孫悟飯は実力至上主義の教室へ。   作:PPキャンディ

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久々の主人公登場です。


陰の実力者になりたくて(厨二病発症中

「こうか?それともこうかな?うーむ、おかしいな?何も出ないぞ」

 

 

Dクラスのキャンプ地から少し離れた場所で手を前に出したり、上に上げたりとはたまた片足を上げてみたりと様々なポーズを取っては頭を捻っているオレの名は綾小路清隆。みんなには秘密にしているが実は世界最強の男だ。陰の実力者ポジションというのも実にカッコよくて良い。

 

 

「そういえば何か掛け声もあげてたな。よし…ホイッ!チョイッ!まそっぷ!」

 

 

様々な掛け声を出しながらやるが当然何も起きない。いや、諦めるのはまだ早い。実は少し恥ずかしくて試していないことがある。それはハカセから借りた漫画に書かれていた方法だ。

 

覚悟を決めろ、綾小路清隆。お前がナンバーワンヒーローだろう。

 

オレは居住まいを正して、一つ深呼吸。そして胸の前に両手でハートマークを作る。そして高らかに声を上げる。

 

 

「ミラクルマジカル!ルルルのルー!恋の力は無限大!いつでも笑顔でくるりんぱ!貴方のハートにラブチュッチュッ!世界に響け!愛の魔法!L!O!V!E!ラブリービーーーーーム!」

 

 

くるくる回りながら最後にビシッとハートマークを突き出して叫ぶも…やはり何も起きなかった。

 

 

「なぜだ…なぜ何も出ない?三宅たちはいとも簡単そうに手から炎とか出していたではないか。やはりあれは単なるトリックなのか?いやまて、この前ハカセと見に行った映画では確か『じゅうべぇ』とかいう白いイタチから力を与えられて魔法少女になっていたな。となると実は奴らは魔法少女という可能性も…うっ…魔法少女姿の三宅や幸村の姿を想像したら吐き気が…」

 

 

ちなみに綾小路のこの奇行はDクラスの面々に覗き見られてドン引きされているが気づいていない。一人うっとりしながら見ている娘もいるが。恋をしたらアバタもエクボだ。

 

そんな彼に勇気を持って話しかける男がいた。

 

 

「本気でやってるだけ、オカリンより痛いお。やぁ、綾小路氏。ちょっといいでござるか?」

 

「む?スーパーハカーのハカセじゃないか。どうしたんだ?」

 

 

背が高く、そして樽のように太っている黄色い帽子を被った男、彼の名は外村秀雄。少し老けて見えるが同じクラスの仲間だ。特技はハッキング能力で、この試験では密かに彼には活躍してもらっている。その他、エロについて一家言あり、漫画やアニメの知識も深く、尊敬の意を込めてハカセと呼ばれている。

 

 

「スーパーハカーじゃなくてスーパーハッカーな。どうやらCクラスがお越しのようでござるよ」

 

 

ハカセが手にしたタブレット端末を見せてくる。タブレットの画面には上空からリアルタイムで撮影されている周囲一体の映像。そして、腕時計端末から発せられるGPS情報から、この試験に参加している全ての生徒の位置情報が色分けされた光点で示されている。ハカセによれば、とあるクラッカーが強引にセキュリティに風穴を開けたので、塞がられる前にそこからこっそりとバックドアを仕掛けたらしい。この映像を撮影しているのも試験運営側が用意した空撮ドローンだそうだ。

 

 

「Cクラスのうち、一人は上手く餌に引っかかって堀北氏の後を追っているのでござるよ。後はこちらを包囲している奴らを撃退したら終わりでござる。そろそろこの喋り方疲れてきたお」

 

「いくら敵を分断させる為とは言っても、やはり掘北を一人で行かせるのは危なくないか?あいつ、だいぶ弱いぞ」

 

「いやいやいや、綾小路氏が行っても弱すぎて返り討ちにげふんげふん。失礼むせたでござる。とにかく彼女には池氏と王氏に後を追って貰ったでござるよ。堀北氏を追ってるのはCクラスの女の子。池氏なら持ち前のナンパ力でどうにかしてくれるでござる。それに綾小路氏には別に頼みたいことがあるのでござるよ。ニンニン」

 

 

そう言って、ハカセはCクラス4人が迫っている方向から反対側、崖側にある、やはりこちらもCクラスの1人を指差す。

 

 

「どうやらCクラスの山田アルベルト11号氏が不意打ちと退路を防ぐつもりで崖の上に一人で隠れているでござる。山田氏は一人だけですが、倒すために崖の上まで行くには大回りしないといけないでござる。でも陰の実力者である綾小路氏なら、まっすぐ崖の上まで実は行けるんでござろう」

 

 

実はハカセについては、夏休み前にオレの実力に気づいたようで彼の方から接触してきたのだ。自身のハッキング能力を示し、オレのサポート役として役に立ちたいと言ってきたので配下にした。幾ら万能なオレでもコンピュータにはあまり自信がない。というのも、オレが暮らしていた場所ではコンピュータとは部屋の大部分を占める大きさの割に、簡単な計算や簡易レーダーぐらいしか機能がなく、高画質フルカラーの薄型液晶のタブレット端末など全く存在しなかった。インターネットとは何者だ。通信など黒電話で十分だろう。スマフォ?トランシーバーとは違うのか?初めてこの学園に入ってとんでもないカルチャーショックを受けたものだ。

 

 

「まぁ万が一堀北が負けてもリーダーは無事だからな。それもいいだろう。ではオレはこっちの奴を適当に痛めつければ良いのか?弱い者いじめはあまり好きではないのだがな」

 

「大丈夫でござるお。綾小路氏がちょっと脅してやれば相手はビビってすぐ逃げ出すでござるお」

 

 

ハカセがチラチラと俺の後ろを見ながら言ってくる。何かあるのかと振り向くが、そこには地味な佐倉が佇んでいるだけだ。ダメだぞ、佐倉は地味だがあんなのでもオレのハーレム要員の一人だ。いくら使えるやつとはいってもお前には彼女はまだ早すぎる。

 

 

「綾小路氏は男から見てもカッコよくて凄いでござるから!マジマジ!ここで活躍すればみんなから一目置かれるどころか孫悟飯氏よりも優れているってみんなに理解されるお!さすが綾小路氏だお!さすあや!!」

 

 

半ばヤケクソ気味にハカセが叫ぶと、佐倉が満面の笑みを浮かべてウンウンと頷いている。そうか、佐倉、やはりお前もオレのことを凄いと思っているか。どれだけ隠そうとしても滲み出る強者のオーラがオレを一般人にはしてくれないんだな。しょうがないな本当に。だがこれも俺物語の主人公の努めというやつ。よし、試験が終わったら自伝を書き始めるか。たちまちベストセラーになって印税がっぽりだな。そして赤いポルシェを買おう。ロマンティックあげるぜ。ホントの勇気も見せてやるぜ。だからそのトキメク胸でテカテカに光るまでオレの顔を挟んで夢をみせてくれよ。そうとなりゃエロは急げだ。Cクラスの雑魚なんてサクッとぶっ飛ばしてハッピータイムに突入だ!

 

 

 

 

 

 

「スーパー武道マン先生の出撃だ!カタパルト用意!」

 

 

悟飯と一之瀬少女の戦闘が激化の一途を辿ってそろそろ止めどきだろうということで、俺が出撃することになった。ヤバい、どれぐらいヤバいかというと、どちらかの流れ弾一発で確実に俺は欠片も残さず消滅するぐらいヤバい。どうにか逃げることはできないものか。だが前金はもう無いし、ここで逃げたらお尋ね者だ。俺がお尋ね者になったらクリリンのやつ、爆笑しながら捕まえに来るんだろうな。いやだいやだ、死ぬのも嫌だが笑いものにされるのも嫌だ。しかもやつは妻帯者で娘までいるんだぞ。なんでここまで差をつけられた。俺のほうがイケメンなのになんであの禿チョビンが。くそう、絶対死んでたまるか!なにか!なにかないのか!

 

その時、オペレーターがとある映像を表示させる。

 

 

「要監視対象Cクラス伊吹澪とDクラス王美雨が接触!戦闘開始の兆候!」

 

 

それだ!!

 

 

画面には伊吹が戦闘力20万、王の方は急激に上昇して50万と表示されていた。

 

「よしっ!俺は伊吹ちゃんと王ちゃんを止めに行く!こんな美少女達が怪我をするなんて人類の損失だ!」

 

止められる前に俺は界王拳を使って全力で飛び立つ。

 

ふはははは!今の俺は界王拳込みで戦闘力90万だぜ!孫悟飯達の戦闘に割り込まなくていいなら、初期状態のフリーザだってぶん殴ってみせらぁ。だけど変身だけは勘弁な!

 

よしよし、可愛い子ちゃん達に大人の強さを教えてやって、俺に惚れさせるんだ。そしてクリリンに両手に華を見せつけて笑い返してやるぜ!

 

現場に到着すると、既に王ちゃんが伊吹ちゃんをぶん殴ってしまっている。伊吹ちゃんは吹き飛ばされて岩にめり込んでるよ。最近の女の子はおっかねぇな。でも俺のイケメンフェイスにかかれば、この程度、上手く収めてみせるぜ。

 

 

「ちょーーーーっと待ったー!」

 

 

俺は伊吹ちゃんに追い打ちをかけようとする王ちゃんの前に降り立ち、制止する。

 

 

「可愛い子猫ちゃん達、こんな所でどうしたんだい?俺は可愛いキャットファイトは好きだけど、そんなガチな殴り合いなんて君たちみたいな可愛い子ちゃんがやるべきじゃないって思うな。どうよ、ここは一つ、俺のカッチョいいイケメンフェイスに免じて3人で仲良くお茶でもしないかい?」

 

 

「はぁ?なんですか?キモいです。消えてください」

 

 

俺的にイケてる角度でウインクを送りながら言うと、王ちゃんはゴミを見るような目で即答する。そして俺を迂回して伊吹ちゃんのところに行こうとするので慌てて遮る。

 

 

「いやいや、だから喧嘩は良くないって。俺の言う事聞いてくれないと、怒っちゃうぞ。ほら、俺ってほら、強いからさ。君ぐらいの強さになると相手の力とか分かるでしょ。俺が本気になったら君なんてかるーく止めれられるんだぜ。だから危ないことはしないでもっと楽しいことをしようぜ。海辺で夜の星を見ながらギター引いたりとかさ」

 

 

彼女が何度も俺を無視して通り過ぎようとするので肩を掴んで必死で止める。

 

 

「…いて…そいつ……せない」

 

 

すると、彼女は俯いてプルプルと震えだした。やはり、俺の強さは感じ取れるらしい。突然自分より強い大人が出てきたらこんな少女なら怖がるだろう。

 

 

「そんなに怯えなくてももう大丈夫だからな。よしっ!とっておきの曲を聞かせてやるぜ。クールな眼差しホットな」

 

 

俺が女の子を口説くときの定番曲を歌おうとしたが、その途中で彼女の右掌が俺のみぞおちに当てられる。そして、その掌から猛烈な光が漏れてくる。あれ?なんだか彼女の気がすっごく高まってる?え?俺の10倍?いや100倍?え、まだ上がるの?これって死んだ、俺?

 

 

「どいて!そいつ!殺せない!!!」

 

 

その王ちゃんの叫びとともに、俺のみぞおちに膨大な気が込められた気弾が撃ち込まれて…俺の意識はそこで途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

気づいたら、神様の神殿に居てデンデがほっとした顔で覗き込んでいた。

 

 

「あぶなかったですよ。直接神殿まで吹き飛ばされてくれたのでなんとか間に合いました。ドラゴンボール、全部は見つからなかったので、もし死んでたら生き返らせませんでしたから」

 

 

俺は間一髪なんとか助かったらしい。もう報酬の高い怪しいバイトは絶対やらない。とにかく今はぐっすり寝て、明日起きたら天津飯にお礼参りに行こう。俺が地獄を見てきたというのに、ランチさんといちゃついているであろう天津飯に、地獄がどんなところだったのか、思い出させてやる!

 

 

「俺はもうヒーローじゃない。みんながときめいた優しいイケメンヤムチャ様はもういねーぜ」

 

 

 

この日、ヤムチャは死にかけた。

 

 

 

「ここにいるのは報復に全てを賭ける修羅だけだ」

 

 

 

そして、明日にはまた死にかけるだろう。

 

 

 

■戦闘力参考■

綾小路清隆 7200(青春を謳歌して減少中)

佐倉愛里 20億相当

伊吹澪 20万

王美雨 2>50万>2億

堀北鈴音 8(自主トレーニングで微増中)

池寛治 3

ヤムチャ 60万>90万(界王拳)

天津飯 4800万>4億8000万(界王拳10倍)

 




池「俺のカッチョいいイケメンフェイスに免じて3人で仲良くキャッキャウフフしようぜ」
王「池くんカッコいい…抱いて!」

ヤムチャ「俺のカッチョいいイケメンフェイスに免じて3人で仲良くお茶でもしないかい?」
王「はぁ?なんですか?キモいです。消えてください」

恋とは盲目なのですね。


さて、みんなの大好きな主人公、綾小路清隆VS山田アルベルト11号の対戦カードが決定しました。
どちらが勝つのか実に楽しみです。


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