東方盗賊伝~幻想入りした元賢者~   作:ときわきゅん

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博麗霊夢

「じゃあ、神社に着いたし私は帰るね。」

 

「あら。一緒に行かないの?」

 

「仮にも、妖怪退治専門の巫女がいる神社に安易に妖怪が立ち入る訳にもいかないでしょ?それに……」

 

と、そこまで言ってルーミアがぶるぶるっと体を震わす。

…トラウマでもあるのかしら?深くは聞かないでおきましょう。

 

「ということで、ソフィアとはここでお別れだなー。」

 

「え、えぇ。分かったわ。またどこかでね。」

 

 

ばいばーい。と無邪気に手を振りながら体を闇で覆い、またふよふよと去っていく。

そうして私は鳥居の前まで階段を上り始めた。

 

「……そういえば、私はどうして神社に向かっていたのかしら?」

 

よくよく考えたら、明確な理由が無い。

妹紅が「迷い込んだ外来人はとりあえず結界の管理元の博麗神社に行く」みたいな事を言ってて、彼女がここまでの道を教えてくれたからなのだけど、私ここの巫女さんに会って何したらいいのかしら。

 

なんて事をぼんやりと考えながら階段を登ってゆき、てっぺんの鳥居をくぐった先の境内に入る。

 

「外には居ないみたいね。」

 

と、辺りを見渡しながら境内を進む。

鳥居から右手に社務所があったので、玄関前に向かい、ノックをしてから声をかけてみる。

 

「すみません。博麗の巫女様はいらっしゃいますか?」

 

と、遠くから「はーい」と声が聞こえて来た。

社務所の中からでは無く、鳥居の先にある本殿の後ろの方から。

 

しばらく待つと、やはりその方角から人影が見えてきた。

 

大きな赤いリボン、赤い巫女服(のような服装)で黒髪の少女である。手には箒を持っており、おそらくは裏で掃除をしていたのかしら?

 

「……貴女が巫女様?お仕事のお邪魔をしてしまってごめんなさい。」

 

「いいのよ、丁度お茶休憩にでもしようと思ってたから。貴女は?参拝客……って感じじゃなさそうね。」

 

「ええ。神社に来ておいて、申し訳ないけれど。私はソフィア。外の世界から迷い込んだ魔法使い。」

 

「あーーー。なるほど。私はこの神社の巫女『博麗霊夢』。そう……外来人ね、ったく面倒な…」

 

なんて、頭を掻きながら怠そうに話す。

 

「着いてきなさい。一応、博麗の巫女だし。話だけは聞いてあげる。落ち葉掃除にも飽きてたし休憩がてらね」

 

彼女はそう言って、社務所の中へと入って行く。

 


 

 

「……で、ソフィアだっけ。貴女は外来人なのよね。あなたの望みは何?」

 

室内に入り、「少し待ってて」と奥に入っていった霊夢が、急須と2つ湯のみ、せんべいを持ってきながら尋ねてくる。

 

「私の望みって言うのは?」

 

「基本的に、幻想郷に迷い込んだ人がその後取る選択肢は2択になるわ。留まるか、帰っていくか。多くの場合は帰る人ばかりだけど、複雑な事情を抱えているような人は留まったりもする。」

「だから、帰るのか残るのか決めなければならないのね。なら答えは決まってる。残るわよ、幻想郷に。」

 

「ふぅん。一応、理由を聞いても?」

 

「私はこの土地について、まだ何も知らない。そして、ここに迷い込んだのも元いた世界で見つけた異質な空間の[スキマ]が、元いた世界への脅威であるか否かを確かめるため。」

 

「……[スキマ]?またアイツなのね……」

 

今度とっちめてやらなくちゃ、などと霊夢が呟いているが、まぁ今は聞き流しましょう。

 

「だから、その。強いて望みを言うのであれば、ここでの暮らしの便宜をはかって貰いたいくらいかしら?」

 

「なるほどね。いいわ、人里の代表者に口聞いといてあげる。ところで貴女、ここに来るまでに誰かと会ったり、知り合いとか出来たりした?」

 

「えぇ。竹林で出会った藤原妹紅という女性に人里まで案内してもらったわ。ここまでの道も教えてくれた。」

「妹紅か。なら、彼女からも代表に話が行くでしょう。私だけが言うよりも、ある程度信用して貰えるはずね。」

 

ここに来てよかった。随分話がトントン拍子に進む。

ルーミアが妙に怖がってたが、今のところそんな気配は感じない。人間と妖怪に対する態度の差なのか、はたまた初見の相手だからまだ緩いのか……、まぁ今気にすることでは無いでしょう。

 

などと考えながら、貰ったお茶を飲み干して。

 

「そうだ巫女様。もう1つ聞いておきたいことがあるんだけど。」

「霊夢でいいわ。それで、質問は?答えられることなら答えてあげる。あ、お茶入れるわ。」

 

「ありがとう。わかった。次からは名前で呼ばせてもらうわ。それで、質問なんだけど。」

 

入れてもらったお茶を一口飲んで、1拍置く。

 

「八雲紫に会いたいわ。どこに行けば会える?」

 

「?なんでその名前を知っているの?」

 

「簡単よ、妹紅に聞いたから。彼女も八雲紫の事を知っているのでしょう?[スキマ]の事を話したら教えてくれた。神出鬼没の大妖怪とも。」

 

「あー、なるほど、そう言われたらそうよね。聞いてるか。」

 

「えぇ、でもどうしたら会えるのかはわからない。だから、同じ結界の管理者たる貴女なら知っているのかもと思って。」

 

「そう……でも残念。知らないわ。妹紅も言ったらしいけど、本当に神出鬼没なの。住処も知らない。いきなり、めんどくさいタイミングで現れるだけよ。」

 

「なるほど……一筋縄じゃいかないわね」

 

手がかりは掴んだ。でも引き寄せるには至らなさそう。

この土地に住むことで、八雲紫に会う機会やアレフガルドに関する話を聞くようなことがあるかも知れない。当面は、大人しくこの土地に慣れることと情報収集に注力しましょう。

 

「まぁ、そういうことなの。紫に関しては会わせられるような事があれば取り計らってあげるわ。ここに住むことに関しては、最初の口利きだけはする。後は人里の代表、上白沢慧音というのだけど、彼女に色々聞きなさい。面倒見はいいから。」

 

「えぇ、何から何までありがとう。」

 

「いいのよ。さ、そうと決まれば人里に行きましょう。このくらいの時間帯なら、多分寺子屋にいるかも」

 

「ついていくわ、世話になるわね。」

 

じゃあ出る準備するから待ってて。そう言って、霊夢はお茶と菓子を片付けて部屋を後にした。

 

「(妹紅、ルーミア、霊夢。結構この土地で顔が効きそうな人達と知り合えたわ。幸先はいいわね)」

 

などと霊夢を待ちながらぼんやりと考える。

 

すると、境内に人の気配を感じとった。参拝客かしら?

足音はこちらの方に向かってきて、社務所の玄関からノックも無しにどかどかと入ってくる。

 

「よー霊夢、邪魔するぜ!境内に居ないから掃除サボってやがるな?………うん?」

 

部屋に入ってきた少女と目が合う。黒い大きなとんがりぼうしを被った金髪の少女だ。手には、何故か箒を持っている。

 

「……あー、はじめまして。」

 

「……あ、あぁ。はじめまして。私は霧雨魔理沙だ、姉ちゃん、何者だ?見たことない面だが」

 

「所謂、外来人?だったかしら。名前はソフィア。魔法使い。以後よろしくお願いします……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




すっごくモチベ低下して投稿めっちゃ遅れました、ごめんなさい。

ところで、博麗神社って社務所あるんでしょうか?一応、外観に関して調べて見たけどなかなかしっくり来なくて、見つけた中で1番気に入ったものに社務所あったから採用したんですけど。
一応この社務所が霊夢さんの住居スペースになると言う設定で、この小説は進ませて貰います。
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