ラブライブ!サンシャイン!!×ウルトラマンZ~遥かに輝き!0から1へ!! 作:ワーラー
他の投稿者さんの話も見ていると、みんな複数の人数の目線での書き方が上手すぎる。
今回も楽しんでください!
ワンツースリーフォー、ワンツースリーフォー
私、高海千歌は早朝からお馴染みのメンバー四人でダンスの練習をしていた。
「はいストップー!」
ハルキ君の指示で一旦ダンスを切り上げ携帯で録画したダンスを見ることにした。
「どう?」
「大分、良くなってる気がするけど…。」
私と梨子ちゃんはあまりピンときていないが
「でも、ここの蹴りあげが皆弱いのとここの動きも!」
曜ちゃんの指摘に梨子ちゃんが褒める。曜ちゃんは高飛込みをしてるからフォームの確認は得意であり、曜ちゃんがリズムは合っているかを聞くと梨子ちゃんが
「大体合っているけど、千歌ちゃんが少し遅れてるね。」
と答え、私は「ゴメンね」と謝る。ハルキ君も「これからこれから!」と励ましてくれているが。
皆で水分補給をしていると上空からヘリコプターの音が聞こえてきて、皆が上を向く。
「何あれ?」
梨子ちゃんの呟きに曜ちゃんが「小原家のヘリだね。」
と答える。淡島にあるホテルを経営してて、新しい理事長もそこの人らしいとの事を梨子ちゃんに話していた。ハルキ君も
「ストレイジのロボットの資金も提供してくれているみたいッス。」
と補足をする。まあ、理事長なんて頻繁に見る事は無いし、凄い人なんだなと言う感想しか思いつかなかった。
「なんか近づいてきてないッスか?」
ハルキ君が怪訝に思うが梨子ちゃんが震えた声で「気のせいよ」と答える。
そんな考えを他所にヘリが私たちの近くに急に停止してきたのだ!
「チャオー!」
ヘリの爆音からそんな声が聞こえ、金髪の女の子が扉から出てきた。チャオー!じゃない!!
「えっ、新理事長?」
あの後学校の理事長室で金髪の女の子がこの学校の新しい理事長だと言うことを彼女の口から伝えられる。
「yes!でも気にせず、気軽にマリーって呼んでほしいの!」
曜ちゃんが何か言いたそうにしているがマリーと呼ばれる理事長は「紅茶飲みたい?」と聞きながら茶葉を探そうと棚を漁る。
「あの、新理事長…。」
私の呼び方に、新理事長は「マリーだよ。」と言い直しを要求され、「マリー。」と苦笑いで返す。マリーの服装について聞くと
「変かな?三年のリボンも用意したつもりだけど…。」
「理事長ですよね!?」
私の問いにマリーはこの学校の三年生であり生徒兼、理事長との事であり例えるならカレー牛丼のようなものだそうだ。
「例えが良く分からない…。」
梨子ちゃんがどういう事?みたいなリアクションに「分からないの?」とマリーが詰め寄る。ハルキ君が「松屋のメニューみたいなもんですね!」とボケを被せてくる。松屋にあるんだ、そんなメニュー…。
「分からないに決まってます!」
とダイヤさんが相変わらずのキレ顔でマリーに口を出した。
「生徒会長?」
曜ちゃんが呟く中、マリーはダイヤさんに抱きつき頭を撫でている。
「ダイヤ久しぶり~。随分大きくなって!」
「触らないで頂けますか?」
見た目からハーフなのかかなりスキンシップが多いなと思いながら二人の光景を見ている。
「胸は相変わらずね…。」
とマリーは唐突にダイヤさんの胸を揉みニヤニヤした顔を浮かべていた。その光景にハルキ君はガン見をし曜ちゃんに後頭部を「バシン!」と叩かれる。
「痛いじゃないッスか!」
「凝視をするな!凝視を!!」
と二人は隣で揉めている。見るのは仕方ないかもしれないけど凝視はダメだよねと思っていると
「そこ、うるさいですわよ!」
とダイヤさんの激が飛ぶと二人ともハモって「すみません!」と直立する。息ぴったりだ。
「全く、一年の頃にいなくなったと思ったらこんな時に戻ってきて…。一体どういうつもりですの?」とダイヤさんがマリーに聞くが当の本人は全く話を聞いておらず、カーテンを全開にして「シャイニー!!」と叫びながら遊んでいる。
「人の話を聞かない癖は相変わらずのようですわね!」
とダイヤさんはマリーの胸ぐらを掴みながら青筋を立て、当の本人は「イッツジョーク」と言いながら小さくピースをする。
「とにかく、高校三年生が理事長だなんて冗談にも程がありますわ。」
ダイヤさんの言い分は最もだったが、マリーは鞄から一枚の紙を取り出しダイヤさんに見せる。
「そっちはジョークじゃ無いのよね。」
【任命状 小原鞠莉殿 貴殿を浦の星高校の理事長に任命します】
と書かれた任命状にマリーこと鞠莉さんの言っている事は事実だと分かったが、ダイヤさんはまだ納得出来ておらず「そんな、何で?」と鞠莉さんに問う。
「実は、この浦の星にスクールアイドルが誕生したという噂を聞いてね。」
と理事長になった経緯を話し始める。
「ダイヤに邪魔されちゃ可哀想だから、応援しにきたのデース!」
「本当ですか!」
私は嬉しくなり鞠莉さんに再度聞く。
「yes。このマリーが来たからには心配要りません。デビューライブはアキバドームを用意したわ!」
パソコンの画面を付け、ドーム会場の写真を見せる。梨子ちゃん、曜ちゃん、ハルキ君も「おお!」というリアクションをしながらパソコンを凝視した。
「き、奇跡だよ!」
「よっしゃ~!これでスクールアイドルの注目度も独り占めだ!!」
私とハルキ君のテンションがハイになったのもつかの間、鞠莉さんの「イッツジョーク」の声で一気に現実に引き戻された。
「ジョークの為にわざわざそんなもの用意しないで下さい。」
私は恨めしそうに鞠莉さんを見る。
「実際には…。」
そう言と鞠莉さんは私達を体育館に向かわせ、ここでライブをするように手配をするとの事であった。
「ここを満員にする事が出来れば、人数に関係なく部として承認しますよ。」
部費も使える事も伝えるが梨子ちゃんが満員に出来なかった時はどうなるのかを聞く。
「その時は解散してもらう他ありません。」
「そんな…。」
この体育館を満員にするとなるとかなりの人数になる。だが出来なければスクールアイドルになれない事を突きつけられるが曜ちゃんの「やめる?」の一言に私はこんな事で諦めるかと思い、この条件を承諾する事にした。
「OK。行うとでいいのですね。」と言い鞠莉さんは体育館を後にする。
「そうだ、ハルキ君は少し来てくれるかしら?」とハルキ君も鞠莉さんの後を追って体育館から出ていった。
「ちょっと待って?この学校の生徒って全部で何人?」
梨子ちゃんが訪ねる。その事に気づいた曜ちゃんがハッとした表情で私を見る。何か困ることでもあるのだろうか?
「分からない?全校生徒を全員集めたとしても…。」
梨子ちゃんの説明に私も曜ちゃんが言おうとしている事が分かった、分かってしまったのだ。
全校生徒を全員集めても…ここは満員にはならない事に。
体育館を後にした俺は鞠莉さんの後を着いていき、理事長室に戻っている。
「あの、話って…。」
「怪獣の事です。あなたはストレイジの隊員だということも知っていますからね。」
理事長でもあり、小原家の人間だ。ストレイジの隊員が自分の学校に在籍している事も当然知っている筈である。
「怪獣がこの二週間で二体も出現しました。それも二体とも静岡に…。」
自分の学校がある県、その中でも浦の星の近くである沼津にだ。
「怪獣は姿が確認されていないだけで日本に大量に生息している事が分かっています。あの宇宙怪獣の影響で、地球の怪獣が目覚めつつあるとの事も。」
「そうみたいッスね。でもすみません、セブンガーでも怪獣を押さえきれない事も多く、俺達の技量不足のせいで…。」
怪獣を押さえきれないケースが多いのも事実であり俺は鞠莉さんに頭を下げる。
「sorry、あまり気にしないで!あなた達ストレイジは頑張っているし、その結果で町の被害も最小限に抑えられている。そして今回セブンガーに新装備を搭載したのだけど小原家も資金を提供したの!」
鞠莉さんは気にするなと言わんばかりの笑顔で新装備の資金提供もしてくれたのだ。
「本当ですか?ありがとうございます!」
俺は感謝の意味で頭を下げる。その直後俺の携帯にストレイジからの緊急出撃の知らせが入りバイクで学校を後にした。
ストレイジに到着し、セブンガーの格納庫に向かう。整備長のバコさんから出現場所は群馬のとある高原と聞き、鞠莉さんが言っていた新装備もすでに搭載しているとの事であった。
高原に到着した俺は白いゴリラのような怪獣、コードネーム【ギガス】と交戦を開始する。パンチやタックルなどセブンガーと同等のパワーを持った怪獣に攻めあぐねていた。
「このままじゃ…。よし、鞠莉さんとバコさんが言っていた“アレ”を使うか。」
俺は早速新装備を使うためセブンガーの腰を落とし、カメラをスナイパーモードに切り替える。
「鋼心鉄拳弾…発射!!」
セブンガーの右手首から拳が弾丸のように発射され、ギガスの腹に突き刺さる。その拳はそのまま速度を落とす事無く延長線長にある建物を粉々にしてやっと止まった。
[ギガス、活動停止]
「よっしゃ~!!」
俺は新装備の性能で怪獣を撃退出来た事によりガッツポーズを取り声をあげる。凄まじい威力に舌を巻きつつ「ありがとう鞠莉さん!!」ともお礼の言葉を口にした。そんな喜びもつかの間、蛇倉隊長の異様にテンションが低くなった声で通信が入る。
「ハルキ…、近くに観測所があるから気を付けろって言ったよな……。」
「あっ…。」
俺は倒れているギガスを退かして地面を見る。そこには粉々になった元観測所があり「すんません…。」と謝罪をする事しか出来なかった。
「なんて体たらくだ!怪我人が出なかったから良かったものの、お前達は!何かを壊さないと!!怪獣を倒せんのか!!!」
「「すんません!」」
栗山長官のお叱りに俺と蛇倉隊長は頭を下げ謝罪をする。
「これで二号ロボの予算の為の根回しがパーになったらどうするんだ?責任とれんのか!!」
「申し訳ありませんでした!」
蛇倉隊長が頭を下げ、謝罪をしろと俺の尻を叩く。
「すみません…。今日花粉が多くて…。」
俺は盛大なくしゃみをする。
「全くお前達は…。」
とブツブツ長官が呟きながら作戦室を後にした。
俺は毎度の事ながら始末書を書き終える頃には15時を過ぎていた。
私、高海千歌は放課後帰宅する為バスに乗っている。
「どうしよう~。」
部として認めて貰うためには体育館を満員にしなくてはならない。でもこの浦の星高校の生徒全員を集めても満員にならないという事実に頭を抱えていた。
「でも鞠莉さんの言う事も分かる。」
それくらい出来なければこの先もダメと言う事だと梨子ちゃんも言う。確かに今後ラブライブに出場して決勝に進む為にはこれは絶対にクリアしなくてはならないけど…。
「やっと曲が出来たばかりだよ?ダンスもまだまだだし…。」
「じゃあ諦める?」
曜ちゃんのもう辞めようかという口ぶりに私は反射的に「諦めない!」と返す。
「何でそんな言い方するの?」
私には聞こえなかったが梨子ちゃんが曜ちゃんに言う。
「こう言ってあげたほうが千歌ちゃん燃えるから。」
ニッと笑う曜ちゃんを背中に私はある秘策を思い出す。
「お願い!いるでしょ従業員。」
「そりゃ居るには居るけど。」
私は家に帰って早速秘策を実行する為、美渡姉にプリンを献上し交渉を図る。
「何人くらい?」
「本社も入れると二百人くらい?」
二百人!この人数なら体育館も満員になるはず…。
「あのね、私達来月の始めにスクールアイドルとしてライブを行うことにしたんだけど…。」
「プッ、スクールアイドル!?あんたが?」
吹き出す美渡姉に若干イラッとしたが我慢我慢…。交渉の為だ。
「でね、お姉ちゃんにも来てもらいたいなって!会社の人を二百人位誘って……。」
「は?」
まるで「こいつは何寝ぼけてるんだ?」と言うような表情で私を一瞥したあと美渡姉はテレビを見ながらプリンを黙々と食べている。
「満員にしないと学校の承認が貰えないの!だからお願い!!」
私が美渡姉に手を合わせ、頭を下げてお願いをする。そんな私を見て美渡姉は机にあったマジックの蓋を開け…。
「おかしい、完璧な作戦と思ったのに…。」
額にバカチカと書かれウエットティッシュで拭きながら呟く。
「お姉さんの言う事も分かるけどね。」
と曜ちゃんがライブで着る為の衣装を縫いながら返す。
「ええっ、曜ちゃんお姉ちゃん派?そういえば梨子ちゃんは?」
梨子ちゃんの姿が見えない為曜ちゃんに聞くとお手洗いに行っているとの事であった。
そんな私達を他所に梨子ちゃんは犬のしいたけに触れないように手すりと壁に手足を着けて横移動しようとしている…。SASUKEのようなシュールな光景を横で見ながら人を集める方法を曜ちゃんと話し合う。
「おお、しいたけ!元気だったか~。」
とハルキ君が部屋に来て一緒に作戦会議を始める。そんな中、梨子ちゃんは力尽き床に体が激突していた。
翌日の放課後、私達四人は沼津駅前でライブのお知らせをする為チラシ配りをする事にした。
「東京に比べて人は少ないけど、やっぱり都会ね。」
梨子ちゃんが沼津の人の多さに呟く。確かに内浦に比べると人も多いし、ここならチラシ配りにもってこいの筈だ。
「そろそろ部活終わった人達が来る頃だよ。」
「よーし、気合い入れて配ろう!」
「オッス!!」
私達は早速チラシ配りをスタートした。
「あの、お願いします!」
私のアプローチをスルーされ若干凹む。幸先悪いなぁ。
「意外と難しい…。」
梨子ちゃんも少し卑屈になりかけるが、曜ちゃんの「こういうのは気合いとタイミングだよ!」と手本を見せる。
「ライブのお知らせでーす!宜しくお願いします!」
お喋りに夢中になっている女子生徒をターゲットにし、曜ちゃんはチラシを配る。
「ライブ?あなたが歌うの?」
と訪ねる女子生徒に敬礼をしながら「はい!来てください!」と早速二人に配り終えた。そんな中ハルキ君も、「浦の星高校でスクールアイドルのライブをやります。是非是非来てください!」とチラシを配っている。なんかハルキ君がチラシ配ると野球部の勧誘みたいだな…。
「凄い…。」
「よーし、私も!」
と私も二人に負けていられない。チラシ配りを再開し
「ライブやります…。ぜひ!!」
私は大人しそうな女子生徒に壁ドンをしながら勧誘する。壁ドンは有無を言わさない強さがあるもんね。
女の子はチラシを貰うとダッシュで駆け出していった。
「勝った!」
私のガッツポーズに「勝負してどうするの!」と梨子ちゃんがツッコミを入れる。梨子ちゃんも勧誘するように発破をかける。
「あの…、ライブやります!来て!!」
壁に向かってチラシを向けていた。この子、天然なんじゃないかな…。
「何やってんの?」
「練習よ、練習!」
「練習なんてしている暇は無いの!さあ行こう!」
梨子ちゃんの背中を押してとにかくチラシを配らせる。
なんとか一人にチラシを配りそこから少しずつだが配るペースを上げて来ている。私もチラシ配りを再開しようとした時、花丸ちゃんとルビィちゃんを見つけ手を振る。
「花丸ちゃ~ん!そうだ、これ。」
「ライブ?」
花丸ちゃんにもチラシを配り、ルビィちゃんが「やるんですか!」と目を輝かせて答える。案の定花丸ちゃんの背中に隠れてしまっているがルビィちゃんにもチラシを渡す。
「絶対満員にしたいんだ。だから来てね。」
そう言って他の人にもチラシを配る為その場を後にしようとするとルビィちゃんからある質問をされる。
「あの、グループ名は何て言うんですか?」
「グループ…名……?」
マズイ、決めてなかった…。
「まさか決めてないなんて…。」
夕方の浜辺で、ダンスの練習が終わり整理体操をしている際に梨子ちゃんが呟く。
「梨子ちゃんだって忘れてた癖に。」
「とにかく早く決めなきゃ!」
どんなのがいいのかパッと思い浮かばない。
「学校の名前が入ってる方がいいよね?浦の星スクールガールズとか。」
「そのまんまじゃない!」
ストレートな名前をダメ出しされ、梨子ちゃんは何か無いかと聞く。曜ちゃんも「そうだね!東京で最先端の言葉とかあるじゃないかな?」と期待を寄せる。
「え、えーっと…。三人海で知り合ったから、スリーマーメイドとか?」
「「いち、にー、さん、しー」」
あまりにも壊滅的なネーミングセンスの無さに私達は無視して柔軟体操を始める。梨子ちゃんはアワアワとしながら「今のは無し」と取り消しを求めていた。
「曜ちゃんは何か無い?」
柔軟体操を終え海沿いを走る中今度は曜ちゃんに名前を振ってみる。曜ちゃんは「う~ん…。」と唸ると何か閃いたのか回れ右をして敬礼のポーズを取り
「制服少女隊!」
とドヤ顔で言う。
「無いかな?」
「そうね…。」
人の事は言えないが曜ちゃんもネーミングセンスが無さすぎる。「ええー!」と悲痛な叫びを上げるが私達は思い付いたグループ名を片っ端から砂浜に書いてみる。波の乙女とか、みかんとか、海鮮何とかとか…。
「こういうのはやっぱり、言い出しっぺが決めるべきよね?」
「賛成!」
梨子ちゃんの提案に曜ちゃんも同調する。私に戻ってきたかと思った矢先、浜辺に私達の筆跡とは違う物を発見し、手招きをする。
Aqours
「これ、何て読むの?エーキュー…。」
「アキュア?」
「もしかしてアクアじゃない?」
曜ちゃんがスペルを発音し梨子ちゃんは「水って事?」と聞き返す。
「水か…。なんか良くない?グループ名に。」
シンプルで覚えやすい!これをグループ名にしたいなと思い、二人に提案をしてみる。このままでは、いつまでも決まらないしね。
「じゃあ決定!この出会い感謝して今日からグループ名は!」
「「「浦の星高校スクールアイドル、Aqours」」」
「ゴモラ輸送作戦?」
チラシ配りが一段落したその日の夕方、ストレイジに来いとの蛇倉隊長の指示を受け、俺は今作戦室にいる。栗山長官が蛇倉隊長に作戦依頼の再確認をする。
「地球防衛軍アメリカ本部の事務次長が予算会議に出席する為、再来週出席する。その会議の際に二時間だけ時間を頂いた。」
その会議の際にストレイジのロボットの性能をアピールしろとの命令であり、静岡に生息している古代怪獣ゴモラの輸送をする事になった。
「ゴモラは静岡の北部の山で休眠中とはいえ、だだの巨大な岩と変わらないんだろ?」
と蛇倉隊長に質問をする。隊長はユカ先輩に「どうなんだ?」と聞き、ゴモラは目覚める確率は統計上では0.1%以下であり覚醒する事は0に等しいとの事であった。
「視察中の事務次長へのプレゼンには君達にも参加してもらう。当日は絶対に失敗しないように!以上!!」
失敗は許されないことを再度伝えられ、俺達は栗山長官に礼をする。
「と言う事なので仕方がない準備を急ぐぞ。ハルキ、名誉挽回のチャンスだ。セブンガーにはお前が乗れ。」
蛇倉隊長の命令に俺は小さく「オッス…。」と答えた。
「どうした?」
ヨウコ先輩が自信が無いのかと聞いてくるが俺の問題はそこではない。
「いや、俺花粉症だからゴモラがいる山の中に入るの…不安で。」
先日と同じく盛大なくしゃみをしてしまい、三人は手やバインダーで顔を被う。こんな状態で俺は作戦を成功させる事が出来るのか不安でしかなかった。
「そういえば、スクールアイドルの方はどうなの?」
ヨウコ先輩がスクールアイドルについて聞いてくる。
「オッス、メンバーも三人になって部として認めて貰う為に、再来週にライブを行うんッスよ。」
俺は駅前で配った物と同じチラシをヨウコ先輩達に見せる。
「再来週の土曜日か…。良かったね、ゴモラ輸送作戦と日にちが被らなくて。運が悪けりゃ日時が被ってたよ?」
「本当、奇跡ッスね。」
そんな話をしているとユカ先輩も話に参加する。
「スクールアイドルか…。ねえ、グループ名は何て言うの?」
「えっ?」
一瞬の沈黙のあと女性陣二人は眉間を押さえる。
「大丈夫?二週間って直ぐよ!?」
ユカ先輩に詰め寄られるが「何とかしますよ。メンバーの子も頑張ってるし、曲も完成してダンスの練習もライブを企画する前から始めてますし…。」
と答える。ヨウコ先輩が「あんたが作戦を頑張ったらデビューライブは見に行ってあげるよ。」と言ってくれたのが救いであった。蛇倉隊長もライブの開始日まではチラシを貼っておいても良いと許可を貰い、作戦室と格納庫にチラシを貼り家に帰宅をした。寝る前に千歌ちゃんからメールが届いており、スクールアイドルとしてのグループ名も無事に決まったみたいであった。
私達のグループ名も決まり、再来週のライブギリギリまで四人でチラシ配りをしながらダンスや歌の練習を続ける日々が続いている。チラシ配りの際には毎回曜ちゃんに人だかりが出来ており、全員で敬礼をして写真を撮っている。クラスメイトの子も本番当日には照明等の手伝いをしてくれるとの事であり、私達は万全の状態でステージに臨める筈だ。
「やばっ、バスの最終便もう行っちゃった!」
「ええっ!?」
ダンスのフォーメーションについて相談していると、時計は19時を過ぎており、時々曜ちゃんは志満姉に軽トラで送ってもらう事もしばしばあった。
「うん、うん…。ごめんなさい。」
私、渡辺曜はバスに遅れてしまって帰れない為、志満さんに軽トラで家まで送って貰っている。
「大丈夫だった?」
「はい。いい加減にしなさいって怒られちゃったけど。」
時間を忘れて夢中になっている事も何度もあり、お母さんに良く怒られている。
「本当に夢中よね…。千歌ちゃんがここまで夢中になるなんて。」
志満さんが千歌ちゃんの事について言う。「あの子ああ見えて飽きっぽいから。」と笑う志満さんに私は笑いながら
「飽きっぽいんじゃなくて、中途半端が嫌いなんですよ。やる時はちゃんとやらないと気が済まないっていうか…。」
「そっか…。それで上手くいきそうなの、ライブは?」
志満さんの質問に私は不安を感じている。
「うん、いくといいけど…。人、少ないですからね、ここら辺。」
鞠莉さんの条件を改めて思い出す。体育館を満員にする事がスクールアイドル部を認めてくれる条件だ。チラシも配り、周知は充分にされている筈だがそれでも人は来てくれるのか分からない…。
「大丈夫よ…、みんな暖かいから。」
志満さんのその一言に私は少しだけ安心感を覚え、ライブまでの残りの日数はあっという間に過ぎ去った。