INFINITE・THE WORLD   作:ZZZ777

23 / 58
さてさて、今回もサブタイで中身がまるわかり。

今回もお楽しみください!


生徒会長の接触

操side

 

 

ラウラに持って来てもらったキューブアニマルたちと再会した翌日。

俺は普段通りに教室で授業を受けていた。

 

 

今朝は朝食を食べた後、キューブアニマルたちを持ってこようかとも迷ったが、流石にキューブになれないライノスは目立つので、ポケットに入るクロコダイルとウルフだけを連れて来た。

休み時間とかに人目に付かない所でポケットから出してやると嬉しそうにあたりを走り回っていた。

やっぱり初めて来るところは興奮するんだろうか。

真理夫さんのアトリエでも、結構走り回っていた記憶がある。

今度はライノスも走り回れるところに連れて行こうかな。

まぁ、何はともあれ授業に集中しないと。

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

集中して授業を受け、気が付いたら授業終了のチャイムが鳴った。

 

 

「あ、じゃあ授業はここで終わりね。次の授業はこの問4からだから、覚えておいてね」

 

 

今まで授業をしていたエドワーズ・フランシィ先生はそう言うと、教室から出て行った。

その瞬間に、みんなは身体を伸ばしたり、教科書を仕舞ったり、早速席から立ち上がったりしていた。

今の授業は4時限目。

つまりこれから昼休みなのだ。

 

 

「さて、俺も昼ご飯を食べよう」

 

 

今日はお弁当を作って来たからな。

何処で食べようか...

そうだ、折角だから屋上に行こう。

ティナと会ったときは屋上の扉の前だったから結局屋上には行った事が無いし、良い機会だから行く事にしよう。

俺は席を立ち、弁当箱を包んでる包みを手に持って屋上に向かう。

屋上に向かう階段前に来たので、そのまま上っていく。

 

 

「おお~~、綺麗ないい景色」

 

 

屋上に来た俺は、そう感想を漏らす。

屋上だというのに綺麗な床。

そして、IS学園が人工島丸々1つを使ってるが故の景色。

吹いてくる風は何処か爽やかさを感じる。

なるほど、これは良い場所だ。

それなのにも関わらず、俺以外には人はいない。

 

 

「1人占めしてるようで、気分が良いな♪」

 

 

俺はそう呟いてから備え付けのベンチに座り、膝の上に包みを乗せる。

そして包みを開けて弁当箱を取り出すと、そのまま弁当箱の蓋も開ける。

 

 

「さて、いただきます!」

 

 

俺は箸を手に持ってからそう言うと、そのままお弁当を食べ始める。

 

 

「うん、まぁまぁ」

 

 

味見した時も思ったけど、やっぱりもうちょっと味濃い方が良かったかな~~?

食べれる味ではあるし、もう作っちゃったものは修正できないからいいや。

そのままお弁当を食べ進めていると、不意に校舎内に続くドアが開いた。

視線をドアの方に向けると、そこには

 

 

「はぁ...何で僕が...」

 

 

と、ため息をつくシャルル・デュノアがいた。

シャルル・デュノアは俯いていて、如何やら俺に気付いていないらしい。

 

 

「あ、えっと...」

 

 

俺は何て言って良いのか分からず、思わずそんな言葉を呟いてしまう。

その瞬間に、俺がいる事を察したのだろう。

シャルル・デュノアはがばっと顔を上げる。

そして、俺とシャルル・デュノアの視線が合う。

 

 

「あ、え...?」

 

 

...気まずい!

暫くの間、屋上は静寂に包まれた。

俺が何か言おうとアワアワしていると、

 

 

「あ、えっと、門藤操さん...ですよね。ちゃんと話すのは初めてですね。シャルル・デュノアです」

 

 

と、シャルル・デュノアが挨拶をしてきた。

 

 

「あ、門藤操です。これからよろしくね、デュノア君」

 

 

俺は取り敢えずその挨拶に返す。

そして、俺とシャルル・デュノアは握手をする。

...細い。

初めて見た時からずっとそう思ってたけど、こうやって握手をしてみると余計にそう感じる。

やっぱり、もしかして...

 

 

「えっと...如何しました?」

 

 

「あ、ああ、ごめんごめん」

 

 

シャルル・デュノアに言われ、ずっと手を握ったままだったのを思い出した。

俺は慌ててその手を離す。

 

 

「えっと...門藤さんは何でここに?」

 

 

「ん、ああ。お昼ご飯を食べてたんだ」

 

 

俺は膝の上に乗ったままだった食べかけのお弁当を指さしながらそう言う。

それを見て、シャルル・デュノアも納得したようだ。

 

 

「すみません、お昼ご飯の邪魔をしてしまって」

 

 

「いやいや、屋上はみんなのものなんだから気にしないで。逆に、何でデュノア君は屋上に?」

 

 

俺は取り敢えず会話をしようとそう言った。

それに、屋上に来て直ぐに言っていた言葉、確か...『何で僕が』。

この言葉の理由も気になる。

 

 

「いや、あの、その、えっとぉ...き、気分で...」

 

 

シャルル・デュノアは思いっ切り視線を泳がせながらそう返答をする。

絶対に何かある。

寧ろ、私が隠してるのは何でしょうといった質問ゲームなんじゃないだろうか。

 

 

「そ、それじゃあ僕はこの辺で...」

 

 

シャルル・デュノアはそう言うと、踵を返して校舎内に続く扉に歩いて行く。

これは...気になるな。

 

 

「ウルフ、クロコダイル、頼む」

 

 

俺はポケットからウルフとクロコダイルを取り出すと、そのまま屋上の床に置く。

その瞬間に、キューブモードだったウルフとクロコダイルはアニマルモードになると、俺はスマホのボイスレコーダーアプリを起動してウルフに手渡す。

そのままウルフとクロコダイルでえっせえっせとスマホを運びながらシャルル・デュノアを追うように校舎内に入っていった。

良し、取り敢えずこれで何かあったらウルフとクロコダイルが教えてくれる。

本当はこんな手段取りたくないんだけどなぁ...

少しは勘弁してほしい。

 

 

「.....残り食べるか」

 

 

俺はそう呟き、食事を再開するのだった。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

シャルル・デュノアと屋上で初めて話をした翌日の放課後。

俺は学園長室にいた。

理由は単純明快、シャルル・デュノアの事だ。

 

 

昨日昼休みにシャルル・デュノアに付いて行ったウルフとクロコダイルは、その日の放課後には戻って来た。

スマホの充電はまだ残っていたので、そのままボイスレコーダーに録音されていた音を再生した。

すると、シャルル・デュノアはこんな事を言っていた。

 

 

『何時データを抜こうかな...』

 

 

『全く、タイミングが掴めないよ...』

 

 

『はぁ、何で僕がこんな事をしないといけないんだ...』

 

 

こんな事を。

この音声が本当だったら、シャルル・デュノアは確実に黒だ。

でも、それと同時にシャルル・デュノア本人の意思ではない可能性が出て来た。

これは俺1人では判断できないと思い、音声を保存。

そうして学園長室に来て、学園長にこの音声を聞いて貰ったのだ。

 

 

「なるほど、これは......」

 

 

学園長は音声を聞き終わった後、眉間に皺をよせ頭を押さえながらそう呟いた。

まぁ、そりゃそうか。

転校生がスパイなのがほぼほぼ確定し、しかもそれが本人の意思ではなさそうという事になったら頭痛もする。

 

 

「かなり厄介な事になって来ましたね...」

 

 

「そうですね...」

 

 

俺と学園長は同時にため息をつく。

これはかなり厄介だ。

 

 

「それにしても、門藤君はこの音声を何処で?」

 

 

「ああ、それはこいつ等に録音してもらいました」

 

 

俺はそう言うと、ポケットからウルフとクロコダイルを取り出す。

そうして机の上に置くと、ウルフとクロコダイルはキューブモードからアニマルモードに変形する。

 

 

「こ、これは...?」

 

 

「キューブアニマルって言って、私の...ジュウオウザワールドのサポートメカです」

 

 

「なるほど...門藤君のISは篠ノ之博士特製と聞いています。このサポートメカもそうなのですか?」

 

 

「まぁ、そうです」

 

 

束さんの名前出せばどんなことでも納得してくれるんじゃないか?

そんな事を考えてしまうくらいにはスムーズに納得してくれた。

流石は束さん、ISの生みの親だ。

 

 

「それで...デュノア君はどう対応しましょうか...」

 

 

「そうですね...せめて、本人の意思かどうかが分かれば...」

 

 

俺と学園長は、うーんと頭を抱える。

キューブアニマルたちでは得られる情報に限界がある。

せめて、もう少し情報が...それも、デュノア社の情報が欲しい。

如何するか......

束さんが出て来ると、また別の問題が起こりそうだし...

 

 

ん?

あ、そうだ!

()()()に協力してもらえばいい!

だけれども、俺とは殆ど関わりが無い。

う~ん...

なんか、目的の為に利用しちゃうようで悪いけど、これしかないか。

 

 

「学園長、1つ案が...」

 

 

「何ですか?」

 

 

俺は学園長に思い付いた1つの案を説明した。

話しをじっくりと聞いていた学園長は、やがて息を深く吐いた。

 

 

「なるほど、確かにそれしか無さそうです」

 

 

「はい...事情を悪用するようで心苦しいですが...仕方ありません」

 

 

「分かりました。門藤君の案で行きましょう」

 

 

「はい。根回しや準備は私がします。学園長、申し訳ありませんが、ジュウオウザガンロッド...武装で使用している釣り竿の使用許可と、場所の提供をお願いします」

 

 

「それは当然です」

 

 

学園長とそう会話した後、今後の大体の方針を決めた。

俺はそのまま学園長室から出て、教員寮へと向かう。

そうして自分の部屋に着いた俺はそのまま部屋の中に入って、鍵を閉めてからスマホを取り出し、とある人物に電話を掛ける。

 

 

「......あ、もしもしのほほんさん?操だけど、今良いかな?......うん、実は、チョッと協力してほしい事が...」

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

三人称side

 

 

操と十蔵がシャルルに対する話し合いをした週の金曜日の放課後。

 

 

「♪~~~」

 

 

操はIS学園の廊下を鼻歌を歌いながら歩いていた。

その表情も楽しげなもので、普通に見れば特に違和感が無いだろう。

だが、そんな操を影から睨む人物が1人。

 

 

「門藤、操.....!」

 

 

その人物は、水色の外側にはねたショートカットで、2年生を示す黄色のリボンを胸元に付けている。

そして、その手には力を籠め過ぎたのか若干罅の入った扇子を持っている。

彼女の名前は更識楯無。

簪の姉であり、生徒会長であり、操や十蔵から盗聴器事件の犯人ではないかと疑われている人物である。

そんな楯無が、操の事を睨みながら後を付けているのである。

 

 

「絶対に、許さない...!」

 

 

楯無はそう呟いて、更に扇子を持っている手に力を入れる。

ミシミシと扇子が悲鳴を上げているが、楯無はそれを気にしない。

 

 

「簪ちゃんに手を出すだなんて!」

 

 

楯無がそう言うと、ぴくっと操が立ち止まり声が聞こえてきた方向を振り返る。

楯無は咄嗟に物陰に隠れる。

操は暫く振り返った方向を見ていたが、やがて元々を向いていた方向に向き直ると再び歩き始めた。

操が歩いて行った事を確認した楯無は物陰からひっそりと身を出すと、そのまま操を追うように歩き始める。

 

 

楯無がここまで怒りを露わにしている理由。

それは、妹である簪の幼馴染にして専属メイド、本音からの情報だった。

何でも、門藤操が簪に手を出したと。

楯無と簪は間に亀裂が残ったままだ。

それでも...いや、亀裂が入る以前から。

楯無はド級のシスコンだった。

亀裂が入ってしまった原因である、楯無が叩き出した成績と、簪に掛けた言葉。

それも、元をたどれば簪に良いところを見せたいためだった。

そんなド級シスコンが、妹に手を出されたと伝えられて怒りを覚えない訳がない。

だから、操に痛い目を見させるチャンスをうかがう為に、操の後を付けているのだ。

 

 

(それにしても、何処に向かってるのかしら?)

 

 

操に付いて行きながら、楯無はそんな事を考える。

今は放課後。

校舎内に残ってるのは部活がある生徒か自習等をしている生徒が殆どだ。

しかし、操は部活に所属していない。

そして向かっている方向には自習室も図書室もない。

あるのはせいぜい学園長室や職員室に会議室、それに応接室や事務室などである。

通常なら、余り近寄らないような場所が殆どだ。

 

 

(職員室...にしては楽し気よね)

 

 

楯無は一瞬職員室に用があるのではないかと考えたが、操が鼻歌を歌っているのでそれは無いと判断した。

 

 

そうして暫くの間操は歩き続け、その後を追いながら楯無も歩く。

 

 

(本当に、何がしたいの?)

 

 

楯無が若干呆れたような表情で操を見ていると、

 

 

「良し!」

 

 

ダッ!!

 

 

操が急にそう言うと、廊下を走り出した。

 

 

「な!?」

 

 

楯無は驚きの声を発したが、慌てて後を追いかける。

 

 

(何で、急に走り出したの!?まさか、バレた!?)

 

 

そんな事を考える楯無の視線の先で、操が廊下を右に曲がった。

一瞬遅れて楯無も廊下を右に曲がる。

すると...

 

 

「い、いない!?」

 

 

曲がった先には、もう既に操がいなかった。

何処かに隠れたのかと考え、辺りを見回すが人一人が隠れられる場所などなかった。

 

 

「いったい何処に.....」

 

 

 

楯無がそう呟いた瞬間だった。

 

 

ビュッ!!

 

 

 

そんな音が背後からなったかと思うと、

 

 

シュルルルル!!

 

 

楯無の身体に、黄色い糸が巻き付いた。

その時の拍子で手に持っていた扇子が床に落ちる。

 

 

「ぐっ!?これは!?」

 

 

楯無は拘束から逃れようと必死にもがくが、その糸は切れる事も緩まる事も無かった。

 

 

「一応、確保。かな?」

 

 

糸が飛んできた方向から、そんな声が聞こえてくる。

楯無がその方向に向くと、そこには。

 

 

ジュウオウザガンロッドを手に持ち、安心したような表情を浮かべた操がいた。

 

 

「門藤、操!!」

 

 

「初めまして、更識楯無生徒会長」

 

 

楯無は思いっ切り睨みながら操の名前を呼び、操はその余りにも鋭い眼光に若干引きながらもそう挨拶をする。

 

 

「早速ですみませんが、チョッと付いて来て下さい」

 

 

「大人しく付いて行く訳ないでしょ!」

 

 

「まぁまぁ、そう言わずに」

 

 

操はそう言うと、ジュウオウザガンロッドを肩に担ぎそのまま歩き出す。

糸で繋がれている楯無の身体は当然ながら引っ張られるため、楯無も歩かないといけない事になる。

 

 

「チョッと!離しなさい!って言うか何この糸!全然切れないんだけど!」

 

 

「ライノスラインっていう特別製の糸です。戦闘で使用するものなので簡単には切れないですよ」

 

 

楯無の言葉に操がそう返す。

そう、この糸...ライノスラインは操の中にあるジューマンパワーを使用し生成されたものなので、そう簡単に切れないのである。

そうして楯無を引きずりながら歩く事数分、目的地に着いた操は肩に担いでいたジュウオウザガンロッドを操作し、楯無に絡みついていた糸を外す。

 

 

「こ、此処って...」

 

 

この場所を認識した楯無が固まっていると、操が扉をノックする。

 

 

「...学園長、門藤操です」

 

 

『入って来てください』

 

 

学園長の返答を聞いた一夏はそのままこの場所...学園長室の扉を開ける。

その部屋の中にいる人物を見て、楯無はビシッと動きを止めてしまう。

 

 

「門藤君、更識生徒会長、ようこそ」

 

 

先ずは十蔵。

これは良い。

何故なら此処は学園長室だから。

楯無が驚いたのは、十蔵以外の人物3人である。

 

 

「お、お姉ちゃん...」

 

 

3人のうちの1人...簪が、楯無の事を見て信じられないといった表情でそう呟く。

 

 

「か、簪ちゃん...」

 

 

楯無も、簪の事を見てそう呟く事しか出来なかった。

 

 

「虚さん、のほほんさん、協力ありがとうございました」

 

 

「いえいえ、気にしないで下さい、門藤さん」

 

 

「そうだよ~~」

 

 

操は3人のうち残りの2人...本音と、本音の姉であり楯無の幼馴染にして専属メイド、布仏虚に声を掛け、2人はそう返答する。

 

 

「う、虚さん?本音?操さん?これはいったい...」

 

 

「ごめんねかんちゃん」

 

 

「でも、こうしないと簪様とお嬢様は、もう2度と話をなされ無さそうでしたので」

 

 

簪が訳が分からないという声で呟いたことに、本音と虚がそう返答する。

 

 

「お嬢様も、騙してしまい申し訳ありませんでした」

 

 

「え、え?虚ちゃん?え、じゃあ、本音ちゃんが言ってたのは...」

 

 

「ごめんなさい、嘘です」

 

 

「え、ええええええええ!?」

 

 

虚と会話した楯無は、そう驚きの声を発する。

 

 

「簪、更識生徒会長、ここからはいったんお2人の時間です。良く話し合って下さい」

 

 

操がそう言うと、簪と楯無以外の4人は学園長室から出て行く。

そして、この場には簪と楯無の2人だけ。

 

 

「「......」」

 

 

2人は、視線を合わせたまま、何も言えないのだった...

 

 

 




2人はどうなるのだろうか...

次回も何時になるか分かりませんが、楽しみにしていてください!

評価や感想、誤字報告何時もありがとうございます!
今回も、よろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。