少女の微睡、月香の夜。   作:かなしいな

18 / 39
狩人、雪を知る。



※第十八話、カインハーストです。


狩人の恐怖、廃城の霊魂。

「人形さん、お願いします」

「はい。それではお手を…」

 

禁域の森で出会ったあの獣を殺してから、狩人の体には異変が多い。

遺志を得る度に、血を浴びる度に心がザワつく。

自身の敵を明確に示してくれる導きが、血に染まる視界の中でブレて行く。

そんな感覚に襲われる事が多くなった。

 

「…狩人様」

「────…あ、はい?どうしました?」

「何か思い詰めている事は、ございませんか」

 

人形は、それを見抜いていた。

というよりも、狩人がわかり易過ぎたのか。

膝を着いて狩人の手を握り、遺志を力に変換していた人形の瞳が、狩人の瞳を射抜く。

下から見上げるそれは、まるで全てを見透かしているかのような色をしていた。

 

「…ありませんよ、僕は大丈夫です」

 

それでも狩人は話さない。

否、話せなかった。

ここで話してしまえば、"狩人"は終わってしまう。

限界の底まで辿り着いて、そこでようやく話したのなら。

苦しみ抜いた末での吐露なら、終わらずにいられるのかも知れないが。

 

だが狩人の心はそこまで辿り着いていない。

今話してしまったら、中途半端に甘えてしまう。

"何をするのが正解なのか"、"何をしたら解放されるのか"

恐らくそれは狩りの中で見付かるもので。

成就する前に甘えてしまえば、きっと何も手に付かなくなる。

 

「……出過ぎた真似をしました、申し訳ございません」

「い、いやいや!心配してくれたんですよね?ありがとうございます」

 

人形との会話は数少ない安らぎの内の一つだ。

だからこそ頼り過ぎず、本当に耐えきれなくなった時に縋り付く最後の砦として、狩人の心の奥底に降り積もる痛みを塞き止めている。

人形は狩人の手を放して立ち上がり、懐から一つの髪飾りを取り出した。

 

「それって…」

「私が初めて受け取った愛で、貴女が運んでくださった愛です」

 

人形の表情が変わる事は無い。

人形なのだからそれが当たり前なのだが、その雰囲気は間違いなく柔らかなものになっており、瞳には慈しみが宿っていた。

 

「私の役目は、狩人様のお世話。…ですがそれ以上に、この温もりを教えてくださった貴女の役に、立ちたいのです」

「……うん」

 

愛おしそうに髪飾りを撫でる手は、記憶を覗き見た直後のあの手に似ていて。

恐らく今思い浮かべているのは、その記憶で見た者では無く、狩人の事なのだろう。

 

「私は時を待ちます。ですから、その時が来たら…」

「…話しますよ、その時は」

「…これは、我儘と言うのでしょうか…でしたら私は」

 

直ぐに不安気な色に変わる人形の瞳に、狩人は笑いかけながら話す。

心配は無い、大丈夫だという精一杯のアピールを含めて。

 

「多分それは心配って言うんです。さっき人形さんがしてくれたのと、変わりません」

 

最初の内なら、まだ甘えていられた。

痛い、怖い、苦しい、耐えきれない。

…と、そう言って甘えてしまう事が出来た。

 

けれど今は、助けた人々からの更なる期待が、小さな両肩に乗っている。

今まで殺した人間の怨嗟が、細い両足に絡まる。

何よりも、正気なまま狩人の存在によって死を迎えた"二人"が、狩人の白い首を締め付ける。

 

「…ありがとうございます、今は本当に、大丈夫なんです…だから、駄目になったら、甘えさせてください」

「…狩人様が、そう仰るのなら…」

 

その言葉と共に頭を下げた人形に背を向けて、狩人は工房へと入って行った。

 

「ゲールマンさん、聞きたい事が────…いないかぁ」

 

狩人の用は遺志での強化だけでは無い。

ヘムウィックの魔女を倒した後に拾った工房道具、その用途を確かめに来たのだ。

しかし頼みの綱である助言者は工房内にはおらず、人気の無い室内にはただ伽藍とした雰囲気が残るばかりだった。

 

いないのなら仕方無いと奥にあった祭壇に箱を置き、開いて中を確認する。

出て来たのは鉤のような特殊な形状をした金属製の器具だった。

血晶石の工房道具のように機械的仕掛けがある訳では無く、ただその形状のまま使用されるものなのだろう。

 

「人形さん、ゲールマンさんがどこにいるか知りませんか?」

「申し訳ございません。あの方の存在は、今はもう曖昧で…長い間顔を見る事も叶わないのです」

「そう、ですか…」

 

この狭い夢の中ですら顔を合わせる事が無いというのも不思議だが、人形がそう言うのならそうなのだろう。

ゲールマンに聞くのは今は諦めた方が良い。

 

一度工房内に戻って道具を確認して見れば、それは狩人の確かな徴に書かれた模様と似た形をしている。

何かを取り付ける為であろう金具の出っ張りがある事から、この道具単体では意味を成さないのかも知れない。

 

そこまで考えた所で、狩人は一つ思い出す。

そもそもとしてこの道具は工房にあった物の筈だ。

"ならばゲールマンでなくとも、人形に聞けばわかるのでは無いか"と。

 

「あの、人形さん」

「何でしょうか」

「この道具なんですけど…見覚えとかってあります?」

 

道具を片手に工房を出た狩人は、その足で人形の元へと向かった。

"今は大丈夫だなんて言っておいて早速頼ってるじゃないか"と己の曖昧さを呪いながら、狩人は道具を人形の方へと差し出す。

それを見た人形は少し考えるような素振りを見せ、やがて思い出したように道具を手に取った。

 

「こちらは…秘文字の工房道具、と呼ばれているものだったかと」

「ひもじ…?」

「カレル文字と呼ばれる特異な記号が描かれた板を取り付け、脳裏に焼き付ける…古くここに訪れていた狩人様方は、暖炉の前で幾つか焼き付けていた覚えがあります」

 

名前を告げられただけでは合点が行かなかった狩人も、流石にその名称が出て来れば話は別だ。

ヴァルトールが語ったカレル文字、その使用方法と必要な道具が今揃おうとしていた。

 

「えっと、使い方ってわかります?」

「はい。カレル文字さえご用意頂けるのなら」

「あ、じゃあこれを…」

 

そう言って狩人が取り出したのは、"獣"のカレルが二つと"淀み"のカレルが一つだ。

見直してみれば淀みだけが青い板に刻まれており、獣は片方が少し薄く、掠れた刻み方をされている。

 

「直ぐに使われますか?」

「え?あぁ…そうですね、どんな感じなのか試したいですし」

 

人形の変わらない表情に、だが瞳にだけは僅かな活気が点ったような錯覚を狩人は覚える。

まるで"遺志以外での頼みは久々のものだ"と言わんばかりに、張り切っているようにすら思えた。

錯覚は錯覚だとして狩人は頭を振り、人形に向き直る。

 

「それでは、こちらへ」

 

そうして人形に案内されたのは、工房の内部。

先程まで道具を置いていた祭壇の手前にある暖炉の前で、人形は立ち止まった。

どこから取り出したのか暖炉の傍に木製の椅子を置き、それに狩人を座らせると、秘文字の工房道具に狩人が渡した薄い獣のカレルを取り付ける。

そしてそれを────

 

「え゙っ」

 

暖炉の火の中へと突っ込んだ。

 

奇行にも思えるその行動に驚愕の声を漏らす狩人だったが、人形がしている事なのだからきっと正しいのだろうと思考を停止させ、ただただ椅子に座り呼び掛けを待ち始める。

鉄板を火に入れればすっかり熱されてしまう程度の時間が経った頃、暖炉の中から薪を掻き分ける音が聞こえた事で狩人は意識を澄ませる。

 

「準備が整いました。狩人様、帽子と聖布をお外しになってくださいますか」

「は、はい…えっと、何を…?」

「カレル文字を焼き付けます」

「……どこに?」

「狩人様方は、皆脳裏に焼き付けておられました。」

 

サッと青ざめた顔は、直ぐに覚悟を決めた表情に変化する。

痛みに慣れた訳では無いが、今までの経験のおかげで痛みを我慢する事には慣れ始めた所だったのだ。

"あまりに耐えきれないようなら輸血液を使おう"と手を懐の近くまで持って行き、もう片手で帽子と聖布を外す。

 

「…ど、どうぞ!」

 

狩人の掛け声で、焼かれた鉄板が押し付けられる。

小さなそれは肌に当たった時点でじゅうじゅうと音を立て、柔肌に文字を刻む。

鉄板の熱が、音を立てているのだ。

 

人形がそれを押し付けたのは、狩人の後頭部。

項の少し上に髪を掻き分けて押し付ける事で、焼印を押されていた。

 

常なら"脳裏と言っていた割に物理的な方法だ"などと考えていたであろう狩人は、今ばかりはそんな余裕を失くしていた。

焼印を押されるなど初めての経験だが、それ以上の"初めて"が狩人の脳を襲っている。

啓蒙が芽生える感覚同様、脳に響くその感覚。

痛みは無い、だが"芽生える"などという生易しいものでも無い。

狩人は今正に、"脳裏に文字を焼き付けられている"のだ。

 

「苦しくはありませんか?」

「く、苦しくは…無い…?と、思います…」

 

疑問符が付くのは、狩人自身その感覚を理解出来ていないからだ。

熱いのに痛みは伝わっておらず、脳に刻まれているのに脳にダメージは無い。

だと言うのに押されている文字が脳にくっきりと思い浮かぶ。

そんな不思議な感覚は、人形が道具を狩人の肌から離した時点で終わりを迎えた。

 

「一つ、済みました」

「あぁ…今ので一つなんですね…」

 

そして板が離れた所で狩人は異変に気が付く。

理性ある獣との戦い以降体を蝕んでいた異様な感覚が、ほんの少し強さを増しているのだ。

不快になった訳では無いが、どこか不安はある。

人形が次の準備を始めているのを見た時点で、耐え凌ごうと強ばった体が忘れてしまう程度の変化だったようだが。

 

「あぅぅっ…」

 

二枚目も大した変化は無いだろうと高を括っていた狩人は、その所感を盛大に裏切られる事となる。

脳へと刻まれるその文字から、今も鉄板を押されている項、そして背骨から尾骶骨までを突き抜ける高揚感。

それはやがて全身へと伸びて行き、波のようにゾクゾクと狩人の体を震わせる。

 

まるで、落とした遺志を拾った直後のような。

まるで、強敵の遺志を獲た時のような。

そんな強烈な感覚に、狩人の瞳が黒く染まる。

右腕は狩人の精神の歯車を決定的に狂わせた、あの内臓攻撃の時と同じように、じくじくと疼いている。

 

「ふーっ…ふーっ…」

 

精神力が強い訳では無い、むしろ弱い部類に入る狩人は、それでも理性によってその本能を押さえ込んで見せた。

荒い息には温度が乗っており、白く吐き出されて行く。

先程まで痛い程に疼いていた右腕も、既に音沙汰無い。

 

「お辞めになられますか?」

「……っいえ、最後もお願いします…!」

 

不安気な色を浮かべたままの人形の瞳は、その言葉に揺らぐ事無く最後のカレルを工房道具に取り付ける。

後頭部に押し付けられる熱に体を必死に固めて備える狩人は、熱自体は変わらないが何も起きない事に拍子抜けしたのか、入れていた力が急速に抜けて行くのを感じる。

"何も起こらない"

起こらないまま、板は離れて行った。

 

「…これで、全て焼き終わりました」

「……あっ、え?終わりですか?」

 

頷く人形を見て狩人が考えたのは三つ。

鉄板の色によって体に起こる変化に差があるのか、ただ単に青は何も起こらないのか、白い方のカレルが異常だっただけか。

尤も知識が足りていない狩人の頭では何もわからず終いに終わり、今度は焼印を押された後頭部の心配を始めている。

 

「これ、跡とか凄くなってそうですね…一回付けたらもう他のには出来ないとか…」

「この工房道具を扱っていた狩人様方は、熱していない文字の板を押し付ける事で取り外していました。」

「あっ外れるんだ…」

「そして焼き印は脳裏に刻まれるもの……貴女の肌に、痕など残っていません。綺麗な、ままです…」

 

妙な含みのある言葉と共に、人形の冷たい手が狩人の項に触れる。

先程までの熱とは真逆の刺激に跳び上がりそうな程の驚きを感じつつ、その全てを呑み込んで見せた狩人は、視線だけを人形の方へと向ける。

"夢を見た"と吐露した時と同じ、狩人の手を握り撫でていた時と同じ、愛おしそうなその瞳の色に。

どこか気恥しさを覚えた狩人は、直ぐに立ち上がる事は出来なかった。

 

「え、えっと…手伝ってくれてありがとうございました!」

「貴女のお世話が、私の役目ですので…」

 

数分が経った頃、そろそろ良いだろうと狩人は帽子と聖布を元に戻し、立ち上がる。

名残惜しそうな声色を、仕方無いのだと振り切って、狩人は墓標へと向かう。

カレル文字も装着し、向かうはヘムウィックの辻────

では無く、オドン教会だ。

長く帰れない可能性があるからか、二つの心残りを消化して行く事にしたらしい。

 

 

 

オドン教会へと転送された狩人は、目的の人が、頭を抱えて笑っていた老婆が体を起こしているのに気付く。

"具合でも悪かったのか"、"起きているという事は良くなったのか"

"無理をしているのか"、"教会の空気が老体に障りでもしたのだろうか"

狩人の心にあった老婆への心配は、既に苦手意識に勝っていた。

 

「…ヒヒッ、ヒヒヒヒッ…」

 

気が違ってしまったかのような可笑しな笑い声は先程までと変わらない。

だがこつりこつりと軽い足音を上げながら歩く狩人に、老婆の視線は焦点を合わせていた。

 

「起きられたんですね…お体の具合は大丈夫ですか?」

「…あぁ、おかえりなさい」

「────…へ?」

 

あれだけキツい口調で狩人を遠ざけ、罵っていた老婆の態度が急変している。

声色も軟化し、視線も優しげなものだ。

愛し子を見ているような、そんな視線のまま、老婆は狩人に語り掛けていた。

 

「早かったねぇ、私の可愛い子」

「え…あ、え?な、何を…?」

 

老婆は狩人に向けて招くように手を振り、それに従って近付けば、その手を狩人の顔に添える。

頭に乗った帽子を退けて狩人の頭を自分に寄せると、白い髪を優しく撫で始めた。

 

「大丈夫かい?何か辛い事があれば、お母さんが何とかしてあげるからねぇ」

「お母さんって…僕は…」

 

"貴女の娘じゃない"

そんな言葉も霧散してしまう程、老婆の手付きは優しかった。

皺の多い骨ばった手は、まるで本当に自分の子を撫でているように、狩人の髪を梳かし撫でる。

 

「辛い事があるのかい?」

「……いいえ、僕は大丈夫です」

「そうかい…それなら良いんだよ」

 

そう言いながら老婆は狩人の頭を撫でるのを一度やめ、懐から一つの瓶を取り出す。

それを狩人に手渡すと、再びゆっくりと頭を撫でる。

 

「もし嫌な事があったなら、これを飲んで忘れてしまうのよ」

「忘れるって…」

「嫌な事は、ぜーんぶねぇ…」

 

渡された瓶に入っているのは、輸血液と似た色をした液体。

否、輸血液よりももっと色濃く、それは濃血と呼んで良い色合いをしている。

"飲む"というのは輸血液では考えられないのだから、きっとそれは別物なのだろう。

彼女も、これを飲んで忘れてしまったのだろうか。

狩人は老婆から受け取った"鎮静剤"を懐にしまうと、撫でるのをやめてただ狩人の頭に乗っている老婆の手をゆっくりと降ろし、小さな両手で包み込んだ。

 

「…何とかします、夜は僕が終わらせます」

「小さな手だねぇ、前からこのくらいだったかい?」

「……ちゃんと、終わらせますから」

 

最早狩人の言葉など届いていないのか、誰が見ても正気を失ってしまっている老婆は、その膝の上に乗せていた帽子を狩人に被せてやる。

一瞬擽ったそうにする狩人は、用事がまだだと思い返して老婆の手を放し、歩き出した。

 

「それじゃあ、また」

「おや、もう行くのかい?気を付けるんだよ」

 

不思議に思わない訳でも無いし、娘として扱われる事に薄ら寒いものを覚えない訳でも無い。

それでも老婆から狩人に────彼女の息子、或いは娘に向けられた愛は、間違い無く心の底からのものだった。

狩人の記憶にない"母親の愛"を、この夜初めてその身で受けたのだ。

喜びや悲しみと言った言葉で表せる感情では無かったが、少なくともこのやり取りで、狩人が夜明けを目指す理由が一つ増える事となった。

 

出入口から外へ出た狩人は、直ぐ左にあるベンチの辺りを見渡す。

だがそこにもう片方の目的である烏羽の姿は無く、ただ市街と聖堂街を分かつ谷から吹く風が狩人の髪を揺らしている。

月はまだ昇りきってはいないが、夜闇は深くなり、風もずっと冷たいものになって行く。

 

「せんぱーい?…いないのかな」

 

それ程大きな声で呼び掛けた訳では無いが、この程度の音を聞き逃すような手合いでも無いだろう。

一度呼び掛けて現れないのだから、この付近にはいないものとして諦めた方が良い。

────"先輩"というのが自分では無いと思っている可能性は、狩人がそのような二人称を今まで使っていないのもあり、充分考えられるが。

 

"まだ確りとしたお礼を言っていない"

それが狩人の烏羽への心残りだった。

尤も面と向かって礼を言ったとしても"礼なんてのは言葉に残さず行動で示しな"などと、また狩りへ促されるだろう。

 

いないのなら仕方無いと一度諦め、狩人は夢へと戻って再度転送される。

行き先は今度こそヘムウィック、灯りは魔女達のものだ。

 

 

 

転送された狩人は階段を上り、死体が棄て置かれた廃屋へと出る。

廃屋の前に潜んでいる老婆達は未だ侵入者に気付いていない様子で、その背を狩人に向けたままだ。

墓地街を進むなら追手を増やす事は避けたい、となればこの老婆達はここで仕留めておくべきだろう。

 

「…?」

 

まずは手前からと武器を構えた狩人は、その手に乗った重さに違和感を覚える。

一言で形容するならば、"バランスが悪い"だろうか。

構えた仕込み杖を振るう前に強く握り込んでみれば、その違和感の正体に気付く。

 

ノコギリ槍程では無いものの、杖にも相当ガタが来ているようだ。

思えば散々な無茶をさせていた武器でもあり、刃が欠けた訳では無く、仕掛けそのものにダメージが蓄積しているらしい。

壊れる前に気付いて良かったとも言えるが、これで狩人が扱える武器は聖剣のみとなってしまった。

 

「…ふーっ」

 

吐く息は白く、敵の背を見詰める瞳は暗く。

"アレは獣だ、自分を害する獣の群れだ"と自分自身に言い聞かせ、狩人は聖剣を抜く。

今まで狩人を微力ながら支えていたその"妄信"を確かなものとした事で、あるかもわからない正当性を盾にして剣を構えると、音を立てずに走り出す。

 

まずは一人、背骨を断ちながら胴を貫く事で仕留める。

剣を引き抜く事によって倒れる体が上げた音に勘付いた老婆の一人が振り返るが、既に距離を詰めている狩人の居場所は木槌を振るうには近過ぎた。

 

「あと一人…!」

 

音を立てず、音を立てさせず。

狩人はその首を刎ねる事で叫び声すら上げさせず、二人目を葬った。

遺志での強化によるものだろうか、狩人の技量は格段に成長しており、最後の一人には他二人が仕留められた事すら気付かせていない。

三人目がようやく狩人の存在に気付いた頃には、その胴も斬り裂かれ、血に染まっていた。

 

「はーっ……はぁ…」

 

いつの間にやら呼吸を忘れていたのか、一度大きく息を吐いた狩人は、今度は肩を上下させながら呼吸を繰り返す。

とはいえ無呼吸の時間はそう長くない、ならばこの疲労は単に持久力の低さから来るものだろう。

狩人が何度遺志を力としても、持久力が付いていないのだ。

 

どこをどう強くするのか、というのは狩人が選択している訳では無い。

人形が────とも考えたが、だとするなら確認を取る筈だ。

或いは他の何かが決めているのか、それこそ眉唾だろう。

 

三人の死体を見下ろし、"何も気にしていない"気になった狩人は、ヘムウィックの墓地街を歩いて行く。

途中で見える解体人達から身を隠して進めば、狩人が魔女を倒す為に走り抜けた仕掛けの門の傍に、一つ特徴的な石碑が見える。

二度ここを通った筈だが、切羽詰まっていたせいか見落としていたのだろう。

 

あれが辻なのかはわからないが、調べてみない事には始まらない。

狩人は周囲の犬を狩りながら少しずつ近付いて行った。

解体人の足音に怯えながら何とか辿り着いたその石碑は、異様な形をしている。

枯れ木や蔦が絡まっている檻のような外観と、側面に描かれた不思議な模様。

前衛芸術と言うには置き場所が不思議過ぎる彫刻だ。

 

「────…何この音…!?」

 

雰囲気に呑まれたのであろう狩人がその場に留まっていると、何処からか馬が車を引くような音が聞こえて来る。

未経験のその音に怯え、身を隠そうとする狩人は、ふと向いた湖の方角から何やら大きな影が近付いて来ているのを目にした。

 

二頭の馬と、それが引いている馬車。

豪奢な装飾がある訳でも無く、不気味な外観と言えなくも無いが、全体的に落ち着いた雰囲気の車はまさしく"招待客の送迎"といった様子だ。

むしろ狩人の目は馬の方に捕らわれている。

 

整えられているようには見えない毛並みと、燻されたように乾いた肌。

生気を感じさせないその見目は、まるで剥製が生きたフリをしているかのような違和感を狩人に植え付ける。

 

だが狩人は自分に関する記憶を失っているが故に、馬自体は知っていてもそれと触れ合った経験があるのかはわからない。

だからこそこの夜で初めて見る馬に、好奇心を抑えきれず手が伸びてしまった。

 

「お、おぉ…」

 

"迎えに来てくれたのだから、労いくらいは"という建前と共に触れたその肌は、やはり異質な手触りだ。

生皮と言うよりも合皮やゴムの方が余程近いだろう。

だが狩人の撫でる手が左右へ動く度にその首を動かし、時折白い鼻息を吹く馬が、狩人の琴線に触れたらしい。

 

「…可愛いかも」

 

もう一頭の方にも近付き、今度は正面から首に手を回し、抱き着きながらその鬣を撫で始める。

体温は感じる、それは白い息を吐いている時点でわかりきっているが、やはりこの見目と触り心地にしてはと言う他無い。

とは言えこの夜で中庸的、或いは友好的な接触が許される動物などと言うのは、そう居なかった。

ともすれば可愛がり甲斐のある犬や猫でも居れば、狩人の心にもある程度の余裕があったのだろうか。

 

やがて満足したのか狩人は馬から離れ、車の側面へと回り乗り込もうと扉に手を伸ばす。

伸ばしたその手は蝶番の音で止まり、狩人の足は数歩馬車から離れた。

独りでに開いた馬車の中に何もいないのを見てしまったからだろうか。

どうやら狩人はその手の怪奇的現象も苦手なようだ。

尤も、この夜を歩いておいてそんなものを怖がるのも問題ではあるが。

 

「お、お邪魔します…」

 

アルフレートからの期待に背中を押される形で馬車の扉に手を掛け、乗り込んだ狩人は、座り心地の良い椅子に安心しながら扉を閉めようと見やる。

当然とでも言うように勝手に閉まった扉を見て、降りたいという気持ちに蓋をしながら、狩人はその場に腰を落ち着けた。

 

馬車は大きな車を馬に引かせるもの。

狩人の認識としてはその程度だが、それでも御者が必要という事くらいは理解している。

そんな人影を狩人は見ていない。

そして鞭が振るわれる音すら聞こえないままに、馬車は動き始めた。

 

「ん…」

 

うつらうつらと、狩人は船を漕いでいる。

乗る前は眠気など無かった筈なのに、馬車が動き始めてからどうにも抗い難い眠気に襲われているのだ。

着くまでは、降りるまではと起きている事を諦めた狩人は、その座席に身を預け寝息を立て始めた。

 

 

 

馬車の窓から飛び込む冷たい風が、狩人の顔を叩く。

その冷気に狩人が目を覚ませば、外は一面雪景色となっていた。

 

「くぁ…ふ……さ、寒っ…!?」

 

欠伸を噛み殺しきれないまま吐いた息が、狩人にその寒さを自覚させる。

明らかに異常だ。

狩人が湖越しに見たカインハーストの城には、雪など降ってはいなかった。

その時点で狩人の脳内に浮かんだ答えは二つ。

 

一つはこの馬車はカインハースト行きのものでは無く、自分はただ単に人攫いの馬車に自分から乗り込んだカモであるという可能性。

もう一つは湖の向こう側に見えたあの城はカインハーストでは無かったという可能性。

 

そうしてうんうんと唸る狩人を余所に、馬車は緩やかに停止した。

到着したのかと狩人が外を見ようとすると、またもや扉が勝手に開き、馬車内の温度が急激に下がって行く。

マフラー代わりの聖布を深めに巻き直した狩人は、意を決して馬車を降りた。

 

どうやら狩人の推論は二つとも間違いだったようだ。

目の前にあるのは、狩人が見たあの城で、吹雪は今も狩人の体を横殴りに降るままで。

場所を間違えた訳でも無く、馬車を間違えた訳でも無い。

ここが、この城がカインハーストなのだろう。

 

理解すると共に、啓蒙の芽生える感覚が狩人を襲う。

ただ立ち尽くしている訳にも行かないが、狩人は初めて見る雪に気分が上がっているらしい。

初めての馬、初めての馬車。

そして初めての雪。

記憶喪失の身なら当然だが、立て続けに危害の無い初体験が重なったのだ。

有り体に言えば、狩人は浮かれていた。

 

片手の手袋を外し、肩くらいの位置に持ち上げて、雪を一粒その手に受ける。

降り頻る雪の中でも一際大きな結晶が小さな手に落ち、そして溶け始めると、その冷たさと擽ったさに狩人は目を細める。

やがてその結晶が溶けきった頃には新たな結晶が一つ、二つと落ちて溶け始め。

その辺りでようやく目的を思い出したのか、いざカインハーストの城へと進もうとする狩人は足を止め、ここまで自分を運んだ馬の方へ声を掛けようと振り返る。

 

「お馬さんは寒く────」

 

"ないですか"と返答がある訳も無いのに問い掛ける狩人は、馬が二頭とも別の意味で返答が出来ない状況である事を知った。

倒れた馬体は大半が積もった雪によって隠れているが、まず間違いなく絶命しているだろう。

 

馬車もまた長い時間捨て置かれていたかのように氷柱に覆われており、狩人が乗って来た馬車は別物なのではと言わざるを得ない。

骨が露出しているその体はまだ原型を留めている事から、狩人はまたもや的外れな考察を始める。

 

「────そんなに寝てたの…?」

 

馬鹿げた事を考えながら、狩人は周囲を見渡す。

背後にあった筈の狩人が馬車に乗って進んで来たであろう石橋は崩れ落ちており、どこをどう進んでここに辿り着いたのかすら曖昧だ。

狩人は考えるのをやめ、門へと向かう為目の前の階段を上り始めた。

 

大きな門は正しく城門と言える威圧感を放っており、それに気圧されたのか狩人は少しばかり及び腰になっているようだ。

警戒しながら上る狩人に、またしても不可思議な事が起こる。

目の前の城門が独りでに開いたのだ。

 

「また勝手に…」

 

勿論不可思議というのは門が開いた事自体に対してでは無く、その門を越えた先に誰もいない事に対してだが。

更に警戒を強める狩人は、入って直ぐに灯りを見付ける。

今までの不気味過ぎる事象から"一度帰ってしまおうか"という考えも過ぎるが、狩人はあくまでアルフレートの期待に応える事を優先したらしい。

 

城に入るのなら、と左の道を行こうとした狩人は、残念な事にその影を見付けてしまう。

大きな蚤のようなその影は、だが頭に長髪を生やした人の顔が存在する。

赤く膨れた腹に入っているのは、やはり蚤らしく血だろうか。

 

「き、気持ち悪っ…!」

 

一気にそちら側への道を進む意欲を削がれた狩人は、一先ず右の道を行く事にした。

右にも入口のようなものはあり、その周囲には石像が幾つも置かれている。

製作者の類稀な技術を感じさせるその彫刻は、何故かこの吹雪に晒されたまま放置されている。

 

屋根の下に入ってみればまたも石像が多数置かれており、その間には閉まった扉と仕掛けのレバーが設置されていた。

引こうとしてもまるで動かず、つまりは今までのエレベーターと同じで乗って来なければ動かないものだろう。

 

「あっち、行かなきゃかなぁ…?」

 

先程の蚤が見えた道の先を見てみれば、案の定奥には大扉が一つ。

正規の道はこっちだ、と狩人に告げているようだった。

 

仕方無しと馬車に乗る際にしまった聖剣を取り出し、右手に構えた狩人は、左の道を歩いて行く。

それが当然とでも言うように蚤の二匹目が現れた所で、狩人の思考は逃げへと切り替わった。

 

「はっ…!はっ…!」

 

柔らかな雪を踏み固めながら走る狩人の足に、赤い紐が巻き付く。

妙に柔らかく、そして温度のあるそれの出処を見れば、蚤の顔へと辿り着いた。

蚤は狩人の足に巻き付けた舌を、振り回すようにして引く。

 

「ぶべっ」

 

顔から雪へと倒れ込んだ狩人は、そのままズルズルと引き摺られてしまう。

引かれた先は蚤の目の前、ヤケになった狩人が聖剣を振るおうとすれば、右腕に巻き付くもう一本の舌がそれを静止する。

狩人を追っていたのは元より二匹だったのだから、当然と言えば当然の事だ。

 

「っぐぅ…!」

 

蚤は右の前脚を持ち上げ、狩人の腹へと振り下ろす。

苦悶に表情を歪める狩人は左手に短銃を構え、引き金を引く。

だが命中した水銀弾もさほど効果は無く、むしろ蚤の激情を煽るだけとなってしまった。

 

足に巻き付けていた舌を戻した蚤は、そのままピシャリと鞭のように舌を振るい、起き上がろうとしている狩人の体を叩く。

命中した箇所の布が引き裂かれ、狩人の肌が露出するが、そこから見えるのは白では無く赤だった。

腫れによる赤、それは段々と青へと色を変えて行く。

 

「ひぐっ…う…」

 

更に数度叩かれた時点で、狩人は戦意を喪失していた。

今までこれ以上のダメージを受けた事はある。

一撃で即死してしまうような攻撃も、臓腑を引き抜かれる事もあった。

今回はそれとはまた別の"痛み"だ、皮膚へと繰り返されるその痛みに、狩人は耐性を持ち合わせていなかった。

 

やがてもう一匹の蚤が、右手に巻き付けていた舌を細首へと這わせる。

生暖かいそれを気味悪がるものの、身動きが取れない狩人はただ身を捩って藻掻く事しか出来ない。

そんな狩人の抵抗を鬱陶しく思ったのか、首に緩く巻かれた舌が勢い良く絞まった。

 

「かは、ひゅ…」

 

息をする暇も与えられず絞まり続ける舌を自由になった両手で掴み、引き剥がそうとする狩人の体に、もう一度鞭が入れられる。

気道は全く空気が通らない程にキツく絞め上げられ、腹への鞭はいよいよ内臓にまでダメージを与え始める。

酸欠によって明滅する狩人の視界は、やがて明すら失い、その意識は暗く沈んで行った。

 

 

 

「…僕は大丈夫」

 

場所は再びカインハースト、狩人は独り言をその場に吐き捨てて、先程と同じ道を走っている。

一度目の挑戦で追い付かれた理由は、右の道を見ている間に蚤達が移動していたからだろう。

今回はその移動時間すら与えない事で、比較的安全に門へと向かう事が出来ていた。

 

ようやく門まで辿り着くかと言う時、ふと左から何かを舐め啜るような音が聞こえる。

ぴちゃりぴちゃりと幾つか響く音の方へ狩人が耳を、そして直後に目を向ければ、そこには三匹の蚤が鎮座していた。

どれもが狩人の方は向いていないが、周囲に飛び散った血を舐めており、特に奥の一匹の腹は狩人が三人は軽く収まるような大きさをしていた。

 

狩人は出来るだけ息を潜め、門へと近付いて行く。

幸いな事に追って来ていた蚤はどちらもが狩人の事を諦めていたらしく、音を気にし始めた事で落ちたペースでも難なく扉の前まで辿り着く事が出来た。

 

今までのように扉に手を掛け、開けようとすれば、狩人がその手に力を入れる前に左側のみが開き始める。

先程の城門のように自動的に開いたそれは、大柄な男が一人通れそうな幅で停止する。

それと同時に泣き声のような、何かを拭いているかのような音が狩人の耳に届いた。

 

「お邪魔します…」

 

狩人は誰とも知れぬ虚空に一言告げて、扉の間を通って中へと踏み入った。

外観の寂れた様子とは打って変わって城内に荒らされたような様子は無い。

明かりも付いている辺り、先程の音は聞き間違いでは無く、まだ住人がいるのだろう。

 

入って直ぐの床には何やら小さな人影が一つ蹲っており、良く見ればそれは床を丹念に拭き掃除している。

聞こえて来た音は泣き声では無く床を拭く音だったようだ。

 

"それなら安心だ"と狩人が僅かに緩めた警戒心が、直後最大まで引き上げられる。

城内にある数本の柱、その内の一つからまた人影が現れたのだ。

ただの人影ならそこまで警戒はしなかっただろうが、問題はその格好。

短剣を両手で持ち、前に構えているその人影は、恐らくドレスを着た女性

そして短剣より気になるのは、首元の傷とそこから出ていたのであろう首周りを汚している血だ。

 

「ひっ…」

 

本能的恐怖を掻き立てるその女性は、啜り泣くような声を上げながら狩人の方へ近付く。

血は止まっているのだろうか、滴り落ちてドレスを汚すような事は無い。

だが死んでいなくてはならない程のその傷で動く、それ自体が狩人の恐怖心を刺激していた。

 

「ウゥ…ウゥゥ…」

「あ、あの…どうか、しまし────」

 

啜り泣く女性に、狩人は意を決して話し掛ける。

しかしそれが間違いだったという事は、狩人が一歩前に出た時点で証明されてしまう。

 

「っ!?」

 

広い城内に剣戟の音が響く。

その甲高い金属音は狩人の聖剣と、そして女性が持つ短剣から発せられたもの。

振り下ろされた短剣を、狩人が直剣でもって防いだのだ。

 

"敵だ"と理解してからは早かった。

狩人は涙を流す女性に最早容赦は出来ないと踏み、直剣を振るう。

自分から歩み寄り、拒絶された。

狩人の声に耳を傾ける事すら無かった。

先手の一撃を貰えば敗れてしまう、それが獣狩りの夜で狩人が学んだものの一つであるのだから、襲われれば後は反撃のみだろう。

 

短剣を無理やり押し返し、弾き飛ばす事で抵抗力を奪う。

それでも女性は止まらない、となればやる事は一つ。

狩人は右手の直剣で既にダメージを負っている首を一閃し、トドメを刺した。

 

「ァァアア……」

「ごめんなさい、せめて安らかに…」

 

か細い断末魔を上げて、女性は倒れ込む。

────が、その体が床に着く事は無かった。

 

「ぇ、あれ…?なんで…」

 

思えばあの傷で生きている訳が無かったのだ。

近付いて来て、そして襲い掛かって来た。

短剣は実在していた筈だ、実在する剣と打ち合ったのだから。

それでも女性の死体となった筈の体は、短剣ごと消滅した。

 

死体の消滅と言うのなら、今までも数度経験はある。

狩人が打ち倒した強敵達は、どれもが死後に体を残す事は無く、まるで煙のように掻き消えてしまった。

 

これもその一種か、と言われれば別だろう。

狩人がその身で感じる遺志による昂りは今までの中でもずっと低いもので、啓蒙が芽生えるような感覚も無い。

つまりは単純に、女性の体は消えてしまっただけなのだ。

 

「………」

 

黙りこくる狩人の耳に、更に啜り泣く声が聞こえる。

周囲から幾つも聞こえるそれによって、狩人はアルフレートの言葉を思い出していた。

 

『かつてローゲリウス師は処刑隊を率い、カインハーストの城で血族を浄化しました。』

 

その言葉通りなら、かつてのこの城、カインハーストで処刑が行われたという事になる。

つまり今狩人の周りで啜り泣いている彼女らは、その首周りを血で汚している彼女らは────

 

「……ゆ、幽霊…?」

「ウゥゥッ……ウゥゥゥ……」

 

狩人の顔がサッと青ざめる。

まるで青ざめた血はその体に通っているのでは無いかという程に蒼白の様子を見せる狩人は、どうやら幽霊の類まで苦手らしい。

記憶を失う前からなのか、それとも失った事によって臆病となったのか。

それはわからないが、少なくとも狩人は。

────少女は、この夜に向いていなかったのだろう。

 

「ひ、ひぃぃぃっ…!」

 

両目に涙を溜める狩人は、それでも先を目指して正面の階段を上って行った。

勿論、常よりも早足で。




少女狩人
名前:不明 性別:女性 年頃:若年(詳細不明)
過去:過酷な運命 カレル獣獣淀
レベル 29
 体力 10
持久力 12
 筋力 20
 技量 15
 血質  5
 神秘 17
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。