孫悟飯は実力至上主義の教室へ。   作:PPキャンディ

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短いですが暑いので投稿します。


月を見るたび思い出せ!

AクラスがCクラスに襲撃され、一人が殺されて、試験から敗退した。

 

無人島に到着した日の夜、三宅の偵察によってもたらされた凶報はDクラスへとこの試験の過酷さを知らしめた…

 

 

 

…なんてことは全く無かった。

 

 

 

軽井沢や篠原たち女子カースト上位の者たちは三宅の発言を真に受けることはなかったし、男子に至っては何かあればCクラス相手に無双した無敵の須藤がいるから大丈夫だと楽天的に考えていた。

 

クラスの大半はAクラスはガリ勉ばかりのヒョロいやつしか居ないと思い込んでいたし、殺されたというのも喧嘩でボコボコにされたという比喩的な意味に捉えていたのだ。

 

堀北や櫛田といった一部の敏い者たちは三宅の真剣な雰囲気で本当の事だと理解していたが、堀北は謎の自尊心で例えCクラスに襲われても実力で勝てると思い込んでいたし、櫛田は櫛田でいざとなったら魔族の力を使ってでも自分一人で逃げ出す算段を密かにつけていたので、わざわざ周りを説得することはなかった。

 

 

だがそんななか、本来の気質なら俄然やる気を出して鼓舞するはずの須藤は黙したまま、険しい顔をしていた。

 

 

「おいおい、Dクラスの勇者がなんて暗い顔してるんだよ」

 

お調子者の池がそんな彼の肩を叩きながら明るい声で笑いかける。

 

「そんな肩を落としてさ。らしくないぜ。っていうかなんか健、いつもより小さくねーか?」

 

その声に、クラスメイト達はようやく須藤の異変に気づく。

 

「んんー、確かに須藤くん、なんだか縮まった?ような気が…」

 

櫛田が不思議そうに小首を傾げながら聞く。

 

その言葉に、須藤は、「やっぱり分かっちまうか」と呟き、そして天を仰ぐ。

 

 

 

「みんな、すまねぇ。俺はこの試験では役に立てそうにねぇ」

 

 

 

忌々しそうに空に浮かぶ月を睨みつけ、そして須藤は皆へと頭を下げた。

 

 

「ええ!どういうこと、須藤くん?なにか理由でもあるのかい」

 

 

平田が須藤に問うと、彼は少し悩みながらも「俺には尊敬する叔父がいるんだ」と遠い目をしながら語りだした。

 

 

「池達には言ったことあったよな。俺が赤毛猿型獣人と狼型獣人のハーフだって」

 

 

池や綾小路達は以前、須藤がCクラスと喧嘩騒動を起こしたときにその話を聞いていた。

 

 

「んでだけどよ、実はそれだけじゃなく4分の1ほど人間の血も混じってるんだよ」

 

彼曰く、母親は狼型獣人と人間のハーフだったそうだ。

 

「それでおふくろの兄である叔父がいるんだが、その人が本当にすげー強くてな。地元じゃ敵なしだった俺も叔父からは片手であしらわれたぐらいだぜ」

 

それに、その叔父は若い頃に天下一武道会の本戦に出場した超一流の格闘家だと須藤は自慢気に語り、皆を驚かせた。

 

「そんなスゲェ叔父だが、一つだけ特殊体質があってな。俺はそれをどうやら受け継いじまったんだよ」

 

「な、なんだよ、特殊体質って。もしかしてエロくなるのか?狼だけに」

 

池が狼狽えながらも茶化そうとするが、それを須藤は笑い飛ばす。

 

「それならまぁ、まだ笑ってすませることもできるんだけどな。俺の叔父はな、アレを見ると変わっちまうんだよ」

 

そう言って須藤は空へと指を突き上げる。

 

 

 

その指が指し示した先には、天高く昇った大きな満月が浮かんでいた。

 

 

 

ドクンッ…

 

 

 

満月を見て、須藤の心の臓が大きく鼓動する。

 

 

ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!!!

 

 

須藤はもはや満月から目をそらすことはできず、他者にも聞こえるほどの大きな鼓動を響かせる。

 

 

「う・・・うぐ・・・うがぁぁぁぁ」

 

 

須藤の顔が、そして体が次第に変化していく。それは比喩でもなんでもなく、正しく異形へと変質していく。

 

「す、須藤くん…」

 

皆は、特に、孫悟飯はその変化に大きく戸惑いを見せた。

だが、彼らに須藤の変容を止めることなどできず、そして彼はとうとう…。

 

 

 

「うがああああああああああーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

 

 

須藤の姿は、野性味溢れる美形の偉丈夫へと、人間の姿へと変わった。

 

 

 

「はぁ…またこんなヒョロくて醜い姿になっちまったぜ」

 

須藤は、獣毛が全て抜け落ち、隆起していた全身の筋肉が引き締まったことにより、理想的な細マッチョへと変質した肉体を見て、深々とため息をついた。

 

「叔父は人間の姿になっても大きくてカッコいいっていうのに、俺はなんでこんな細くなるんだよ。これだから恥ずかしくて人間になったら外も歩けねぇんだ」

 

 

須藤曰く、彼と叔父は満月を見ると獣人から人間へと姿が変わるそうなのだ。そして彼にとって、人間形態はとても頼りなく醜く思っており、それで人前に出るのは恥ずかしかったため、今までこのことを打ち明けることもできなかったそうだ。

どうやら須藤は獣人の感性を持っているため、人間の美醜に関しては疎いようだった。

確かに人間からすると獣人の顔なんて見分けがつかないだろうし、獣人からもそうなのだろう。

獣人にとっては如何にデカくて太くて逞しく見えるかが重要なため、手足も細くなり身長も3分の2程度に縮まった人間形態はさぞ醜く感じてしまうのだろう。

 

 

(いやいや、こっちの方がイケメンだし。ずっとこっちで居てよ)

 

 

だが女子たちはみんな心の底から須藤の意見を否定していた。

やはり普段のゴリラの亜種みたいな顔は女子たちに不評だったらしい。

 

 

「須藤くんは毎月決まって休む日あったね。そういえば確かに満月の日から3日ぐらいだっけ」

 

「ああ、叔父は人間形態を数年は維持できるらしいが、俺は3日経つと獣人に戻るんだ。何年もこの姿じゃなくて助かるがな。だけど、人間形態だと獣人のときの10分の1ぐらいしか力がでないから色々大変なんだぜ」

 

 

確かに彼の戦闘力は普段の10分の1ぐらいにまで落ち込んでいた。気を感知できるようになった三宅や幸村達はそれを知覚していた。ただ、彼らはすでにサイバイマンぐらいは倒せる強さになっていたので今更須藤を防衛戦力としてはカウントしていなかった。

 

そしてCクラスの面子も弱虫ラディッツより少し弱い程度の強さはあるため、仮に須藤が本調子でも勝つことは不可能だったであろう。

 

 

だがそんなことを知らない他の人達は須藤の戦力外通告に大いに悲嘆に暮れるのだった。

 




獣人っていったら彼だよね?ドラゴンボール好きなら分かるよね?
見た目は原作の須藤君に変身します。
須藤って強面だけど十分イケメンだと思うんですよね。


そういえば前回の彼女については、よう実のDクラス女子で強そうな子って誰だろう?そういえば彼女って中国人だよね?中国人だったらみんなカンフーの達人だし、彼女って強いはずだよね?よし、強くしよう…って感じでああなりました。彼女のファンの方が居たら怒らないでください。


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