……なお、船長を初めとして色々と見始めたは良いものの、理解度はまだまだ足りないので、Vチューバー様の二次創作を書けるようになるのはまだまだ先かと思われます。
「明星の座は、美少女無罪は適用されているのだろうか?」
お父様が突然そんなことを言い始めたので、私は一瞬、拳を叩き込むべきか迷った。
「………………突然どうしたんですか?」
いつもの巨体ではなく、あくまで美形のまま遠くを眺めて言うものだから、真面目なのかボケているのか全く分からない。あまりふざけるようなタイプには思えないので、やはり真面目な問いなのだろうか。
「流行りの歌の歌詞なのだよ。“この船では”美少女無罪が適用されるとのことだが、座をひとつの船とする場合、我々はともかく明星の座は美少女無罪が適用されているのだろうか?」
私たちの座──というよりは無慙の法では美少女どころか全員有罪、というところまでは分かる。いや、分からないが無理やり理解した。なるほど、それならば浄化された明星の宇宙は美少女無罪─────?
「歌詞の内容からこの場合の無罪の意味を考えるのなら、むしろ我々こそ美少女無罪、なのでは」
まず美少女無罪というかあれは歌手本人が無罪なのであって、美少女全員無罪という意味では無いのでは。というツッコミを抑えて真面目に返すと、お父様はじっと黙って思考を続けている。
「───ということがあったのですが、あなたはどう思いますか? マグサリオン」
「知らん」
ひたすらに剣を振るうマグサリオンに尋ねてみたが、やはり反応は思った通りの、そっけないものだった。
「そもそも歌は聞きますか?」
「聞かん」
「流行りについていけないと、どんどん時代に置いていかれますよ」
「関係ない」
「一人は寂しいと、最強の呪術師が言ってました」
「どうでもいい」
やはりマグサリオンにこの手の質問をするのは間違いだったようだ。真剣に美少女がうんぬんと悩む姿は見たかったが、仕方がない。
「───というわけで、どうですかフェルさん」
「その流れでよく僕のところに来たな」
私に呆れ果てた目線を投げつけ、フェルさんは腰に手を当ててやれやれと呟いた。戒律的に難しいかという気持ちと、実はフェルさんならばという期待があったが、やはり駄目だったらしい。
「そもそも男に聞くことか? それ」
「女性陣があの歌を皆知っていると、あなたは思いますか?」
「………ロクサーヌあたりは、聞いてるんじゃないか?」
はっとして走り出しそうな私に、フェルさんは慌てて止めにかかる。具体的には、私の進行方向に立つ程度だが。
「待て待て。もっと適切な方を、お前も知ってるだろ」
「へ? ───あ」
ロクサーヌと共に通信をしていらっしゃるスィリオス様なら、このどうでもいい話に決着をつけて下さるかと思ったが、ここで思わぬ障害に出会った。
障害の名はナーキッド様。スィリオス様の妹君である。
「もう一度、お聞きしても?」
「ここから先は女人禁制です」
以前は普通に入れたはずなのだが。
「その、何故?」
「殿方二人での逢瀬ですので」
たぶん、ワルフラーン様とスィリオス様の会話が弾んでいるか、あるいは殴り合いでもしているのだろうが、逢瀬というと腐った気配を感じるのは何故だろう。
「無慙の世界に美少女無罪が適用されるか、という質問でしたね」
「あっ、ええ。そうですね………」
改めて、心底どうでもいい話題である。こんな話題を私はなぜ、方々に聞いて回っているのだろう。退屈を持て余しすぎて疲れたのだろうか。
「我々は無慙の一部ではありますが、彼の治世を我々は知り得ないのですから、いくら私たちに尋ねても、分からないのでは」
「あっ………」
調査終了───────。
ぐっだぐたじゃ。