「魔法使い?姉ちゃん、ソフィア?アンタ魔法使いなのか。奇遇だな、私もだぜ。」
「あ、じゃあ貴女が妹紅の言ってた、よくこの神社に入り浸ってる駆け出しの魔法使いさんなのね。」
「妹紅?知り合いなのか。」
「ええ。こっちに来た時一番最初に会って、色々教えてくれたわ。」
「へー。他には私について何か言ってたか?」
「確か、成長著しいとか、突破力があるとか。」
「へへ、照れるぜ。」
などといきなり現れた少女、魔理沙と和んでいると。
「あぁ、誰かと思えば魔理沙か。悪いわね、今私暇じゃないの」
と、霊夢が準備を済ませて戻ってきた。
「あーん?掃除サボっといてよく言うぜ……と、最初は言うつもりだったんだが、取り込み中らしいな。」
「そうよ。見ての通り外来人。色々話をしてたの。」
そう言いながら、顎を少し動かしてこちらを指す。急に話が振られたので、どうも。と一礼だけする。
「おお!そうだそうだ。この姉ちゃん魔法使いらしいな。でも、外来人ってことはもう帰っちゃうのか?勿体ないぜ」
「ううん、帰らないわよ。しばらくは幻想郷に留まるって。」
「ええ、しばらくお世話になるわ。で、魔理沙で良い?勿体ないっていうのは。」
「おいおいいきなり呼び捨てか?大歓迎だぜ。勿体ないってのは、私は魔法修行中だからな、もし私の知らない魔法を使うんなら見てみたいんだぜ。」
「今からソフィアは人里に行くのよ、私と一緒に。暇じゃないのよ」
「いや、魔法ならちょっとだけならいいわよ。」
「ホントか!?」
やったぜー!などと魔理沙が喜ぶ反面、霊夢は面倒くさそうに項垂れている。この2人が仲が良いのはよくわかった。悪友と言ったところかしらね?
そんなことを考えながら、興奮した魔理沙によって境内に連れ出される。
境内の真ん中に連れ出され、魔理沙と向かい合って立つ。霊夢は社務所の縁側に座りのんびりしている。神社壊さないでよー。なんて言いながら。
「さぁ、ソフィア!お前の魔法見せてくれよ!どれほどの使い手なんだ?」
「ふふ、これでも私は元の世界じゃトップクラスの使い手よ。あの世界じゃ、私以上の使い手はもう見ないわね。」
そう自慢げに言いながら、何の呪文を使おうか思案する。
流石に見知らぬ世界。スキマとやらを駆使して神出鬼没を体現する八雲紫の思惑もわからない。安易に手の内を見せることは避けるべきよね。
………各属性の下級呪文で良いかしら?あとはちょっとした便利呪文。
「じゃあ、私の魔法。簡単なものだけどね。最大威力の呪文じゃ、ちょっと周りに与える被害が大きすぎるから。」
と、右手を前に伸ばし、人差し指だけを立てて構える。
魔理沙は「早くしろよー」などと急かしてくるが、まぁ落ち着きなさい。これから見せるから。
「[メラ]」
小さな火の玉を指先に出現させる。その場に留めて、魔理沙によく見えるようにした。
「これは火炎系の下級呪文、メラ。あの世界の魔法使いの基礎中の基礎。どんな魔法使いでも最初に習得し、初めての戦闘を助けてくれる呪文。見ての通り、炎を敵にぶつけて攻撃する呪文ね。」
魔理沙がふむふむと頷きながら観察している。
「なぁソフィア。これはどんな使い手でもこの大きさなのか?」
「いいえ?結構、使い手によってその大きさはまばら。大きくすることもできるし、むしろ膨大な魔力を一点に凝縮して小さくすることもできる。」
そこまで言って大きく胸を張り、
「そして私はあの世界最高の魔法使い。賢者とも呼ばれる魔法の圧倒的実力者。無論!どちらも余裕でできちゃうわ。」
そう言って指先の火の玉の大きさを変化させる。大きく大きく、またはどんどん小さく。
「おー。なるほどだぜ。魔力のコントロールの技術も凄まじいんだな。」
「えぇ。そして、左手をご注目下さいな。」
「左手?」
そう言って、左手も同じように構える。
「[ヒャド]」
呪文を唱え、今度は左手に小さな氷を発現させる。
「これは氷結系の下級呪文、ヒャド。見ての通り、魔力を操作して凍らせるものよ。難易度としては、一応メラよりは難しいわね。」
「……複数の属性の魔法が使えるのか。しかも同時展開。なるほど、実力の程が伺えるぜ。しかもそれぞれ下級なんだろ?もっと上位の凄まじい威力の魔法の引き出しがまだまだある。」
「そういうこと。まぁ、幻想郷の妖怪の実力のレベルがわからないから、ここではどれほど通用するかわからないけどね。」
「ん?幻想郷なら、余程のことがない限り弾幕ごっこで勝負するから、魔法の威力自体はあんまり関係ないんだぜ。」
また知らない単語が出てきたわね。弾幕ごっこ?
「[スペルカードルール]。通称、弾幕ごっこ。この世界における決闘方法よ。ただの殺し合いとは違い、ルールの範囲内で本気で闘う。普通に考えたら人間が妖怪に適うことは滅多にないから、一応。平等で平和的な手段。」
と、説明しながら霊夢がこちらに歩いてくる。
「ソフィアの力は私も見させてもらった。最初は別に、あまり関係ないかなと思って説明しなかったけど。この目で、ただの外来人では無く相応の実力者なのがわかったから教えておくの。」
そう言って私の前に立つと、おもむろに、その長い袖から数枚の御札を取り出した。何?そこ収納なの?
「これがスペルカード。スペルカードルールはその通称の通り、お互いに弾幕を撃ち合い、それを躱し合う勝負。ただ、一応必殺技みたいなものとしてこのスペルカードがあるの。技を出す時はこの札を構えて、技名を宣言する。正々堂々と不意打ちにならないようになってる。」
ちなみにこの御札自体にはなんの効果もないわよ。と付け加える。
「だからまぁ、この白紙の御札を何枚かあげるわ。これから弾幕ごっこを見る機会はいくらでも有るでしょうし、必要になることもあるでしょうから。見て学んで、自分の戦い方を探ってみたらどう?」
そう言って、霊夢が私に御札を渡してくれた。
なるほどね、そういう風に秩序が保たれてるの。
「薄情だな、霊夢。私らで実演して見せたらいいじゃないか。」
「嫌よ、面倒臭い。これから人里に行くって言ってるでしょ。アンタがソフィアの魔法がみたいって言うからちょっとだけ待ってあげたの。」
ほら行くわよ。と霊夢が歩き始めた。
「ん?歩いていくのか?ソフィアも飛べない訳じゃないだろ。魔法使いなんだし。」
「あぁ、それもそうか。じゃあそうしましょう。」
そんなやり取りをして、霊夢がその場でふわっと。魔理沙は箒にまたがって宙に浮いた。
「え、待って。私飛べないわよ?そんなふわっとは。」
「ん?そうなのか?じゃあ歩くか?」
「いえ、まぁ、飛べない訳じゃないわよ。魔力を纏って目的地にだけ向かって飛んで移動する呪文ならあるけど。」
「ほー。それはなんだ?複数人でもできるのか?」
「えぇ、捕まっていれば出来るわよ。」
「じゃあ折角だ。私らも連れてって貰おうぜ。」
と、魔理沙が霊夢に提案する。
「まぁ、いいわ。自分で飛ぶよりは楽そうだし。」
そう言って霊夢と、そして魔理沙が私の傍に寄ってくる。私は2人の腕をそれぞれ片手で掴んだ。
「じゃあ行くわよ。人里の入口でいいわね?」
「おう。」「ええ。」
それじゃあ、また人里に戻りましょう。
「[ルーラ]」
そうして、私は霊夢と魔理沙を連れ、境内から文字通り飛び出した。
地の文が上手く書けない。会話とのバランスを考えたいところです。