亡霊殺しのニブルヘイム【練習用】   作:名無しのタラコ

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 これが最後の投稿となるかもしれません。とある方からアドバイスを頂き、もう一度、基礎知識を養いたいと思っております。
 身勝手とは思っておりますが、より良い作品を自分自身が作りたいためなのです。
 ご理解頂けると幸いです。それでは。


第弍章 ・白紙 ・染まる
第弐章 chapter1


 人は、脆い物である。ちょっとした衝撃で何かを忘れたり、ド忘れしたり。人は何故此のように弱々しく進化したのだろう、もう少し丈夫に出来ていても誰も咎めまい。

 こんな下らない考えをする間にも、私は答えをもう一度弾き出す必要があるのだ。絶対に。

 走馬灯を味わい、何らかの答えが出た後、私の体が忽然と何処かへ消えてしまった。

 そして、その衝撃で答えを忘れ、さらには訳の分からない異質な世界に閉じ込められてしまったのだ。

 足下からは、まるで熟れすぎた果実のような不快な感覚が靴越しに伝わる。左右を見渡すと、ドクン、ドクンと脈動する血管が、地面から空まで、蜘蛛の巣のように貼り巡らせれている。

 生暖かい風が体を突き抜け、錆び鉄のような臭いが鼻を突く。

 少なくとも、人の住まう世界ではないとしか分からない。

 多少の抵抗はあったが、その場に腰を降ろし、必死に記憶の棚を探る。お尻から否応なく伝わる感覚に不快感を露にしつつも、脳内ではひっきりなしに記憶の棚が開け放たれる。

 ーー結局、答えは記憶の棚には無かった。最悪だ、少しの手掛かりと言えば、ラプラスと名乗った女がこぼした『天使』という単語のみ、それ以外はからっきしだ。

 もうだめだ、と言わんばかりに地面に大の字になる。すると、チクリ、と首筋に痛みを感じ、起きる。

 

 「血……? 刺されたのかね?」

 痛む部位をつつくと、指にはベットリと赤い液体が付着していた。虫……は、ここにはいないだろう。こんなところにいる虫など、正常な外見を持っているかすら怪しい。

 何となく想像して、止める。気分を害する外見しか思い浮かばないのだ。

 いやいや、首を振り、雑念を振り払う。こんなちんけな想像ごっこをしている暇はない。この暗闇という絶望から、一筋の希望を見つけ、答えを導き出す、それが自分に課せられた使命だ。

 立ち上がり、大きく息を吸い、吐き出す。こんな気味の悪い所には一秒でも速く抜け出したい。そんな思いを胸に抱き、当てもなくさ迷うのだった。

 

 

 

 

 

 ヴェローチカ・グリムが、ラプラスと名乗った女に倒され、しばらくして、二匹の馬に引っ張られた荷馬車が偶然通りかかった。荷馬車に乗った男がヴェローチカを発見し、荷物が乱雑に積まれた比較的綺麗な箱の上にゆっくりと寝かせた。

 たっぷりと無精髭を蓄えた男は、左目の傷に気づき、布で傷口を覆った。

 何刻かしただろうか、ゆっくりとヴェローチカは起き上がり、左目の痛みに顔をしかめる。

 

 「おい、お嬢ちゃん、大丈夫か? 左目をケガしてるみてえだけど……」

 目を覚ましたヴェローチカの前髪を上げ、布の巻かれた左目を心配そうに見つめる。

 

 「ここ、は……?」

 うわ言のように呟く。何処と無く様子がおかしい。 「ここは、って……森の中だろ。ていうか、なんでお嬢ちゃんはこんな所にいたんだ? 何かあったのか……って、その服は西の奴等の服じゃねえか」

 驚いたように目を見開き、こほん、と咳払いをする。

 

 「西の戦線が崩れた、とは聞いたことがあるが……まさか、お嬢ちゃんは西の人間なんじゃねえか?」

 

 「……わから、ない」

 勘弁してくれ、と言わんばかりに溜め息を吐き、男は重い腰をゆっくりと上げる。

 ヴェローチカが見上げると、男は苦笑いをし

 「まあよ、これも何かの縁だ、ヘルウェティアまで送ってくぜ、そこから先は自分で何とかしな。俺はそこまでお人好しじゃねえしな」

 風を切る鞭の音と共に、ゆっくりと加速してゆく荷馬車の中、記憶を失ったヴェローチカの瞳は、ただただ虚空を眺めるのみだった。




 とりあえず、プロットの見直しに訂正、編集を兼ねても、来週ぐらいから更新がスタートすると思っております。 
 なお、プロットの見直しにより、一部設定が変わる恐れがあります。
 恐縮ですが、そのたびは、chapter1からもう一度見てくださると混乱せずにすむでしょう。
 ご面倒をおかけしますが、見ていただけると幸いです。 
 それでは、また来週。
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