円卓を囲んで、男どもが顔を並べていた。
女っ気が無いことかぎりないし、ぶっちゃけ俺は腐れ縁とかと絡みたい。
「それで、何の集いだこれは。用がないならば帰るぞ」
全身鎧のヤバそうな奴──マグサリオン……無慙っていう二代目の神サマの言葉に、俺は即座に頷いた。
流石の俺もヤクザの集会のど真ん中でニタニタ笑ってられるようなタマじゃないんだわ。………いや、俺ならそれはやれるかも知れねぇけど、ヤクザじゃなくて周りにいるのが戦闘ガチ勢の神サマになると話も違う。どっちもタイマンで勝てないのは実感してるし。殺し合えっていわれたらちょっとチキンめな方法で勝ちに行くわ。
ついに作戦まで考え始めた俺を置いて、俺らを招集した
「ふむ……。一名来ていないが、構わんだろう。彼女はやはり、第七の神座とやらにいるらしい」
第七天。
ヒルメっつーガキの神座だったか。何だよ、女いるなら頑張って呼べよな、と思いつつラインハルトの言葉に耳を傾ける。
「我らは共に、自滅因子と呼ばれる者だ。座、もひくはその真理に近しい者が持つ、“さかしま”──それらが我らの共通点。ここまでは、問題ないかな?」
「其処の全身鎧の奴は知らねぇけど、まあ俺とあんたはそのくくりだし、大凡予想は付いてたよ。
んで、なにすんの。親睦会とか?」
オーケー、そこまでは読み通り。問題はこのあとなワケだが。
「───下らん。その程度のことならば俺は帰るぞ」
むしろ
「まあまあ。俺としても急に鎧着込んだアンタのことは気になるし。ロクな予感しねぇけどもうちょっと残ろうぜ」
さて。あとは開戦のゴング待ち───
「では。己がさかしまを、卿らはどう見ている?」
「……はぁ?」
なに、平和ボケしやがりましたか、コイツ。
衝撃的すぎて口をあんぐりと開けた俺を、ラインハルトは笑った。
「なんだ、気にならんのか。私と卿は同性だが……特に無慙殿、否、この場ではマグサリオンか、彼は異性だという。
我々ですら
「めっちゃ気になる」
一秒未満で答えた。
え? 逆に気にならないなんて事、あんの、これ。
特にマグサリオンなんて雰囲気からして硬い。神格の時はこう、微妙に柔らかさもあるんだが、鎧着込むと普通に殺気立ってるし。そんな男が女とイチャイチャしてるのとかメシウマ過ぎる。
「で、どーなんですかね」
俺らに詰め寄られた戦士は、忌々しげにぽつりと呟いた。
「………………だ」
「あん?」
「気色の悪い母親だ」
…………。
………………。
……………………。
「どうした、貴様らから聞いたことだろうが」
流石に想定外すぎるっつーの。
ちなみにラインハルトは笑顔だった。ホントまじで、やべぇ奴だと思う。
「ふふふ……ふはははは! なるほど、ああ、なるほどな。卿らの関係は、中々拗れている」
「貴様にとやかくいわれる筋合いはないだろうよ。黙らんならば殺す」
それを言われると俺ら的にも弄りづらい。まあ踏み込まれたくない領域ってあるし、踏み込むのは辞めとくか。
さっさと判断を下すと、次の話題を求めて虚空を眺める。
「なんだ。もう興味が失せたのか?」
「いや違ぇよ。コイツ深掘りすると絶対怖い奴じゃん? 俺とてまじやべぇのと普通にやべぇの違いくらいわかるよ」
完全ノリノリの黃金の獣サマは止まるつまりはなかったらしい。
「あーあ。完全に怖い大人に挟まれてるよ。誰か助けてくんねぇかな、蓮」
「ふん。貴様らの方がよほど
俺の心はちゃんと外に出ていたらしい。嘲りながら、鎧はその場から離れていく。
後に残ったのは、ラインハルトと俺。
………気まずい。
「是非もないか。ならばこの会はこれにて───」
「元気か、野郎どもォ!!」
アイツが溜息をついた瞬間に割り込んできたのは、和服のスゲー美人。やっべ、既知感あるけどたぶんコイツと会ってるの未来の俺説ない? 誰この子、紹介しろよ、
「………………えっ?」
そんなかわい子ちゃんは現在進行形で固まっていた。
いや、突然スケバンに乱入された俺も勿論混乱してるけど。この流れアレだろ。ノリ間違えちゃったヤツ。
だから俺らは、優しく笑ってやることにしたのだった……。
お互い、仕方ないなと笑いながら解散した。
────────
「はいはいはいはい~」
松の間の舞台に登る女ありけり。そう
「私よ、ゾウリムシたち。さっきのテンションで綾瀬さんだと思った醜い男子ども、残念ね。Bカップの脅威に嘆き悲しむが良いわ」
氷室玲愛先輩だ!!
「地の文のテンションは気にしなくて良いよ。たぶん、次回からはマシになるから。
……え? そもそもこのコーナーの意味が何か? なら特別に教えてあげましょう。このコーナーは、毎回light作品……で、かつこれを書いているゾウリムシが特別なゲストを呼び出して、私と話して貰うの。
今日のゲストは、こちら」
ドゥルルルルル、ダンッ
「………えっと。こんにちは。私はクイン。貴方と共に──」
「そういうの良いから、さっさと私の横に座ってくれないかな。私は早く帰りたい」
ぶぅ…といいながら、金髪の女は玲愛の横にちゃんと座った。
そう、今回のゲストは最近第三巻の予約が開始した『黒白のアヴェスター』のメインヒロイン(?)、クインである。
「あー、えっと。何をすれば」
じいっ…と玲愛を見つめること、三十秒。
「………帰る?」
「帰りますか。……ってそんなわけないでしょう!」
綺麗なノリツッコミが決まった。
「かといって、することはないでしょう。次からはちゃんとテーマを決めてから始めてあげるから、今日は帰ろう」
それを聞いた人形は腕を組み、唸って……。
「そうしましょうか」
それで、いいらしい。
なんだこのグタグタした世界……。
誰が流出したんだよ、こんなの。───あ、俺だ。