・・・気まずい。
「うぅ・・・」
あの後無事に帰れて、ギルドで換金した後、一週間限定の家に帰ってきたが、レフィーヤさんが力の無い声を出して項垂れいた。原因は勿論僕にある。女の子のエルフが異性に抱きつく行為なんて嫌なことだ、マジックアイテムの所為で強制的にとはいえ嫌っているであろう僕にこんなことをしてしまえば、こうなってしまうだろう。兎に角、機嫌を治さねばならない。
「あの、レフィーヤさん」
「・・・何ですか」
レフィーヤさんの棘を感じる声に僕は気をされるが、ここは我慢する。
「一度シャワーを浴びたらどうですか?晩御飯は自分が作りますから」
「あなたに料理なんてできるんですか」
「で、出来ますよ!」
一応これでも簡単な料理は出来る自信がある・・・その為に材料だって買っているのだ。同棲する以上、彼女に任せきりはしたく無いのだ。
「・・・それじゃあ、よろしくお願いします」
「はい、任せてください」
レフィーヤさんはふらふらとしながらシャワー室に入って行った・・・よし、レフィーヤさんを元気付けるように美味しいものを作るぞ!
〜レフィーヤside〜
「ハァ・・・」
あの悲しい事件を引きずってしまった私はベル・クラネルに料理を任すことになってしまった。その事に何故か意気消沈しながらシャワーを浴びる。今日のことを思い出す度に顔が熱くなり、同時に心が踊ってしまったのは、彼には絶対に言えないだろう。そう思いながら、シャワーを浴び終えて、シャワー室から出る。すると良い匂いが鼻を掠めた。部屋に入ってみると、極東の料理をテーブルに並べる彼の姿があった。エプロンをつけているベル・クラネルは少し似合っている。
「あ!レフィーヤさん、ご飯出来上がりましたよ!」
私に気づいたベル・クラネルは顔を破顔させて笑みを浮かべる。ふと料理の方を見ればとても美味しそうだ。しかし、彼にこれ程の料理の腕があるとは思えなかった。
「ベル・クラネル」
「はい?」
「これを全部貴方が?」
「えっとぉ・・・ファミリアに極東出身の命さんから教えてもらった料理なんです」
「へえ・・・」
「早速食べませんか?冷えちゃいますよ?」
「・・・そうですね」
私とベル・クラネルは席について食事を始めた。豚肉は口に入れたら溶けるくらいに柔らかい。あっという間に私はベル・クラネルの食事を完食させた。
「・・・100点中60点でした」
「うっ・・・中々低い・・・」
「明日は私が作りますので、食材の荷物持ちはあなたがやりなさい」
「わ、わかりました」
話終わった後は食器を片付けてシャワーを浴びて歯磨きをして寝る筈だったが・・・
「うっ・・・ううぅ・・・!」
「や、やっぱり僕は床で「いいです」・・・へ?」
「腹は括りました。一緒に寝ましょう」
「な、何を言って・・・うわ!?」
そう言いながら私はベル・クラネルの手を引いてベットに引き込む。何故だろう、心が踊ってしまう。そう思いながら彼に顔を見られないために背中を向ける。
「一緒に寝てもいいですけど、せめて互いに背中を向けて寝ましょう」
「そ、そうですね。お、おやすみなさいです。レフィーヤさん」
「・・・おやすみです」