INFINITE・THE WORLD   作:ZZZ777

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そこそこ前の話なのですが、家から自転車で20分ぐらいのところの中古リサイクルショップにジュウオウキングが1000円で投げ売りされてて悲しくなりました。
いや、まぁ、ジュウオウジャーのロボのおもちゃは変形合体プロセスの関係上プロポーションが悪いですし可動部分なんてほぼ無いに等しいのですが、それでもジュウオウジャーのロボは好きなので悲しいです。

因みに私がその中古屋に行った理由は、仮面ライダーザイアゼツメライズキーセット用のサウザンドライバーです。2500円でした。ありがとうございました。
「Presented by ZAIA……」

今回もお楽しみください!


世界の王者と天災兎

三人称side

 

 

「ふぅ…さて、これからどうするか……」

 

 

臨海学校2日目。

1度撃破した筈なのに謎のISによって巨大化させられ復活した銀の福音を、トウサイジュウオーを使用し撃破した後。

浜辺には変身を解除した操が銀の福音のパイロットであるナターシャ・ファイルスを抱えながらそう呟いていた。

操の足元には、巨大なサイズから何時ものサイズに戻り、キューブクロコダイルとキューブウルフを荷台に乗せたキューブライノスがいる。

 

 

「ライノスは…取り敢えず仕舞うか…」

 

 

操はそう呟くと、ナターシャの事を抱えたまま器用にキューブライノスを手に取り、そのままポケットに仕舞う(特撮特有の何処にそれが入るんだよ現象)

そうして、ナターシャの検査をしないといけないと思い旅館に向けて歩き出す。

すると、

 

 

「みっちゃぁ~~~ん!!」

 

 

「操!!」

 

 

と、旅館から束とラウラが飛び出て操に駆け寄っていく。

 

 

「みっちゃん!凄かったよぉ!!」

 

 

束は興奮状態でそう操に話し掛ける。

ISを開発した束は1人の科学者として未知なるテクノロジーであるキューブアニマル達の本領を見て血が騒いだのだろう。

そんな束を見て操はついつい苦笑いを浮かべるも

 

 

「そう言ってくれるのは嬉しいですけど、取り敢えずこの人を安静なところに寝かせないと」

 

 

という。

その言葉を聞いた束は

 

 

「そうだね」

 

 

と頷く。

そして、操と束はラウラの案内で旅館の空き部屋に移動する。

そこに置いてある布団一式を拝借してナターシャをその上に寝かせる。

 

 

「ふぅ…疲れたぁ…」

 

 

ナターシャを寝かせた操は軽く伸びをしながらそう呟く。

 

 

「お疲れ様、操。ほら」

 

 

「ん?おお、ありがとう」

 

 

そんな操にラウラが準備していたスポーツドリンクを手渡す。

そのまま半分まで一気に飲み干した操はペットボトルから口を離し言葉を発する。

 

 

「束さん、その人の検査お願いできますか?」

 

 

「勿論!束さんに任せんしゃい!!」

 

 

「じゃあお願いします。俺は部屋から出ますね」

 

 

「分かった!あ、ラウちゃんは手伝って!!」

 

 

「……あ、ああ!はい!」

 

 

急にニックネームで呼ばれたのでラウラは一瞬反応出来なかったが、すぐさま立ち上がり検査の準備の手伝いをする。

そんな2人を見て、操は束がラウラの事を気に入ったんだなと思うと部屋から出て廊下に立つ。

 

 

「そうだ、今のうちにライノス達をリュックに仕舞っておこう」

 

 

そう呟いた操は自身の部屋に向かい、キューブアニマル達をリュックに仕舞う。

 

 

「お、おい!狭いのは分かるけど我慢してくれって!!」

 

バン!バン!

 

ドン!ドン!

 

リュックに仕舞う際にそんなやり取りがあったのはご愛敬である。

ポケット(特撮特有の異次元空間)は大丈夫なのにリュックは駄目らしい。

なんとも不思議である。

 

 

そうしてコミカルな格闘の末なんとかキューブアニマル達をリュックに押し込んだ操は残りのスポーツドリンクを飲み干すと束達のいる部屋へと戻っていく。

 

 

「あ、みっちゃん!」

 

 

「束さん!」

 

 

部屋の前で操を待っていた束とラウラと合流する。

 

 

「どうでした?」

 

 

「問題ナッシング!今はまだ気絶してるけど、もうじき目を覚ますと思うよ」

 

 

「それは良かった」

 

 

安心したように息を漏らす操。

しかし、次の瞬間には穏やかだった表情から一変し、真面目な表情と雰囲気になる。

 

 

「じゃあ、次に何をするのか決めないとですね…」

 

 

「そうだな。それに現状確認もしておきたい」

 

 

「それじゃあさ、どっかで話し合おうよ。ここじゃあ万が一目を覚ました誰かに聞かれちゃうかも」

 

 

「じゃあ俺の部屋に行きましょう」

 

 

操の言葉に2人は頷く。

そうして操の部屋に移動した3人は座り、話し合いを始める。

 

 

「取り敢えず、みんなへの対応からかな…巨大化した銀の福音をバッチリ見てる訳だし……」

 

 

「…夢オチで誤魔化せないか?」

 

 

「夢オチって何処でその言葉を…?」

 

 

「クラリッサだが?」

 

 

「なるほど」

 

 

操はそう言うと、若干呆れた表情でドイツの方角を見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「くしゅん!」

 

 

「お姉様?風邪でも引かれましたか?」

 

 

「い、いや、誰かが私の事を噂しているのかもしれん」

 

 

「あはは、隊長と操だったりしますかね?」

 

 

「…いや、それは無いだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、そんな事をしている場合では無いので操は直ぐに視線を元に戻す。

 

 

「でもでも、ラウちゃんの言う通り勘違いで通すのが良い気がするな」

 

 

「まぁ、確かにそれはそうですね。じゃあ、俺とラウラでそんな感じで誤魔化します」

 

 

「ああ。なるべく違和感が無いように演技をしないとな」

 

 

正直言うとそこそこな人数をこれで誤魔化すのはかなり無理があるが、記憶操作など簡単に出来ない…というより、出来たとしてもあまりいい気分にならないのでしないのでこうするしかないだろう。

そうして次の話題に行こうとした時、ラウラが何かに気が付いた。

 

 

「ISの戦闘ログには映像残ってしまっているぞ」

 

 

そんなラウラの言葉を聞いて、束はガバッと立ち上がる。

 

 

「そこは束さんに任せんしゃい!!開発者である束さんの手に掛かれば修復が不可能な程完璧にログから映像と記録を消し去ってあげよう!!」

 

 

「おお、流石束さん。頼もしい」

 

 

「みっちゃん!もっと褒めて褒めて!!」

 

 

「あはは…よしよし」

 

 

束がハイテンションになったので、操は苦笑いを浮かべながら束の頭を撫でる。

頭を撫でられた束は更にテンションを高くする。

 

 

「よっし!じゃあ眠らせた奴らが起きる前にチャチャッとやっちゃおう!あ、そうだ。ラウちゃんのISからも消去して良い?他の奴らに見られたら面倒だし」

 

 

「はい、問題ないです。よろしくお願いします」

 

 

ラウラは束に待機形態であるレッグバンドを手渡す。

 

 

「じゃあ、2人ともついて来て」

 

 

「「分かりました」」

 

 

そうして、3人は未だに全員が眠っている作戦会議室に移動する。

 

 

「えっと、ISは~~……これか」

 

 

簪から打鉄弐式の待機形態を丁寧にとり、春十から白式の待機形態を乱暴にぶんどった束は何処からともなく取り出したノートPCに有線でシュヴァルツェア・レーゲン、そしてカメラ映像記録と共に接続する。

 

 

「う~んと……終わったよぉ!」

 

 

「「早っ!?」」

 

 

PCを操作する事約5分で作業を終わらせた束に、操とラウラが驚きの声を発する。

 

 

「ふっふ~ん、束さんに掛かればこんなものちょちょいのちょいなのさ!!」

 

 

2人の反応に気分を良くしたのか束はドヤ顔を浮かべる。

そうしてISからケーブルを抜き、打鉄弐式を簪に、シュヴァルツェア・レーゲンをラウラにそれぞれ返し、白式を春十にこれまた乱暴につける。

 

 

「それじゃあ2人とも、そろそろ起きちゃうかもしれないから束さんは外の訓練機から消したら帰るね……あの変なISについての話し合いは、また今度しよう」

 

 

「…はい、分かりました。束さん、お元気で」

 

 

「うん!バイビー!!」

 

 

束はそう言ったと思ったら次の瞬間には作戦会議室からいなくなっていた。

 

 

(ナリアみたいに直ぐに消えるんだよなぁ…まぁ、ナリアよりも分かりにくい…っていうか、どうやってるのか分からないけど)

 

 

「そうだ。ラウラ、悪いけどそろそろもう1回パイロットの人を……」

 

 

「んん、んぅ…?」

 

 

束のすぐ消える様にかつての敵を思い出しながら操がラウラにナターシャの様子の確認をお願いしようとした時、そんな第三者の声が作戦会議室に響く。

ガバッと2人が同時に視線をそっちの方向に向けると、頭を押さえながら簪が目を覚ましていた。

 

 

「簪!起きたか!!」

 

 

「ん、んん…み、操さん……?ラウラ……?」

 

 

簪は目を擦りながらそう言葉を発する。

 

 

「ん、ぁあ…?」

 

 

「あ、れぇ…?」

 

 

その瞬間に、今まで寝ていた教員達や春十も目を覚ましていく。

全員が目をシパシパさせたり、目を擦ったりしている。

まだ寝ぼけているようだ。

その隙に操とラウラは視線を合わせ頷き合う。

 

 

「みなさん、起きましたか?」

 

 

「え、あ…もしかして、寝ちゃってました?」

 

 

「はい、それはもうぐっすりと。びっくりしたし心配したんですよ?簪達は帰ってきた瞬間に寝ちゃうし、山田先生たちもそれにつられて寝ちゃうし……」

 

 

操の言葉を聞いた簪や真耶達は顔を赤くする。

素直に操の前で寝顔を晒したのが恥ずかしいんだろう。

しかし、直ぐにその表情は疑問のものに変わっていく。

まさか、これだけの人数が同時に寝る事があるのだろうか?

そう考えた簪達はその寝た時の記憶を思い出そうとする(そんなものは無い)。

そうして、簪達は思い出した。

巨大化した銀の福音の事を。

 

 

「っ!!そ、そうだ!!巨大化した銀の福音は!?どうなったんですか!?」

 

 

簪は焦ったような表情を浮かべ操とラウラにそう聞く。

声には出していないものの、真耶達も同じ様な表情を浮かべている。

しかし、操とラウラは…

 

 

「巨大化?何を言ってるんだ簪?」

 

 

「寝ぼけているのか?」

 

 

事前の打ち合わせ通り誤魔化し始める。

2人の言葉を聞いた簪は呆気に取られたような表情を浮かべる。

 

 

「え、い、いや、え…?」

 

 

「も、門藤君?ボーデヴィッヒさん?な、何を言ってるんですか?実際にみ、見ましたよね?」

 

 

簪は困惑したように言葉を零し、真耶も同じく困惑しながらも2人にそう質問する。

しかし、操とラウラはトウサイジュウオーの事を隠さないといけないのでしらを切り続ける。

 

 

「山田先生もですか?同じような夢見るだなんて、よっぽど銀の福音が印象に強かったのかなぁ…?」

 

 

「そこまで言うなら、ISの戦闘ログやカメラの録画映像を見ればいい。銀の福音は普通に撃破したぞ」

 

 

そう言われ簪と春十は自身の専用機を、真耶達はカメラのログを確認する。

すると確かに、銀の福音を撃破した後特に何事もなく旅館に戻っていた。

 

 

「あ、アレ?本当だ?じゃ、じゃああの記憶は…?」

 

 

「う~ん…1回検査してもらったら?銀の福音がトラウマになってるかもしれないし……」

 

 

(う……騙しているという罪悪感がグサグサと……)

 

 

心の中で罪悪感という刃でぐっさぐっさと刺されている操。

しかし、ボロを出すわけには行かない。

 

 

「…そうですね。更識さん達は戦闘が終わった後バイタルチェックもしていませんし、1回全員バイタルチェックをしましょうか」

 

 

半分苦し紛れだった操の言葉に、真耶が肯定しそう全員に指示を出す。

操とラウラは視線を合わせ安心したような息を吐いてから、ラウラはバイタルチェックを受けに、操は出来るだけの手伝いをし始めるのだった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「♪~♪~~~」

 

 

夜の海の崖。

そこで足をプラプラさせながら束が鼻歌を歌っていた。

操とラウラには帰ると説明していた束。

実際に帰るつもりでいたのだが、1つやり残したことがあった。

だから、今こうやって待機しているのだ。

 

 

「いやぁ~、みっちゃんは格好いなぁ~~」

 

 

束は空中ディスプレイで操の…ジュウオウザワールドの戦闘シーンを見返していた。

そう、実は束はひっそりと今までのジュウオウザワールドの戦闘全てを録画していたのだ。

この世界で初めての戦闘であるシュヴァルツェ・ハーゼが追っていた女との戦闘、クラス代表決定戦やクラス対抗戦での無双、学年別トーナメントでの暴走ISとの戦闘、そして今回のトウサイジュウオーの戦闘。

その全てを。

 

 

「良いなぁ~解析させてくれないかなぁ~~いつか束さんも変身したい!!」

 

 

あくまで純粋な研究者としての言葉なのだが、変身したい(そのフレーズ)は完全に幼い男児である。

仮に解析できたとしても、ジュウオウザライトは嘗て古代の時代を生きたジューマン、ケタスがアザルドという名のプレイヤーの封印に使った地球の結晶に由来されるキューブをジニスが解析・使用した事で生み出されたものなので、いくら束でも再現は不可能なのだが。

 

 

そうしてそのまま楽し気にジュウオウザワールドの戦闘を見返していた束。

 

 

「……来た」

 

 

すると、急に真面目な表情と声色になりディスプレイを消す。

そうしてザ、ザ、ザと足音が聞こえてくる。

束はプラプラさせていた足を上げ、振り返る。

ニヤリと口元を歪め、この場に歩いてくる人物に声を掛ける。

 

 

「教員が抜けだしたらマズいんじゃないの?織斑千冬」

 

 

「……束ぇ!!」

 

 

その人物…鼻に包帯を巻いた千冬が束の事を睨みながらそう声を発する。

そんな様子に束は笑みを濃くする。

 

 

「それにしてもさぁ、有事の時にいないだなんて教員としても世界最強としても失格だよねぇ?何処にいたのぉ?」

 

 

「黙れ!お前が私の事を蹴飛ばしたからだろう!!」

 

 

「アッハハハ!!あの程度でくたばるお前が悪いんじゃ~ん!!」

 

 

煽るような言葉に千冬の表情は怒りに染まっていく。

 

 

「それで?わざわざここに来たんだからなんか用あるんでしょ?さっさとしてくれない?束さん帰りたいんだけど。それに、もう2度と見たくなかった面見てあげてるんだから」

 

 

束の面倒くさそうな声色を聞いて更に怒りを貯める千冬だが、それを振り切って言葉を発する。

 

 

「束ぇ!一夏について知ってることを全て言え!!」

 

 

千冬は束に詰め寄りながらそう言葉を発する。

 

 

「何だ、結局それかよ。なら面見ずに帰ればよかった」

 

 

「なんだと!?貴様ぁ!!」

 

 

千冬に背を向けながらそういう束に、激昂しながら殴り掛かる千冬。

 

 

「学習しないなぁ。おら!!」

 

 

「ガハッ!?」

 

 

しかし、束はそれを簡単にいなすとそのまま千冬の腹に蹴りを入れる。

予想外の衝撃に苦悶の声を漏らしながら千冬は地面に転がる。

 

 

「弱いなぁ。事件前にも言った気がするけど、もうそっちから顔見せるなよ。今回が特別だからな」

 

 

「ぐ、ぐぅ…!!まだ、質問に答えてないぞ……!!」

 

 

冷たい瞳で言葉を発する束に対し、千冬は腹部を押さえ苦しそうな表情を声色でそういう。

 

 

「へぇ……まだそんな事言うんだ。しつこいなぁ。もう言っちゃった方が良いかぁ……」

 

 

何時までも同じ事を言う千冬に、とうとう束が折れた。

 

 

「いっくんは…織斑一夏は死んだ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

 

「ふざけるな!一夏は死んでない!!まだ死体だって見つかって無いんだぞ!!」

 

 

「そりゃそうでしょ。だって死体処理したの束さんだし」

 

 

「なっ…!?」

 

 

束の言葉を聞いた千冬は驚きで目を見開きそのまま固まる。

そんな千冬を見て再び束は笑みを浮かべる。

実際には織斑一夏は名前を変え、かつての自分を捨てただけなので死体など無いのだがそういう事にしておいた方が何かと都合がいいのだ。

 

 

「いっくんはかわいそうだったよ。姉に助けてもらえず、誘拐犯に殺されて、死体はそのまま放置されて…だから、束さんはいっくんの死体を回収して、しっかり埋葬してあげたよ。あの世では、今までの苦しみとは無縁になれるようにさ」

 

 

「っ…!!違う、違う!!私は一夏を助けようとした!!」

 

 

「はぁ?助けられなかったのは事実。そして、助けようとしたのは嘘」

 

 

「なっ…!?私はあの日、一直線に現場に…「違ぇんだよ!!」っ!?」

 

 

このままじゃ伝えたい事が伝わらない。

そう判断した束は声を荒げる。

その表情は、怒りに燃えていた。

 

 

「いっくんは、いっくんは!!お前に何度も助けを求めてた!!織斑春十を始めとしたゴミクズ共に虐められてたから!!」

 

 

「なぁっ!?」

 

 

千冬は驚きの声を発し、呆然とした表情を浮かべる。

一夏が虐められていた。

それも、春十に。

その事実が衝撃的で、受け入れられなかった。

 

 

「う、嘘だ!!そんな事ある訳無い!!は、春十が虐めをするなんて!!」

 

 

「あるから言ってるんだよ!!お前は、忙しいのを理由にいっくんの話を聞かなかった!!SOSを受け取らなかった!!いっくんを追い詰めていたのはお前たち織斑家だ!!」

 

 

「あ、あ、あ…」

 

 

束の言葉を聞いていくにつれて、ドンドン千冬の表情は青ざめていく。

 

 

「いっくんを追い詰めていたから!誘拐に気付けなかった!いっくんを殺したのは、織斑千冬!!お前なんだよぉ!!」

 

 

言い切った束は、はぁはぁと肩で息をする。

 

 

「違う、違う、私は、私はぁ…」

 

 

千冬は茫然自失といった雰囲気を醸し出し、虚ろな目をしながらそう呟いている。

 

 

「壊れたか…いい気味。それじゃあ、束さんは今度こそ帰るね。一生そうしていろ」

 

 

束は最後にそう言い捨てるとその場から消えるようにいなくなった。

そうしてこの場には座り込みうわ言を呟く千冬が1人。

 

 

「違う。私は、私は家族を守っていたんだ。そうだ、そうなんだ……」

 

 

千冬は絶望の表情を浮かべ、涙が滲んでいる虚ろな目を空に向けながら、ずっと、ずっと同じ事を繰り返すのだった。

 

 

 




次回で漸く臨海学校編が終了です。

次回も何時になるか分かりませんが、楽しみにしていてください!

評価や感想、是非よろしくお願いします!!
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