アイドルマスターシャイニーカラーズ×ペルソナ5 作:フルーヴ
Morning
「おい、囚人!」
「久しぶりですね、囚人」
「え? どうして二人になっているんだ? ジュスティーヌ、カロリーヌ」
ジュスティーヌとカロリーヌ。夢と現実、精神と物質の狭間の場所であるベルベットルームの住人。冷静だが少し毒舌のジュスティーヌと乱暴で短気なカロリーヌは破滅が待つ囚人こと蓮の更生を手助けしていた。色々あって姿を消していたが……これは一体……?
「なんだ? 珍しいものを見るような目だな。生意気だぞ!」
「身の程をわきまえなさい、囚人」
「……なんとなく察しはついてるが……どうしてここに?」
「ふん! どうやら囚人がプロデューサーというものになったと聞いたからな! ちゃんと更生しているか確認しに来たんだ!」
「といってもカロリーヌは283プロに来るのをずいぶんと楽しみにしていたみたいです。新しいものが何か見れるのではないかと」
「そ、そんなことはないぞ!」
「……遊びに来てくれてありがとう。部屋の中で靴を履いてるのは気になるが……まあいいだろう。俺は仕事中だから、また後で話しかけてくれ」
「お、おい! 我々を無視するのか?!」
「そうです、囚人。何か新しいものを見せなさい」
「……そんなに面白いものはないな。あるとしたら倉庫だが……」
「ほう、案内しろ! 囚人!」
「……その鍵を持ってる人が今いないんだ。だから静かに待っていてくれ」
「ぐぬぬ……」
一方玄関では……
(……さて、事務所に来たのはいいけど……誰がいるのかしら? 玄関に靴は……ないということは来賓はなし……で下駄箱のほうは……外履きはあいつのしかいない。よし……)
黛冬優子。283プロのストレイライトのリーダー。笑顔に強く惹かれたプロデューサーによってスカウトされた。理想の女の子である”ふゆ”を普段は演じているがプロデューサーを含む一部の人間の前でのみ、芯の強い冬優子の姿を見せる。今日は玄関を確認して事務所にプロデューサーしかいないことを知ったようだが……
「あっつ──! なんなのよこの暑さ! ねえ、あんたなにか冷たい飲み物……」
「なんだ?」
「どうやら、この事務所のアイドルらしいですね」
「お、おはよう。冬優子……」
「おはようございます! プロデューサーさん♡」
「おお?? 話し方が変わったぞ?」
「あれがアイドルなのですか? 何やら珍妙な人間ですね」
「お、おい……」
「プロデューサーさん?」
「どうした冬優子?」
冬優子は二人に聞こえないよう蓮の耳元で言った。
「あの子たち誰よ……何で事務所にいるの?! 玄関には靴がなかったんだけど! って土足じゃないっ!」
「……えっと俺の知り合いだが……急に来て少し俺も困惑してるんだ……」
「~~~! とにかく、あの子たちにちゃんと言い聞かせておいて……まったく……ボーカルレッスンの前に事務所でゆっくりしようと思ったのに!」
「……わかった。何とか言っておくよ」
「おい、囚人。その女がアイドルか? さっきと全然雰囲気が違うが」
「あまり解せません」
「も~二人ともかわいいのにそんなこと言っちゃだめだよ~」
「一体どうしたんだ? さっき囚人と話していた時と全然違うじゃないか」
「もしかしたらこの空間には常にマリンカリンが放たれているかもしれません」
「確かにそれなら我々には効かないがただの人間には十分効くな。まさか囚人、お前のペルソナでそんなことをしていたのか?」
「そんなことするわけないだろ……」
「確かに魔力は感じませんね」
「ふむ……どうやら事実のようだな」
「えっと~ふゆ何言ってるかよくわかんないな~」
「だがやはり何か変わってるな」
「どうやら彼女はストレイライトのメンバーのようです。パソコンなるもので確認したとき、そこそこのファンがついていることがわかりました」
「ぱそこん? なんだそれは?」
「囚人、なぜ人間はアイドルに夢中になるのでしょうか?」
「……それはだな、人はみんながみんな強くないからだよ。元気を、希望をもらいたいんだ」
「プロデューサーさん……」
「冬優子のこの笑顔はみんなを元気にすることができる。だからどこもおかしくなんかないよ」
「……ありがと」♪ ☆彡
「そうですか。少し人間についてわかった気がします。黛冬優子、先ほどの無礼を謝罪します」
「ううん! ふゆ全然気にしてないよ~ふゆこそ驚かせてごめんね?」
「おい! さっきからなんだ! ぱそこんとは何なのだ!」
「そうだ、冬優子、今日はボーカルレッスンだったよな? その子たちをレッスン場に連れて行ってはくれないか? 俺は相手できそうにないからさ」
「は、はぁ……」
(はあ?! 何考えてんのあんた!)
「ボーカルレッスン? 面白いのかそれは?」
「何やら聞いたことのない言葉ですね。それではついていくことにしましょう」
「そうと決まったらおい、そこのアイドル! 我々をそのボーカルレッスンとやらに案内しろ!」
「う、うん! でもいい子にしておいてね~」
(ほんっと何なのよ……あいつら……)
冬優子はボーカルレッスン場に双子たちを連れてきた。どうやらトレーナーさんはまだ来ていないみたいだ。
「ここがレッスン場だよ~、ここでふゆたちは歌の練習をしてるんだ~」
「ほう、見たことのないものがたくさんあるぞ! ジュスティーヌ!」
「ええ、カロリーヌ。……このたくさんボタンがついている黒い箱はなんでしょうか?」
「あ! あまり勝手に触っちゃだめだよ! えっとね、これは音を大きくしたり小さくしたりするものなの」
「ほう、じゃあこの丸いのが先っぽについてる棒はなんだ?」
「それはマイクっていうんだよ~。声を大きくしたり録音したりできるの」
(マイクも知らないのこの子達……)
「そうなのですか。試しに何か歌ってみなさい」
「えっと~、もうすぐレッスンであまり喉を使いたくないからちょっとだけだよ~」
発声練習をマイクを通して行った。
「おお! あの黒いブツブツから声が聞こえたぞ!」
「これがマイクですね。では次にカロリーヌ、何か歌ってください」
「私がか?! ううむ。ちょっとマイクをよこせ!」
「え! 乱暴に扱っちゃだめだよ?」
「……あの人の歌でいいか。あ↑──あ↓ーあ↑ーあ↓──……あまり声が聞こえないぞ? 本当に声が出ているのか? 確かこれだったな……」
「あ! そんなに大きくしちゃ……」
「あー……」
『あー!!!!!!』キ──────ン!!!
大音量が流れてしまった。3人とも耳を押さえている。
「ちょっと、何の音?! ふゆちゃん、どうしたの?!」
「いててて……トレーナーさん、ごめんなさい! 少し音量調整を間違っちゃったみたいです~」
「もう……気を付けてね」
「ほら、あなたたちも……あれ?」
「どうしたの? ふゆちゃん?」
「い、いえ何もないです~、じゃあ今日もレッスンよろしくお願いします!」
(あの子たちどこに行ったのかしら……)
▽▽▼
Noon 283プロダクション事務所屋上
「……結構帰ってくるのが遅かったじゃないか。楽しかったか?」
「まだ耳がじんじんする……」
「ええ……音は大きくしてはいけませんね……」
「はは……でもどこか楽しそうだな」
「ふ、ふん」
「カロリーヌはあんな感じですが私は中々楽しめましたよ。一通りボーカルレッスンを見学しましたがなかなか興味深かったです。久しぶりにこの世界に来た価値があったというものです」
「別に楽しんでないとは言ってないぞ!」
「はは、それはよかったよ」
「我々はそろそろ帰るとしよう」
「では囚人、我らは元に戻ります」
「やはり人間の世界はとてもすばらしいです。また会いましょう、トリックスター」
青い服の少女は消えていった。
「ああ、いつでもおいで。どんな姿でも」
▽▽▼
「あ、居た。あんたこんなところにいたの? よくもまあこんなところで……」
「あ、ボーカルレッスンが終わったのか冬優子。おつかれさま」
「どういたしまして……ところであの子たちどこ行ったのよ? 急にいなくなったんだけど」
「ああ、あの子ならもう帰ったよ。とても満足していたよ。ありがとう、冬優子。相変わらず優しいな」
「は、はあ? ふゆが優しいのはいつものことよ!」
「それでもだよ。あの子が満足できたのはまぎれもなく冬優子のおかげだ。やっぱり俺の見込んだ通りだったよ。人が喜ぶことを理解できるのが冬優子の魅力なんだろうな。スカウトしてよかった」
「う、うっさいバカ! よくもまあそんなセリフ真顔で吐けるわね……」♪ ☆彡
(ふゆだって……あんたにスカウトしてもらえて……)
「はは、ごめんごめん」
「……そうだ、あんた今度の休みふゆと一緒の日でしょ? ふゆの買い物に付き合って。今日の子守りのお礼ってことで」
「ああ、わかった。そうしようか」
(よし、楽しく話せたな)
パーフェクトコミュニケーション
親愛度+10
冬優子は蓮を買い物…もといデートに誘いましたが、当日、待ち合わせてすぐあさひと偶然遭遇してしまったため、3人で買い物をすることになりました。蓮はほとんどあさひに注意していたため冬優子は少し不機嫌でした。最終的に蓮があさひを家に送っていく形で解散し、冬優子は一人で帰りました。芹沢あさひぃぃぃぃぃぃ!あさひはすごく楽しかったらしいです、よかったね!