ラブライブ!サンシャイン!!×ウルトラマンZ~遥かに輝き!0から1へ!!   作:ワーラー

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第36話 叫ぶ命 前編

私、桜内梨子は今日も屋上でAqoursの皆と練習を続けている。ラブライブ予選では次点という結果になってしまったが予備予選という俗に言う敗者復活戦の制度が設けられている事を知り、パフォーマンスのクオリティーを上げる為、体力作りやダンスの基礎からもう一度練習し直しているのだが…。

「俺も練習に参加させて下さい。ダンスは無理だとしても、筋トレやランニング位は…!!」

「それは別に構いませんが…。」

頭を下げるハルキ君にダイヤさんが動揺する中練習が始まる。誰よりも走り、筋トレをし、体幹を鍛えと今までマネージャーとしてのハルキ君を見ていた私達はこの行動に大きな疑問を持ってしまった。

「ハルキ君、どうしたんだろう…?」

ルビィちゃんが今日の彼の様子にとうとう疑問を花丸ちゃんや善子ちゃんに聞く。

「心境の変化じゃないズラ?」

「だからって最初から飛ばし過ぎでしょ!私達の倍はトレーニングしてるわよ?」

付いて来れたのは果南ちゃんだけだったが、呼吸を整える間も無く次のメニューを一人でこなそうとするハルキ君に3年生全員が無理矢理止めて休憩させる。程々に休み、自主練として筋トレを続けている彼を見ながら私も千歌ちゃんも、曜ちゃんも話に加わった。

「昨日ニュースで見たけど怪獣が1匹逃げたらしいんだって。」

「だからってここまでするかな…?あんな無理矢理動いてる様な様子だけど。」

「それ以外に何かあったのかも…。何かは分からないけど……。」

千歌ちゃんの予想に曜ちゃんが違和感を持つも、予想も付かず見守る事しか出来ない私だったがハルキ君の携帯から蛇倉隊長から連絡が入る。

「もしもし?」

【おお、梨子ちゃんか。至急ハルキに代わってくれ!】

携帯をハルキ君に渡し、険しい声に変わった途端屋上から出ようとした時、私は咄嗟にハルキ君を呼び止めてしまった…。

「戦えるの!?そんな無理して動いている今の状況で?」

このまま特空機に乗り、ウルトラマンとして戦って勝てるのか、無事に生きて戻ってくるのか不安に駆られた私はハルキ君にそう問いかける。内心、行かないで欲しいと思う私にハルキ君は

「大丈夫ッスよ…。俺が戦わないと街の皆が危険な目に合うから……。」

そう言ってこの場から逃げるように、取り繕った笑顔と何処となく悲しい顔にも見える複雑な表情を見た私は胸が締め付けられる様な感覚になり、そのままへたり込んでしまう。怪獣の場所を調べたら富士山の付近…。この場では小さく動いている物を屋上から私以外の皆が見ていた。

 

 

 

 

スクランブル発進を受けた俺、夏川ハルキはセブンガーを駆り背中に大砲を乗せた様な怪獣を抑え込んでいる。キングジョーと互角相当の怪力を持つ怪獣の馬力に対応できず成す術無く倒れる俺に、ウインダムを操縦するヨウコ先輩から下がる様に指示が下るが、怪獣が吐く口からのレーザーに俺達は共倒れになってしまう。

「……、行きますよZさん!!」

まるでZさんでは無く自分に言い聞かせる様に俺はZライザーを構え、変身するのであった。

 

「変幻自在…。神秘の光!ティガ先輩、ダイナ先輩、ガイア先輩!」

 

『ご唱和下さい我の名を!ウルトラマンZ(ゼーーット)!!』

 

「ウルトラマン…Z(ゼーーット)!!」

 

変身した俺達…否、俺はこの戦いを今すぐにでも終わらせたいと思い、ジャック兄さん、ゾフィー兄さん、ウルトラの父のメダルをZライザーにセットする。

『待てハルキ、いきなり大技を使うな!!』

Zさんの忠告を無視し、ライザーから光と竜巻を放出させる。

「M70竜巻閃光斬!!」

竜巻の向かい風で光輪が加速し、怪獣の腹部に命中。その好機を逃す事無く、俺はゼスティウム光線を撃とうとした時……。

“グルル…。グルルルッ………!!”

「ハッ……!」

先日戦ったレッドキングの顔が頭を過り、俺は光線の構えを解いてしまう。

『どうしたハルキ!?ハルキッ!!』

Zさんが気を確かに持てと叱咤するも胸のカラータイマーが点滅してしまう。まだ1分も経っていないのにだ…。

“グルルッ!!”

動揺している俺達を見た怪獣は好機と思ったのか自身の背中の大砲から光の粒子砲を放射する。

“シュワッ!?”

直撃を避ける為、Zさんが光のバリアで粒子砲を防ぐもあまりの火力に耐えられず吹き飛ばされてしまう。その後、地面を掘ってその場から逃げる怪獣を俺達もヨウコ先輩もただ見逃す事しか出来なかった…。

 

 

戦いを終えた俺達はストレイジの作戦室で栗山長官の説教を聞いていた。

「怪獣を取り逃がすとは…。何たる体たらくだ君達は!!」

「すみません…。」

「「「すみません!!」」」

長官がキングジョーの状況をユカ先輩に聞いた所、出力が一定数を超えるとオーバーヒートを起こしてしまうらしく、現在制御システムを構築しているらしい。

「怪獣の行方はどうなっている。」

蛇倉隊長が見失った怪獣は何処に居るのか尋ねるも、音波や熱源探知機に反応せず、仮死状態になって体力を回復しているのではないかと言う見解らしい。だが、ユカ先輩が怪獣のサンプルを保存している冷蔵庫から大きな肉塊を取り出し、机に置いた。

「うわっ!何だコレ!?」

声を上げる蛇倉隊長、ユカ先輩以外の俺達全員が腐った肉の匂いに鼻を抑え悶絶する。何でこんな物を冷蔵庫に突っ込めるのか!

「採取したあの怪獣の表皮です。遺伝子情報から地球外生命体と判明しました。改造した痕跡も見られ、宇宙人が作った生物兵器かもしれません!!」

嬉々として語るユカ先輩の“生物兵器”と言う単語に俺は顔を顰める。

「生物兵器……。」

生き物を改造して戦わせる為に作ったと言う事だ。元になった怪獣の気持ちなど知る事も無く自分勝手な人達の手で…。人種も顔も知らない誰かに嫌悪感を持ちつつ、ヨウコ先輩が富士の近くにあの怪獣が居たのか疑問を口にする。だがその疑問には答えたくないと言う様に胃を押さえ、この場を立ち去ろうとする栗山長官に

「話した方が良いんじゃ無いですか?栗山長官。」

理由を知ってる隊長が栗山長官に伝える様に声をかけると、腹を括った長官が俺達にあの怪獣が現れた経緯を話した。

「あの怪獣はコードネーム、グルジオ・ライデン。防衛軍の監視下にあった怪獣だ。10年前、休眠状態で地球にやってきたものを隔離し、我々は長年調査、研究をしてきた。」

ストレイジの特空機はあの怪獣のデータを元に開発され、休眠状態の場所から付かず離れずといったこの場所にストレイジを建設した事も隊長が補足をする。

「それがいきなり覚醒してしまった。被害が拡大する前に、キングジョーで“殺す”んだ!!」

キングジョーで殺す…。この言葉の意味を今の俺は受け止められないでいた。

「ウルトラマンZでも苦戦した相手ですよ。ガイアやアグルといった同等のウルトラマンの増援も期待出来ません。そんな簡単に……。」

現状の戦力では難しい事をユカ先輩は抗議するが

「Z様には頼らない……。」

意を決したヨウコ先輩がストレイジだけの力で倒す事を長官に宣言する。まるで“俺の”ウルトラマンとしての力が当てにされていない事に悔しさを覚えつつも、長官が去った事で今回の作戦の方向性が決まりつつあった。

 

 

整備室に立っているキングジョーを見た俺は帽子を脱ぎ、頭を掻き毟っている。

「どうしたらいいんだ……。」

地球を守る組織が綺麗な事ばかりじゃ無い事だって分かっていた。こんなケースだって早かれ遅かれあって、尻拭いをさせられる事も覚悟していたし今回の作戦に反対な訳では無い。怪獣を倒すといういつもやっている事の筈だ…。でも

「どうした、悩んでるの?」

「いや、そんなんじゃ無いッスよ……。」

ぶっきらぼうにヨウコ先輩に返すが

「Z様、大変だよね…。」

と言う言葉に耳を傾ける。

「毎回怪獣と戦ってくれて…。だからこそ、私達が強くならなきゃいけない。自分達の力で平和を、地球を守れるようにね。」

本当は俺もZさんに頼る事無く地球を守る事が正しいのかも知れない。

「ヨウコ先輩、本当に怪獣を倒す事が平和を守る事なんスか?昨日のレッドキングも卵を守ろうとしただけです!ライデンだって誰かに改造されて無理矢理暴れているだけじゃ…「卵が孵って…。」!!」

俺の言葉を遮りヨウコ先輩はあのレッドキングの今後の行動について予測を立てる。

「卵が孵って、餌を求めた子供が街に出て来たら…。アンタはどうするの?」

「それは…………。」

言葉に詰まってしまう。ストレイジとして、人々を守る為に戦って倒す事が正しい筈なのにその分かり切っている答えが出ない…。

「アンタや千歌ちゃん、梨子ちゃんが大人になって、その子供が産まれてるかもしれない。その子やその周りの人達皆を守る事が私達の一番大切な任務なの。今この世界に怪獣の居場所は無い。可哀想だけど…。」

人間だけを守れば良いのかをヨウコ先輩に問おうとした時、ヨウコ先輩は力強く

「だからこそ…!ちゃんと背負いたいんだ。命を奪う責任を……。」

真っ直ぐな目で俺を見るヨウコ先輩は俺に無言で問うて来た。お前にもその覚悟があるのか、今一度持って戦えるのかを…。

 

 

ヨウコ先輩から覚悟を問われた俺はストレイジのトレーニングルームでひたすら体を動かしていた。

「ハァ、ハァ…ハァッ……!!」

これまで倒した怪獣を。ギガス、ネロンガ、ゴモラを。

「ハァ…、ハァッ、ウッ……。」

ペギラをエレキングを、コッヴを、デスドラゴをキングオブモンスを、レッドキングを…。暴れたかった訳では無い。思い返せば人間のせいで目覚めて、怒っていただけなのも知れない。

「父さん……。そうだ、俺も!!」

父さんが身体を、命を張って俺達家族を守ってくれた。俺もそんな父さんを見て誰かを助けたいと思ってストレイジに入隊したんだ。初心を思い出した時、怪獣の出現を知らせる警報が鳴る。

「よっしゃあッ!!」

出撃前に梨子ちゃんに言われた自分が戦えるのかも、ヨウコ先輩が言ってた命を奪う責任も覚悟も固まった。俺は頬を叩き自分に喝を入れ、作戦室に向かって歩を進めるのだった。

 

 

 

 

俺、蛇倉ショウタは車の廃棄処理場に現れ、貪り食うグルジオ・ライデンをモニター越しに見ながら高笑いしている。

「良く寝て良く食べるってか…。もう元気一杯だな!」

「何笑ってるんだッ!出撃させろ!!」

俺の地球ジョークに怒った栗山長官に、尻拭いをさせやがってと思ったが、ユカが雄叫びを上げながらキングジョーの制御システムが完成したとの報告をする。早速作戦を全員に伝え、先ずはグルジオ・ライデンを都市から引き離す事を優先事項とする。

「データを見るに背中の大砲は連射出来ないと推測されます。」

ユカの予測から、この大砲を撃たせ、キングジョーのペダニウム粒子砲で相殺する。だがこちらも2発が限界な事も伝え、ライデンの大砲に付いてある核が弱点であり、表皮も硬く無い事から接近してもう一度粒子砲を撃ち込むという手法で倒すプランを遂行する事を決定した。

「(後はアイツ次第なんだがな…。)」

ハルキが怪獣を倒す事が出来なくなっている以上、この作戦の成功率はさほど高くは無いだろう。ヨウコが言っていた様に、ウルトラマンの力に頼る事無く怪獣を倒せるかどうかで、この先訪れる脅威に地球人が立ち向かえるかの1つの判断材料になるのだがな……。

 

 

 

 

「今度こそ勝つよ。覚悟は決まった?」

ヨウコ先輩が俺、夏川ハルキに戦えるかを聞いてくる。

「オッス!大丈夫ッス…。俺もやれます!!」

良い返事だと返され、俺はウインダムの操縦桿を力強く握る。体も動かし、自分の中で覚悟を決めた。今度こそやってみせると誓い、作戦を開始する。先ずはヨウコ先輩のキングジョーが先行し、グルジオ・ライデンの出現場所に到着した後、機体を4つに分離させたセパレートモードに移行する。

腰部兼コックピットのコアシップから指揮を執り、頭部のヘッドファイターに装備されているペダニウム誘導弾をライデンに向かって発射。胸部と腕部を型取った戦車、ブレストタンクから750ミリ誘弾砲を打ち込みつつ接近、ペダニウムハンマーを顔面に叩き込み転倒、脚部のレッグキャリアーで人的被害が出ない荒地に輸送し投げ飛ばす。

「タンクモードに移行!」

掛け声と同時に分離したパーツが巨大な戦車に合体し、ライデンの口からのビームを躱しつつ全ての兵装を一斉射する。

“グルル…、グルアアーッ!!”

雄叫びと同時にライデンの背中から光が灯り、キングジョーに向けられる。

「ヨウコ先輩、今です!!」

「ペダニウム粒子砲、発射ッ!!」

ライデンの砲撃とペダニウム粒子砲が相殺し、お互いに膠着状態となった!

【今だ!】

【ハルキ、行け!!】

「チェストーーーーッッ!!」

ユカさん、隊長の合図と同時に上空で待機していた俺はウインダムに装備されている鋼刃鞭、拘束用アンカーの計4つをライデンに巻きつける。

「今です、ヨウコ先輩!!」

微動だにしないライデンを倒す為、ヨウコ先輩にバトンを託す。

「良くやった!キングジョー、ロボットモード!!」

先輩の掛け声と共にタンクモードが人型のロボットに変形していく。ロボットモードになったキングジョーがライデンに向かって歩を進めようと前進した瞬間…。

“グルルアアアッッ……!!”

拘束後、微動だにしなかったライデンが突如暴れ出し、アンカーを力任せに引き抜いてしまった!

「マズい!?」

ライデンの口からのレーザーがキングジョーに発射される瞬間、俺のウインダムが盾になり、キングジョーへの損傷を最小限に防ぐ。だが転倒したウインダムのコックピットへライデンが鋭い牙を突き立てたのだった。

「うわっ、どうなってんだ!?動けよッ!!」

コックピット内での激しい衝撃に呻きながら牙を突き立てたライデンを振り払おうとするも、一向に反応しないウインダム。

【ハルキッ、脱出しろ!!ウインダムを食っているぞ!!!!】

ウインダムの電力をライデンは捕食しようとしている事を知らされた俺は、Zライザーを構える。今度こそ絶対に倒すという覚悟を決めて……。

 




ハルキとAqoursのウルトラナビ!

ハルキ 「今回紹介するのはウルトラマンネクサス!メタフィールドっていう特殊な空間を作る謎を秘めたヒーローッス!!」

Z   『アンファンスからジュネッス、ジュネッスブルーと形態を変化させ、闇の巨人と激闘を繰り広げたウルトラマンだ!』

梨子  「姫矢准、千樹憐、西条凪、孤門一輝と、変身者から光を受け継ぎながら戦うこれまでとは少し変わったウルトラマンでもあるわ!」

ハルキ Z 梨子 「『「次回も、お楽しみに!!」』」
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