

「梨子ちゃんの位置に誰かが変わりに入る…とか?」

梨子ちゃんの位置に入る代役…。それを俺達が思うと彼女が適任なのでは?思いが同じなのか全員の目線が1人のメンバーに集まっていた。

「…え?んん??私!!??」

皆の目線と力強く頷く千歌ちゃんに気圧され、曜ちゃんが担当する事になった。

 

 

 

 

梨子の代わりを曜がする事になり私、小原鞠莉とハルキ、Aqoursのメンバーは昼食の後屋上で早速練習をする事になった。

「ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ・シックス・セブン・エイト…」

「あっ!あれっ…?」

肩をぶつける千歌っちと曜。2人が離れた位置から近づく場所で何度も失敗してしまう。

「これでもう10回目ですわね…。」

「曜ちゃんなら合うかと思ったんだけどな…。」

ダイヤの言う通り、この箇所を練習してもう10度目。幼なじみで千歌っちの親友である曜なら他のメンバーよりも連携が取れると私も思っていたのだが…。

「私がいけないの。同じ所で遅れちゃって…。」

「ああ、違うよ。私が歩幅を曜ちゃんに合わせられなくて…。」

互いに謝罪をし合う2人だったが

「まあ、体で覚えるしか無いよ。まだ初日だし焦らない焦らない。ハルキ、湿布持ってきて!」

「オッス!!」

確かに焦っていては良い物は作れない事に私も内心同意をし、湿布を2人に貼り付けたハルキが果南と交代してリズムを取る。

「じゃあ2人共行くッスよー!ワン・ツー・スリー・フォー…」

ハルキが8を数えると今と同じ様に2人の両肩がぶつかってしまう。

「ごめん、私が今度は早く出過ぎちゃって…。ごめんね千歌ちゃん。」

「(遠慮している…。)」

そう思いながら私は謝罪する曜を見るも、彼女の何がそうさせているのかは分からないでいた…。

 

 

 

 

私、渡辺曜は夕日が沈む海沿いで千歌ちゃんと練習を続けている。

「2人まだ練習してるんだね…。」

ルビィちゃんの声に同意をする1年生達の視線を背中に受けながら、ハルキ君のカウントに合わせてもう何度目かの失敗した箇所を練習しているのだが…。

「痛っ!」

またも千歌ちゃんと両肩がぶつかってしまい先に進めない状態になってしまう。

「曜ちゃんごめんね…。どうしても梨子ちゃんと同じ様な感覚でやってしまって…。もう一度やってみよう!」

頷きながら元の位置に戻った私が千歌ちゃんにある提案をする。

「千歌ちゃん…、もう一度“梨子ちゃんと”練習していた様にやってみて?」

「えっ?でも…。」

「ん?」

私の提案に戸惑う千歌ちゃんとハルキ君を急かす様に声を掛け、ダンスを再開させる。

「…せ~の!ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ・シックス・セブン・エイト。」

私の提案でダンスをすると今までの失敗が嘘の様に綺麗に決まったのだ。

「おお!天界的合致!!」

善子ちゃんの驚嘆の声に同意する様にルビィちゃんも花丸ちゃんも拍手を送る。

「曜ちゃん、凄いね…!」

「これなら大丈夫でしょ?」

これなら次の段階に進む事ができ、千歌ちゃんも1年生も納得していたし解決したなと思っていた。そんな時千歌ちゃんの携帯から電話が鳴った。

「もしもし、千歌ちゃん?東京のスタジオに着いたから電話しようと思って…。」

どうやら梨子ちゃんから電話が掛かったみたいで千歌ちゃんが楽しそうに通話をしている。

「あ、待って!皆に変わるから…。はい花丸ちゃん!!」

突然電話を渡された花丸ちゃんが挙動不審になりつつも通話をしようと試みる。

「あ、え…えっと……。もすもす?」

「もしもし、花丸ちゃん?」

ハンズフリーの状態で梨子ちゃんの声が聴こえたのかビックリする花丸ちゃん。

「何驚いてんのよ?流石にスマホくらい知ってるでしょ?」

善子ちゃんが呆れるも通話は緊張するらしく、ルビィちゃんに押し付ける。案の定ルビィちゃんもダメだったが…。

「じゃあ曜ちゃん!梨子ちゃんに話しておきたい事無い?」

屈託の無い千歌ちゃんの笑顔と携帯の画面に映る梨子ちゃんの写真に私は何を言えば良いのか言葉が出ないでいた。千歌ちゃんの携帯の電池が切れそうとの理由で一旦通話を終了し、私達は今の5人でもう少しだけ練習しようと提案し、ハルキ君にカウントを任せるのだった。

 

 

 

 

私、小原鞠莉とダイヤ、果南は夕日差し込む生徒会室で溜まっていた書類の山を整理している。

「こんなに仕事を溜め込んで…。1人で抱え込んでいたんでしょ?」

「違いますわ!これはただ…。」

果南に図星を突かれたダイヤを見ながら

「これからは私と果南が手伝ってあげましょう〜!!」

と私が部活予算案申請書の束を一掴みする。

理事長の印鑑を押そうと思った時1枚の紙片が床に落ちた事に気が付いた。

「あれは…?」

「スクールアイドルの申請書ですわ。以前千歌さんが持ってきた。」

改めて部員一覧を見てみると最初はたったの2人しか居ないことに気付き、そのメンバーに私は驚きの声を上げる。

「あら?最初千歌っちと曜の2人だったのね。」

「意外?」

果南の問いに頷きながら

「てっきりStartは千歌っちと梨子だと思っていました!」

私の答えにダイヤも笑いながら

「確かにそう見えなくも無いですわね。今の状況からすると。」

そう、“今の状況からすると”過去を知らない人が見たら、私の思いと同意見の人が多いのかも知れない。

「本当、そうデスね……。」

昼間の曜の遠慮、その理由が何なのか少しだけ分かった気がした…。

 

 

 

 

俺、夏川ハルキは千歌ちゃんのと曜ちゃんの練習が終わり皆が家に帰る中、曜ちゃんのダンスと電話をしようとした様子に違和感を感じていた。

「曜ちゃん!」

バイクを走らせ曜ちゃんの側に止めた俺は彼女に尋ねる。

「曜ちゃん…何かあったんスか?」

「え…?」

顔が引きつり、曜ちゃんが戸惑った声を上げる。昼間の練習も、夕方も何かに遠慮をしている様なダンスに俺は違和感を感じていた。

「いつもの曜ちゃんらしくなかったッスよ?なんか凄い遠慮してたっていうか…。」

俺の問いに顔を背けながら「思い過ごしだよ…。」と答える曜ちゃんに

「顔見て答えて下さい!」

と肩を掴む。

「何であの時、梨子ちゃんと同じ様にやってみてって言ったんッス?ダンスは素人ッスけど凄い違和感を感じて…。」

まるで自分は、梨子ちゃんの代わりなのだと言わんばかりの曜ちゃんのダンスに疑問を持ってしまった俺の問いかけに彼女は増々目を逸らす。誰かの代わりと言い聞かせて自分の思いに蓋をする事が良いとは思えない。曜ちゃん自身も苦痛になるし、笑顔にならないのは俺でも分かる。

「俺で良かったら力になるッスよ?だから…」

俺のその先の言葉を曜ちゃんが震える声で

「なれないよ…。」

と突き放す。

「力になれないよ!男の子のハルキ君には!!」

目に涙を貯めながら俺には出来ないと真正面から言い切る曜ちゃんに俺も熱くなって言い返してしまう。

「そんな言い方しなくてもいいじゃないッスか!やっぱり今日はおかしいッスよ!」

力んだ俺の腕を振り払い、怒りのままに睨みつける曜ちゃん。

「本番まで時間が無い中で良いものを作るのにはしょうがないんだよ!千歌ちゃんは梨子ちゃんとやっていた物が染み付いてるから私が千歌ちゃんに合わせれば問題ない!!余計なお世話なんだよ!?」

最後の一言にカチンと来た俺は青筋を立て、声を荒げてしまう。

「自分が納得出来んのかって言ってんだよ!?梨子ちゃんとやっていたから?違うだろ!千歌ちゃんが梨子ちゃんと電話してるのを見てやきも…「このっ…!」。」

俺の言おうとした事が彼女の地雷を踏んでしまったのか、胸ぐらを掴んだ曜ちゃんが右手を大きく振り上げる。その時だった!

「ストップ、ストップ!喧嘩は止めて!!」

鞠莉さんがバッサリと俺達2人の間に割り入り接触を断ち切った。

「ま、鞠莉ちゃん!?」

「鞠莉さん…。」

驚く俺達を余所にホッとする鞠莉さんが両者の頭に軽くチョップを食らわせる。

「喧嘩両成敗デース!ハルキ、ここは私が引き受けるわ。曜、“びゅうお”で待っててくれる?」

笑顔で引き受けてくれる鞠莉さんにため息を付きながらも承知した曜ちゃんは足早に言われた場所に向かって行った。

「女の子同士でしか話せれない事もあるのよ?大丈夫、何とかしてみせるわ!!」

不機嫌な顔をする俺に、ウインクしながら任せて欲しいと頼む鞠莉さんに「お願いします。」とこの場を任せ、俺はストレイジのシュミレーションをしに行くためバイクを走らせた。

 

 

 

 

 




ハルキとAqoursのウルトラナビ

ハルキ 「今回紹介するのは大魔獣マガオロチ!」

Z    『世界を滅ぼすと言われる魔王獣の親玉らしい。マガオロチは星を食い尽くすと言われるウルトラヤバい怪獣だ!』

ハルキ 「ウルトラマンオーブ先輩を一度敗北させた超強力な怪獣みたいッス!」

鞠莉  「ウルトラギャラクシーファイトではウルトラマンリブット、マックス、ゼノンの3人のウルトラ戦士と同時に戦う程、その強さは健在!」

ハルキ 「ウルトラマントリガー本編ではGUTS SELECTが総力を上げ、トリガーと協力して倒したメツオロチというマガオロチに酷似した怪獣と戦ったッス!」

ハルキ、Z,鞠莉 「『「次回もお楽しみに!!」』」
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