INFINITE・THE WORLD   作:ZZZ777

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前回の続き。
どうなるのかな?

今回もお楽しみください!


事件後

三人称side

 

 

「う、うぁ...?」

 

 

IS学園、医務室。

通常の保健室とは異なり最先端の医療機器が揃っているこの場所で。

1人の女子生徒が目を覚ました。

ラウラだ。

 

 

「痛っ...!?」

 

 

上体を起こそうとしたラウラは、身体を動かした際の全身の痛みで顔をしかめそのままベッドに寝ころぶ。

そうして1度大きく息を吸った。

 

 

「身体が動かせない程痛い...何が、あった?」

 

 

寝起きの影響か、ラウラは何でここにいるのかはっきりと覚えていない様だ。

暫くの間考え込むように目を閉じていたが、

 

 

「そうだ...あの時、変な声が聞こえ痛っ!?」

 

 

思い出したようだ。

その際身体を少し動かし、また痛みで顔をしかめる。

そうして、痛みが無くなって落ち着いたラウラは息を吐くと、そのままぽつりと呟く。

 

 

「あの時、コンテニューとか聞こえて、そして何か身体が飲み込まれるような感じがして......駄目だ、その先が思い出せない...!!」

 

 

ラウラは若干悔しそうな表情になる。

その瞬間

 

ガラガラ

 

そんな音を立てながら医務室の扉が開く。

ラウラが視線だけをその方向に向けると、そこには白衣を身に纏い優しそうな表情を浮かべた女性がいた。

 

 

「あら、目を覚ましたのね」

 

 

「あな、たは...?」

 

 

「私はここ、IS学園医務室に勤務してる医師、エミリー・シエントよ」

 

 

ラウラの質問に、その女性...エミリーはそう返答する。

 

 

「ボーデヴィッヒさん、あなたは全身筋肉痛よ。数日間は凄まじい痛みが全身走ると思うけど、逆に言うとそれ以外は無事。もし救出されるのがあと少し遅かったから骨や内臓に異常が出てた可能性が高いわ」

 

 

骨や内臓に異常が出る可能性があった。

それを聞いたラウラは思わず身構えてしまう。

 

 

「...何があったのか、教えてもらえませんか?何も覚えて無いんです」

 

 

「覚えてない?それは本当なの?」

 

 

「はい...身体が何かに飲み込まれる感覚は覚えてるんですが、それ以降の記憶が...」

 

 

「そう......」

 

 

エミリーはそう呟くと、ラウラのベットの隣に置いてある椅子に座る。

 

 

「じゃあ、説明するわね。あの後何があったのかを」

 

 

そうして、エミリーはラウラに説明をした。

戦闘の途中、シュヴァルツェア・レーゲンから急に白いメダルの様なものが溢れ出た事。

溢れたメダルはシュヴァルツェア・レーゲンごとラウラの事を飲み込み形を変え、白い化け物になった事。

ジュウオウザワールドが交戦をし、ラウラを救出した事。

 

 

「そんな、事が...」

 

 

「ええ。あとで門藤さんには感謝しておきなさい」

 

 

「そうします...ところで、私はこの先どうなるのでしょうか?」

 

 

「それは私にも分からないわ。あとで確認しておいてね」

 

 

「......はい」

 

 

エミリーのその声に、ラウラは表情を暗いものにする。

 

 

「じゃあ、私は職員会議に参加するから少し抜けるわ。何かあったらそのブザーを押してね」

 

 

「分かりました」

 

 

そう言って、エミリーは医務室から出て行った。

 

 

「...私は、如何すれば......」

 

 

ラウラは俯きながら、そう言葉を零すのだった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

『それで隊長は、隊長は無事なんですか!?』

 

 

「ああ。取り敢えず生きてはいる。今は医務室で寝てる」

 

 

IS学園の屋上で。

操がスマホを使用し通話をしていた。

通話の相手は、シュヴァルツェ・ハーゼの基地にいるクラリッサだ。

ラウラの暴走は観客の各国の来賓を通じて世界各国に知られていた。

それを知った操は、シュヴァルツェ・ハーゼのみんなが心配しているだろうと察し、取り敢えず副隊長であるクラリッサに電話を掛けたのだ。

 

 

『生きてるんですね!良かったぁ......!』

 

 

「取り敢えずは、ね。それで、今の所ラウラに何か罰則があるとかそういう情報は出てるの?」

 

 

『特にそういう情報は無いですね。寧ろ、隊長は被害者なのではという声の方が多いと上から聞きました』

 

 

「それは良かった」

 

 

クラリッサの言葉を聞いた操は安心したような声を発した。

 

 

「じゃあ、お見舞い出来ないかもしれないけどラウラがいる医務室に行ってみる。事情聴取もあるからその後にもう一回連絡する」

 

 

『分かりました』

 

 

ここで通話を終了し、操はスマホをポケットに入れる。

そして操は屋上から医務室に向かっていく。

操は歩いている途中、難しそうな表情を浮かべている。

 

 

(なんであの場にメーバが...まさか、まさかアイツがいるのか?)

 

 

操はその考えに至ったとたん、不安そうな表情に浮かべ、足を止めてしまう。

暫くの間そのまま固まっていたが頭を振ると再び歩き出した。

 

 

「ん?あれは...シエント先生!」

 

 

「あ、門藤さん」

 

 

その道中、操はエミリーとすれ違った。

 

 

「医務室、入って大丈夫ですか?」

 

 

「はい、問題ないですよ。ボーデヴィッヒさんは今は目を覚ましてます。全身筋肉痛で動けそうにないですが」

 

 

ラウラが目を覚ました。

それを聞いた操は安心した表情を浮かべる。

 

 

「そうだ、門藤君。君には後で事情聴取があるとの事です」

 

 

「把握しています」

 

 

「そうですか。では、私は会議があるので」

 

 

「はい。呼び止めて申し訳ありませんでした」

 

 

ここで操とエイミーは会話を終了させると操は医務室に、エイミーは会議室に向かって歩いて行く。

そうして暫くある事数分。

操はラウラがいる医務室前に着いた。

 

コンコンコン

 

「操だけど、ラウラ、起きてるか?」

 

 

操はノックしてそう声を発する。

 

 

『ああ、起きてるぞ。入って大丈夫だ』

 

 

ラウラからの返答を聞いた操は扉を開け、そのまま医務室の中に入る。

 

 

「大丈夫...では無さそうだけど、取り敢えず無事でよかったよ。ラウラ」

 

 

「ああ...身体が痛すぎて身体を起こすことも出来ないが、取り敢えず生きてる」

 

 

操の問いかけにラウラは口元に少しだけ笑みを浮かべる。

それを見た操も笑みを浮かべると、そのままベッド横の椅子に座る。

 

 

「操。助けてくれてありがとう」

 

 

「気にしないでいいよ。それよりも部隊のみんなも凄い心配してたよ。動けるようになったら自分で連絡してあげな」

 

 

「ああ、そうするさ」

 

 

ラウラはここで、1度考えるような表情を浮かべた後、操に質問をした。

 

 

「今回、私が暴走してしまった時。教官は...織斑千冬は、何をしていた?」

 

 

「......聞いた情報だと、避難誘導をせずに織斑春十に呼びかけるだけだったらしい。有事の際の指揮権を持ち、1番最初に避難誘導をしないといけないにも関わらず、ね」

 

 

それを聞いたラウラは、考え込むような表情を浮かべる。

 

 

(そうか...自分の仕事を全うしない。その上で周りに迷惑を掛ける。そんな人を、私はもう信用しない)

 

 

「ラウラ?どうかした?」

 

 

「あ、い、いや、何でもない。大丈夫だ」

 

 

「そうか...あ、そうだ。少なくともドイツ内ではラウラに対する罰則はないってさ」

 

 

「そ、そうか...」

 

 

操の言葉を聞いたラウラは途端に安心したような表情になった。

やはり、罰則が怖かったのだろう。

操はラウラの身体を揺らさないように注意しながらラウラの頭を撫でる。

撫でられたラウラは少し嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

 

「それに、仮に国際社会からの非難があってもとある兎さんが助けてくれるかもしれないし?」

 

 

「ハハハ、それは無いだろう。操もなかなか面白い冗談を「おおっとぉ!良く分かったねぇみっちゃん!」え?」

 

 

操の言葉を笑いながら否定しようとしたラウラの言葉に被せるように...

何処からともなく声が聞こえて来た。

その事にラウラは驚いたような表情を浮かべ、操は若干呆れたような表情を浮かべる。

 

 

「本当に来たんですか...束さん」

 

 

「うん!あなたの心にラブリーラビット!世紀の天才、束さんだよぉ!!」

 

 

操がそう言うと、束が何処からともなく現れ、キランという擬音が聞こえてきそうなポーズを浮かべながらものすっごい笑顔でそう言った。

 

 

「し、篠ノ之博士...」

 

 

「みっちゃんの友達なら束さんが手を貸さない訳がない!もしなんか世界の奴らがうるさく言って来ても束さんがちょちょいのちょいと...」

 

 

「やり過ぎは許さないですよ?」

 

 

放っておくと暴走しそうな束に操は刺さるのか怪しい釘を刺しておく。

 

 

「へーきへーき!そうだみっちゃん、束さんスマホ変えたんだぁ~。だから新しい連絡先あげるね!」

 

 

「は、はぁ...前のスマホどうしたんですか?」

 

 

「ん~?むかついたから壊しちゃった♪」

 

 

「何があったんですか...」

 

 

操はそう言いながらもスマホを取り出す。

そうしてそのまま束の新しいスマホを連絡先に登録する。

 

 

「篠ノ之博士が、そうも簡単に連絡先を教えるだなんて...」

 

 

「みっちゃんだからね!みっちゃんはぜった~~いに悪用なんてしないもんね!」

 

 

「まぁ確かにしないですけど」

 

 

操は笑みを浮かべるとそのままスマホをポケットに仕舞う。

 

 

「それで、いったい何の用ですか?束さんがわざわざ連絡先を教えるためだけに来たとは思えないんですが」

 

 

「流石みっちゃん!束さんの事良く分かってるぅ~!!」

 

 

操の問いかけに束はおっちゃけた様子でそう返答する。

だけど、その次の瞬間。

 

 

「ISの暴走に関して、聞きたい事があったんだ」

 

 

笑顔だった表情は一気に真顔になり、真面目な雰囲気を醸し出す。

それにつられ、操の表情も固いものになる。

 

 

「なんでその事を...」

 

 

「束さんだよ?そういう事を把握してない訳無いじゃん」

 

 

「それで納得できるのが凄いな...」

 

 

束の言い分に、操は不思議と納得していた。

『篠ノ之束だから』

それだけでたいていの事は納得できてしまうくらいには、束は天才で、天災なのである。

 

 

「みっちゃん、戦いが終わったとき呟いてたよね。『メーバ』って。詳しく教えて欲しいな」

 

 

「...操、私からも良いか?」

 

 

束の言葉を聞いたラウラは、視線だけを操に向けながらそう言葉を発した。

それに伴い操と束がラウラの事を見ると、ラウラは言葉を発した。

 

 

「私が、暴走する前に声が頭に響いてきたんだ。『コンテニュー』って。操なら、何か知ってるんじゃないか?」

 

 

コンテニュー。

その言葉を聞いた操は、その表情を険しいものにする。

 

 

(コンテニュー...そうか、やはり.......!!)

 

 

「みっちゃん?如何したの?」

 

 

「......分かりました。話します」

 

 

操はそう言うと、1度大きく息を吸って、吐いた。

 

 

「メーバっていうのは......デスガリアンの、戦闘員なんだ」

 

 

デスガリアン。

それを聞いた束とラウラは驚愕の表情を浮かべる。

 

 

「デスガリアンって、それって...!」

 

 

「ああ。向こうの世界で、俺が、俺達が戦った奴らだ」

 

 

操はそう言うと、ポケットからジュウオウザライトを取り出す。

 

 

「なんで、そんな奴らの戦闘員が...!」

 

 

「メーバが、ただの戦闘員だったらどれだけ良かったのかな...」

 

 

「「え?」」

 

 

操の呟きに、束とラウラは同時にそう呆気に取られたような声を発する。

 

 

「さっきラウラが言ってたコンテニューっていうのは、ブラッドゲームのプレイヤーが倒された時に、巨大化する時のものなんだ。倒されたプレイヤーは、デスガリアンのオーナーであるジニスの細胞が注入された『コンテニューメダル』を身体に投入されることで巨大化する」

 

 

「コンテニューと、メダルって...!!」

 

 

操の言葉を聞いた束はそう声を発した。

ラウラから聞いたコンテニューという言葉。

そしてシュヴァルツェア・レーゲンから出て来たメダル。

そのどっちもが言葉に含まれていたからだ。

 

 

「コンテニューメダルに秘められた力は絶大なものだ。プレイヤーを巨大にさせるだけじゃない。洗脳も出来る」

 

 

「「洗脳...!?」」

 

 

「ああ。エクストラプレイヤーだった時に、実際に俺も投入されたことがある」

 

 

メダルを投入するだけで、簡単に洗脳が出来る。

そんなものが存在する事に束とラウラは思わず身構えてしまう。

 

 

「ここで大事なのは、ジニスの正体なんだ」

 

 

「正体?」

 

 

「それが何か関係あるのか?」

 

 

「ああ。ジニスの正体は..............................................メーバの集合体なんだ」

 

 

「「えっ!?」」

 

 

ジニスの正体の説明を受けた束とラウラは、同時にそう声を発する。

それは当然だろう。

戦闘員の集合体が、その組織のトップだとは誰も思わないだろう。

実際に戦っていた操たちも大和が見抜けなかったら分からないままだったのだから。

 

 

「え、そ、それじゃあ、そのメーバがこの世界にいるって事は...!?」

 

 

「...多分、いる可能性がある。ジニスが、この世界に」

 

 

「そ、そんな事が可能なのか...?」

 

 

「ああ。もともと俺があっちに行ったのはジニスが俺を呼び寄せたからだ。自分が異世界に渡る手段がある可能性の方が高いだろう。.......まぁ、いるという確証はないがな」

 

 

操のその言葉はもはや気休めにもならない。

操自身もそれを理解しているのかそれ以上はなにも言わなかった。

そこから暫くの間、医務室は重い雰囲気に包まれた。

 

コツコツコツ

 

ここで、医務室の外から足音が聞こえて来た。

 

 

「じゃあみっちゃん。束さんはここで帰るね。なにかあったら連絡して」

 

 

「分かりました。今度もし機会があればご飯を作りますよ。お元気で」

 

 

「それは楽しみ!バイビ―!!」

 

 

最後に束は笑顔でそう返すと、一瞬で目の前から消えて行った。

目を離していないのに操にもラウラにも何処へ行ったのかは全く分からなかった。

思わず操とラウラは苦笑いを浮かべた。

その瞬間に

 

コンコンコン

 

「学園長の轡木十蔵です。入ってもよろしいですか?」

 

 

部屋の扉がノックされ、十蔵の声が聞こえて来た。

 

 

「はい、大丈夫ですよ」

 

 

ラウラが返事をすると、扉が開き十蔵が医務室の中に入って来た。

 

 

「おや、門藤君もいたんですか」

 

 

「はい。ラウラが心配だったので」

 

 

「私も心配でしたので、こうやってお見舞いに来ました」

 

 

「ありがとう、ございます」

 

 

十蔵に視線だけ向けながら、ラウラは十蔵にお礼を言う。

 

 

「ボーデヴィッヒさん。先程の職員会議の結果、IS学園からあなたに罰則等はありません。世界各国にも確認をしましたが、ボーデヴィッヒさんに罰則をという声は聞こえませんでした」

 

 

「そう、ですか」

 

 

十蔵にそう言われたラウラは口元を綻ばせる。

やはり、罰則が無いと言われたら安心したんだろう。

 

 

「ですが、ドイツ本国への非難は世界から相次いでいます」

 

 

「それは...まぁそうでしょう。専用機を用意したのは国なんですから」

 

 

「その結果、門藤君の引き抜き交渉が鳴りやまないらしいです」

 

 

十蔵のその言葉を聞いた操とラウラは若干表情を歪ませる。

 

 

「...私自身は、国籍をこれ以上変えるつもりは無いのですが」

 

 

「それでもです。やはり、世界に2人しかいない貴重な男性IS操縦者。それに加え、門藤君の戦闘能力は圧倒的です。何処の国も欲しいんでしょう」

 

 

「仕方が無い。あとでクラリッサを通して国に連絡を入れて声明を出して貰おう。『国籍を変えるつもりはない』って」

 

 

「そうした方が良いでしょう」

 

 

そう言って、3人は同時にため息をつく。

 

 

「それで、レーゲンはどうなるんですか?」

 

 

「今現在は門藤君が撃破し半壊した機体を回収して検査に掛けられています。近日中に検査が終わり次第返却されるかと」

 

 

「なるほど...分かりました」

 

 

レーゲンの今現在の状態を聞いたラウラはそう返答した。

その表情は、やはりというかなんというか、若干曇っていた。

 

 

「それでは門藤君。そろそろ事情聴取の時間です」

 

 

「あ、そうですか。分かりました」

 

 

そう言うと、操と十蔵は立ち上がる。

 

 

「じゃあラウラ。お大事にね」

 

 

操は最後にもう1度ラウラの頭を撫でると、そのまま十蔵と共に医務室を出て行った。

ラウラはそんな操の背中を見続けていた。

そうして扉が閉まったとき、ラウラは視線を天井に戻した。

そして。

 

 

「操、私は決めたよ。私は......もう、織斑千冬を信用しない。私が信用するのは、部下と、友人達だけだ」

 

 

そう、覚悟の決まった表情で呟くのだった。

 

 

 

 




実はオリキャラで唯一2作品に出演しているエミリーさん。
無限の成層圏と煉獄騎士の『こんな時に』以来の出演です。
ただの露骨な宣伝なので興味ある人は是非。

次回も何時になるのか分かりませんが、楽しみにしていてください!

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