孫悟飯は実力至上主義の教室へ。   作:PPキャンディ

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なんか感想で続き希望されたので。
中途半端なところまでですが。


一之瀬帆波 (ΦωΦ) 怒りのアフガン

無人島の北部にあるDクラスのキャンプ地。そこから30キロ南下した島の南部森林エリア。そこの上空に彼女はいた。

 

空中で静止し、座禅を組み、ひたすらに気を練り上げ続ける。

 

試験が始まったのが昨日の昼。危険だと反対するクラスメイト達を説得し、ただ一人だけジェットフライヤーから降下してから、ものの数秒で50キロ離れたこの島へと到着。それからずっと彼女は来るべき決戦のために気を練り続けていたのだ。

 

座禅を組み、丹田から発せられ、練り込まれた気は心の臓へと流し込まれ、頭頂部へと至る。そうやって高められた気、それを今度は両の腕を通し、印を結んだ掌へと集められ、丹田へと流し込まれ再度全身へと循環していく。延々と練り上げられていく膨大な気に、常人ならば既に身体が耐えきれず自壊していても可笑しくないであろう。だが彼女は生まれ持った類まれな頑丈さと、鍛え上げられた気の制御力、そして過酷な人生を生き抜いた精神力でそれを成していた。

 

 

そして遂に待ち人来たれリ。

 

 

「…やっと…来たんだね」

 

 

実に1日ぶりに彼女の目が開く。

 

 

「そこまで清々しいほど真っ直ぐな殺気をずっと向けられてたら流石にね。それにこれで無視し続けて暴発されたら、僕はともかく周りの被害が凄そうだし」

 

 

彼女の前には、金色へと変色した髪の青年の姿があった。

 

 

「自分は大丈夫だ、と…本当にサイヤ人は傲慢だね。でも、最初からその姿で相手をしてくれてありがとう」

 

 

彼女は座禅を解き…

 

 

「だって…」

 

 

金色の青年、孫悟飯は瞬時に構えを取るが…

 

 

「本気じゃない貴方を殺したところで意味はないから!」

 

 

それより早く、彼女、一之瀬帆波の右拳が孫悟飯の左頬を撃ち抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

特別試験が始まってからずっと放たれている猛烈な殺意。

島の反対側に居てすら感じれるほどの怨念じみたそれに辟易とした悟飯は、向こうの堪忍袋の緒が切れて襲撃され、クラスメイトに被害が出る可能性もあると重い腰を上げた。

 

彼女の居場所は分かっていた。もはや隠れる気が全く無いというほど昨日からずっと気を練り上げ続けているのだから。

普段は温厚でサイヤ人にしては闘争本能の欠けた悟飯ではあるが、それでも全く覚えのない怨みを4月からずっと向けられていて流石に少し頭に来ていた。この学校の閉鎖的な環境と、そしてDクラスでの日々のストレスもそれに拍車をかけていた。

彼我の実力差もあり、世間知らずな彼女に対してはここらでちょっと本気を見せてあげて大人しくなったもらおう。そんな無意識的に傲慢な考えになっていたことにその時の悟飯は気づいていなかった。

 

故に、悟飯はすぐに終わらせるために超サイヤ人へと変身しして彼女へと相対した。

 

試験前に会った彼女の気は4月から比べて20倍以上まで上がっていたが、昨日からずっと気を高めていた彼女の力は更にその6倍ほどある。戦闘力で計測するなら120億ほどにまで達しているだろう。だが超サイヤ人になった悟飯とはそれでもまだ10倍以上の強さの差があった。その差がある種の慢心を悟飯へと抱かせていたのは仕方のないことだっただろう。

 

それにいくら殺意を向けられていたとは言え、彼女は奥手な悟飯から見ても好意的に映るほどの美貌と可憐さを併せ持った美少女だ。そんな彼女は普段とは違い長く伸ばしたピンク色の髪を辮髪に似た独特な三つ編みにして、髪の色とお揃いのピンク色をした中華風の服を着ていた。そんな普段とは違う彼女の姿に見惚れて油断していたとしても不思議ではない。

 

故に最初の一撃をキレイに貰ってしまったのはしょうがないと悟飯は無理やり自分を納得させた。

 

 

だが、戦闘が始まって既に30分。

 

 

悟飯は未だに彼女に一撃もマトモに攻撃を当てることができないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!力やスピードはこっちの方が強いのに…」

 

 

悟飯の繰り出すパンチやキックは一之瀬に尽く流されて当たることはなく、彼女の反撃ばかりが悟飯へと容赦なく叩きつけられる。戦闘力に差があり、サイヤ人ゆえの耐久力の高さも相まって彼女の攻撃は確かに悟飯にとっては脅威とは言えない。だが一方的に被弾は例え痛撃とならずとも羽虫のような煩わしさを感じさせ、悟飯はつい苛立ち、強力な気を込めた右拳による一撃、だがあまりにも大ぶりすぎる攻撃を放ってしまう。

それに対して、彼女は冷静に振り回された悟飯の右腕に気を纏わせた左手を添え、勢いを殺さないように力の流れだけを変える。すると面白いように悟飯の体はくるりと回る。そして彼女の気を込めた右掌底が悟飯の顎をかち上げ、振り回した右腕の勢いに流されるように悟飯の体が縦回転へと変化し、そのまま一之瀬は悟飯の頭を右手で掴んだまま地面へと後頭部から叩きつける。そして最後の締めとばかりに一之瀬は右手から直接悟飯の脳内へと気を送り込む。

 

 

「ハァーーーー!」

 

 

その勢いに激しく大地が揺れる。

 

 

「っ!」

 

 

だが、一之瀬は直ぐ様飛び退くように距離を取る。その刹那の後、倒れた悟飯の体から膨大な量の気の奔流が吹き荒れ、辺り一帯を容赦なく吹き飛ばす。それは悟飯が師匠であるピッコロから習得した技の一つ、爆烈魔光砲であった。もし、彼女が逃れるのが少しでも遅れていたら直撃を食らっていただろう。

 

 

「やっぱり、サイヤ人。それに力の差がありすぎる」

 

「ハァハァ…彼女…そんなに強くないのに…巧すぎる。まるで父さん、いや、どっちかっていうとクリリンさんみたいだ」

 

「貴方の戦い方はまるで台風ね。身体的強さ、気の膨大さ、それらが最初からあることが前提でそれをどれだけ効果的に振り回すか。そんな戦い方。まるで魔族みたい。いえ、サイヤ人なんだからそれがサイヤ人の戦い方なのかしら?」

 

 

一之瀬の推測はあたっていた。

悟飯の戦いの基礎は全てピッコロから教わったものである。つまりそれは本能に根付く魔族の戦闘術、強者の戦い方であった。後に父悟空とも修行をしているが、その時には幾度もの実践をくぐり抜けて、戦い方の根本が既に固まっていたため、修正は難しいものだった。

 

 

「だけど、どんなに強力な台風でも、柳を倒すことはできないわ。本来武術というのは弱者が強者に勝つための術。驕り高ぶったあなた達サイヤ人にそれを教育してあげる」

 

 

一之瀬が悟飯の周りをゆっくりと旋回するように歩き出す。その足運びは何やら歪で、体の方もその足取りに合わせゆらゆらと揺れる。左に回っていたと思いきや、いつの間にか右回りに変わり、速さの強弱も不規則に変化する。そのうち、一之瀬の体がブレだし、まるで彼女が何人もいるように見えてくる。

 

それは肢曲とよばれる、暗殺術の極意の一つであった。おい、それ武術じゃない、暗殺術だ。

 

彼女の動きを把握できず、悟飯は前後左右から何度も彼女の攻撃を立て続けに食らう。悟飯も反撃するが…「残念。それは残像よ」悟飯の攻撃は彼女の幻を通り抜けるばかり。

 

 

「くそっ冷静になるんだ。気だ。気で彼女の動きを読むんだ」

 

(?おかしい…彼女の気が感じられない?いや、彼女の気は感じる。辺り一帯全てから彼女の気を感じるだって?)

 

 

一之瀬は気を薄く拡散させ、周囲の自然と同一化することにより、自らの存在感を希薄化させていた。この技は圏境と呼ばれ、極めたものは天地と合一し、自身の姿すら自然へと溶け込ませ消失させるという恐ろしい暗殺術の秘技である。だから、それも武術じゃないって!

 

どちらの技も、彼女の師匠達に比べれば未熟と言わざるをえないが、効果的に組み合わせることにより初見である悟飯を翻弄することが出来ていた。

 

 

「くそっ!どうして君はそんなに僕を殺したがっているんだ!僕が何をしたっていうんだ!」

 

「何を…何をしたって?あなたがそれを言うの?この糞テロリストが!!」

 

 

一之瀬は悟飯の言葉に激怒し攻撃が激しさを増す。

 

 

「テ、テロリストだって!?僕は犯罪だってしたことなんてないよ!何かの間違いだ!」

 

「あなたが!あなた達が私の父さんを殺したんじゃない!忘れたなんて言わせない!ナメック星であなた達サイヤ人が、あなたとベジータが!私の父さん!ドドリア父さんを殺したんじゃないか!」

 

 

その言葉に驚き固まった悟飯の顔面を、一之瀬の怒りの鉄拳が撃ち抜いた。

 

 




スプラトゥーン3買いました。勝てません。ぴえん。

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