ラブライブ!サンシャイン!!×ウルトラマンZ~遥かに輝き!0から1へ!!   作:ワーラー

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大変お待たせしました。
ほぼ1年ぶりになってしまって申し訳ありません。
今回も楽しんで読んで下さったら幸いです!
投稿者の人皆遅くても月1で上げてるから本当凄い…。
(やべぇ、デッカーもブレーザーも、スーパースターも放送終わった…。アークもそろそろ終わる……!)


第39話 メダルいただきます 中編

蛇倉隊長が校門を出たのを確認した俺、夏川ハルキは体育館に戻りカネゴンを部室に連れて入る。だが……。

「ちょっと…少しは自分で動いてよ……。」

梨子ちゃんと2人でやっとの思いで部室に入れたが肝心のカネゴンは全く動いてくれない。息を整える俺に、梨子ちゃんがカネゴンの首元を指差し

「ねえ、数字が減ってきてない?」

とメーターになっている箇所を2人で見る。ガチャリ、ガチャリと500と表示されたメーターの数値が段々と減ってきていた。

「これが0になるとね…動けなくなっちゃうんだ……。」

お腹を擦り、空腹を訴えるカネゴンに、ちょっと待っててと言いながら自分の財布を漁るが、小銭は20円とスッカラカン。梨子ちゃんも自分の財布を見て700円が落ち、俺が帰りに金を返すと即答し応急処置としてカネゴンの口に入れる。少しづつだがメーターの数が上がるものの不安に思った俺は部室のガラオン貯金箱も逆さにしてみるも一銭も入っていなかった。自分の焦る気持ちが梨子ちゃんに移ってしまったのか

「飴とかお菓子はあるわよ?お金払って買ってるんだからこれも須く……お金よ!ね!!」

と頓痴気な事を言う始末…。

「馬鹿な事言ってないでお金さがして!!」

つい怒声を上げる俺だが自分の財布に1000円札が5枚入っている事に気付き、お札は食べれるかを確認する。

「昔食べたらお腹が痛くなって……。」

と硬貨しか食べれない事を知った俺は、下駄箱近くにある自販機でジュースを買って金を崩し、その小銭をカネゴンに食べさせた。

「これだけあれば大丈夫?」

心配する俺だが、自力で立位を取るカネゴンにホッと胸を撫でおろす。

「ありがとう!本当に助かった!!」

俺と梨子ちゃんの手を握り感謝するカネゴン。これで空腹で動けなくなる心配は大分減った筈だ。

「急がないとメダルが消化されちゃう!次はベータスマッシュの話ッス!!」

だが肝心のメダルが取り出せないのはマズイ為、Zさんの第2の形態について話をする。

「Zさんと会って2番目に変身した姿がベータスマッシュ。マン兄さん、エース兄さん、タロウ兄さんの力を使うんだ。」

3人の兄さんの話をした時、カネゴンが「ヒッ…!赤い奴だ!!」と悲鳴を上げるも解説を続ける。

「アルファエッジと比べてスピードは劣るけど、それを物ともしない怪力が得意なパワータイプよね。」

「オッス。重量級の怪獣にも負けないッスよ!!」

梨子ちゃんの補足に同意する。ゴモラやテレスドン、デスドラゴといった力自慢の怪獣を薙ぎ倒してきた剛力の形態だ。

「格好いい〜!!」

テンションが高くなったカネゴンとベータスマッシュの技を3人一緒に真似をする。

「よーし、これでベータスマッシュのメダルが出て…出て……?」

「来ないわね?」

「うん…。」

説明不足では無い筈だがカネゴンがくしゃみをする様子は感じられない。

「そんな!?もう消化されちゃったんじゃ!!??」

紙幣を崩すのが遅かったのかと後悔していたがカネゴン曰く、お腹の中に残ってる感じはあるという。

「そういえば、メダルを食べた時Zの姿だけじゃなくて、梨子ちゃん達も見えたんだ。それも女の子が9人も。」

「「ん!?」」

女の子というワードに2人共首をかしげるが

「もしかして、メダルを取り出すにはAqoursのメンバーも話さないといけないのかも。」

と、梨子ちゃんがアルファエッジのメダルを取り出した時の事を教える。アルファエッジの時には梨子ちゃん、千歌、曜ちゃんだった事から、他のメンバーは誰が居たかをカネゴンに問うと…

「えっとね、“ピギー”と、“ズラ〜”と“ヨハネ”!?」

「ピギーとズラ〜…。」

「ヨハネ……。」

ある意味一番特徴的な

「「一年生だ!」」

 

 

 

 

ウルトラメダルを取り出す為に今度は私、桜内梨子が1年生についてカネゴンに教える。

「最初はルビィちゃん。スクールアイドルが好きなんだけど、“お姉さん”の事があって最初は入部を躊躇ってたの。」

「そんなルビィちゃんと一緒に花丸ちゃんが体験入部をしてくれたんッスよね。」

ハルキ君の補足に肯定する。淡島神社の頂上までルビィちゃんは登りきり、凄いガッツあるなと正直感心した。

「自分がやりたい事に正直になって欲しいって花丸ちゃんがルビィちゃんの背中を押してくれたんだけど、スクールアイドルが好きなのは花丸ちゃんも一緒だったの。」

好きだから、楽しそうだから、やってみたいと思ったから。何かを始めるきっかけに難しい理由なんて要らないんだと改めて思う。幼い頃から私がピアノを続けていた理由も同じだったなと改めて当時の自分の気持ちを振り返る。

「お互いの背中を押しあった結果、今こうして2人もメンバーとして活動してるんッスよね〜。」

ハルキ君の言葉にそうねと同意し、1つ咳払いを挟んでカネゴンに後1人残った1年生を紹介する。

梨子「ヨハ…、善子ちゃんはさっきの2人とは対照的に凄くキャラが濃いわよね〜。」

ハルキ「オッス。なんていったって堕天使ッスから。」

当時、スクールアイドルとしての人気が殆ど無かったAqoursのランキングを上げる為に“堕天使”というキャラを持った善子ちゃんをメンバーに引き入れた千歌ちゃん。

「でも結果は一瞬だけのランキング上昇でしか無かったんスよね…。」

ハルキ君が言った通り、奇をてらった行動では成果は挙げられず、生徒会長から説教される結果になってしまった。

「この事は善子ちゃんも責任を感じていたみたいで、これを期に堕天使を辞めるって言って私達から離れようとしていたの。」

「ええ〜!?でもどうやってメンバーに加わったの?」

カネゴンも不思議に思う中、続きを話す。

「普通な自分が嫌だったから堕天使って言う“特別”になりたかった。善子ちゃんもね、私達と同じなんだって気付いたの。」

普通なだけの自分を変えたいって気持ちは小さい頃から誰でも持ってて、そこから抜け出したい。その事に気付いた私達はもう一度善子ちゃんを説得し、彼女も仲間になった。

「自分の好きを貫く事が輝く事に繋がるんだって。堕天使だって皆受け入れてるんだしね。」

写真立てに写る善子ちゃんを見ながらそう言う私に

「何だかんだ、善子ちゃんと気が合うッスよね、梨子ちゃん。」

とハルキ君が茶化す。そこで何だか素直になれなかった私は顔を背けたがカネゴンが大きなくしゃみをし、無事ベータスマッシュに必要なメダルが吐き出された。

 

 

 

兄さん達のメダルを取り出し一安心した俺、夏川ハルキの携帯から電話がかかってきた。

「もしも〜し!ハルキ元気にしてるか〜?」

陽気に俺の状態を気にするユカさんに「オッス!」と返事をし、グルジオ・ライデンの事について何か分かったか尋ねる。

「いや〜、解剖分析してみたら興味深い事が分かったの〜。地球上の生物と比べて染色体の数が異様に多い(以下省略)。」

聞いてみても殆ど理解できず、目線をカネゴンに移すと何か謎の踊りをしており、梨子ちゃんが静かにとジェスチャーをするも効果なし。完全に根負けした彼女までもが一緒に踊りをするという始末だった。

「(スクールアイドルが腰振りダンスやら、サンバを“踊らされるな!!”(めっちゃ可愛い…。)」

怪獣と一緒に謎の踊りを踊る馬鹿さと、普段大人しい子が絶対やらなそうな事をしているシーンを見れた事に対するラッキーさに脳の処理が追いつかず、そんな中

「人と同じくXXの染色体があるって事は、あの子はメスって事!」

「オスッ。」

「メスだっつーの!!」

ユカさんの説明を全く聞いていなかった……。

「メスッ!いや…、すみません……。」

俺が話を聞いていなかったのかは分からないが

「…ハルキ、やっぱ色々堪えてるんだよ……。」

と、グルジオ・ライデンについて熱弁していた時とは変わって彼女の声音が優しくなる。

「ストレイジの隊員、学生、スクールアイドルのマネージャーの三足の草鞋。その上学校を廃校の危機から救うのは大変なのは分かるけど、怪獣が出た時前線に立つのは君なんだから。大怪我したら梨子ちゃんや他の皆も悲しむよ?」

そう言って励ましてくれた事にお礼を言って電話を切った俺は、ため息をついて部室の椅子に腰掛ける。

「タアッ、ヤアッ!ビーム!!梨子もやって!」

「ええっ…!?ハッ!タアッ!!シュワッ!!」

電話中から完全にカネゴンの遊び相手になっている梨子ちゃんとカネゴンに何の遊びをしてるのかを何気無く聞く。

「Zの真似してるんだよ。僕もウルトラマンになって怪獣をどんどんやっつけたい!凄く面白そう。」

「カネゴン、それは……。」

カネゴンの発言に対して梨子ちゃんがストップをかけたがもう遅い…。

「待って…。そんな単純な事じゃ無いよ!!」

カネゴンや梨子ちゃんを怖がらせないように語気を抑えたつもりだったが、2人共顔が強張ってしまっている。

俺達が怪獣と戦うのは被害に合って悲しむ人達を守りたいから…、平和を守りたいから。でも、怪獣達だって暴れてしまう理由があって無闇に倒したい訳じゃない。

「この間出てきたレッドキングだって、ただ自分の家族を守りたいってだけで…。でも俺は……。でも!あの時何もしなかったら悲しむ人達が沢山いた。けど………、レッドキングにも家族がいて俺達と同じ1つしか無い大切な命なのに……。」

多くの怪獣を倒してきたのに俺達人間と同じく命を持ってる事をハッキリと自覚するのが余りにも遅すぎた。ヨウコ先輩は

「今この世界に怪獣の居場所は無い。可哀想だけど…。だからこそちゃんと背負いたいんだ。命を奪う責任を…。」

そう言って覚悟を決めて戦いに臨んでいるのに……。

「分かんないッス。何をしたら良いかも、何が正解なのかも…。考えても考えてもモヤモヤして……。俺と一緒に戦ってくれたウルトラマンの先輩達は覚悟を決めて戦ってる。自分が…情けないッス……。どうしたらいいのか………。」

ウルトラマンの先輩達も何処かでその事について悩んだ事があるのかもしれない。メダルに描かれている師匠や兄さん達もだ。自分と同じ悩みを持ったとしても、きっと乗り越えて今も戦っているのに今の俺はこうして蹲っている…。そんな中、カネゴンが自身の口に手を突っ込み、小銭を出して俺に差し出す。

「お金、食べる?元気出るかもよ?」

元気付けてくれる事は伝わっている。気持ちだけ受け取るよと言い、カネゴンはそのお金を再度咀嚼する。

「あのね、メダルはハルキの事を信頼しているみたいだよ?お腹の中から伝わってくるんだ。メダルが戻りたがってるって。こんな僕の事も心配してくれた、優しいハルキの所に…。」

何をしたら良いのか分からず気を落としている弱い自分を信頼してくれている?

「ウルトラメダルが俺を?そんな…何も出来ないのに………。」

きっと嘘は言っていないのだろう。でも信じられないし、その信頼に応える自信も無い事で、つい弱音を吐いてしまう。そんな俺の両肩に、梨子ちゃんが両手を置いた。

「私、最初は怪獣なんて迷惑な存在だと思ってた。怪獣が出ると人も傷つくし大切な物も壊れてしまうって。でも私達と同じ1つの命って思ったら本当はどうしたら良いのかは分からない。倒す事が正解かも、保護や、共生する事、もしかしたら第3の答えがあるのかも分からない…。ハルキ君は凄いと思うよ。自分達の事だけじゃなく、怪獣の事も思える優しい気持ちはきっと間違いじゃ無いんじゃないかな?」

穏やかで優しい声のまま「東京のフェスの事、覚える?」と、問いかける梨子ちゃん。

「1年生と2年生で参加して、自分達の中では良い出来だったかもしれないけど誰も投票してくれなくて0票だった…。」

彼女が言うようにあの一件は皆の気持ちを挫いてしまった結果だった。今ではライバルになったSaint Snowにも当時、ラブライブに出るのは諦めろだの、遊びじゃ無いだの散々な事を言われた。

「皆の気持ちが折れかけた時、ハルキ君はSaint Snowの2人に真っ先に言い返してくれた。誰かの為に怒ったり、悲しんだりしてくれるのは誰にも出来る事じゃ無い。ウルトラマンの力じゃ無い、ハルキ君の一番良い所だと私は思うから…。もっと自信を持ちなよ!」

肩に置かれた両手が伸びて後から抱きしめる形になる。

「自分に自信を…。」

この言葉を反芻した時、悲しくも無いのに涙が出た。

「あ…ぁ……、ありが…とう。」

嗚咽を漏らし、やっとの思いでお礼を言い、梨子ちゃんは満面の笑顔で返してくれた。

「さあ、Zのお話聞かせて?メダルを取り出そうよ!」

カネゴンもそう言ってる。今までよりも自信に満ちた声で大きく返事をした。

「オッス!!」

 

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