今作初めての戦闘シーン。
相変わらず私は戦闘シーンが苦手だ...
ラウラside
私はドイツ軍IS部隊、『シュヴァルツェ・ハーゼ』の隊長、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
私は今、部下と共にとある女を捕まえようとしていた。
この女はIS研究所から研究データを盗んだ犯罪者だ。
今現在は崖のふもとに追い込んでいる。
この女を捕えるミッションだけは、失敗できない...!
シュヴァルツェ・ハーゼの隊員たちは、全員が『アドヴァンスド』と呼ばれる生体兵器だ。
その中でも、私は優秀な個体だった。
そんな時にISが登場し、アドヴァンスド全員はIS適正を引き上げるための処置であるヴォーダン・オージェ移植手術を行う事になった。
この手術は危険が無い安全なもののはずだった。
だけれども、私には不具合が発生。
左目が金色に変色し、能力が上手く制御できず、出来損ないと言われるようになってしまった。
そんな私だったが、転機が訪れる。
ドイツ軍の教官としてやって来た、織斑千冬教官との出会いだ。
教官の特訓により、私は部隊最強の座に再度上り詰めた。
教官はもう既に日本に帰られ、今ではIS学園で教鞭を取られているらしい。
私は、今年からIS学園に通う事になっている。
専用機が完成してからなので4月の始めからとはいかないが、教官に会うことが出来る。
そこで、成長した私を見せることが出来れば...教官の弟を超えていると証明出来たら、教官はドイツに戻ってきて下さる!
だから、このミッションだけは何としても成功しなければならない!
「大人しく捕まれ!」
崖のふもとに追い込んだ女に対して、私はそういう。
部隊の全員で女の事を囲んでいる。
これで逃げる事は出来ない!
だが、女は
「フン!捕まる訳ないでしょ!」
そう叫ぶ。
それと同時に、女の身体が光に包まれる。
その光が止むと同時に、女の身体には、IS『ラファール・リヴァイヴ』が装着されていた。
「IS...!?」
私の隣に立っていた、副隊長のクラリッサがそんな声を漏らす。
クソ!
女がISを所有しているだなんて情報聞いてないぞ!
「邪魔よ!」
女はそのままアサルトライフルを展開し、発砲してくる。
「避けろ!」
私は咄嗟にそう指示を出す。
女の正面にいた隊員たちは地面を蹴り、銃弾を避ける。
だが、
「きゃあ!!」
「っ!ネーナ!」
クラリッサがネーナの名前を呼ぶ。
そう、反応が遅れた隊員の1人、ネーナが足に被弾をしてしまったのだ。
ネーナの近くにいた隊員マルチダがネーナに駆け寄る。
「如何やらISは無いらしいわねぇ?」
女は銃を構えながらそう言ってくる。
クソ!
如何したら...
「私の邪魔をするのがいけないのよ!」
女は、私に銃口を向けながらそう言って、引き金に指を掛ける。
「隊長!!」
クラリッサがそう声を上げる。
だが、今ここからでは...!
そうして、女が引き金を引く...
その直前に、黄色い糸のようなものが女の構えているアサルトライフルを絡めとる。
そうして、アサルトライフルはそのまま黄色い糸によって崖の上の方に引っ張られていく。
「な、何よ!?」
女はそう叫び、崖の上の方を見る。
それにつられて、私達も崖の上に視線を向ける。
するとそこには、逆光で姿をキチンと確認できないが、誰かがそこにいる事を確認した。
その右手には長いロッドの様なものを持っていて、左手には女の手から離れたと思われるアサルトライフルを手にしていた。
そして、その人物はアサルトライフルを地面に落とすと、そのまま踏みつけて破壊した。
...全てが陰になっているから、恐らくとしか言えないが。
「な、何よアンタ!」
女がその人物に向けてそう叫ぶ。
すると、その人物は右手に持つロッドを仕舞うと、崖の上から飛び降りた。
そのまま地面にしゃがみながら着地すると、立ち上がる。
そうすることで、その人物の容姿を確認することが出来た。
その姿を見て思った事は、疑問。
その人物は、全身にISとは異なるスーツを着用していた。
そのスーツの下半身は黒で、上半身は中央が黒、右腕側が金、左腕側が銀という縦縞カラーリングになっていて、胸には右からワニ、サイ、オオカミの顔が描かれている。
腰には銀のベルトをしていて、それのバックルにもサイとワニとオオカミが彫られている。
そして頭部は、口元が金で目元から上は黒。
黒い部分はサイの頭部を模しているようだ。
こんなもの、見たことが無い。
「だ、誰よ!!」
女は半分ヒステリックにそう叫ぶ。
するとその人物は両腕を時計回りに大きく回してから、右手を上げて、握り拳を作りながら、
「世界の王者!」
そう言うと、右足を前に出して身体を屈めると、そのまま立ち上がり左腕を腰に、右腕を頭上に伸ばす。
そして、両腕を体の前で回してから右手を正面に、左腕を腰引きながら
「ジュウオウザワールド!」
そう、言う。
その声は、私が勝手に想像していたものよりも圧倒的に低いもの...男の声だった。
「男?ハッ!ふざけるのは程々にしておきなさい!ISに、女に男が何か出来る訳が無いんだから!」
女は別の銃...ショットガンを展開しながらその人物にそういう。
だが、その人物は
「手負いの人間もいるからな...さっさと終わらせる!」
そう言うと、先程まで持っていたと思われる黄色いロッドを取り出す。
「ハン!なら、死になさい!」
女はそう言ってショットガンを発砲する。
だが、その人物は後ろに大きく跳躍しながらそれを躱す。
そこから女は何度も発砲するが、ショットガンは距離と反比例して威力が格段に低下する銃だ。
簡単に避けられてしまっている。
「ちょこまかと!」
女はそう叫ぶと、スーツの男を追うように移動する。
「た、隊長!」
そんなやり取りをしていると、隊員たちが集まって来た。
被弾してしまったネーナの事はマルチダ達が緊急手当てをしている。
「あ、あの人物はいったい...?」
すると、隊員の1人であるイヨがそんな事を言ってくる。
「私が分かる訳ないだろう!」
「で、ですよね...」
私がそう返すと、イヨもその答えだと分かっていたように頷く。
そんな会話をしている間も、女が発砲し、男が避け、女が移動して撃つを繰り返している。
男は反撃をする気が無いように、ただひたすら避けている。
いったい何がしたいんだ...
「もしかして、私達に流れ弾が来ないように誘導してる...?」
私がそんな事を考えていると、クラリッサがそう声を漏らす。
まさか、そんな事があるのか...?
「チッ!弾切れ!」
女はショットガンを見ながらそう舌打ちする。
如何やら、ショットガンが弾切れしたらしい。
すると、男は手に持ったロッドから糸を取り出すと、女に向かって振るう。
「ハァ!!」
待て、ロッドから糸?
これは、つまり...
『釣り竿!?』
私達負傷しているネーナ以外のシュヴァルツェ・ハーゼ全員の言葉が揃う。
そう、男が持っているのは、釣り竿だ。
私達がそう驚いていると、糸は女のISの装甲に当たり、装甲からは火花が散る。
「し、
それを見て、更に私達は驚く。
ISにはシールドバリアーがある。
これは、ISの周囲に張り巡らされている不可視のシールドで、攻撃を受けるたびにSEを消費していく。
だが、攻撃でないとそもそもシールドバリアーは発動しない。
本来だったら糸ごときでは発動しないものなのに、あの男の釣り竿から出ている糸はシールドバリアーを発動させ、火花まで散らしている。
「ハァ!ハァ!オラァ!!」
「ぎゃあ!」
そのまま、男は釣り竿を振るい、糸で女を攻撃する。
女はそのまま糸での攻撃を受け、ガリガリとSEを削っていく。
「クソ!このぉ!!」
女は弾切れしたショットガンを捨てると、接近用ブレードを展開して、そのまま男に突っ込んでいく。
スラスターも使い、かなりのスピードが出ている。
だが、
「ハァ!」
男はそのまま大きく跳躍し、女の事を躱す。
そうして、そのまま男は着地すると、釣り竿を振るう。
すると女の足に糸が絡みつく。
「え!?」
女が驚愕の声を上げる。
「オラァ!!」
それと同時に、男は釣り竿を振り回す。
当然、糸に絡みついている女も振り回される。
「エ、エグイ...」
イヨがそうボソッと呟く。
隊員たちも頷く。
そんな事をしている間にも、男は女の事を振り回している。
そして
「ハァアア!!」
という男の声と共に女の足に絡まっていた糸が取れる。
だが、女は勢いそのままに崖の方へ吹っ飛んでいき、崖にめり込んで巨大な跡が出来る。
「あ、がぁ...」
めり込んだ女はそんな声と共に地面に落ちてくる。
だが、如何やら上手く立てないらしい。
あのようにものすごい勢いで崖に突っ込んだら当然か。
「何で、私が...ISが、男に!」
女がそう言うと、男が女に近付いていく。
「1人で戦ってるお前に、俺は負けない!」
男はそう言うと、女の事を蹴り上げる。
「ハァ!!」
「ぎゃあ!!」
すると、女は大きく吹き飛ぶ。
そして、地面に転がるとISが強制解除される。
如何やら気絶したようだ。
それを見て、私達は何も言葉が出なかった。
ISは、現代において最強の兵器。
嘗て白騎士がやったように、1機だけで戦闘機10機を墜とすことなど造作もない。
だが、目の前の奇妙な男はそんなISを1人で完全に叩きのめした。
コイツはいったい、何者だ...
そこで、再び視線をその男に向ける。
すると...
何かをブツブツと呟きながら、体育座りをした。
ほ、本当に、いったい何なんだ?
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操side
やっちまった...
俺は体育座りをしながらそんな事を考えていた。
俺は、ISを使っていた女性と交戦し撃退した。
そこまではいい。
そこまでは。
だが、チョッとやり過ぎた。
元々は無力化だけするつもりだったのに、ISを纏っていた女性はそのまま気絶してしまった。
やり過ぎた...
これでは女性から情報を聞き出すことも出来ない。
それに、俺がこの世界から離れたのは10年前。
その10年前でもISに関わっていたわけではない。
そう、俺はISの事が全く分からない。
IS装着者の安全性なんか、これぽっちも分からない。
もしかしたら、女性は身体に障害を負った可能性がある。
完全にやっちまった。
「俺にこの世界で戦う資格は無い...」
俺がそう言いながら体育座りをしていると...
「ちょ、ちょっと良いか?」
と声を掛けられる。
そっちの方に顔を向けると、そこには黒い軍服を着た女性たちが立っていた。
戦闘には、さっきの女性がISを展開する前に話し掛けていた銀髪の女性...いや、近くで見ると女性と言うより少女だな。
確実に20歳は超えていないような年齢。
恐らく、15、6くらいだろうか。
それに後ろに控えている他の女性も思っていたより若い。
一番大人っぽい銀髪の少女の副官の様な女性でも、俺と同じくらいの年齢だ。
まさか、こんなに若い人たちだったなんて...
「敵対するつもりはない...」
俺はそう女性たちにそう言う。
声を掛けて来たという事は、そういう事だろう。
ここで敵対するとまた戦わないといけないので、俺は取り敢えず敵対する意思はない事を伝える。
すると銀髪の女性は、
「なら、そのスーツを脱いでくれ」
そう言う。
確かに、俺変身したまんまだったわ。
俺は立ち上がると、そのまま変身を解除する。
すると、女性たちは一斉に驚いたような表情をする。
「お、織斑、一夏!?」
.....まぁ、そうなるか。
織斑千冬は有名だし、不本意だが俺は織斑春十とも顔が似てるんだ。
織斑千冬の弟である織斑一夏の事を知っていても不思議ではない。
だが、違う。
俺は...
「いや、俺は織斑一夏ではない」
「な、なら、名前を教えてくれないか?」
副官の様な女性がそう聞いてくる。
「俺は操。門藤操だ」
そう、俺は門藤操だ。
俺は織斑千冬と織斑春十の弟じゃない。
「すまないが、そちらも自己紹介をしてくれないか?」
俺がそう言うと、戦闘に立っていた銀髪の少女が口を開く。
「私達は、ドイツ軍IS部隊シュヴァルツェ・ハーゼ。私は隊長のラウラ・ボーデヴィッヒだ」
こんな若そうなのに、隊長。
凄いな...
それに、ドイツ軍って事は、ここはドイツか。
この某採掘場らしき場所から勝手に栃木県だと思ってた。
こういう場所って世界中にあるんだなぁ...
俺がそう考えていると
「私は副隊長のクラリッサ・ハルフォーフだ」
と、ラウラさんの隣に立っていた副官らしき女性もそう言ってくれる。
やっぱり副官だったか...
「織斑一夏ってやつは、そんなに俺に似てるのか?良く間違えられるんだが...」
如何あがいても顔は織斑一夏のものと一緒なんだ。
俺は咄嗟にそう言う嘘をつく。
「あ、ああ。そっくりなんだ。誤解して悪かった」
すると、クラリッサさんがそう言う。
これで良し。
「それで、あの女性って大丈夫か?」
IS部隊なら、ISについて詳しいだろう。
俺はそう聞く。
「ああ。第二世代型の訓練機としても使える機体で、実験機じゃないんだ。絶対防御も問題ないだろう。ただ気を失っているだけだ」
それを聞いて、俺は胸を撫で下ろす。
良かったぁ.....
もしこれで死んでるとか言われたら、俺はもう立ち直れない。
ん?
第二世代型?
あれ、10年前で第一世代だったよな。
そんなに技術の進歩って遅いのか?
...一応確認しよう。
「第2回のモンド・グロッソから何年たった?」
俺がそう尋ねると、ラウラさんが首を傾げながら
「そうだな...当時中学1年生だった教官の弟が今年に高校入学のはずだから...3年だな」
3年...?
まさか、この世界とジューランドがある世界では時間の流れる速度が違うのか...?
「隊長!早くネーナを運びましょう!」
ここで、先程被弾をしてしまった女性の近くで治療をしていた女性がそう声を上げる。
「マルチダ!ネーナは無事か!?」
クラリッサさんがそう尋ねる。
「はい!取り敢えず、致命傷は避けれてます!ですが、早く運んだ方が良いのに変わりはありません!」
それを聞いたラウラさんは、
「ならば今から帰還する!容疑者の女は確保しておけ!」
「「「はい!!」」」
そう指示を出す。
すると、3人の女性が気絶している女性の事を拘束する。
「すまないが、詳しく話を聞きたいから、付いて来てくれるか?」
「分かった」
クラリッサさんがそう言うので、俺は頷く。
そうして、俺はシュヴァルツェ・ハーゼの基地に移動するのだった。
...大丈夫だよな。
俺、このまま拘束されたりとか殺されたりしないよな。
大丈夫、話を聞かない事には如何することも出来ないだろう。
だが、しかし...心配だ.....
名乗りポーズ書くのってムズイ。
理解できなかったらジュウオウジャー見てください。
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
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