すると、ジュウオウキングは5体に増えていて箱無しのやつが500円でした。
悲しい。
ワイルドキングは1500円でした。
つまり、ワイルドジュウオウキングが2500円です。
トウサイジュウオーは無かったですが、キューブライノスはありました。3000円でした。
今回もお楽しみください!
三人称side
「クソッ!クソッ!どうなってんだよ!!」
臨海学校2日目の夜、千冬と束が会話しているのと同時刻。
旅館の春十の部屋で、春十は枕を殴りながらそんな事を叫んでいた。
春十が荒れている理由は単純明快。
今日の銀の福音鎮圧作戦である。
「なんで、白式が二次移行しなかったんだよ!」
そう、この銀の福音鎮圧作戦では原作にあった白式の二次移行が起きなかった。
それに、1回の出撃で銀の福音を倒すことが出来た。
原作とは全く違う出来事に、春十は苛立っているのだ。
「クソッ!クソッ!」
春十はまた暫くの間枕を殴り続ける。
操がクラスにいるところから既に分かっている筈の原作とのズレ。
いや、そもそも自分という存在がいる時点でこの世界は原作の世界とは全く違ってくるというのに、春十はそれを理解していない。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
喚き続けた春十は肩で息をしながら布団の上に寝っ転がる。
「そもそも何でラウラ達が最初から出てるんだよ!何で簪がもういるんだよ!」
しかし、まだ文句は止まらない。
文句を言ったってなにも変わらない。
流石の春十でもそれは理解しているのだが、それでも文句を言わずにはいられなかった。
「しかも、俺の活躍殆ど無かったじゃねぇか!どうなってんだよ!俺は主人公だろ!!」
春十がした事といえば、最後に1回零落白夜で攻撃を当てただけ。
主人公の活躍とは言えない。
しかし、これが妥当だ。
だって、春十は主人公では無いのだから。
だけれどもその事を知らない春十は文句を垂れ流しているのである。
「はぁ……ん?そう言えば千冬姉帰って来ねぇな…」
喚き続けた春十は漸く千冬が帰ってきていない事に気が付いた。
「……まぁ、良いか。取り敢えず俺の声は聞こえて無いだろうし…寝るか」
まだ消灯時間では無いが、もう疲れたのだろう。
春十は部屋の電気を消して布団に入る。
そして天井を見上げながら春十は考える。
自分の今後の事を。
「俺は、まさかこのまま何も出来ないのか…?俺が、主人公が何も活躍出来ずに、終わるのか……?」
そう呟く春十の表情は、絶望に染まっていた。
そのまま暫くの間同じ様な表情を浮かべていたが、やがて狂気的な笑みを浮かべ始める。
「まだだ、まだだ!これから夏休み、そして学園祭がある!」
未だにハーレムを、自身の活躍を諦めていない春十。
そんな事起こりえ無いというのを理解できるようになるのは、いったい何時になるのだろうか。
「ははははは、アッハハハハハ!!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
時刻は少し遡り、現在時刻16:45。
ナターシャが横になっている部屋。
「ん、んぅう……?」
部屋の中央の布団で寝ていたナターシャが目を覚ました。
ナターシャは暫く天井をボーッと見上げていたがやがて頭を押さえながら上体を起こす。
そして、辺りを見回すようにキョロキョロと視線を泳がせる。
「此処、何処…?私、なんでこんな場所で寝て…」
困惑したような言葉を発しながら、ナターシャは今日の自分の行動を振り返る。
「えっと、今日は福音のテストがあって、乗り込んで、そこから……駄目、思い出せない……」
そこから暫くの間1人で悶々と考えていたが、やがて自分だけでは思い出せないと察したナターシャは息を吐くと再び辺りを…この部屋の事を見回す。
「日本の旅館っぽい感じだけど…本当に日本?そもそもハワイで実験してたのに日本に来れる訳…」
ナターシャはそう呟くと、視線を襖に向ける。
しっかりと掃除が行き届いている部屋に、布団。
管理がされていて、誰かが自分にちゃんと布団を掛けてくれたのは明らかだ。
部屋の外に出ようか、それともその誰かを待つか。
「……どうしようかしら?」
思案するようにナターシャはそう呟く。
しかし、その試案は直ぐに中断される事になる。
コンコンコンコン
と、少し遠慮しているようなノック音があたりに響く。
『起きていますか?』
そして、襖の向こうからそんな声が聞こえてくる。
「はい、起きてます」
『あ、目が覚めたんですね。良かったです。入っても大丈夫ですか?』
「大丈夫です」
ナターシャの返答を聞き、襖が開く。
そうして、部屋の中に操、ラウラ、真耶が入って来る。
「無事そうで何よりです」
「あ、あの、えっと、貴方たちは…?」
「IS学園1年1組、門藤操です」
「同じく、ラウラ・ボーデヴィッヒです」
「IS学園教員の山田真耶です」
ナターシャに言われ、操たちは自己紹介を行う。
それを聞いて、ナターシャも自己紹介をする。
「アメリカ軍所属、ナターシャ・ファイルスです」
「ファイルスさん、何かお身体に違和感はありませんか?」
「と、特には…」
操の質問にナターシャはそう返す。
その返答を聞いた操達は安心したような息を吐くも、ナターシャは困惑したような表情を浮かべる。
「えっと、どういう事ですか?そもそも、此処はいったい…?」
その言葉を聞いた操達は一瞬視線を合わせ、頷き合う。
ナターシャが何も覚えていない事を察したのだろう。
「それでは、何があったのかの説明をしますね」
「なら俺はお粥とか胃に優しいもの作ってきます」
真耶と操はそう言い、操は旅館の食堂に向かって行く。
そうして残った真耶とラウラが説明をし始める。
ハワイ沖で実験をしていた銀の福音が暴走した事。
偶々近くにいたIS学園がそれの対処に当たり、無事に撃破出来た事。
気絶していた為、此処に寝かせた事を。
「そ、そんな事が……」
その全部を聞いたナターシャはそう呆然と呟いた。
まさかそんな事になっているとは思いもしなかったのだろう。
だが、それと同時に疑問も抱いていた。
微かに残っている記憶にある、トウサイジュウオーのコックピットとジュウオウザワールドの顔。
それについての説明が無かったからだ。
だが、かなりぼんやりとした記憶の為見間違いや夢だったのかもと次第に思い始めた。
「……」
そんなナターシャの様子を見て、ラウラはその感じている疑問を察した。
しかし、操の許可を貰っていないしそもそも真耶がいるので説明が出来ない為スルーした。
「えっと…それで、私はこれからどうなるんですか…?」
「すみません、それは分かりません。あとでIS学園の学園長や国際IS委員会の委員総長と協議の後決定します」
「そう、ですか。分かりました」
少し不安そうにナターシャが返事する。
やはり自分のこの先が未確定だと誰だって不安になるだろう。
そうして、少し部屋の空気が重たくなったところで襖が開く。
「お粥出来ました~~」
そうして、その手に湯気が立っている茶碗と木製のスプーンが乗っているお盆を持った操が部屋に入って来た。
その瞬間に部屋に美味しそうな匂いが充満する。
「では、私は学園長達と相談をしてきます。ボーデヴィッヒさん、門藤君、後は任せました」
「「はい」」
そうして、真耶は少し駆け足で部屋から出て行く。
それをなんとなく見届けながら操はナターシャに近付く。
「どうぞ。余ってた卵で作った卵がゆです。お口に合えばいいんですが…」
「ありがとうございます。いただきます」
お腹が空いていたナターシャは操から卵がゆを受け取ると、そのままスプーンで掬い息を吹きかけてから口にする。
一口食べたその瞬間、ナターシャは両目を見開く。
そして口元を震わせながら言葉を発する。
「負けた……」
「何にですか?」
「お前にに決まってるだろう」
ナターシャの呟いた事に操が首を捻り、そんな操にラウラがジト目を向けながら声を発する。
「俺は別に他人を負かそうと思って料理して無いんだけど」
「お前にその意図が無くても、受け取った人間が敗北を感じるんだ」
「料理で敗北ってどういう事だ?料理バトル漫画じゃないんだから…」
操とラウラがそんな会話をしている側で、ナターシャは黙々と食べ進める。
それだけ美味しいという事だろう。
そうしてそこから数分後。
「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
ナターシャはぺろりと卵がゆを完食した。
操はナターシャから食器を受け取る。
そしてそのまま食堂に持っていこうとする。
が、その前にラウラによって止められる。
「操、あの事を説明していないのだが……しておかなくて良いか?」
「そうか、ファイルスさんには見られてるのか…」
ラウラに言われ、操は考え込むように顎に手を置き目を閉じる。
そうして大体5分後、操は息を吐きながら目を開き、ナターシャに視線を向ける。
「ファイルスさん、これから話すことはかなり衝撃的な事で、機密事項です。決して誰にも話さないと、今ここで誓ってくれますか?」
「……わ、分かったわ」
操の真剣な表情を見て、ナターシャは緊張の面持ちでそう返答する。
それを受けて、操は説明を開始した。
銀の福音が1度撃破された事に間違いは無いが、その後謎のISが乱入し銀の福音が海に足を付けても上半身が上に出るほどの大きさに巨大化した事。
その巨大化した銀の福音を、操が自身の戦力であるトウサイジュウオーを使用して撃破したことを。
だが、向こうの世界やデスガリアンの説明はせず、トウサイジュウオーも束から貰ったという事にしておいた。
「そ、そんな事が……」
全ての説明を聞いたナターシャは信じられないといった表情を浮かべていた。
誰しもそんな突拍子もない事を聞いたらそんな反応をするだろう。
だが、それと同時に納得もしていた。
先程夢と片付けた記憶がハッキリと蘇って来たからだ。
「さっき山田先生たちがこの事を説明した無かったのは、トウサイジュウオーを知っている人間を少なくするためにいろいろ誤魔化したからです」
「な、なるほど……」
操の言葉を聞いたナターシャは呆然と呟く。
自身の今後が分かっていないのに、そんな事にまでなっているとすれば、誰だって不安になる。
それは操とラウラも分かっていた。
だからこそ、優しい表情を浮かべてナターシャに声を掛ける。
「ファイルスさん、この先の事が分からなくて不安だとは思います。でも、人間は、動物は支え合って初めて生きていく事が出来ます。ですから、私達に出来る事はサポートさせて貰います。ねぇ、ラウラ」
「ああ。万が一アメリカ軍をクビになったらシュバルツェ・ハーゼにスカウトしてもいい」
「寧ろ狙ってないか?」
「まぁ、正直な」
ラウラと操は同時に微笑を浮かべる。
ポカンとしていたナターシャも、その雰囲気につられ笑みが漏れる。
「…ファイルスさん。初対面のこんな奴らが言ってるんです。軍の中でも、ファイルスさんの味方は絶対に居ます。自分だけで抱え込まず、誰かに助けてもらう事も大事ですよ」
「……そうね」
操の言葉に、ナターシャは先程までより濃い笑みを浮かべる。
そうして、操はいったん食器を片付けてから元の部屋に戻り、3人で時間ギリギリまで会話した後、2人はナターシャに連絡先を渡し部屋に戻り、ナターシャは保険医の検査を受け問題無しと判断を受けるのであった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
翌日、臨海学校3日目。
3日目とは言っても特に訓練は無く、ただ学園に戻るだけである。
全員で朝食を食べ終えた後、荷物が入ったリュックを背負った操は旅館の外で思いっ切り伸びをしていた。
行きとは違い中にキューブアニマル達が入っているので少し重たいがこれくらいだったら特に問題は無い重さである。
「操さん!」
「ん?お、簪、ラウラ」
そんな操に、簪が声を掛ける。
簪の側にはラウラもいる。
「疲れは取れたか?」
「はい、それはもうバッチリ」
「私もだ」
「それは良かった」
2人の元気そうな姿を見て、操は安心したような表情になる。
昨日ドンパチ戦闘した後なのだ。
一応会話はしておいたとは言え元気になってるか心配だったのだろう。
特に簪は。
「かんちゃ~ん!」
「あ、本音!」
そんな3人の元に本音やティナをはじめとした釣り組が集合する。
「なんか初日ぶりのような気がするけど、元気だった?」
「はい、それはもう元気です!」
操の言葉に、元気よくティナが返事をする。
そんな様子に、操、簪、ラウラは笑みを浮かべる。
「ねぇ、かんちゃん。昨日何があったの~?」
「機密事項だから話せない。聞いたら監視が付いてお菓子が自由に食べれなくなるから聞かない方が良いよ」
「聞かない!!」
本音にあるまじき速度と声の出し方で操達はついつい苦笑いを浮かべる。
「簪とティナはクラスに戻った方が良いんじゃないか?」
「そうですね。早めに戻っておきます」
操の言葉で、ティナと簪は各々のクラスの列に戻っていく。
操達も列に並んでおこうと動こうとした時、
「……」
絶望したような表情を浮かべ、鼻に包帯を巻いた千冬が視界に入った。
「あ、織斑先生……」
「どうしたんだろう?何時もの覇気が無いように感じるけど……」
「考えても分からない。だが、特に問題は無いんじゃないか?疲れているだけだろう」
千冬の様子を見た神楽とさゆかが疑問の声を漏らすも、ラウラがバッサリと切り捨てる。
昨日の千冬と束の会話を見ていないのでそんな結論になるのは当然である。
しかし、操だけが感じ取っていた。
只の疲れではない事に。
(ただ疲れてるって訳では無いみたいだな……束さんがなんかやったのか?いや、昨日は帰るって言ってたし、もう顔を見たくもないって……まぁ、俺に危害が加わらないなら良いか)
違和感は感じ取ったものの、それの正体だけは確定させられなかった。
「みなさ~ん!4組から移動していきま~す!!」
真耶がそう大声で指示を出したので、操達は迅速に列に並ぶ。
そうして1組の移動の番になったとき
「あ、門藤君!ボーデヴィッヒさん!こっちに来て下さい!」
「「はい!」」
操とラウラだけが呼ばれたので列から抜け真耶の元に駆け寄る。
「ファイルスさんがお2人と会話したいって事なので、それが終わり次第合流してください」
「「分かりました」」
真耶は2人にそう指示を出すと、1組と一緒にバスに乗り込んでいく。
そうして2人だけで待つこと約2分。
「2人とも!待たせてごめんね!」
とナターシャが駆け寄ってきた。
「ファイルスさん、お身体は大丈夫ですか?」
「ええ、一応はね」
操の言葉にナターシャは笑顔で返答する。
「それで、2人には話しておきたいんだけど、私は特に罰則が無い事になったわ」
「おお、それは良かったです」
「そうなんだけど…私、アメリカ軍辞めようと思うの」
ナターシャのその言葉を聞いた2人は驚きの表情を浮かべる。
「えっと、その…理由をお伺いしても?」
「……銀の福音が凍結される事になったの。私としては、あの子とずっと一緒に居たかった。でも、このままうじうじしてても仕方が無い。ここで、あの子とは別れて新しい道に進もうと思ったの」
「なるほど…まぁ、ファイルスさんが良いなら、それでいいと思いますよ。折角の人生なんですから、自分のやりたい事をやらないと」
ナターシャの言葉を聞いた操がそう返答すると、ナターシャは笑みを浮かべる。
「それでね、もう次の就職先は決まってるの」
「ほう、聞いても良いんですか?」
「ええ、IS学園って言うんだけど」
「「…ええ!?」」
揃って驚いた声を出す2人に、ナターシャは気分が良くなったのかニコニコとした笑みを浮かべる。
「学園長がね、言って下さったのよ。『うちでISの講師サポートをやりませんか』って。教員免許が無いから最初はサポートしか出来ないけど、その内免許を取って授業もするつもり」
「はぁ~~、学園長も強かだ。まさかこんなところから人材を得るだなんて」
「軍の退職手続きをしないといけないから、2学期からだけどね」
「なるほど。じゃあ2学期からよろしくお願いします。ファイルスさん」
操がそう言うと、ナターシャは何処か浮かないような表情を浮かべて少しもじもじする。
暫くの間そうしていたが、やがて少し顔を赤くしながら声を発する。
「えっと、その…な、名前で呼んでくれる?」
「?分かりました、ナターシャさん」
なんで顔を赤くするのか分からなかった操だが、名前で呼ぶことに抵抗は無かったのですぐさま名前で呼ぶ。
その瞬間に、ナターシャの顔は更に赤くなる。
「じゃ、じゃあ私そろそろ行かないとだから!!」
ナターシャはその言葉を残し逃げるようにその場から立ち去った。
(はぁ、コイツは…)
首を傾げている操に、ラウラはジト目を向ける。
「まぁ、俺らもバスに乗るか」
「そうだな」
そうして、操とラウラもバスに向かって行く。
「いやぁ、もう直ぐ夏休みだな」
「ああ。私は軍に帰るのだが、操も来るか?」
「行く行く。それにしても、今回の事件を含め1学期は濃かったな~~」
「途中から来た私でもそれは感じるほどに、濃かったな」
そこまで会話して、操は空を見上げる。
「……多分、これから本格的に戦う事になると思う」
「そう、だな……」
「そうなっても、俺は戦う。学園を、みんなを守るためにな」
「私もだ。お前と共に戦うぞ、操」
「ありがとな」
そう会話する2人の表情は、決意の決まった表情だった。
これにて、銀の福音暴走事件、並びに1学期は終了した。
だが、戦いはまだまだ終わらない……
ギアトリンガー MEMORIAL EDITIONが欲しい!
けど、金がねぇ!!
誰か私の分も買って下さい。
次回から夏休みです。
次回も何時になるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
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