東方盗賊伝~幻想入りした元賢者~   作:ときわきゅん

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今回から実験的に多機能フォームを利用して執筆します


賢者の目的と参拝道中

[人里 東門前]

 

「もう、なんでちゃんと反応してくれるのに、始めは無視するのよ。」

 

妹紅の前に現れた、妖怪の賢者八雲紫が、[スキマ]から身を乗り出し話しかける。

 

「お前と関わるとろくな事が無さそうだからだ。ただ…おそらく、ソフィア関連の話だろう?聞きたいことがあってな。」

 

「なるほど。あの銀髪のお姉さんはソフィアという名前なのね。」

 

妹紅は「ちっ」と舌打ちして、次の言葉を続ける。

 

「どうせ、ずっと見ていただろう。話も、おそらくほとんど聞いていたはずだ。」

 

「まぁ、全てでは無いわよ。八雲紫は胡散臭いから気をつけろだの、そんな酷い内容の話は聞いてないわ。」

 

しっかり聞いてるじゃないか、と苦々しく思い、早々にこの場から離れたくなる妹紅だが、ある程度の話を聞いておかねばならないと踏みとどまる。

 

「……アイツを呼んだのはお前だろう?」

 

「あら?なんの事かしら、心当たりが無いわね。」

 

「アイツの転移の話を聞く限り、お前としか思えない。アイツの言う[スキマ]の描写も、今お前が半身乗り出してるソレと一致する。」

 

「まぁいいわ、すっとぼけるのはこれくらいにしましょう。」

 

無駄なやり取りで長くこいつと関わっていたくない、と妹紅はげんなりするが話は続ける。

 

「端的に、アイツを呼んだ理由。目的。言える範囲で構わないから教えてくれ。アレほどの実力者を招き入れて、幻想郷をどうするつもりなんだ?」

 

紫はどこからともなく扇を取り出し、口元を覆いながら胡散臭い笑みを溢し、

 

「能力の実験。そして、幻想郷の活性化ですわ。」

 

「能力の実験?」

 

「そう。詳細は秘匿するけれど、まず彼女を呼べるのかどうか自体が実験。彼女は幻想郷にぴったりの人物です。」

 

「幻想郷にぴったり?アイツは元の世界じゃ名の知れた実力者らしいが……そもそもアイツの居た世界はなんなんだ。」

 

「彼女のいた世界?ふふ、それは……」

 

紫は笑みをこぼしながら、妹紅に耳打つ。

 

「……………なんだって?」

 

「ビックリするでしょう?藍もビックリしていたわ。ふと思い立った事だけど、案外上手く出来てしまうのね。」

 

驚愕する妹紅を他所に、紫はソフィアが去っていった方に目を向け、独りごちる。

 

「願わくば、良き幻想郷ライフを。そして、良い影響を与えて頂戴な。()()()()()()()()()()()()()()、貴女の今後の動向に注視していきましょう。」

 

 

 


 

妹紅と別れ、しばらく歩いていると段々と険しい道に差し掛かり、道もしばらくしてほぼ獣道の様相を呈し始めた。

当然私は旅慣れているのですいすいと進む。が。少し先には引き込まれそうなほど真っ暗な[闇]が広がっていた。

道はその[闇]に続いており、迂回すると迷う恐れがある。

 

ということで。

 

「メラ」

 

指先に火の玉を作り出し、明かりがわりに先へ進むことにする。

しかし、闇の中に足を踏み入れるとそのメラの明かりさえも見えなくなってしまう。指先に熱は感じるので消えてはいないはずだけど……

 

「メラを先へ飛ばしてみましょう。」

 

そういって、火の玉を先へ飛ばすよう念じる。見えはしないが、熱が離れていくのを感じた。

 

すると。

 

「ぐわー熱いー」

 

先からか細い悲鳴(悲鳴と言うには棒読み感?)がした。

すると、闇が消えて、地べたにへたり込む金髪の少女の姿があった。

 

「な、なんだー?ふよふよお昼寝してたら急に熱いのが」

 

最弱とはいえ私の攻撃呪文を受けて服が少し焦げて少しの火傷で済んでいる。そして先の闇。明らかに普通の少女では無いと思いつつ、話しかける。

 

「ごめんなさい。真っ暗だったから、灯りを付けようと火を付けちゃったのよ。私はソフィアよ、貴女はだぁれ?妖怪さん?」

 

少女は「そーなのかー」と間の抜けた納得を示し、ふわっと浮かび上がる。

 

「私はルーミア。ご存知妖怪よ。お姉さんは、食べても良い人類?」

 

少女の━━ルーミアのセリフだけ聞くとぞわっとする内容だが、如何せん態度と声のトーンと見た目で、なんともまぬけな雰囲気だ。が、もしや?かと思い気だけは張って返答する。

 

「いいえ、食べちゃダメな人類ね。」

 

「そーなのかー。仕方ないね、お姉さん強そうだし。」

 

なんて、すぐに矛をおさめた。拍子抜けだ。

 

「ルーミアはこんなところで何を?」

 

「何って、お昼寝してただけだよ。山の奥で闇に包まれてのお昼寝は気持ちいいのよ。」

 

「ここ、神社への参道なんだけど。」

「そーなのかー?うわ、ホントだ。こんな所まで流されちゃったのか。……ところでお姉さんは、博麗神社へのお参り中?」

 

「えぇ、巫女さんに会いに行こうと思って。」

 

そーなのかー。と聞いておいて適当な返事が帰ってくる。口癖なんでしょうね。

なんて、どうでもいい事も考えつつ、初めて見る妖怪を観察する。なるほど確かに、単純に人間に比べて力は強そうだし、さっきの[闇]に関しても、あの空間ではあらゆる光が力を失う。

 

高い身体能力と得体の知れない特殊能力。更には会話まで出来るほどの知性。妖怪の強さの所以はこの辺りにあるのか。

 

と、そこまで考えたところで、ルーミアが大きな欠伸と共に伸びをする。

 

「あぁ、改めてお昼寝邪魔しちゃってごめんなさい。」

 

「ん、いいよ。ちょっと火傷しちゃったけど、あのままだとまた変なところにまで流されちゃってたし。」

 

「そうだ!火傷。ちょっと、負傷部位を見せてくれない?」

 

「ん?なになに?応急処置でもしてくれるの?」

 

そう言ってルーミアに腕を差し出させ、袖を捲らせる。

そして、火傷した箇所から少しだけ離して、手のひらを重ね、そこに自分の魔力を集める。そして、

 

「ホイミ」

 

ルーミアの火傷に向け、回復呪文を放つ。小さな魔力片が小さな光となって傷にまとわりつき、焼けた肌を治していく。

 

「おー。治った。これは能力?いや、魔力を感じたから魔法かな?」

 

「ええ。改めて自己紹介するわ。私は魔法使いソフィア。ちわゆる外来人で、元の土地ではそれなりに名の知れた凄い人。」

 

そーなのかー。と、短い時間で何度も聞いた口癖を吐きながら、ルーミアはまじまじと火傷があった箇所を眺める。

 

「治して貰っちゃったからお礼しないとね。」

 

「いえ、そんな。まぁ、でも1人で退屈だったから、良かったら一緒に神社まで行かない?」

 

「いいよ。お姉さん面白そうだし、一緒に行ってあげる。」

 

 

こうして、退屈しのぎの相手が出来た。

……自分で火傷を負わせて、それを治して。マッチポンプって奴ね、これ。

 

ソフィアは少し罪悪感を抱いた。

 

 

そして。しばらくルーミアと雑談しながら参道を歩き、ようやく、赤い門を見つけた。

 

博麗神社に、到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ようやく神社に着きました。
更新遅い、展開が遅い。もうちょっと色々スムーズにやりたいですね。

ここで少しタイトルの話をするんですけど。
正直あんまり盗賊要素ないよなぁって思ってるんです。
名乗りも「魔法使い」ですし。
ただ、ソフィアさんは、あくまでもこたんから聞いた物から、便宜上わかりやすいように魔法使いと名乗ってるだけです。

タイトルに関しては、賢者にした理由はドラクエ3の大半の呪文を使える便利キャラだし、盗賊の理由は銀髪ボブのお姉さんを主人公にしたかっただけです。
一応、ドラクエ3において賢者→盗賊の転職を踏むのが私のデフォなのでそれを流用したところもありますが……

ドラクエ3の盗賊って、素早いし、MPの伸びも良いので、賢者の転職先としてぴったりだと思うんですよ。
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