孫悟飯は実力至上主義の教室へ。   作:PPキャンディ

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遅くなってすいません。
3話です。
でも相変わらず話はあまり進みません。


日常の始まり、そして非日常の足音

入学式は表向き恙無く行われた。

 

式に出ている生徒は基本的には1年生だけだが、生徒会のメンバーは参加していた。

 

(生徒会長の戦闘力は1500ぐらい。他の生徒会のメンバーも次に強いのは800ぐらいでそこまでじゃないのか)

 

さっきまで校舎内で感じた強い気達は、入学式に出席している1年生ばかりで、どうやら他学年にはそこまで強い生徒がいないか、それともよっぽど隠蔽に長けた巧者なのだろうと悟飯は考える。

 

その中でも特に高いのはDクラスの二人と、そしてBクラスの列に並んでいるピンクのロングヘアーをした少女だ。

その少女は学年主席として壇上に出て挨拶をしたので名前は判明した。

10人見れば8人が美人と答え、残り2人も可愛いと判断する程の端正な顔立ちに、同じクラスの櫛田のように明るく人好きのする笑顔でハキハキと挨拶する姿は男子生徒の心に強く印象付けられたであろう。

だが孫悟飯にとっては彼女の挨拶は別の意味でも強く印象付けられることになった。

 

(一之瀬帆波か。それにしても、挨拶の最中、終始僕に殺気を飛ばしてきてたけど見覚え無いんだよな。一体僕が何をしたっていうんだ)

 

それまでは8000万ぐらいあった戦闘力が、孫悟飯へ殺気を飛ばしている間は倍近くまで上がっていたので、その怒りは相当なものだろう。

それでいてニコニコとした人当たりの良い笑みは崩していないので、やはり女の人は怖いと孫悟飯は戦慄せざるを得なかった。

 

そしてその様子を高円寺と松下は面白そうに見ていて、悟飯はとんでもない学校に来てしまったのではと感じ、サタンシティの方の学校にすれば良かったと後悔し始めていた。

 

 

(気疲れが酷いや。ご飯でも食べて気分転換するしかないか)

 

悟飯は寮に行く前にまず腹ごしらえをしようと、校舎内にある食堂へと向かった。

食堂では入学式初日とはいえ、それなりの学生の姿があった。

1年生だけじゃなく、自炊の苦手な上級生たちもいるようだ。

 

(メニューは結構豊富なんだな。でも…やっぱり量的には足りないだろうな)

 

サイヤ人である悟飯は地球人と比べて数十倍の食事量を必要とする。

なので、食費に関しても単純に数十倍かかってしまうのだ。

実家は田舎で畑仕事などをしていたし、祖父の資産が残っていたのでそれでなんとか食べていけた。

だが、この学校では支給されたポイントで食費を賄わなければいけない。

だとすれば、この10万ポイントはあっという間に食費に溶けてしまうであろう。

 

(これは食費についてはちょっと考えないとな。ん?あれ?山菜定食0ポイント?)

 

メニューを見ながら悩んでいると、端の方に0ポイントで買える山菜定食という料理を見つけた。

 

「あの、すいません。この山菜定食って何杯食べても0ポイントなんですか?それともおかわりだと追加でかかっちゃいますか?」

 

給仕をしているおばちゃんに悟飯は尋ねる。

 

「坊や、新入生かい。この山菜定食は何杯食べようが0ポイントさね。食いしん坊な男子達の味方さね。でもお肉とかは入ってないから、欲しけりゃ小鉢とかで追加するんだね。ちなみに弁当とか持ってきて一緒に食べてもいいから自炊も覚えたほうがお得だよ。あとあそこの空いている厨房は生徒用の調理スペースだからそこでなら持ってきた食材を使って自分で料理もできるからね」

 

親切に教えてくれたおばちゃんにお礼を言いながら悟飯は考える。

 

(これなら他でちょっと食材を調達してくればなんとかなりそうだな)

 

悟飯は早速食材を調達すべく食堂を出るのだった。

 

 

 

 

(まずは敷地で何が取れそうか確認かな)

 

悟飯は目立たないように屋上に行き、そこから上空へと飛び立ち、敷地をぐるっと見渡す。

この高度育成高等学校は敷地から出ることができないが、その広さはとてつもなく、新鮮な魚がいっぱいの海や野生動物も生息している山や荒野もその範囲に含まれていた。

 

海には敷地の範囲を知らせるブイが設置されている。

その中でなら生徒は自由に遠泳や釣りなどを楽しむことができ、ダイビングサークルなのだろうか、小型艇から海へと飛び込んでいる生徒の姿も見えた。

振り返って海とは反対側の荒野の方を見ると、遠くに大型の恐竜の姿が見える。

おそらく獣人やモンスター型の生徒の狩猟本能を解消するために放っているのだろう。

一応荒野との境目には大型の電磁柵と共に、『この先大型野生動物有り。危険故に入る際は注意せよ。』と書かれた看板が立てられている。

 

「魚もお肉も大丈夫だし、山もあるから山菜も取れそう。それじゃ今日は入学初日だし。豪華にお肉にしようかな」

 

悟飯は荒野にいる恐竜の姿を見ながら舌なめずりをする。

 

哀れ、目をつけられた恐竜は、超高速で飛んできた悟飯から逃げることも叶わず、手刀で尻尾を2メートル分ほど切り落とされ鳴き叫びながら逃げ出すことになった。

 

流石に大きいためフライパンで調理は難しいので悟飯は威力を調整した気光波で簡単に焼いてから食堂へと持っていく。

 

「おばちゃん、とりあえず山菜定食20人前お願いします」

 

(やべぇ新入生が来た)

 

悟飯は持ってきた恐竜の肉をおかずにして栄養バランス良く山菜定食を20人前ペロリと完食し、食堂にいた生徒と厨房の調理人たちを驚愕させるのだった。

その光景はすぐにSNSにあげられ目線こそ入れられてはいたが一躍有名人となってしまうのは別の話である。

 

 

閑話休題

 

 

食事を終えた悟飯は早速寮の自室へと来た。

 

「電気代や光熱費は無料なのか。これは助かったな。重力装置ってかなり電力を使うからどうしようかって思ってたんだよね」

 

悟飯は知り合いの科学者であるブルマに作ってもらった、室内を重力室にする装置をコンセントに差し込んだ。

この装置は最大1万倍まで重力を増やすことができ、その反面範囲外には一切影響を及ぼさないという画期的な装置だが、消費電力がとんでもなく、一般家庭なら電気代だけで破産してしまうレベルである。ちなみにブルマの謎技術により、それだけの電気量を使いながらもブレーカーが作動しないようになっているので安心である。

悟飯はこれを使って、室内を常時50倍に設定した。もちろん修行中はもっと上げる予定である。

これによって今年度の高度育成高等学校の使用電気量は100倍に跳ね上がり、経営陣の顔面は蒼白となってすぐさま原因を調査することになる。だが、やはりブルマの謎技術により隠蔽され究明は不可能であったのもまた別の話である。

 

 

 

 

2日目からは授業が開始された。

 

流石優秀は生徒を育成する学校だけあって、教師陣も優秀な人材ばかりである、教え方もわかりやすく、より高度な知識を学べることに悟飯は満足していた。

でも不可解なことに教師は教えることには優秀ではあるが、学ぼうとする生徒側の態度には無頓着であり、授業中に関わらず騒いでいたり、寝ていたり、あまつさえゲームをしている生徒までいるにも関わらず一切の注意をすることはなく、ただそれを見つけても何かをメモするだけで放置しているのに悟飯は疑問を覚えるのだった。

 

 

 

 

「やっぱり悟飯君も不思議に思っているんですね」

 

お昼にビーデル(椎名さんと呼んだら他人行儀だと泣かれてしまい、かといってひよりと呼ぶのも躊躇われるために妥協案としてミドルネームのビーデルと呼ぶことになった)と一緒に食事をする際に疑問に思っていたことを話したのだ。

 

「後、やたらと視線を感じるんだよね。それでよく見たら、至るところに監視カメラがあることに気づいて」

 

「どうやらこの学校は、私達生徒の様子を細かくチェックしているのかもしれません」

 

「それってやっぱり初日に言われた『生徒を実力で測る』って事に繋がるのかな」

 

「ええ、もしかしたら、来月の支給額は10万ポイントではない可能性がありますね」

 

ビーデルは悟飯の食べている山積みの山菜定食を見て、周りの他の上級生の食べている山菜定食に目をやる。

 

「僕みたいに大食いじゃないのに山菜定食を食べている生徒が結構な人数いるよね。まだ4月も半ばなのに」

 

「もし10万をずっと1年間支給されているなら、この時期で山菜定食を常食しなければいけないほど困窮している理由が説明できませんね」

 

「他にもお店とかで0ポイントの商品が売られていて、上級生たちが持っていくのを見たな。その反面、やたらと羽振りの良い生徒もいたし。となるとやはりポイントは上下すると考えたほうが良いかもしれないね」

 

「ええ、そしてその差はおそらく個人ではなく「クラスごとに上下するのでは、でしょう。とても面白そうな話をしていますね、私も混ぜていただけないでしょうか」…どなたでしょう」

 

ビーデルの話に割り込むように話しかけてきたのは杖を付いた銀髪の小柄な美少女だった。

見た目は同じような可憐さを持ちながらも、おっとりとしたビーデルとは相反するような好戦的な目つきで、赤い星のマークの入った丸バッジを付けたベレー帽を被っている。

よく見ると耳が尖っていて、純粋な人間ではないことが分かる。

 

「私は、1年Aクラスの坂柳有栖と申します。先天性の疾患を患っていまして、このように杖を使わなければ歩けませんが、日常生活には支障はないので気にしないでいただけるとたすかります。あと、私の耳を見ていたようですけど、お察しの通り、父がモンスター型でして、母が人間のハーフになります。父からはこの耳と小柄さ、後は頭の良さを受け継いでいます。それ以外は人間と変わらないのでご安心ください。別に変身したり人間を食べたりはしませんよ、魔族じゃありませんから」

 

彼女の言葉通り、気の強さは弱々しく、戦闘力も2あるかどうかと言った所だろう。戦闘力が30万ほどあるビーデルさんなら息を吹きかけるだけで絶命させることができる。悟飯はそう考え、特に危険はないだろうと安堵する。実際気の小ささのおかげで話しかけられるまで特に気が付かなかったほど弱い存在だ。

 

「坂柳…さんですか。モンスター型のお父様ということは、もしかして理事長さんの?」

 

ビーデルが坂柳という姓に心当たりがあったのか尋ねる。

 

「ええ、父はこの学園の理事長をしています。入学式の日に皆さんにご挨拶させていただいたのでご存知かと」

 

その言葉に悟飯は思い出す。

 

(他の生徒の事で気を取られてて忘れてたけど、たしかに理事長は坂柳と名乗っていたっけ)

 

その坂柳理事は紫色の肌をした小柄なモンスター型地球人で、坂柳有栖と同じ形の尖った耳に、赤と黒の縞柄に赤い星の入った丸模様の付いた特徴的な帽子を被っていたのを思い出した。

 

(そういえば、一之瀬帆波さんに関しては見覚えがなかったけど、坂柳理事長のことはどっかで見たことがある気がするんだよな。学園案内のパンフレットかとも思ったけど、もっと他でだった気がするんだけど、もっと子供のときに…)

 

「金色の戦士」

 

!?

 

「って一時期話題になりましたよね。ほら、昔、セルという化け物が出たときに」

 

坂柳有栖がニヤっと笑いながら悟飯に問いかけた。

 

「えっと…僕はあの頃は小さかったし、それに田舎でテレビもあまり見なかったからよく知らないんですよね」

 

「私も、父が出てたので映像では見ていたんですけど、父に聞いても何も教えていただけなかったので通り一遍の事ぐらいしか知らないですね。でも映像で見る限り、父より遥かに強かったのではと今では思ったりもするんです」

 

「あー、それってさっき僕たちが話してたことと関係あったりするのかな、ないならあんまり知らない話だし別のことでも」

 

悟飯は焦りつつ別の事を話そうとするが、坂柳が遮る。

 

「確かにあの金色の戦士については謎が多いです。ですが誰も知らないような強者がこの世界にはいること。そしてセルのような脅威が今後また現れないとは限らない。そう考えて、それに対抗できる優秀な人材を育て上げる。それがこの学校ができた理由と父からは聞いています」

 

「なので、支給されるポイントを上下させることにより、競争を促し、優秀な戦士、いや生徒たちを育て上げる、ですか」

 

悟飯は答えながら疑問に思っていたことが少しずつ氷解していった。

 

「ええ、かの有名なレッドリボン軍は壊滅した後に残党達が復讐のために最強の天才を作ろうとしたそうですが、人間というのは元来徒党を組むことで格上の相手に対抗できる弱い存在」

 

「故に、この学校ではクラスごとに対立させることにより結束力を持たせ力を付けさせる、そういうことでしょうか?たしかにそう考えるとSシステムというはしっくりきますね」

 

ビーデルさんが後を引き継ぎ説明するが、悟飯も同意見である。

 

「やはり貴方達は優秀そうですね。Aクラスに欲しかったですが、競い合うのも楽しめそう。私が潰す前に勝手に倒れてしまわないでくださいね」

 

そう言い終えると、坂柳有栖は席を立ち食堂を去っていった。

 

悟飯とビーデルはこれから起こるである戦いの予兆を感じ、改めて気を引き締めるのだった。

 

 

 

 

 

 

(孫悟飯君。彼の名前を見たとき、父は恐れ怯えながら絶対に関わるなと言っていましたが、なかなかどうして非常に面白そうではないですか。あそこを生き残った最強の天才と競うことだけが楽しみかと思っていましたが、この3年、退屈せずに済みそうです)

 

 

 

 




人間関係が色々融合しています。
そしてやはり孫悟飯くんはやたらと因果に囚われています。
一応戦闘力を含めた主要キャラ設定は既にできていますのでどう登場させたり関わらせていくのかが楽しみです。

なんでも良いので感想をお待ちしています!

そういえばもう片方の主人公…影薄すぎない?

綾小路清隆君側の視点とか必要ですか

  • 綾小路くんの視点も必要
  • 綾小路くんが主人公だろう、今すぐ交代しろ
  • 綾小路くんの最強無双伝説が始まる
  • 綾小路くんって誰だっけ?
  • それより他の女の子の視点が欲しい
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