そして、戦闘シーンは相変わらず低クオリティーなのでご了承ください。
今回もお楽しみください!
操side
学園長から、盗聴器類についての話を聞いてから翌週。
今日は、とうとうクラス対抗戦当日だ。
クラス対抗戦は、生徒内ではデザートフリーパスを賭けた熾烈な戦いだが、学園や世界各国や企業からするとそれ以外の目的がある。
代表候補生や代表が戦うのなら、開発したISのアピールに。
一般生徒が戦うのなら、スカウトが出来る。
そんな、結構大人の欲望渦巻くイベントなのだ。
「...おお、人が多い」
教員寮から出て、アリーナに向かう道中。
どれだけの人が来てるか気になり見に来た俺は、思わずそんな声を漏らしてしまう。
ぱっと見だけでも、100人を超える来賓の方がアリーナ前に集まっていた。
まだ7時くらいなのに。
「...こんな大勢の前で、俺戦うの?」
緊張する...
ま、まぁ、何とかなるだろ。
「さて、対戦表を確認するか」
俺はそう呟いてから、アリーナ付近に張り出されている対戦表を確認する。
「...1年生、1回戦第一試合、1組VS2組」
おいおい、1番最初かよ...
しかも、あの凰鈴音が対戦相手...
やべぇ。
さっきまでも緊張してたのに、余計緊張してきた。
でも大丈夫だ。
俺なら出来る。
俺はそんな事を考えながら、アリーナ前から移動し校舎に入る。
今日も朝のSHRは普通にあるからな...
そうして校舎内に入ったのはいいが、やる事が無い。
現在時刻、朝の7時チョッと過ぎ。
SHRはまだまだ先の時間だ。
如何やって時間を潰そうかな...
「まぁ、偶にはブラブラしてみるのもありだな」
そうして、俺は校舎内をブラブラする事にした。
朝の時間帯で校舎内は明るい。
それなのに殆ど人がいないという不思議な感じ。
そんな空間をスーツ着た23歳男が歩いているという無関係の人間が見たら不思議を通り越して不可解な状態だと感じながら、俺は校舎内を歩く。
普段はあまり行かないような空き教室の位置の把握もしておこう。
そんな事を考えていると、不意にとある階段が目に入った。
「あの階段は、屋上に向かう用の...」
そう言えば、屋上に行ったことが無かったな。
IS学園の屋上は普通の学校の屋上とは異なりかなり整備されていて、昼休みには生徒に解放されている。
「.....行ってみようかな」
流石に今この時間に解放されている訳がないのだが、屋上に続く扉の前くらいだったら行けるだろう。
俺はそう思い、その階段を上り始める。
屋上は解放されていると言っても、殆どの生徒が食堂で昼食を食べ、そのまま教室で昼休みを過ごす。
その為屋上に行く生徒は少ないらしい。
だが、そんなあまり人が来ない所でもしっかりと掃除が行き届いているのが凄い。
さてさて、もう直ぐ着くな...
「っ!」
そうして屋上前の扉が視線に入ったとき、俺は思わず目を見開いた。
理由は簡単。
そこに先客が居たからだ。
長い金髪が特徴的な女子生徒。
後姿の為リボンが確認できないから、何年生かは分からない。
「え...?」
その女子生徒も、俺が来たことに気が付いたんだろう。
咄嗟に振り返る。
リボンの色は、1年生のもの。
だが、俺が注目したのはそこではない。
その女子生徒の表情だった。
それは何故か。
その女子生徒が、泣いていたからだ。
「え、あの、その...」
やべぇ!
気まずい!
何でこのタイミングで来てしまったんだ!
「あ、え?あ...」
その女子生徒も、そんな声を漏らしながら目を泳がせている。
えっと...如何しよう。
ヤバい。
.....でも、泣いていた理由が気になる。
初対面だしそっとしておいた方が良いかもしれない。
だが、俺に出来る事があるのならしてあげたい。
...お節介かもしれないし、迷惑かもしれない。
1回話を聞いてみよう。
断られたら謝罪して素直にこの場から立ち去ろう。
「えっと、初めまして。門藤操です。それで、その...何かあった?俺で良かったら、話を聞いても?」
俺がそう言うと、その生徒は一瞬驚いた表情を浮かべた後、考えるような表情になった。
そうして暫く考えた後
「...すみません、話だけでも聞いて貰えますか?」
と、俺に言ってきた。
表情から察するに、取り敢えず話して気持ちを楽にしたいといったところだろう。
俺は頷いてから階段を上りその女子生徒の隣に移動する。
そんな俺の行動を見てから、その女子生徒は話を始める。
女子生徒の名前は、ティナ・ハミルトン。
2組の、元クラス代表。
凰鈴音が転校してくる前に、クラスのみんなから認められクラス代表になった。
志願した理由は、故郷であるアメリカの代表候補生になりたかったから。
まぁ、そう考えるのは普通だろう。
IS学園の生徒なら、国家代表候補生、そしてその先の代表になりたいと思うのは当然の事だ。
そうして、気分も上がっていたところに転校してきたのが凰鈴音。
凰鈴音は代表候補生であるからクラス代表を変われと言ってきた。
断ると、脅してきたらしい。
その内容は詳しく聞かなかったが、その表情から恐怖を感じる内容だったのは簡単に理解できた。
泣いてしまっていたのは、自分が酷く弱く感じていたから。
「門藤さん、話を聞いてくれてありがとうございました」
話し終わったハミルトンさんは、鼻を啜りながらそう言ってくる。
「.....」
話を聞いていた俺は、何も言う事が出来なかった。
でも、こんなに悲しそうにしているのに、何も言わない訳にはいかない!
「こっちこそ、話してくれてありがとう。その上で、1つ聞いて欲しい事がある」
俺がそう言うと、ハミルトンさんは俺の事を見てくる。
俺はジッとハミルトンさんの眼を見ながら口を開く。
「ハミルトンさんは、さっき自分が弱いって言ってたね。でも、それは当然だと思うよ?」
「え、それは、如何いう...」
「だって、自然界にはサメ、ライオン、ゾウやタイガーみたいな人間よりも何倍も強い生物がいっぱいいるんだ。人間なんて、弱くて当然だ」
「.....」
ハミルトンさんは、俺の話をしっかりと聞いている。
だが、その表情は疑問を感じているものだった。
まぁ、今までのハミルトンさんの話とは大きく離れているからな。
そう思うのも無理はないか。
「でも、今の食物連鎖の頂点には人間がいるだろ?それはなんでか。勿論、それには色々な要因がある。道具とかね。でも、俺はそれ以上に大事な事があると思ってるんだ」
「...それは、いったい?」
俺の眼を見返しながら、ハミルトンさんはそう尋ねて来る。
俺はいったん息を吐いてから言葉を発する。
「コミュニケーションを取れる事」
俺の言葉を聞いたハミルトンさんは
「え?」
と、眼を見開きながら声を漏らす。
そんな光景に笑みを浮かべながら、俺は話の続きをする。
「人間っていうのは弱い。でも、みんなが支え合う事で、1つの大きな力になる事が出来る」
「.....」
「確かに、凰鈴音はIS操縦者としては強いかもしれない。代表候補生になれるくらいだからな。でも、凰鈴音って人間としては強いのかな?」
「え?」
俺の言葉を黙って聞いていたハミルトンさんは、眼を見開いて俺の事を見てくる。
俺は微笑みながら話の続きをする。
「さっきも言ったけど、人間は支え合う事で大きな力を得る。凰鈴音は、ハミルトンさんから無理矢理クラス代表の座を奪った。それは、全くもって支え会えて無い」
「た、確かに...」
「凰鈴音も織斑春十みたいに多少は仲間がいるかもしれない。でも、いくら個々が強くても支え合う人数が少なかったら、余り強くはなれない」
「っ...」
「ハミルトンさん、君は先ず人間として成長した方が良い。IS操縦者として成長する機会は、この3年間でいっぱいある。でも、人間として成長できる機会っていうのはこういう時くらいしかない」
俺は、またハミルトンさんの顔をもう1回しっかり見てから、言葉を発する。
「だから、今は人間としてクラスのみんなと関わってみるんだ。そうすれば1歩成長できるし、色んな人と関わる事で、見えて来る世界もあるから!」
俺は最後にそう笑みを浮かべて、ハミルトンさんに言う。
ハミルトンさんは暫く呆けたような表情を浮かべた後、
「...はい!」
と笑顔になって返事をしてくれた。
その事に、俺は頷く。
「前を向けたようで何より」
「はい、お陰で、1歩進めそうです。ありがとうございました、門藤さん」
「俺の事は操でいいよ」
「...分かりました。なら、私の事もティナで良いですよ」
「ん、分かった。じゃあ、これから友人としてよろしく、ティナ」
「はい、操さん!」
ここで、俺はティナと握手をする。
やったぁ!
学園で初めての名前で呼び合える友人ゲット!
ただでさえこの世界で名前で呼び合える友人はシュヴァルツェ・ハーゼのみんなだけだったからな!
嬉しい!
「じゃあ、そろそろ朝のSHRだから教室に戻らないとな」
俺は腕時計を見ながらそう呟く。
時刻は8時丁度。
そろそろ教室に戻らないとSHRに間に合わない。
「そうですね。操さん、今日のクラス対抗戦頑張って下さい!」
「当然!でも、俺を応援して良いのか?俺が勝ったらデザートフリーパスは1組のだよ?」
「...デザートフリーパスは確かに欲しいですけど、操さんのお陰でスイーツ以上の大事なものが得られたので」
「そっか」
そこから暫く会話しながら教室に向かう。
そうして、教室前に着いた。
「操さん、今日はありがとうございました。頑張って下さい」
「おう。ティナも頑張れ!」
「はい!」
そこで別れて、俺は自分の教室に入る。
「おはよう!」
「門藤さん!おはようございます!」
「門藤さん、今日は頑張って下さい!」
「ああ、勿論!」
教室に入った瞬間、クラスメイトが挨拶をしてくれる。
ティナと話す前誰もいなかった教室だからチョッと違和感がある。
さぁ、クラス代表選、頑張ろう!
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三人称side
時刻は進み、とうとうクラス対抗戦が開幕する直前となった。
1年生の1回戦第一試合が行われるアリーナには、世界各国からやって来た来賓たちが殆ど集まっていた。
理由は単純、操が戦うからだ。
男性IS操縦者の試合は、是非とも見てみたいものだろう。
操が試合をするのは今回が2回目なのだが、1回目の試合はクラス代表決定戦だった為、公の場で試合をするのは今回が初めてなのである。
その為、この試合は非常に注目が集まっているのである。
当然、来賓だけでは無くIS学園の生徒もアリーナに集まっている。
またアリーナに入れなかった生徒の為にディスプレイに試合映像を流したりもしている。
『さぁ、皆さん!1年生クラス対抗戦1回戦第一試合、間もなく開催いたします!』
ここで、アリーナ内にそんなアナウンスが鳴り響く。
その瞬間に、1組に与えられていたピットから操が私服でアリーナに出て来る。
「門藤さーん!頑張って下さーい!!」
「門藤さん!ファイトです!」
IS学園の生徒達...特に1組の生徒は一斉に操に声援を送る。
ザワザワザワ
来賓の人達は、一斉に動揺する。
ISどころかISスーツすら身に纏っていないので、初めて見ると驚きもする。
だが、操のISは束特性(という事になっている)ので、次第に全員が納得していった。
操がアリーナで立っていると、2組に与えられたピットから鈴が飛び出て来る。
その身には中国が開発した第三世代型IS、
「何、生身?ひょっとして、私に怖気づいた?」
鈴は挑発するように笑いながら操にそう声を掛ける。
だが、操は鈴の言葉を無視してジュウオウザライトを取り出し、
《ザワールド!》
「本能覚醒!」
《ウォーウォー!ライノース!》
「はぁぁぁぁぁ...はぁ!」
ジュウオウザワールドへと変身する。
その姿を見た鈴と来賓は驚きの声を上げ、生徒は歓声を上げる。
「世界の王者!ジュウオウザワールド!」
そうして、ジュウオウザワールドは名乗りポーズをしながらそう宣言する。
「ハン!どうせハッタリでしょ!」
鈴はそう言いながら甲龍の武装である大型の青龍刀、双天牙月を2本展開して構える。
それを見たジュウオウザワールドはジュウオウザガンロッドを展開し、構える。
『それでは、1年生クラス対抗戦1回戦第一試合。門藤操VS凰鈴音!試合.....開始!』
「一瞬で決めてあげるわ!」
試合開始のアナウンスと同時に鈴がジュウオウザワールドに突っ込んでいく。
ジュウオウザワールドはジュウオウザガンロッドから糸を取り出しフィッシングモードにすると、そのまま糸を鈴に向かわせ攻撃をする。
「チッ!この!ウザいわね!」
鈴は文句を言いながら糸の攻撃を避ける。
「ハァ!ハァ!!」
「く、この!きゃあ!」
だが、ジュウオウザワールドは何度も攻撃し、鈴に遂に攻撃がヒットする。
「オラァ!」
「く、あ!?」
そうして、今度は鈴の足に糸が絡みつく。
「ハァ!!」
ジュウオウザワールドはジュウオウザガンロッドを大きく振るい、鈴を地面に叩き付ける。
その瞬間に足に絡みついていた糸が解け、鈴は地面に転がる。
「このぉ!やったわね!」
鈴はジュウオウザワールドを睨みながらそう言葉を漏らす。
「こうなったら!喰らいなさい!龍咆!」
そうして、鈴はそう叫ぶ。
龍砲。
それは、甲龍の最大の武装。
空気に直接圧力を掛けて砲身を作り、衝撃を打ち出す衝撃砲。
砲弾も砲身も何も見えないのが特徴で、しかも砲身の稼動限界角度は無いというトンデモ武装だ。
そんな武装を、鈴は使用したのだ。
眼に見えない砲弾がジュウオウザワールドに迫る。
(何もしていないように見えるが...だが!)
ジュウオウザワールドは、変身したことで強化された感覚、そして10年前から戦って来ていた経験から鈴が何かしたことを見抜き、その場から大きく跳躍する。
その瞬間に、先程までジュウオウザワールドがいた地点に砲弾が着弾し、土煙が発生する。
「...不可視の攻撃か!」
ジュウオウザワールドは、この一瞬で鈴の今の攻撃が不可視であることを見抜いた。
「へぇ、龍砲を初見で躱したのはアンタが初めてよ。でも、ここからは私のターンよ!」
鈴は余裕の笑みを浮かべながら、そうジュウオウザワールドに宣言する。
そうして、龍砲を連射する。
「クソ!面倒だな!」
ジュウオウザワールドは何度も大きく跳躍する。
(大きく避けるのは時間と体力のロスが大きい!如何にかして最小限の動きにしないと!)
ジュウオウザワールドはそう考えながら避ける。
「この!ちょろまかと!」
鈴は若干イライラしながら龍砲を連射する。
ジュウオウザワールドがアリーナの外壁近くを周るようにしながら避けていると、鈴も身体の向きを変える。
(...あれ?あのユニット、全角度行けそうだよな?何で体の向きを.....そうか!視線か!)
ジュウオウザワールドは気付いた。
鈴が龍砲を発射するとき、着弾点に視線を向けている事を。
(それさえわかれば避けるのは簡単だ!)
そこから、ジュウオウザワールドは跳躍しながら避けるのを止め最小限の動きで龍砲の砲弾を避ける。
「な!?」
急に避け方が変わったことで、鈴は驚きの声を上げる。
「ハァ!」
その一瞬の隙をつき、ジュウオウザガンロッドを振るい糸を飛ばす。
糸はそのまま甲龍の装甲を切り裂き、火花が散る。
「きゃあ!」
「ハァ!ハァア!!」
そのまま何度もジュウオウザワールドは攻撃を繰り返し、甲龍のSEをガリガリと削っていく。
そうして、SEが半分を切った所で、鈴は大きく離脱して距離を取る。
「はぁ、はぁ、このぉ!よくもやったわね!」
鈴はジュウオウザワールドの事を睨みながらそう言葉を零す。
ジュウオウザワールドが接近しようと地面を蹴る。
その瞬間、
(っ!殺気!?)
ジュウオウザワールドは殺気を瞬間的に感じ取ると進路を変更、大きく跳躍する。
その瞬間に、ジュウオウザワールドがさっきまで経っていた位置に、4方向からのビーム射撃が着弾した。
ジュウオウザワールドが発射された方を見ると、そこには...
「っ!ビット!」
蒼いビットが4基飛翔していた。
「惜しいですわね」
そうして、そんな言葉を呟きながら。
セシリアがブルーティアーズを身に纏いながらアリーナに乱入してきた。
「チョッと!私ヤバかったんだけど!」
「お前が粘らないのが悪い」
鈴が文句を言うと、今度は訓練機である打鉄をその身に纏った箒が乱入してきた。
その瞬間に、アリーナにいた観客は一斉に驚愕の声を上げる。
「凰鈴音!篠ノ之箒!セシリア・オルコット!何が目的だ!」
ジュウオウザワールドがジュウオウザガンロッドを構えながらそう言うと、
「決まってるでしょ?春十の活躍の機会を奪ったアンタをボコボコにするためよ!」
「今すぐに倒して、春十さんの前に跪かせて差し上げますわ!」
「今更謝っても無意味だからな!」
そう、3人が笑みを浮かべながらジュウオウザワールドに言う。
「...何でそんな事でボコボコにされないといけないんだ」
ジュウオウザワールドは声を低くしてそう呟きながら、笑みを浮かべている3人の事を睨むのだった...
束は味方なので、ゴーレムの乱入は無しで。
その代わり3馬鹿になって頂きました。
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
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