俺、ロキシーのパパやってます。
うちの娘、ロキシーが家出をしたのが大体三十年前。
家に帰って来たのが数年前。
結婚の報告をしにきたのがつい最近。
孫の顔も見せてくれて。
ロキシーは結婚できると思ってなかったからびっくりしたよ。
しかも連れて来たのが、前ルイジェルドが連れてきた人族の男の子。
今はもうすっかり大きくなってるけど、当時はちっちゃかったんだ。
前々から彼はうちの娘に気があるんじゃないかと思っていたけれど、まさか結婚するなんて思わなかった。
彼は妻が三人もいるから内心複雑な気持ちがあるのは否定しないけど、娘が幸せそうだからね。
ここは父親として何も言わないほうがいいんだろう。
娘には嫌われたくないしね。
俺はいい父親なんだ。
「おじーちゃん、みてーほら!
おみずだせるんだよー」
「おぉ!すごいじゃないか!
偉い偉い」
なんと驚いたことにうちの孫たちは無詠唱で魔術が使えるそうだ。
なんでもルーデウス君は無詠唱魔術中級なるものを三歳で使いこなしたらしい。
子供の頃からちゃんと教えれば使えるんだとか。
最初リリちゃんが魔術を使ってるとこを見たときは自分の目を疑ったよ。
「ロインさんもどうですか?
アスラ王国の果実酒です。
おいしいですよ!」
「ありがとう、いただくよ」
お酒がコップに注がれていく。
綺麗な色だ。
ごく
いい匂いだ。
やっぱり甘いお酒ってのはいいな。
ここら辺では貴重だからなぁ。
なんの果物なんだろう。
持って来てくれた彼には感謝しなきゃな。
昔渡した旅費を10倍にして返してくれたしな。
随分とできる男だよなぁ。
でも娘をとられたしな。
お義父さんとは呼ぶなと釘を刺したんだけどなぁ。
とられたしなぁ。
うーむ。
複雑だ。
でも今日は孫と一緒に寝れるし許してやろう。
特別だからな。
俺は心が広い父親なんだ。
あぁ、孫が可愛い。
無邪気ですごく可愛い。
可愛いなぁ。
驚いたことに獣族の間ではララが救世主だと言われているらしい。
文字通り世界を救うんだとか。
その証拠にでっかい犬がララちゃんの言いなりだ。
守護獣だそうだ。
ララちゃんを護ってくれるならそれでいい。
その方が安心だからな。
「見てよ!おじいちゃん!これ私が作ったの!」
すごいドヤ顔で黒い筒を見せてくるリリちゃん。
「これはなんなんだい」
「魔道具!ここのスイッチを押して!」
「こうかい?」
カチッ
『おじいちゃん、おばあちゃんこんにちは!』
すごい。
声が筒から聞こえてくる。
こんなものも作れるのか。
さすがリリちゃんだ。
「さすがだな!凄いぞぉ!」
「えへへ」
「リリちゃんは凄いのねぇ!」
「うん!すごいんだよ!」
いつのまにか妻のロカリーもこっちにきたらしい。
ララちゃんは救世主と言われて、リリちゃんは魔道具を作れて。
ルーシーちゃんは礼儀正しくて、ジーク君は握力がすごく強くて。
アルス君は口が上手くて、クリスちゃんは甘え上手で。
可愛いの一言に尽きる。
一時期はもう娘とは会えないんじゃないかと思った時もあったけど。
孫とまで合わせてくれて、これ以上ないほどに幸せだ。
帰って来てくれてありがとう。
お帰り、ロキシー。