INFINITE・THE WORLD   作:ZZZ777

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サブタイでのネタバレ。
遂にアイツ等の出番です!

今回もお楽しみください!


再会!戦友のアニマル!

三人称side

 

 

「何だよ!何が如何なってるんだよ!」

 

 

放課後、IS学園の生徒寮の1室で。

同室であった箒の停学処分により1人部屋になった自室で、春十はそんな事を叫んでいた。

 

 

「何でだよ!何でラウラがあんなにしっかり自己紹介してるんだよ!」

 

 

春十はそう言うと、壁の事を殴る。

痛かったのか、殴った右手の甲を左手で撫でる。

 

 

そう、春十が騒いでいる原因。

それは今日転校してきたラウラだった。

原作では、ラウラは千冬の事を崇拝し力が全てだと思い込み、その結果一夏の事を恨んでいたり周りに対しても冷たく当たっていた。

そんなラウラが普通に自己紹介をしたのだ。

転生者であり、原作知識がある春十は混乱するに決まっている。

 

 

「クソッ!クソッ!!」

 

 

春十は苛立っていた。

箒とセシリアは停学、そして鈴は退学。

原作ならばあり得ない出来事が重なったうえでの今回の出来事。

苛立ちを覚えるのも当然なのかもしれない。

 

 

だが、そもそもの話、春十の存在自体が原作にはないものなのだ。

春十の存在が、原作離脱の最初の切っ掛けなのだ。

その事に気付いていないあたり、状況把握がしっかりと出来ていない。

 

 

「それもこれも、全部あの門藤操のせいだ!アイツが、主人公の俺から活躍の機会を奪うからだ!」

 

 

春十は、原因が操だと考えている。

完全な思い違いの八つ当たりなのだが、春十はそれを分かっていない。

 

 

そうして、暫くの間春十は同じような内容の事を喚き散らかしていたが、やがて肩で息をし始めた。

 

 

「くっそぉ...!!」

 

 

春十がそう恨むような表情で呟いたとき、

 

 

コンコンコン

 

 

「織斑君、山田です。デュノア君を連れて来ました。今大丈夫ですか?」

 

 

部屋の扉がノックされ、部屋の外からそんな真耶の声が聞こえる。

その声を聞いた瞬間、春十は口元に笑みを浮かべた。

 

 

「はい、大丈夫です」

 

 

春十がそう返事をすると部屋の扉が開き、大量の荷物を持ったシャルルが部屋に入って来た。

 

 

「では、私はお暇しますね!」

 

 

真耶はそう言うと、そのまま歩いて行った。

 

 

「シャルル、荷物大丈夫か?」

 

 

「春十、大丈夫だよ」

 

 

シャルルはそう言うと、荷物を取り敢えず地面に置き軽く伸びる。

そんなシャルルの事を見て、春十は再び口元に笑みを浮かべる。

 

 

(良し!シャルは原作通りだ!これで、後は正体が判明した時に俺が励ますだけだ!)

 

 

春十は心の中でそんな事を考える。

そんな春十の事はつゆ知らず、シャルルは荷物から着替え等を取り出し、仕舞おうとする。

その時に、下着類を春十に見えないように隠していた。

 

 

(ふぅ、取り敢えず同室にはなれた。本当は門藤操が良いって言われるけど、春十でも問題は無いみたいだし...はぁ...何で僕がこんな事を...)

 

 

シャルルは内心でため息をつきながら荷物を仕舞っていく。

 

 

「これからよろしくな、シャルル!」

 

 

(ハハハハハ!俺はハーレムを作るんだ!シャルも俺に惚れさせてやる!)

 

 

シャルルが荷物を仕舞い終わった事を確認した春十は、笑顔で右手を差し出しながらそう声を掛ける。

表面上は普通なのだが、内面はまたろくでもない事を考えている。

 

 

「うん、よろしく。春十」

 

 

右手を差し出されたシャルルは、笑顔でそう返答しながら握手をする。

 

 

(僕の自由の為なんだ...利用させてもらうよ、春十)

 

 

シャルルもシャルルで、内心そんな事を考えている。

そんな、2人とも何かを企んでいる2人は、取り敢えず夕食を食べるために食堂に向かうのだった。

 

 

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操side

 

 

「さて、早く学園長室に行かないと」

 

 

昼休みにラウラ達と共に談笑してから時刻は進み放課後。

俺は学園長室に向かっていた。

 

 

あの後、山田先生にラウラを教員寮に入れて良いかの確認をしたところ、OKを貰ったのだが、その時に放課後学園長室に来るように言われたのだ。

何でも学園長が話したい事があるとかで...

わざわざ学園長が話したいと言っているのだから、何か重要な事なのだろう。

断れるわけが無いので、ラウラに言って先に学園長室に向かっているのだ。

 

 

「それにしても何だろう?盗聴器の犯人でも分かったのかな?」

 

 

いい加減捕まって欲しい。

まぁ、今の所新しい危害がある訳でも無いし、気長に待ちますか...

 

 

そんな事を考えていると学園長室前に着いた。

身だしなみを確認してから、扉をノックする。

 

 

コンコンコンコン

 

 

「門藤操です。入っても宜しいでしょうか?」

 

 

『はい、大丈夫ですよ。入って来てください』

 

 

入室の許可を貰ったので、俺は扉を開ける。

 

 

「失礼します」

 

 

「門藤君、今日は呼び出してすみません。どうぞ、座って下さい」

 

 

「はい」

 

 

学園長に言われたので、俺は学園長の向かいのソファーに座る。

学園長を見ると、如何も少し疲れているように感じる。

何かあったのかな?

仕事がいっぱいあったとか...

あれ?

だったら俺が原因じゃないか?

なんか、凄い申し訳ない...

 

 

「それで、今日はいったい何があったのでしょうか?」

 

 

「実は、シャルル・デュノア君の事なのです」

 

 

「シャルル・デュノアの?」

 

 

やっぱり、アイツ何処か怪しいからな...

 

 

そこから、学園長は説明を聞いた。

デュノアというファミリーネームは、IS世界シェア3位の大企業であり訓練機のラファール・リヴァイヴの開発元でもあるデュノア社と同じものである事。

そして、デュノア社は技術の遅れでドンドンと経営困難な状況に陥っているという事を。

 

 

「なるほど...つまり、シャルル・デュノアは...」

 

 

「はい。デュノア社のスパイの可能性があります」

 

 

スパイ、か。

本当にいるだなんて...

 

 

「それじゃあ、シャルル・デュノアには注意をしておいた方が良いですね」

 

 

「その方が良いと思います」

 

 

学園長はそう言うと、ため息をついた。

やっぱり疲れているらしい。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「はい、大丈夫です...しかし、少し疲れてますね...」

 

 

俺がそう尋ねると、学園長は疲れた様子など隠さずにそう言葉を漏らした。

 

 

「私が入学してから、たびたび負担をお掛けしてすみません」

 

 

「いえいえ、門藤君もトラブルに巻き込まれているのですから気にしないで下さい」

 

 

ここで、俺と学園長は同時にため息をつく。

全く、俺と学園長が何をしたっていうんだ...

ISを動かしました。

はい。

 

 

「では、私はこれで。この後約束があるので...」

 

 

「はい、今日はわざわざありがとうございました」

 

 

俺はそんな学園長の言葉を聞いてからソファーから立ち上がり、入り口の方に移動する。

 

 

「失礼しました」

 

 

そう言ってから軽く頭を下げ、学園長室から出て扉を閉める。

 

 

「はぁ...またいろいろと大変だなぁ...」

 

 

俺は思わずそんな事を呟いてしまう。

あ、早く自室に戻っておかないと...

俺はそう判断し、学園長室前から教員寮に向かって歩き出す。

 

 

そうして、校舎から外に出た時生徒寮がある方向にラウラが見えた。

その手にはそこそこなサイズの箱を手に持っている。

 

 

「お~い!ラウラ~!」

 

 

俺が呼びかけると、ラウラも俺に気付いたようだ。

俺の方に視線を向けて

 

 

「操!もう終わったのか?」

 

 

という。

俺はラウラの近くに駆け寄る。

 

 

「ああ、今丁度終わったんだ」

 

 

「そうか。ならタイミングが良かったな」

 

 

「そうだな。じゃあ、早速俺の部屋に行こうか」

 

 

「ああ」

 

 

そう短く会話した後、俺とラウラは並んで教員寮に歩いて行く。

 

 

「へぇ、クラリッサが日本の漫画を大量に...」

 

 

「ああ、たしか100冊ほどまとめて購入していたぞ」

 

 

「そ、それは多いな...」

 

 

如何やって保管するんだよ。

シュヴァルツェ・ハーゼの基地の部屋、そんなに広くないだろ。

雑談をしながら歩いていると、教員寮に着いた。

俺とラウラはそのまま俺の部屋の前まで移動し、そのまま扉の鍵を開け部屋の中に入る。

 

 

「そう言えば、俺の部屋に俺以外が入るのは初めてだな」

 

 

「そうなのか?」

 

 

「教員寮だからな。座ってていいぞ、お茶準備するから」

 

 

「そうさせてもらおう」

 

 

俺がそう言うと、ラウラはその箱を地面に置いてから机の前に座る。

それを確認してから、俺はお茶を準備する。

まぁ、と言っても2Lのペットボトルからコップに移すだけだけどな。

棚からコップを2つ取り出し、それぞれにお茶を入れる。

 

 

「はい」

 

 

「ありがとう」

 

 

机の前に移動した俺はそのままコップの片方をラウラに差し出す。

ラウラはそれを受け取ると、そのまま飲み始める。

...何と言うか、小動物みたいで可愛いな。

シュヴァルツェ・ハーゼ、黒い兎か。

 

 

「まさに兎...」

 

 

「っ!ゴホッ!ゴホッ!」

 

 

「ちょ!?大丈夫か!?」

 

 

俺が思わずそう呟くと、ラウラが急に咳き込んだ。

慌てて立ち上がりラウラの後ろに移動するとその背中をさする。

暫くラウラは固まっていたが、やがて深く息を吐いた。

 

 

「きゅ、急にどうしてそんな事を言うんだ!」

 

 

「え?思った事を言っただけだけど」

 

 

俺がそう言うと、ラウラは顔を赤くして視線を逸らした。

そんな動作が小動物感を加速させてる気がする。

 

 

「これは、1年1組のマスコットになる未来もすぐそこか?」

 

 

「やめろ!恥ずかしい...」

 

 

ラウラはさっきまでよりも顔を赤くして俯きながらそう言う。

これは、クラリッサ達に写真を送りたい。

何だかんだんでシュヴァルツェ・ハーゼのみんなはラウラの事大好きだからな。

 

 

「それで、俺に渡したいものって?」

 

 

「あ、ああ!そうだった」

 

 

俺が今日の本来の目的を改めて聞くと、ラウラは思い出したかのような声を発すると、床に置いていた箱をもう1度持ち俺の方に持ってきた。

なんか、本当にそこそこのサイズがあるな...

ん?

なんか少しガタガタしてない?

ほ、本当に何が入ってるんだ...?

 

 

「開けて良いか?」

 

 

「ああ、良いぞ」

 

 

ラウラに許可を取ったので、俺は箱の蓋に手を掛ける。

そうして、蓋を開けると

 

 

ゴォン!

 

 

「痛ぁ!?」

 

 

は、鼻がぁ!?

箱を開けたとたんに、箱の中に入ってる何かが俺の顔面に激突してきた。

滅茶苦茶痛い!

俺は思わず鼻を押さえて床に転がる。

 

 

「大丈夫か!?」

 

 

ラウラが俺に駆け寄って来る。

俺は暫くの間床に寝転がっていたが、痛みが引き始めると上体を起こす。

 

 

「あ~、痛い~」

 

 

「だ、大丈夫か?」

 

 

「あ、ああ。取り敢えずは...」

 

 

ラウラが心配そうに俺に声を掛けてくれる。

俺はそう返しながら、箱の方に視線を向ける。

いったい何が激突してきたんだ...

 

 

「えっ...?」

 

 

俺は箱の中から出て来たであろうものを視認したとたん、そんな声を漏らしてしまう。

 

 

 

「ライノス!ウルフ!クロコダイル!何でここに!?」

 

 

そう、箱の中にあったもの。

それは俺の...ジュウオウザワールドのサポートメカのキューブアニマル、キューブライノス、キューブウルフ、キューブクロコダイルだった。

ライノスは楽し気に床を走り回っており、ウルフとクロコダイルは俺に向かってくる。

 

 

「痛ててててて!?おいクロコダイル!指を噛むな!」

 

 

余程嬉しかったのか、クロコダイルは俺の左手の指を噛んでくる。

ただでさえ鼻を痛めたのに指まで痛めるだなんて!

 

 

「ライノス!足に激突するな!」

 

 

痛くはないけど、衝撃は感じる!

 

 

「おお、ウルフ...お前は何もしないんだな」

 

 

ライノスとクロコダイルが俺に何かと激突してくる中、ウルフだけは俺に近寄ってピョンピョンしてるだけだった。

俺はウルフの事を撫でる。

すると、ウルフは嬉しそうに遠吠えの様な動作をした。

 

 

「取り敢えずみんな、落ち着いてくれ!」

 

 

俺がそう呼びかけると、クロコダイルとウルフはキューブモードに戻りってライノスの荷台に搭載される。

ライノスはキューブアニマルの中で唯一キューブモードが無いので、そのまま部屋の端の方に移動した。

そこまでしなくても良いんだけど。

 

 

「何でラウラがキューブアニマルたちを持ってたんだ?」

 

 

取り敢えず落ち着いたので、俺はラウラにそう質問をする。

俺がこの世界に来た時に、確実にキューブアニマルたちは持って無かった。

なのに何でラウラが持ってるんだ?

するとラウラは

 

 

「4月の中旬くらいの事だったな。任務で再び私達が初めて会ったところの近くに行ったんだ」

 

 

「ああ、あの廃倉庫の近くで、某採掘場の様な場所か」

 

 

あの時から3ヶ月も経ってないのに、随分と懐かしく感じる。

これが年...?

いや、まだ23だ!

全然若い!

 

 

「それで、その廃倉庫の近くに落ちてたんだ」

 

 

「廃倉庫の近くに...」

 

 

何だ?

もしかして追いかけて来たのか?

だったとしたら、1ヶ月近く放置していたと?

 

 

「...ごめん!」

 

 

俺はライノスたちに頭を下げる。

すると、ライノスがまるで気にするなと言わんばかりに走り回る。

特に怒ってないようで安心した。

いや、あの嚙みつきや激突が怒りの表現だったのかな?

 

 

「ラウラ、届けてくれてありがとう」

 

 

「ああ、どういたしまして」

 

 

俺がラウラにお礼を言うと、ラウラは笑みを浮かべながらそう返事をしてくれた。

これで、何かがあったときには()()が使えるな。

まぁ、()()はISとの戦闘じゃ使えないだろうし、学園で使うと被害凄そうだし、学園長に負担を掛ける事になるから本当の緊急時以外は使用厳禁だな。

 

 

俺がそんな事を考えていると、ラウラの表情が少し曇っている事に気が付いた。

 

 

「ラウラ、何かあったのか?」

 

 

俺はキチンと座り直してからラウラにそう尋ねる。

 

 

「何で分かった?」

 

 

「そんなに表情を曇らせてたらな...」

 

 

俺がそう言うと、ラウラは若干苦笑いを浮かべた。

そうして、そのままラウラはポツリポツリと話をしてくれた。

 

 

「...操の話を聞いて、織斑春十がかなりの外道だという事は理解した。今日実際に会ってみて、アイツからは良い印象を抱かなかった」

 

 

外道...確かにそうだな。

織斑一夏の事を虐め倒していた織斑春十は、少なくとも悪人であろう。

 

 

「でも、教官は、教官は未だに信じられないんだ。かつての操は助けてもらえなかったのかもしれない。でも、私が教官に救っていただいたのは事実なんだ。だから...」

 

 

ラウラのその言葉は、最後の方はまるで消えるようだった。

...こんな悩みをラウラに与えてしまったのは俺だ。

そんな俺に言葉を掛ける資格は無いのかもしれない。

でも、言わないといけない。

 

 

「え...?」

 

 

俺はラウラの頭を撫でる。

すると、ラウラが呆けたような表情をして、そんな声を発した。

俺は笑みを浮かべながら言葉を発する。

 

 

「人間は悩んでいくものさ。俺も、悩んで、挫折して、また悩んでの連続だった。でも、俺は大和達のお陰で自分の過去と、織斑一夏と決別できた。だから、ラウラもきっとその悩みは何時か解決するさ。大丈夫、辛くなったら頼っていいから」

 

 

「...ああ、ありがとう」

 

 

俺がそう言うと、ラウラは口元に笑みを浮かべた。

 

 

「さて、私はそろそろ帰ろうと思うのだが...」

 

 

「折角だから、夕ご飯作るよ」

 

 

「良いのか?」

 

 

「勿論!」

 

 

「そうか。なら食べさせてもらおう」

 

 

そうして、ラウラが夕食を食べていく事が決定した。

 

 

シャルル・デュノアの事でまだまだ悩む事は多そうだけど、ライノスたちと再会出来たし、取り敢えずこれからも頑張っていくかなぁ!

 

 

 




はい、キューブアニマルたちの登場回でした!
登場したは良いものの、活躍までは時間が掛かりそうだ...

次回も何時になるか分かりませんが、楽しみにしていてください!

評価や感想、いつもありがとうございます。
今回もお願いいたします。
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