さぁ、どうなるかな?
今回もお楽しみください!
三人称side
臨海学校の2日目。
装備試験前に束が乱入し、箒に絶縁を言い渡したり千冬に回し蹴りをした直後。
緊急事態が発生したと教員たちが通告。
一般生徒達は旅館の各々の部屋で待機をし、操、ラウラ、簪、1歩遅れてる春十の専用機持ち達4人は真耶に付いて行き旅館の中の『作戦会議室』という紙が貼られてある部屋に入っていった。
作戦会議室の中にはもう既に一般生徒の誘導を終えた教員たちが揃っており、部屋の中央には2枚のモニターと、それに繋がっている通信機器が置いてあった。
「それでは、みなさんはそこに座って下さい!」
「「「はい!」」」
「は、はい」
真耶の指示に従い、操たちは正座で着席する。
先程束に蹴られた千冬と、その千冬の治療をしている保険医を除いた全ての教員、そして呼ばれた全専用機持ちが揃った。
その事を確認した真耶が話し始める。
「先ずは、今現状起きている事、そして私達がどんな対応をするのかの説明をします。準備は良いですか?」
『はい』
全員がしっかりと頷いたのを確認した真耶は1つ1つ説明を開始する。
「今から十数分前、ハワイ沖で、アメリカとイスラエルが共同開発している軍用IS、
「「「っ…!!」」」
真耶の言葉に、初めて聞く操、ラウラ、簪は表情を驚愕のものにする。
しかし、それぞれ世界の王者、軍人、代表候補生である。
直ぐに切り替えられる。
事実、もう既に表情を真剣なものに切り替えている。
そして教員たちはもう先程聞いているので表情を変える事は無く、春十は転生者故既に臨海学校の事件を知っているので特に表情を変える事は無かった。
「そして、その対処を偶々近くにいた私達IS学園がする事になりました」
「「「はぁ!?」」」
『ええっ!』
だが、流石に操たちも教員たちも今の真耶の言葉にはそう反応せざるを得なかった。
言葉を発した真耶自身も納得がいっていないというか、驚きの表情を浮かべている。
「どういう事ですか!?」
「それに関しては、こちらのお2人から説明が……」
「い、今通信を開始してます。す、少し待って下さい」
操がそう真耶に質問をすると、真耶はモニターを見ながらそう声を発し、まだ驚きから戻り切っていない菜月が通信端末を操作しながらそう反応する。
そうして約1分後。
2枚のモニターにそれぞれ別の人物が映る。
1人は、何時もの柔和そうな表情とは程遠い表情を浮かべている十蔵。
もう1人は、同じく真剣な表情を浮かべる美しい金髪を持つ美人女性。
『織斑君とは初対面なので一応自己紹介をしておきます。IS学園学園長、轡木十蔵です』
画面の中で十蔵は椅子に座ったまま、ぺこりと軽くお辞儀をする。
それと同時にほぼ反射的にこの場にいる全員がお辞儀をし返す。
全員が顔を上げたのを確認してから、金髪の女性が話し始める。
『国際IS委員会、委員総長を勤めていますイグニス・ナーシャと申します』
国際IS委員会の委員総長、つまりはトップ。
そんな人まで出て来た事に操たちに緊張がはしる。
『時間が無いので簡潔に説明します。暴走したISの対処をあなた達に…もっと正直に言うのなら、あなた達だけに対処してもらいたいんです』
「私達だけ、ですか?なんでまた…」
『先ず第一に、直ぐに出れる部隊があなた達以外にいない事が大きいです。他国からの部隊は間に合いませんし、日本の自衛隊部隊は現在演習で沖縄に居ます。その為、現場に1番近く、尚且つISが直ぐに動かせるあなた達に白羽の矢が立ったという訳です』
十蔵のその言葉に、この場にいる春十を除く全員が難しそうな表情を浮かべる。
十蔵の言っている事は理解できる。
だからといって、学生まで戦場に出していいのか。
それに、まるで自分たちを狙い撃ちしたかのような状況とタイミング。
なにか思うところはそれぞれあるだろう。
『……納得出来ない部分や、不安な部分があるかもしれません。ですが、あなた達にしか頼めない事なのです』
『参加したくない、出来ないのならば、今ここで降りて下さって大丈夫です。それを踏まえてお願いします。私達に力を貸してください』
十蔵とイグニスはそう言うと画面の中で頭を下げる。
降りてもいい。
そう言われても、誰もこの作戦会議室から出なかった。
春十を除く全員の表情は、とっくのとうに変わっていた。
その、覚悟の決まった表情に。
それを確認した十蔵とイグニスは、口元に僅かながらの笑みを浮かべる。
『それでは、現場の対応はみなさんにお任せします。全ての責任はIS学園、並びに国際IS委員会が負うのでみなさんは目標ISを止める事だけを考えてください』
『目標のスペックデータを送信します。作戦の参考にしてください。ただ、関係のない第三者に情報が漏れた場合、最低でも2年間の監視はつくので決してそんな事の無いように、お願いします』
ここで、十蔵とイグニスとの通信は終了した。
時間が無いというのは、目標の事もそうだが、2人もまだ仕事があるという事だったのだろう。
「目標のスペックデータ、受信しました。モニターに表示します」
「分かりました。もう1度注意しますが、第三者に情報を漏らさないで下さい」
『はい』
真耶の言葉に全員がしっかりと頷く。
モニターにスペックデータが表示され、全員で作戦会議を始める。
「射撃特化型か…」
「しかも、広域殲滅を目的にしているから相当厄介そう……」
「それに、この多方向推進装置も厄介だな...偵察は出来ないのですか?」
「無理ですね。かなり高速で移動しています。接触のチャンスも1回です」
「ですけど、無人機ならば最悪ISのコアだけ取り出せれば…」
操、ラウラ、簪、教員で作戦会議をする。
そんな様子を何処か遠目で見ながら、春十は1人で考える。
(クソ、なんだよ!なんなんだよぉ!束さんと箒が絶縁!?おかしいだろ!!この福音事件は箒を活躍させたかった束さんが犯人なんじゃないのかよ!?どうなってるんだよ!?)
未だにそんな事を考える春十。
そんな状況では無いのに考え続けるのは、原作知識がある故なのか、ただの馬鹿だからか。
(だが、まだだ!!この福音事件では俺の零落白夜が決定打になるし、何より白式が二次移行する見せ場!!そうだ、そうなんだぁ!!)
春十が1人妄想の世界に浸っているのを放っておいて操たちは作戦の話し合いを進める。
「偵察は出来なくても、暴走してからの飛行中の映像は無いんですか?」
「それなら、ハワイの基地から飛び立った直後の映像が…」
ラウラのその言葉に、菜月が通信端末を操作する。
そして、モニターにはまさに基地から飛び出す瞬間の目標IS…銀の福音が映っていた。
「これは…かなりのスピード…」
「かなり厄介だな…」
全員がそのスピードに驚いている中、操だけは違和感を感じていた。
(あれ?今何か違和感が…)
「すみません。巻き戻して貰って良いですか?」
「あ、はい。分かりました」
操に言われ、菜月は映像を巻き戻す。
そして、その映像をもう1度見た操はその表情を驚愕のものに変える。
「っ!無人機じゃない!人がいる!!」
『なっ!?』
操の言葉に、未だ妄想に浸っている春十以外の全員が驚いた表情を浮かべる。
送られてきた情報では銀の福音は無人機。
なのに有人機だと言われたのなら驚くに決まっている。
「今のところ静止してフェイス部分アップしてください!金髪が少し見えてます!」
「わ、分かりました!」
操に言われ、菜月は慌てて映像を操作する。
そして、モニターには銀の福音のアップされたフェイス部分が映る。
すると静止してもなお分かりづらいが、確かし少量の金髪が見えていた。
狼男のジューマンパワーを得ている操だからこそ分かったのだ。
「っ!た、確かに金髪が…」
「も、門藤君良く分かりましたね…」
「それは今は後です!暴走したISに人が入ってるって事は、その人が危険です!」
操のその言葉で、全員が必死に思考を働かせる。
「銀の福音の移動速度的にも、接触チャンスは1回」
「そのたった1回のチャンスで、銀の福音を機能停止させる…つまりは、一撃必殺に近いような攻撃をする必要がある…」
「そんな攻撃、どうやって……」
「それなら!!」
真耶の言葉のすぐ後に、今の今まで妄想に浸っていた春十が急に声を発したことで全員の視線が春十に集まる。
「俺の零落白夜ならいける!!」
春十がそう言った瞬間に、春十以外の全員が納得すると同時に、とある事を考えた。
(…大丈夫なのかな?)
春十は4月の最初の方にあったクラス代表決定戦ではセシリアに勝利しているものの、その後の対ジュウオウザワールド戦では一撃も攻撃を当てることなく敗退したのだ。
少しばかり不安を覚えるのは当然である。
しかし、それくらいしか案が出ないのも事実。
取り敢えず春十を主軸にしようと真耶が言おうとした直前
「え~~?でもそいつIS乗るの下手くそじゃん」
といった声が、作戦会議室に響いた。
その声は、数十分前に嵐のようにやって来て去って行った兎と同じ声。
「束さん?」
「やぁ!さっきぶりだね!!」
操が確認するようにそう呟くと、天井から束が落ちて来た。
また急な登場に操以外の全員が驚いた表情を浮かべるが、起こっている事態が起こっている事態。
全員が直ぐに表情を切り替える。
「一撃必殺ってだけなら絶対みっちゃんが良いと思うけどなぁ~~」
「門藤君が…ですか?」
「そうだよぉ~?みっちゃんから話を聞いた限りだとみんな見てるんだよね?ジュウオウザワールドの単一能力、野性大解放を」
野生大解放。
それを聞いた教員たちは思い出した。
シングルトーナメントでのラウラの暴走事件。
白い化け物に変化してしまったISを倒したのは野性大解放状態のジュウオウザワールドだ。
ワールドザクラッシュの威力ならば、銀の福音を止める事は出来るだろう。
「だが待って下さい!コイツのIS飛べないじゃないですか!!」
それに待ったを掛けたのは春十。
その表情はいたって真剣で、傍から見るとこの作戦を絶対に成功させようという覚悟を持っているように見える。
だが、その実は
(ふざけんな!また俺の活躍の機会が取られちまうじゃないか!!)
自分が活躍したいだけである。
「それは…」
束が自信満々でまた何か言おうとしたが、その言葉は発せられることは無かった。
操が鋭い眼光で束を止めたからだ。
「……確かにジュウオウザワールドには飛行能力がない。他のISに運送してもらっても労力が大きすぎる。この作戦、俺は待機だ」
そして、束が固まっている間に操がそう言葉を零す。
その瞬間に春十が勝ち誇ったような笑みを浮かべ、ラウラ達は仕方が無いといった表情を浮かべる。
そうして、春十を主軸とした作戦が立てられていく。
しかし、作戦の要である春十本人が妄想に入り浸っていて碌に話を聞いていない。
自ら待機になった操は少し外れたところで会話を聞いていた。
そんな操に束が小声で声を掛ける。
「…みっちゃん、良かったの?」
「ああ。俺の言った事は事実だ。俺の出る幕は無い」
「でもみっちゃん、
「
「……分かった。そのもしもの時の為に、みっちゃんが出れるようにしておくね」
「出来るんですか?」
「勿論。束さんだよ?」
「分かりました。お願いします」
「うん。バイビー」
束は操との会話が終わった瞬間に音もなく消えていった。
操は驚きながらも意識をラウラ達の会話の方に向ける。
「良し、では早速行動しましょう!」
『はい!』
その瞬間に、真耶の声が聞こえたかと思うと全員が元気よく返事をする。
そうして全員が立ち上がり行動を開始する。
「あれ?篠ノ之博士は……?」
「帰りました」
操は真耶とそう会話すると、最低限自分に出来る事をし始めるのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大体10分後。
旅館前の砂浜には既に各々の専用機を身に纏ったラウラ、簪、春十がスタンバイしており、その周囲を教員たちがせわしなく動いていた。
今回の作戦はいたってシンプル。
春十が零落白夜で銀の福音に攻撃し、機能を停止させる。
これだけである。
そして、そんな春十をサポート…いや、掩護するためにラウラ達が出撃する。
ラウラはレールカノンやAICで銀の福音の動きを制限させる。
簪は専用機が完全したばかりなので前線に長い時間いられない。
その為春十がエネルギーを全て零落白夜に割けるように春十の運搬をする事になった。
教員たちは生徒の訓練用に持ってきた訓練機を全て使用し作戦海域の封鎖、並びにラウラと共に銀の福音の動きの制限させることになった。
もう既に海上封鎖部隊は出動しており、もうすぐで完了するとの事。
そして今は交戦部隊が使用する訓練機の最終チェックをしている段階だ。
(ハハハハハ!!来た、来た!!遂に俺の活躍の機会が!!門藤操に取られていた、俺の活躍が!!)
そんな緊張感あふれるこの場に置いて、1人緊張感が欠片もない春十は心の中で爆笑していた。
表情に出ないようにしているが、なんとなくニヤニヤしている雰囲気はラウラも簪も、そして少し離れた位置でISのチェックを手伝っている操も感じ取っていた。
(((なんだアイツ?)))
操達3人は春十の事を見ながらそんな事を同時に考えるも、今はそんな場合では無い為直ぐに意識を切り替えた。
そして周囲から気味悪がられているとは思いもしない春十は再び妄想を加速させていく。
(俺がここで活躍して、俺が主人公だと証明するんだ!!)
そもそも、原作の状況と今回の状況は異なる。
原作では一夏と箒だけが…白式と紅椿だけが出撃している。
その後一夏が密漁船をかばい撃墜されたり白式が二次移行したり紅椿の単一能力が覚醒したりと
しかし、今この状況は如何だろうか。
箒も紅椿もない。
それにラウラ、簪といった2人も最初っから出撃している。
いや、原作ではそもそも簪は臨海学校時点では登場していない。
作戦の成功確率は原作のフワフワ作戦に比べて多少は上がっている。
だが、原作知識を過信するあまり妄想に入り浸って碌に聞いていなかった春十が、原作とは違う展開の中上手く活躍できる訳が無い。
(それに、白式もここで二次移行するんだ!俺がもっと主人公に相応しくなるんだ!!)
春十はこの臨海学校で白式が二次移行すると思っている。
だが待って欲しい。
春十は原作一夏とほぼ同じ行動をとっているから、二次移行は間違いないと思っている。
しかし、クラス対抗戦での無人機戦をしていないし、トーナメントでの偽暮桜との戦闘もしていない。
つまり今の春十と今この段階での原作一夏でさえ、積んできた経験量が段違いなのだ。
そんな経験不足な春十で、果たして白式は二次移行してくれるのだろうか?
「ISチェック終わりました!出撃準備完了です!!」
未だ春十が妄想に浸っている中、真耶のそんな声があたりに響く。
そうして、旅館に残って情報確認をする真耶を始めとした数人を除いた出動部隊が乗り込んでいく。
それを傍目で見ながら、操はラウラと簪の近くに駆け寄る。
「ラウラ!簪!」
「操、どうかしたか?」
操の声掛けにラウラがそう反応する。
近くまで来た操は軽く息を整えてから声を発する。
「いや、俺は待機だからさ。少し伝えたい事があるから」
「伝えたい事…ですか?」
「ああ……なんか、嫌な予感がするんだ。想定外の事が起こる気がさ」
操の言葉に、ラウラと簪が難しい表情を浮かべる。
この言葉が他の人から言われたら、想定外の事が起こる可能性くらい分かっている、と反論していただろう。
しかし、わざわざ操が言いに来たのだ。
2人の心にはその言葉が引っ掛かっていた。
特に、ラウラは
「だから、気を付けてくれ」
「ああ。警戒は怠らないようにしよう」
「分かりました。気を付けます」
操の言葉にラウラと簪が頷く。
「それでは、出撃します!!」
「それじゃあ、頑張って」
出撃部隊の教員の言葉を聞いた操は旅館の中に戻っていく。
それと同時に、春十が簪に近付く。
「さ、更識さん、よろし」
「早く乗って」
「あ、うん…」
簪に急かされ、春十は慌てて打鉄弐式の背中に乗る。
「更識さん、ボーデヴィッヒさんから順番に出撃してください!!」
「「了解!!」」
そうして、銀の福音鎮圧作戦の幕が上がる…!!
操「大和、今度の映画(Vシネ)に出てる聞いたんだけど、本当?」
大和「ああ。機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャーには、俺、ジュウオウイーグルもセンパイジャーとして出演してるんだ!まぁ、変身後だけだけど」
操「なるほど。俺も1回キュウレンジャーとルパンレンジャーとパトレンジャーの映画に乱入したけど、やっぱスーパー戦隊はみんないい人達だからなぁ」
大和「みっちゃん、アレ何で行ったの?」
操「さぁ…?俺にも分からない」
機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー
期間限定上映中!
近所の映画館で上映してるかチェック!
9月28日、Blu-ray&DVDリリース!
(作者はDVDで見る予定です)