目が覚めたらクロバットだった青年が
今世の生きがいを見つける話

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初めて書いたものなので生暖かい目で
見てやってください


捨て子と理外のクロバット

クロバットというポケモンを知っているだろうか?

 

そう、後ろ足まで羽根にすることで飛行に特化した

こうもりポケモンである

 

なんでこんなことを聞くかって?

 

 

クロバットになったからだよ

 

 

うん、社畜だったわけでもトラックに轢かれたわけでもないし、

雷に打たれたりとかもない

 

朝起きたらクロバットだったのだ。

 

目が覚めたら心地よい日差しのさす森の中にいたのだ

 

不思議と飛び方なんかもわかる

 

何でクロバットに転生したんだとか

普通転生するにしてもズバットからだろうとかいろいろあるが、

どうやらポケモン世界のクロバットに

転生?憑依したらしい

 

これからどうやって生きていこうか

 

そこら中にポケモンがうようよしているのが見えるし

食べるもんもわからん

 

果たして生きていけるのだろうか、、、

 

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うんなんとかなったわ

 

そこらじゅうにきのみがあったし、

感覚的に技も使うことができた。

 

俗に言うエアスラッシュに

シャドーボールやな

 

そんでもってこの森においてはかなり強い方らしい

森の中を自分と同等の速さで飛べる奴はどうやらいないらしく

少なくとも逃げることは出来る

 

手どころか足さえもないこの体は不便で仕方ないけれど

やっと生活に支障なく動けるようになった

 

慣れたともいう

 

クロバットになったのが春頃で今は梅雨

ってところだ

 

今日も雨が止みそうにない

 

ところで、

冬になってもきのみとか生えてくるんだろうか

 

ゲームだと季節関係なく毎日新しく生えてたけど、、、

 

うんまぁどう転んでも大丈夫なようn「うんぎゃあ〜、うんぎゃあぁ〜」

 

人の泣き声!それも赤子っ!?

 

俺が住処にしてるこの森は案外町に近い、

 

だからトレーナーが森の中を通ることもある。

 

でもなんやかんや気性の荒いポケモンも多くいる此処に赤ちゃんを連れてくるやつなんていない。

 

しかも今日は雨だぞ

 

クロバットになってからこの世は弱肉強食なんだってことはわかっている。

 

でも、泣いてる赤ちゃん見過ごすほどには

人間捨ててねぇ!

 

木々の間を滑るように飛んでいく

 

雨の森の中は暗い、でも今の俺なら音の反射で位置がわかる

 

クロバットになって手がなくなった代わりにできるようになったことの

一つだ

 

 

見つけた

 

 

楓の木の影に赤ちゃんが捨てられている

 

生後何ヶ月なのかは分からないが

1歳かそこらだろうか

 

女の子だ

 

小さなバスケットに傘を立て掛けてある

 

小さな紙に『ごめんなさい』とだけ書いてある

 

思わずエアスラッシュで切り刻んでしまった

 

謝るくらいなら捨てたりなんか

するんじゃねぇよ

 

それよりも早く自分の住処に連れて行かないと、このままじゃ低体温症になってしまう

 

何よりここら辺は、

 

自分の強化された反響音で周囲の物の形さえわかる耳が近づいてくる羽音を拾う

 

あぁ来ちまったか

 

そんな耳障りな羽音立てんじゃねぇよ

 

この子が怖がって余計泣いちまったろうが

 

そんなに自分のテリトリーが大事かよ

 

このスピアーどもが

 

 

あぁ、マジで最悪だ

 

スピヤーってやつは同族以外をひどく嫌う

 

この子の親は頭ん中からっぽなのがよくわかる

 

またはそれすら織り込み済みの自分の手を汚す気さえない屑か

 

どうやらスピアーどもは俺たちを見逃す気はないらしい

 

別に俺だけなら余裕で逃げられる

 

でもこの子を抱えてってなると話は別だ

 

スピアーがざっと30体

 

女の子を見るまだ何も知らない目だ

 

こんな子をこんな理不尽にあわせていいものだろうか、

 

いや、そんなわけがない、

 

覚悟を決めよう

 

やってやろうじゃねぇかよ、かかって来いよスピアー共

 

出し惜しみはしねぇ

 

エアスラッシュを連打し、

狙いを付けず広範囲に風の刃をばら撒く

そこからスピアーの群れに突っ込み

硬質化させた羽を叩きつけていく

 

シャドーボールを撃ってあの子には決して近づけさせない

 

数こそ多いが一体一体は強くない

 

「これで8体目、、なっっ!!」

 

横から突き刺されそうになった針を躱し、

咄嗟に距離を取る

 

こいつは、、

 

三対に増えた翅、

 

五つに増え、一つ一つも巨大化した

槍のような針

 

鋭利に釣り上がった複眼

 

メガスピアーかッ!!

 

ふざけんなよ何処のトレーナーかしらねぇが

メガ化させたスピアー放ちやがったな!

 

今日は俺を苛立たせる人間が多すぎんぞ

このやろう

 

すかさずシャドーボールを放つが弾かれた

状況は一変し徐々に押し込まれていく

 

擦り傷も増えてきた

このままではジリ貧なのは分かっている

 

でも引く選択肢はない

 

メガスピアーがダブルニードルを放ってきたのを

シャドーボールで迎撃しようとした時、

 

 

 

反響音があの女の子をスピアーが攻撃するのを教えてくれた

 

 

 

「その子に手をだすんじゃねぇぇっっ!!」

 

スピアーにシャドーボールをぶち当てる

スピアーは吹き飛ばされ女の子から離れる

そして、、、

メガスピアーの槍が俺の腹部を貫いた

 

 

 

空中を吹き飛び肺の空気が押し出される

 

地面を転がり、数度地面を血をまき散らしながらバウンドし、バスケットの前で止まった

 

体が熱い口の中が血の味しかしない

 

羽は震えるばかりで飛び立てそうにない

 

バスケットの中を覗く

 

「だぁうぁ」

 

小さな手が俺の顔を撫でる

 

 

やめろよ、そんな優しい目で見んじゃねぇよ

 

何も心配することなんかないみたいな顔しやがって

 

俺がやられそうなのわかってんのかてめぇ

 

俺はそんないい奴じゃないんだぞ

お前を守ろうとしたのだってただのエゴで

カッコつけたかっただけなんだ

 

小さな手が俺の顔を撫でる

 

 

あぁ、強くなりたいなぁ

こんな理不尽も、

お前を捨てるような屑共も、

みんなまとめて倒せるように

 

 

 

サトシはオニスズメの群れに襲われても

ピカチュウが十万ボルトで一蹴したけどさ、

俺らみたいな普通の奴らはそんなことないんだよな

 

 

 

でもさ、

主人公に憧れたっていいよな

 

だってどうしたって憧れてしまうんだから

 

俺だって

お前みたいに盤面ひっくり返せる奴になりたいんだ

 

俺だって

主人公になりたいんだ

 

俺だって

お前みたいに頼られたいんだ

 

なぁ、

ポケモンってのは夢を裏切らない世界だよな

 

ならさ、力貸してくれよ、、

ピカチュウ

 

 

 

 

 

10万ボルト

 

 

 

 

 

閃光が弾けた

それは、周囲を白く染め上げ、轟音が轟かせた

木々がざわめき、吹き飛び、空をも貫いた

一面の曇天に穴が空き、月明かりが森を照らす

スピアー達はもはや跡形もない

森から音が消え、静寂と雨が周囲を包む

 

「ハッ、やればできんじゃねぇかよ」

 

目の前は森の中であるにも関わらずそこだけが荒野のようになっており生き物はおろか焼け焦げた木々しかない

 

「いくつか木が燃えてる。雨こそ降ってるけど早くここから逃げ、ねぇ、、と、、、」

 

しかし意思に反して体は動かない

段々と体が重く、、、「ガーディッ!、どうしたの急に走り出して!」、、これはジュンサーさんの声だ、、こっちだ早く来い、、この子を、はやく、、、、

 

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知らない天井だ

 

うん、人生で一度は言いたいセリフ第八位ぐらいのセリフを言えて満足だが別にそんなことはどうでもいい

というか此処ほんとに何処だ?

確か赤ちゃんの泣き声が聞こえてーーー

思わず飛び起きる、あの子は何処だ?

 

落ち着け反響音を探ればーー「あ、、クロバットくん、目が覚めたのね」

 

声のした方を振り返るあの子がジョーイさんに抱かれて哺乳瓶を必死に飲んでいる

 

俺に気づいたのか飲むのをやめ手を振ってくれたジョーイさんが背中をさすってゲップをさせている

 

思わずあの子に向かって飛び出した。

 

体が痛くて飛べずに床に落ちた、

 

けど関係ない

 

あの子ににじりよっていく

 

ジョーイさんがあの子を下ろしてくれた

 

ハイハイで近寄ってくるそして満面の笑みで

 

俺の顔を撫でてくれた

 

力一杯羽になってしまった腕で抱きしめる

 

抱きしめる力が強いのだろうか

 

小さな手で俺のことを叩いてくる

 

あぁ、でもこの手を離すことなんてできない

 

この子を守れた、

 

本物には及ばないだろうけども、主人公になれた

 

それをずっと感じていたい

 

いつのまにか自分は泣いていて

 

腕の中にいるこの子は

 

叩くのをやめて俺を抱き返してくれた

 

この子を守り続けよう。

 

この子は捨て子でそれを理由に指さされることだってこれからきっとあるだろうでも自分はずっとそばに居て支え続けよう

 

みんながうらやむ主人公でなくていい、

 

この子にとってだけの英雄でいい

 

でもそれだけは決して譲らない

 

 

そう、固く決意した


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